2022年12月21日水曜日

根室市の「令和4年度 総合教育会議」が開催されました

2022年12月21日

根室市の「総合教育会議」が開催され、市長と教育委員会が地域の教育に関する課題や今後の方向性について協議しました。

「根室市の学校教育がめざすところ」を報告
はじめに波岸教育長が根室市の学校教育がめざす内容を説明しました。
根室人の誇りや愛郷心等を学校教育でどのように育むのかを大きな命題に掲げ、学校の使命として、ふるさとキャリア教育やインクルーシブ教育の実現を進めることが重要としています。日常的な授業では、子どもが各自の関心のもと自ら学び、また子ども同士で教え合う等お互いに頼ることの出来る人間関係を築く指導に変えていく必要がある、と言います。
この大きな目標に市全体で到達するためには、それぞれの学校や地域で特色ある学校づくりを進めて行く必要がある、と話していました。

こうした教育の先行的な実践として、花咲港小学校では小規模校の特色を活かして昨年から、3・4年生の国語と算数で学習内容を自分で計画して進めることや、教室のレイアウトも自分たちが学習しやすいように話し合って変えてきたこと。また異年齢集団として、上級生が下級生を教える活動を取り入れた取り組みの様子について校長先生がお話をされていました
子ども達には学習への主体性や意欲の向上がみられたそうです。

2022年12月16日金曜日

2022年 根室市議会 12月定例会議会 意見書案など

2022年12月16日

根室市議会12月定例会議会が最終日を迎え、各常任委員会や予算特別委員会で審議された条例改正案や補正予算案等が全会一致で可決されました

また12月定例会議会で審議、可決された意見書案は次の通りです


2022年 根室市議会 12月定例月議会 補正予算

2022年12月16日

根室市議会12月定例月議会では補正予算審査特別委員会が行われ、そのうち一般会計では、ふるさと応援寄付金に対する返礼品贈呈経費や燃料単価増による影響など、70億4,843万7,000円の補正予算を可決しました。

今回の補正予算の主な内容をご紹介します

【一般会計】

燃料費や光熱水費(電気代)の増額
今回の補正予算分だけですが、ざっくりと一般会計分で足してみると、年度末までに3,789万8,000円もの増額を見込んでいます。
しばらくの間は燃料費、電気代の高騰は続くものと思いますが、果たして今後どのようになっていくのか大変に懸念されます

国際交流事務経費 -314万4,000円 減額
国債姉妹都市のアラスカ州シトカ市に親善調査団として高校生など関係者(5名)を派遣し、今後の姉妹都市としての交流の在り方などについて意見交換を行い、将来的な交流の推進に向けた協議を行うことを目的としていました
はじめに予算化したのは2020年度の時でしたが、新型コロナ感染拡大のため、3年連続で実施が見送られています
来年度こそは実施できる環境になっているでしょうか?

ふるさと納税推進事業経費 25億円 増額
主に返礼品の贈呈経費の増額分です。全国からお寄せ頂いたふるさと応援寄付金ですが、2022年度は当初予算額に加え、6月と10月定例月議会の補正予算と今回の12月補正分(50億円)を合わせて、100億円を各基金に積み立てる予算としました。

歯舞会館整備工事 -1,155万円 減額
屋根などの工事を予定していましたが、着工のため詳しく調査したところ、破損や修繕するべき箇所が増え大規模な工事となる見込みになることが判明しました。そのため工期もさらに伸びることから、今年度の予算は一度減額して、2023年度にあらためて予算化、工事を実施する予定となりました。

(仮称)花咲港ふるさと館整備工事 -2,654万5,000円 減額
工事の入札減です。そのほか工事の財源の内訳として、当初は「浜の活力再生・成長促進交付金(水産業強化支援事業)を想定していましたが、予算枠が継続事業でいっぱいのため、残念ながら事業採択とならず、代わりに北海道の地域づくり総合交付金の事業として採択されました
※水産業強化支援事業 -1億7500万円、地域づくり総合交付金 +8620万円
 入札減 -2,654万5,000円、ふるさと応援寄付金の基金で穴埋め +6,225万5,000円

北方四島交流事業経費 -1,657万3,000円
主に四島交流の人道支援(医療支援)について、今年度も実施できなかったことによるものです
元島民の方々の高齢化も進む中、一刻も早くウクライナ侵略が終了し、北方墓参をはじめとした四島交流の再開が待ち望まれます

ファミリサポート会員数増などによる委託料の増額 +56万円
今年(2022年)9月から根室市ではじめて民間事業者として稼働したファミリーサポートセンター事業について、当初予算では国の補助単価(会員数50人-99人)180万円でスタートしましたが、12/13時点で会員数103名登録となり補助単価200万円への引き上げと、提供会員向けの講習会の実施補助分として24万円があらたに追加されました。
このファミリサポート事業について、橋本は質疑しましたが、平日で一時間800円という利用料単価が高額であり、利用者から一部声も出ていました。しかしこの利用料を引き下げると子どもを預かる提供会員の活動報酬が減額となってしまいます。元々、子どもを預かるという責任のある仕事を近所の助け合いやボランティア的な役割として国が制度化したシステムのため、こうした矛盾がどうしても生じることがあります。
当面の間、国の制度としてひとり親家庭や非課税世帯などへ利用料補助の制度が国の仕組みとしてあるため、そうした制度の活用を図っていくこと。そして将来的には利用料そのものに対して補助制度等の仕組みをぜひ検討して欲しいと求めました
市側は来年度からの実施に向けて事業者側と協議・検討したいと答えています

北海道水産多面的機能協議会負担金 +300万円
今年度に国の「北海道赤潮対策緊急支援事業」が行われ、根室市内でもウニの調査などが実施されています
その後、さらに国の予算が追加配分され、ホタテ漁場の調査等の事業が実施されます(事業の実施主体は根室沖合ホタテ漁場保全会)
来年2月から根室沖でホタテ種苗の生存調査のほか、事前に水質調査や水中ドローン等によるより高度な漁場環境調査などが実施される予定とのことです

旧花咲小学校校舎等解体工事 -3億3,187万円
令和4年度から旧啓雲中学校の校舎に移転した花咲小学校の元校舎ですが、令和4年度中に解体工事を実施する予定でしたが、解体の前段階でアスベスト調査を実施したところ、改築を重ねた古い校舎のため想定外の場所から大量のアスベストが検出されました
そのため次年度にかけてさらに詳細な調査を実施するため、解体工事が延期されました。
今年度当初は解体費として約3億円を予算化していましたが、飛散防止などアスベスト対策のため、今後実際に解体工事する際はさらに高額になるのではないかと想定されています
なお旧校舎に残された卒業制作のレリーフは既に回収保存されたこと、また職員室前の看板については直ぐに取り外すことが難しいため、解体工事の際に回収して保存・活用する考えであることを、須崎和貴議員(会派紬)の質疑に応えていました

市立根室病院の補正予算
収益的収入では、コロナ対応の感染症病床確保促進事業費補助金が追加で+3億4200万7000円が追加になっていますが、医業収益では予算を-7,276万9,000円減額しています
収益的支出では、高額医薬品・新型コロナ検査試薬使用料の増などで+1億529万8,000円、電気料や燃料費、感染性廃棄物の増加、臨床検査件数の増による経費も+4,100万5,000円増加しています
また工事では、市立根室の救急外来の前に救急車両を停め患者さんを搬送するとき、風等をさける庇(屋根)を新たに設置するための調査が行われます
それは良いのですが、正面玄関側では寝たきりや車イスの患者さんを乗せた車両が、後続車の邪魔にならないように屋根の無い奥の方に停車して患者さんを乗降させています。
橋本は予算委員会の質疑でそうした車に乗る方が雨雪が当たらないように屋根等を設置することも検討するよう求めました
さらに正面玄関側は屋根の柱が死角になって横断する患者さん等が見えづらく、より安全性の確保するためミラー等の設置を検討するよう求めました

2022年12月15日木曜日

2022年 根室市議会 12月定例月議会 各常任委員会の議案審査

2022年12月15日

根室市議会12月定例月議会の総務経済常任委員会、文教厚生常任委員会が開催され、各議案が可決されました
主な内容について、一部をご紹介します

コンビニ交付サービスの導入
マイナンバーカードを使って、コンビニ等に設置されているマルチコピー機から、住民票などの各種証明書の取得が可能になります。
道内では27市町で実施されています。
実施時期は未定ですが市は来年度から実施したい考えです。
全国どこのコンビニでも、土日祝日を含め朝6時30分~夜11時まで利用できるそうです。
遠隔地に居住している方や、役所が閉庁している時間帯でも書類がとれるのは時間のない方にとって便利と思います。
なお印鑑証明もコンビニ交付できるようになりましたが、一方で市役所の窓口ではシステム的に従来通り印鑑登録証の提示が必要であり、マイナンバーカードだけでは印鑑証明が出せないそうです。

  • コンビニ交付可能な証明書 ⇒ 住民票の写し/印鑑証明/戸籍謄本・抄本/戸籍の附票/所得課税証明/非課税証明/児童手当用/所得証明

あわせて郵送申請オンラインサービスも導入
住民票等はこれまでも郵送申請で交付出来ましたが、来年度以降は上記の証明書等もコンビニ交付と同様に郵送で交付出来ます。
ただし、同じくマイナンバーカードを使ってスマホの専用アプリからしか申請できない仕組みのようです。支払いはクレカのみです。
こちらはそれほど便利になったと思えませんが、手段が増えることは良いことかなと思います。

市職員の定年延長
地方公務員法の改正により市職員の定年が現在の60歳から来年度から2年に1歳づつ段階的に引き上げられます。
最終的に2031年度には65歳定年になる予定です。
なお管理監督職については60歳以降はそれ以外の職へ降任・転任することとされています。定年延長にによって定年退職が出ない年度も発生する場合がありますが、市はそうした年度でもある程度の必要数を見込んで新規採用を行うとしています。
ところで定年が延長になったといっても60歳以降は現行給与の7割水準にまで減額されます。地方公務員法24条「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない」という従来の考え方に反する変更点で、こうした国のやり方に不満を覚えます。

来年度から「海星学校」へ
海星小学校と海星中学校を統合し、来年度から9年間の一貫教育を行う義務教育学校に変わります。
これまでの学校側や保護者・地域との話し合いのでは、小中一貫教育に対して前向きに受け止められていると市教委は説明していました。
地域から校歌を変えないでほしいとの意見があり、学校名を「海星学校」としています。
9年間を6・3制で分けますが、従来の小6の卒業式と中1の入学式に代えて「前期課程修了式」と「進級式」という子ども達の成長を祝う節目行事を行います。
また職員室についても従来の小学校・中学校で二つに分けて使います。
このように市内の義務教育学校の先行事例である歯舞学園とは運営形態が異なっています。文教厚生常任委員会の審議で委員から「根室市として統一した教育方針で進めるべきではないか」という意見が出されていましたが、市教委は「学校ごとの判断において特色ある教育を推進することを重視した」と説明していました。


2022年12月13日火曜日

2022年 根室市議会 12月定例月議会 代表質問 ②/2

2022年12月13日

根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)

2.介護福祉をめぐる諸課題について
(1)国の2024年度にむけた介護保険制度改定の動向について 

介護保険では、2024年度からはじまる第9期介護保険事業計画に向けた大きな改革案が、厚生労働省社会保障審議会で検討されている。その中で「給付と負担」に関する論点は、介護サービスの利用料2割・3割負担の対象拡大など7点が示されている。これらの改革項目は財務省や経済界からの強い要望により、過去にも論議されてきたが、大きな負担増となるため今までは実施が見送られてきた項目。
最近の報道によるとこのうち、ケアプランの有料化と、要介護1・2の訪問介護・通所介護を地域支援事業へ移行することについて、今回も見送られる方向とされている。
しかしその他の項目についても、国会の法改正を経て実現された場合、被保険者と利用者・家族にとっては大きな負担となり、家庭の経済状況によっては必要な介護サービスが受けられなくなること等を懸念する。
10月に全国老人福祉施設協議会など8団体が「要介護度 1、2 の方への訪問介護、通所介護を総合事業に移行する見直しには反対する」要望書を国に提出。また日本介護支援専門員協会など10団体は「居宅介護支援費、介護予防支援費における現行給付の維持継続」を求める要望書を国に提出。公益社団法人「認知症の人と家族の会」などはインターネットでの活動を中心に「介護保険の負担増に反対します」という署名をすすめている。政府の審議会における改正案の一部見送りはこうした民間団体や国民の批判の声をうけた結果と思う。
社会保障制度は国が策定し、制度運用するもの。しかし国の言いなりのまま制度改悪を容認しては、例え根室市が頑張って、いろんな独自の制度を実施したとしても、土台が崩れてしまえば、市民の生活を守ることはできない。
保険者である市としても被保険者と住民生活を脅かす制度改革について、その内容や動向をしっかりと分析し、国に対して意見を挙げていくことが重要。

【市長 答弁】
国の社会保障審議会介護保険部会で令和6年度の介護保険制度見直しに向けた議論が行われている。65歳以上の介護保険料では高所得者の標準乗率の引き上げについて検討が進められる。一方、介護サービス利用料の負担割合では2割・3割負担の対象者拡大について検討が行われるなど「給付と負担」のあり方に関して来年早期の取りまとめを目指し、協議が行われている。
超高齢化社会に対応した制度改正は持続可能な制度運営のために必要と考えているが、介護サービス利用者のおよそ9割が1割負担であることからも、今後の国の動向に注視するとともに低所得者の負担軽減や必要な財源措置を講じるなど、介護保険財政の健全な育成が図られる制度改正となるよう、全国市長会を通じて国へ要望していく。

(2)介護人材確保対策について

第8期計画の取り組みとして、市と市内事業者の協働による「介護サービス事業者対策協議会」の立ち上げと介護人材確保の取り組みが始まったことは大きな前進。
しかし人材不足の状況は続いており、特に訪問介護などでは新規受け入れが困難な状況も一部あると聞く。また今現在働いている介護従事者側も高齢化が進んでおり、将来的な体制についても大きな懸念。例えば、ある調査では根室管内のケアマネの半分以上が50歳代以上とのこと。
根室市における介護人材確保の取り組みは緒に就いたばかり。これまでの実績を踏まえ、次年度以降、そして第9期計画期間を展望した今後の方向性について、市の見解を伺う。

【市長 答弁】
介護サービス事業者対策協議会で「確保」「定着」「育成」の三つの視点から様々な検討協議を行い、
・資格取得助成金の対象者拡充
・介護従事者紹介パンフレットの作成
・経験年数に応じた奨励金制度の創設
などの取り組みを行った
北海道福祉人材センターと連携し、11月3日に札幌市の福祉で職場説明会に介護事業者との協働による出展を行うなど、市外からの介護人材確保にも着手した
第9期介護保険計画の策定にあたって、こうした取り組みを基本としつつ、介護現場の意見を伺いながら、介護サービス事業者対策協議会で新たな対策について検討・協議を進め、高齢者介護を支える人材の確保に積極的に取り組む。

【再質問】 今後、市として介護サービス事業者協議会などの場でも協議・検討を進めていただきたいテーマについて、何点か質問したい。

①新規就労に対する支援策。
別海町では2019年度から「介護従事者就業支援補助金」という制度を実施。新規就労する介護従事者あるいは復職する有資格者を対象に、1年間継続して就労すると5万円、2年目も5万円、3年目は最後の年だが、10万円が支給される制度。
同様の施策は道内他町にもあり、本別町、足寄町、大空町などにもある。特に大空町の「医療・介護従事者就業支援補助金」は、医療機関・薬局・障害者福祉施設なども含め「継続就業補助金」として年15万円×5年間、さらに転居費用および家賃相当額として1回限りですが20万円を支給するなど手厚い制度を設けている。ぜひこうした新たな取り組みについても研究を深めていただきたい。
根室市にはUIターンがあり、若年者等正規雇用奨励補助金の制度を設けている。市全体の制度を十分に活用し、連携した取り組みを図っていく必要がある。

【市市民福祉部長 答弁】
「就業支援補助金」は道内各地で取り組みが行われている。
当市では昨年度、介護サービス事業者対策協議会において介護現場のご意見を伺い、検討・協議を行い、経験年数に応じた奨励金制度を創設し、運用している。
市として第9期介護保険計画の策定に向けて、新規就業者の補助金など他の自治体の取り組みについて情報収集に努め、新たな人材確保策について検討を進める。

【意見として】 本別町の担当課の方にも伺ったが、5年後に離職してしまうケースがあるそうで、制度の見直しを考えているという話もあった。新規就労と離職対策を含めて対策が必要。

【再質問】 直近の課題としてハローワークを通じた求人が難しい一方で、人材紹介会社の活用が考えられる。しかし、紹介手数料が高額のため、苦慮している。一般的には手数料は、入職者の想定年収2割~3割が相場とされている。年収350万円なら20%の紹介手数料は70万円。医療機関に比べて収益性が低い介護事業所では経営的に厳しい。
先般、訪問入浴サービスの看護師確保対策のため、手数料負担を補助する制度を根室市としても設けたが、これを他の施設に拡大していく必要があるのかどうかを検討できないか。

【市民福祉部長 答弁】
訪問入浴看護師の紹介手数料の補助は、令和4年度の当初予算で新規事業として予算計上したが、現時点では紹介事業者からマッチングの情報提供がなく、看護師の確保に苦慮している現状にある。
こうした状況を踏まえ、対象施設の拡充は今後の介護現場の状況を見極め検討したい。

【再質問】 ③外国人の介護人材確保対策についてどうするか、市としても真剣に考える時期に来ている。
介護事業所は受け入れるための財政的な基盤が弱いことと、技能実習や特定技能などの場合は期間が限定されていることなどの課題はある。
H31年度から特定技能の制度が導入されて来年は5年目になる。今後は介護福祉士国家試験の受験者、そしてきちんと国家資格を取得され、在留資格の介護をとる方も増えてくると思う。全国的にも介護分野での、受け入れ実績や成果、あるいは逆に課題がどういった点なのかについて、それぞれの知見が蓄積されてきていると思う。
そういった地域や施設の状況を実際に学びながら、根室市の地域としても、その実現可能性について、やはり市全体として、本格的に研究を進めて行く必要があると思います。

【市民福祉部長 答弁】
外国人の介護従事者の受入れについては、一部の介護事業者において、特定技能などの制度を活用した受入れについて、具体的に検討が進められている。
住居の確保など、財政的な負担が大きく、また職場でのOJTに時間がかかり、通常業務のと外国人の教育で負担が増すといった介護職側の慎重なご意見もある。
こうした状況から今後、介護事業者と連携し、既に外国人従事者を受け入れている地域へ視察を行うとともに介護サービス事業者対策協議会で、事業者の意見も伺いながら、早期に、外国人従事者の受入れが実現できるよう検討を進めたい。

【意見として】
技能実習生の方々もコロナで大変な状況であり、特定技能で来られる方も本国の経済状況も大きく変わってきて、かつ円安の中で情勢は変化しており、それに対応して制度も今後変わっていくこともあると思う。
選ばれる地域にしていかければならず、そのためにどのように対応していくのか、長く地域にいてもらえるような環境づくりについて検討していく必要がある。

2022年 根室市議会 12月定例月議会 代表質問 ①/2

2022年12月13日

根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします

1.根室市の水道事業会計および水道料金等における今後の諸課題について
(1)水道事業会計の今後の経営状況について 

根室市の水道事業は2019年度(平成31年度)から水道料金の引き上げを実施。
1981年以来の料金改定で、当時の考え方として、次の料金改定まであまり長い期間を空けることなく、2023年度までの5か年を目安に再検討することを想定。
2021年度の水道事業会計の決算は単年度収支が約3,118万円の黒字だが、決算審査特別委員会では、今後の長期試算で2024年度(令和6年度)に単年度資金不足額が生じ、2029年度(令和11年度)には内部留保資金がマイナスとなることが示された。
2019年度の料金改定時に示された収支計画時点と比較して、現時点の水道事業会計の経営状況をどのように評価されているのか。

【市長 答弁】
人口減少や市中経済の低迷により給水収益が減少し、水道施設の老朽化対策などに伴う費用の増加で単年度収支が図れず、内部留保資金が枯渇する見込みであったことから、平成31年4月から算定期間が令和5年度までの5年間に平均改定率21.5%の料金改定が必要として収支計画を策定。
この収支計画では、料金改定に伴い単年度収支が黒字となり、令和5年度末の内部留保資金が9千万円となる試算だったが、収支計画に比べ給水収益の増収や維管理持費が減額となり、令和4年度末の内部留保資金が約2億6千万円となる見込み。
経営状況は収支計画に比べ内部留保資金は確保できているものの、維持管理費や減価償却費等の固定費が増加しており、令和6年度以降は単年度収支が赤字となる厳しい見通し。
人口減少に対応した適切な投資や効果・効率的な事業運営に努めなければならない。

【再質問】 水道施設の老朽化対策としての建設改良事業について、今後も計画的に更新を進めていくため、一定規模の予算を確保していくことが必要。約4億円程度を毎年度維持する方針。その場合、
H29年度 企業債残高 50億29百万円 償還額 2億91百万円
→ R03年度 企業債残高 51億43百万円 償還額 3億17百万円
と、徐々に増加しているように見える。企業債の償還や残高の将来的な見通しは?

【建設水道部長 答弁】
建設改良費の計画は、平成29年に策定した「上水道施設整備計画基本方針」に基づき、施設の重要度、緊急度、老朽度を総合的に検討・評価して整備を進めることとし、その整備費用は年間約4億19百万円を基本としている。
この建設改良費の財源は、基本的に国庫補助金および企業債を活用し、建設費負担の平準化を図っている。企業債残高は、今年度末で約52億円になる見込。
将来の見通しは、経営戦略の令和14年度までの財政収支試算で、企業債償還額は令和5年度の約3億79百万円をピークに3億円程度まで減少する一方で、企業債残高は54億6千万円となる見込み。仮に毎年4億円の企業債の借入れを続けた場合、令和17年度には償還額が増加に転じ、企業債残高、償還額ともに増加を続けると推計。

【意見として】 低金利だが将来的には徐々に残高が増えていく。政府の金融政策が変更になってきたときはまた状況が変わっていく。

【再質問】 国庫補助について、水道管の老朽施設の更新費用は、その全てを受益者負担で賄うのは大変な(厳しい)状態であり、限界がある。国の補助のあり方が重要に。
これまでも補助制度の拡充が大きな課題とされていたが、その後の状況はどうか?

【建設水道部長 答弁】
人口減少に伴い料金収入が減少する中、老朽化した配水管や浄水施設の更新を続けるための財源確保が課題。
国庫補助金について北海道を通じ情報収集を進め、令和4年度は、生活基盤施設耐震化交付金のうち、水道施設等耐震化事業の補助金が交付されることとなった。
補助制度の拡充は、生活基盤施設耐震化交付金が創設された平成27年度以降大きな変更が無く、さらなる財政措置の拡充、補助対象の拡大や補助率の嵩上げなどを、全国市長会や日本水道協会を通じて、国や道などに対し要望しているところ。

【再質問】 今後の料金についてどのようにしていくのか。
R3年3月の「経営戦略」では、「令和6年度から料金改定の必要性等について検討」「令和8年度から料金改定に向けた検討を進める」となっている。
R6年度より単年度収支不足となる大きな要因は、給水収益の減収だけでなく、一般会計からの約4,000万円の水道料金補助金の減と、これまで繰り返し説明されていました。
水道料金補助金は市長の政策的な判断によるものであり、料金改定を検討する場合に、あわせてこの取り扱いをどうするか十分な検討が必要。
元々、根室市の水道料金は地形的な要因等から他の地域と比較して高いとされている。また、市民生活や市中経済への影響、長期的な施設更新にかかる負担増を考慮すれば、一般会計からの水道料金補助金は必要であり、継続するべきと考えます。
少なくとも次期料金改定を実施する時点までは現状の水準を維持し、2024年度(令和6年度)以降の繰り入れ分を含めた中で再度、長期試算の見直しを図り、料金改定のあり方について議論するための資料とするべき。

【市長 答弁】
平成31年の料金改定は、水道事業として収支均衡を図るために21.5%の改定率が必要と推計しつつも、市民負担の軽減を考慮して平均改定率を14.8%に。
その軽減額の約4千万円については、平成31年度から令和5年度までの5年間を基本として、一般会計が負担する判断をした。
水道事業は地方公営企業法の適用により受益者負担の原則にそった独立採算制を基本に、水道料金を主たる財源として経営するものとされていることから、まずは、引き続き収入確保や経費節減などの自助努力を前提とした料金算定の試算を行い、そのうえで地域経済の状況などを踏まえ、一般会計の負担について判断したい。

【意見として】 料金収入をH31年度から5年間を21.5%UPする試算をしたが、料金改定で14.8%と市補助金で6.7%という財源内訳に。R6年度以降の長期試算は、14.8%分しか見込まれず、6.7%分が落ちてしまえば、当然赤字になる。その状態で長期試算を出すことが適切なのか疑問がある。
R5年度で2.4億円の内部留保資金の見込みと示されたが、将来的な投資に充てる資金だが、R6年度から(赤字のために、その内部留保資金を)先食いする状態になる。
今の計算方法では市民の理解を得るのは難しいのではないかと危惧をしている。あらためて、考え方を整理して、検討してほしい。

(2)低所得者等に対する水道料金等の減免について 

根室市「水道事業給水条例」に基づき、経済的事情によって料金の減免が必要と認められる方に対する水道料金の減免が実施されてきた。これまでの減免実績は決して多いとは言えないが、この制度は全国的にも例の少ない優れた取り組みと認識している。
また2019年度の水道料金改定とあわせて、低所得者世帯への減免の範囲が拡大されてきたが、この間の取り組み実績に対する市長の評価を伺う。

【市長 答弁】
平成30年6月定例月議会で、水道料金の改定にあたり減免対象の拡大などの必要な措置を求める付帯決議を受け、減免範囲を生活保護基準の1.1倍まで拡大し、減免率を15%とした。
減免の認定実績は、令和元年度が延べ12件、2年度が延べ55件、3年度が延べ60件。料金改定に伴う値上げ分の負担軽減となったものの、認定件数が当初予測より下回ったことから、制度周知や手続きなどに課題が残ったものと考えている。

【再質問】 減免対象の拡大分について「実施期間は平成35年度までの5か年とする」とされている。R6年度以降どうするのか。
当時、減免対象を拡大した背景として平均改定率14.8%に対応させて減免率を15%としたことや、減免拡大分は水道料金のみを対象にして下水道使用料は対象とならなかった等から、主に料金引き上げに対する激変緩和的な意味合いが強かった。
しかし実際問題として減免率15%(しかも水道料金のみ)では、月額で数百円程度の減額にしかならず、本当に生活に困窮した世帯に対する支援策としては不十分な水準です。
料金改定から5か年を経過し、現在の水道料金体系が浸透してきた時点を一つの区切りとして、あらためて福祉施策として「この制度がどうあるべきか?」について見直す必要がある。
具体的に言えば、減免対象を就学援助の準要保護を見習って生活保護基準の1.5倍まで拡大すること。また減免率を一律50%まで引き上げること。下水道使用料の減免制度も水道料金と統一すること等を求める。
対象となる全ての世帯を全て(網羅して)拾い上げて適応させる制度だと思っていない。しかし、いざ生活に困った人が相談に来た時に、支援策として使っていただけるような制度なっていくのが良い。社会福祉協議会や市の社会援護の担当課、料金徴収を担当する委託業者等と十分な連携を図り、有効な支援対策の一つとなるように、内容のさらなる充実を図るべき。

【市長 答弁】
本市における低所得者に対する水道料金等の減免は、基本的な基準を生活保護法に基づく「最低生活費認定額」を超えない世帯を対象としている。
収入認定額の拡大は、使用者間の公平性なども考慮する必要があり、料金改定に伴う軽減措置として実施した本制度の拡大は難しいと考えている。
なお全道各市の減免制度等の情報収集を進め、これらの内容を調査研究し、低所得者等への減免制度の拡大の必要性について、福祉施策としてどうあるべきか、引き続き検討したい。

2022年12月6日火曜日

2022年 根室市議会12月定例月議会 日程・一般質問の項目

根室市議会の12月定例月議会は12月13日(火)~16日(金)の日程で開催されます
今回は6人が一般質問を行います。

12月定例月議会の日程

12月13日(火)10時~本会議
 一般質問(4名) 橋本 →鈴木議員 →足立議員 →須崎議員

12月14日(水)10時~本会議
 一般質問(2名) 中村議員 →本田議員

12月15日(木)
 10時~総務経済常任委員会
 14時~文教厚生常任委員会

12月16日(金)
 10時~補正予算審査特別委員会
 17時~本会議
 各議案などの採決
 意見書案の採決

一般質問の項目

橋本 竜一 13日(火)1番目

1.根室市の水道事業会計および水道料金等における今後の諸課題について
(1) 水道事業会計の今後の経営状況について
(2) 低所得者等に対する水道料金等の減免について

2.介護福祉をめぐる諸問題について
(1) 国の2024年度にむけた介護保険制度改定の動向について
(2) 介護人材確保対策について

鈴木 一彦 議員 13日(火)2番目

1.財政問題について
(1) 当市の新年度予算について
(2) 今後の財政見通しについて

2.領土問題について
(1) 岸田首相の領土問題に対する政治姿勢について
(2) 日ロ関係が厳しい状況にある今、やるべき課題について

3.各種検定受験者に対する助成について





2022年12月1日木曜日

北方領土返還要求中央アピール行進

2022年12月1日

都心で「北方領土」問題を全国民に発信し、国民の関心や世論を盛り上げようと、「北方領土を返せ」などと呼びかけながら、元島民をはじめとして全国の返還運動関係者がアピール行進を行いました。
北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協)が主催し、今回で15回目の開催。コロナ禍で3年ぶりに実施され、主催者発表で約500名が参加とされています。

日比谷大音楽堂での出発式で、北隣協会長の石垣雅敏根室市長が「ロシアのウクライナ侵攻によりこれまで積み上げられてきた平和条約交渉の中断、北方四島交流・自由訪問の一方的な停止、北方墓参も見送りを余儀なくされている。取り巻く環境は厳しさを増しており、元島民には自分の境遇と重ね合わせ心を痛めているかたも多く、一刻も早い和平を願う。事態の長期化は北方領土問題が置き去りにされ、関心が薄れることを懸念する。これまでどんな時代でも北方領土問題の解決に命をかけて取り組んだ多くの先人たちがいる。明けない夜は絶対にない。この時だからこそ今を生かされている私たちの責務として、その思いをさらに大きく、強靭にしなければならない。外交を推進する力は国民世論。15回目となってしまったアピール行進は、この厳しいときだからこそ長きにわたり返還運動に命をかけ取り組んできた先達の思いも込め、北方領土問題の前進に向けた志をさらに高く掲げ、全国民が一丸となって政府の外交交渉を後押しするために、力強く行進し、私たちの熱い思いを発信しよう」とあいさつしました
また元島民代表の決意表明として河田弘登志副理事長は「島を負われてから77年。海の向こうに見える近くて遠い故郷が、一日も早く変えることを望み、今日まで政府外交交渉の下支えとして返還要求運動を続けてきた。しかし故郷はいまだに還らず、自由に行くことも出来ない。望郷の念もかなわず他界した多くの同胞たちの墓前に吉報を伝えるその日まで返還要求運動の火を消すことなく邁進する。この無念の思いを希望に変え、みなさんとともに北方領土問題の早期解決の声を上げ、力強く行進する」と決意表明しました。

アピール行進で参加者はいつものハチマキやタスキの代わりに、ロゴマークの入ったマスクをし、「北方領土を返せ!」などメッセージのはいった旗を掲げ、中1.6㎞の道のりを歩きながら「北方領土返還要求運動に参加しよう!」などコールして、道行く人々へのアピールを行いました

※1945年12月1日は、当時の安藤石典根室町長がGHQマッカーサー元帥に対し、ソ連軍に武力占領された「歯舞村ゴヨマイ諸島」並びに「南千島諸島(色丹を含む)」を「米軍の保障占領下」とするよう求める陳情書を提出した日で、「返還要求運動はじまりの日」として位置付けられている。
「北方領土返還要求中央アピール行動」は領土問題解決の進展が見られない中、国民世論喚起高揚を図るため2007年から毎年12月1日実施されている。アピール行進と同日に内閣総理大臣など関係機関への要請活動が行われる。コロナ禍で2020年、2021年はアピール行進は行われていないが、その間も首相への要請は行われていた。




2022年11月24日木曜日

2022年 根室市議会 11月緊急議会

2022年11月24日

根室市議会11月緊急議会が開催され、2022年8月に「人事院勧告」に基づき職員給与等を改定する条例改正とそれに伴う補正予算、また北斗小学校の外壁などを緊急的に補修する経費の補正予算を可決しました
内容について、もう少し報告いたします

人事院勧告にもとづく、職員給与等の改定
若年世代を中心に給与の号棒表の改定を行い、根室市の場合、一般行政職では平均改定率0.348%、平均改定額1,057円の引き上げとなっています

なお、これまで国の特別給の改定は、引き上げるときは勤勉手当で、引き下げる時は期末手当で調整されてきました
その方針に従うと、勤勉手当が支給されていない会計年度任用職員のボーナスは、下がる一方で上がることがないという矛盾を抱え、この立場で働く職員の方々の生活に大きな影響を与えてきました
国の非常勤職員には勤勉手当が支給されているにも関わらず、現行の地方自治法や地方公務員法ではパートタイム会計年度任用職員には支給できないとされているそうです。
またフルタイム会計年度任用職員については法律上は支給することが出来ますが、総務省の通知によって、ほとんどの自治体で支給がされていないそうです。
ただし今後、国の方では法改正も含めて改善が検討がされているとの情報もあります。
勤勉手当が支給される場合、会計年度任用職員に対する人事評価をどのように実施するのかという課題はありますが。

いずれにしても今回の根室市の条例改正および補正予算では、会計年度任用職員についても、期末手当で0.1か月を引き上げすることとなりました
会計年度任用職員の分だけ抜き出すと、一般会計と特別会計(国保、介護)、企業会計(港湾、病院)あわせて580万5,000円の増額になりますが、私たち日本共産党の会派も議会でこの問題について繰り返し述べてきましたので、市の対応としては一定評価が出来ます

学校管理費 803万円
北斗小学校外壁等補修工事 631万4,000円
浸水対策を目的に緊急的な措置として、外壁等のシーリング、屋上のウレタン吹付を行います
この間、文教厚生常任委員会の学校視察を踏まえ、議会でも論議されてきたことにより、市としても緊急的な対策をとったものです
ただ雨漏りは実際問題、どこからの浸水なのか原因が不明な場合が多く、今回の措置についても、実際のところ工事をしてみなければ、どれくらい効果が上がるのか、やってみないと分からない部分もあるとは思います。場合によっては今後、大規模な工事が必要になることも考えられます

石綿含有調査委託料 171万6,000円
今後の学校施設のあり方に関する検討につなげるため北斗小学校の校舎のアスベスト含有調査を実施します。
北斗小学校は昭和39年に建築された校舎ですが、その後改築など進められており、どこの部分の建材にどの程度アスベストが使用されているのかを調査するそうです。外壁14検体、廊下や床タイルを7検体、天井タイル8検体 計29検体を調査。
この結果を踏まえ、今後さらに詳細な調査が必要となることも想定されます
11月24日 根室市卓越技能者・中小企業勤労者永年勤続表彰式


2022年11月22日火曜日

飯田三郎資料展示室 総合文化会館へ  11/26から移転リニューアルオープン!

2022年11月22日

根室市は「飯田三郎資料展示室」を図書館から総合文化会館に移転、リニューアルオープンしました。
11月26日に開催されるオープンセレモニーに先立って、内覧会が開催されました。

根室市出身の作曲家「飯田三郎資料展示室」はこれまで図書館の2階に設置されていましたが、人目に付きにくい場所であり、飯田氏の功績を広く伝えるためにも文化の発信拠点である総合文化会館に設置するべきと、本田俊治議員(市民クラブ)は市議会で繰り返し訴えていました。
そうした論議を経て市は今年度の当初予算に約1106万円を計上し、文化会館内の旧喫茶店跡へ移転する工事等に着手。
飯田三郎生誕110周年記念事業として11月26日に記念音楽会を開催し、それと合わせて新たな資料展示室のオープンセレモニーが同日10時から行われます。

新たな展示室内の壁や天井、イスなどは黒と赤を基調とした色合に統一され、狭いながらも落ち着いた雰囲気です。飯田氏の功績をたたえるパネルや当時のレコード盤、また飯田氏が使用していたカメラや指揮棒、ピアノ等も展示されていました。
新たに設置された大型モニターでは当時の映像を放映しているほか、楽曲を試聴できるコーナーも機材やコンテンツが更新されています。

入館料は無料。開館時間は午前9時~午後7時まで。ただしイベント等がある場合はそれに合わせて開館時間を延長することもあるそうです。定休日は総合文化会館と同じく毎月第1月曜日となっています。





2022年11月8日火曜日

2022年 根室市議会 10月定例月議会 意見書案など

2022年11月8日

根室市議会10月定例月議会を開催し、根室市の各事業会計・特別会計の2021年度の剰余金の処分および決算について全会一致または賛成多数で可決されました
11月3日 根室市文化賞・文化奨励賞贈呈式

この他、10月定例月議会で審議された「意見書案」については、
『国土強靭化に資する道路の整備等に関する意見書』が全会一致で可決されました。
また『道教委「これからの学校づくりに関する指針」を抜本的に見直し全ての子どもにゆたかな学びを保障する高校教育を求める意見書』と、日本共産党根室市議団が提出した『世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の霊感商法などによる被害者を救済するとともに、政治との癒着を究明することを求める意見書』が賛成多数で可決されました。
なお、この他に日本共産党市議団が提出した『急激な物価高騰からくらしと営業を守る緊急の経済対策を求める意見書』『高齢者の医療費窓口負担の2割化を中止し、「原則1割」に戻すことを求める意見書』『政府の「難民」認定を国際水準まで高め、支援強化を求める意見書』『防衛費を対GDP2%以上に大幅増額することに反対する意見書』については、残念ながら反対多数のため議会運営委員会で取り下げになりました


2022年11月5日土曜日

花咲港地区で「地震・津波防災訓練」が行われました

2022年11月5日

根室市の花咲港地区で「根室市地震・津波防災訓練」が実施されました。
内閣府・北海道・根室市の主催で根室警察署など各関係機関も関わり、花咲港地区の自主防災組織など地域住民の方々が約50名ほど参加されました。
花咲港では平成24年から避難訓練を続けているそうですが、今年は11月5日の「津波防災の日」「世界津波の日」に合わせて津波避難訓練が行われました。
ちなみに筆者は部外者ですが、須崎和樹議員(会派 紬)から「地域でこんな取り組みがあるよ」というお話を伺って、こっそりと見学させていただきました。

9時30分、発災合図のサイレンが鳴ると住民の方々は各自その場で身の安全を守る行動をとります。
その後、住民の皆さんは避難所の花咲港小学校まで歩いて向かいます。
参加された方は「下の第二町会からだけど、ここまで9分で着いたよ~」「あら、あんた足速いね」と楽しそうに感想を話し合っていました。
会場の花咲港小学校では、避難所設営訓練として避難者の受付から、ダンボールベッドの組み立てが行われました。ダンボールベッドは組み立てが難しいタイプだったようで、「これどうなってるんだ?」と頭をひねりながら、協力して作業していました。



興味深かったのは民間企業が開発したスマホアプリで津波の避難状況をリアルタイムで把握して、データ解析をするシステムの実証実験が同時に行われた点です。
アプリ登録した住民の位置情報が、花咲港小学校の体育館に設置された大型モニターに刻々と表示されます。
それにより人々が今どのルートを通って避難しているのか。どこの道路が渋滞しているのか。また避難所以外に人が集積しているような地点があるのか。その場から一目で状況を確認することが出来ます。
システム開発した企業の方によると、避難訓練として実験を行った自治体は根室市が初めてとのことです。今回の実験でアプリ登録に参加した住民はあまり多くなかったようですが、今後さらに開発が進めば、効果的なツールとなることが期待されます。
このほか大学教授の方々が防災に関する講演をされました。
その中で札幌市職員の早川直喜氏は、防災に関係した地域づくりや地区防災計画の策定の重要性について、自身の経験談を交えながらお話されていました。

最後に炊き出し訓練として、地域の方々が朝早くから準備した秋味汁を大変おいしく頂きました。

あらためて自分たちの住んでいる地域では何をしていくべきを考える貴重な体験になりました。ありがとうございました。

2022年10月28日金曜日

2022年 根室市議会 10月定例月議会 補正予算

2022年10月28日

根室市議会10月定例月議会では補正予算審査特別委員会が行われ、そのうち一般会計では、ふるさと応援寄付金に対する返礼品贈呈経費や北海道赤潮対策緊急支援事業にもとづく市町村負担金など、49億5860万2000円、そして国の住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付など3億1,415万円の補正予算を全会一致で可決しました。
今回の補正予算の主な内容をご紹介します

【一般会計】
ふるさと納税推進事業経費 12億5,000万円
主に返礼品の贈呈経費の増額分です。全国からお寄せ頂いたふるさと応援寄付金ですが、2022年度は当初予算額に加え、6月定例月議会の補正予算と今回の10月補正分を合わせて50億円が基金に積み立てられています。
また逆に基金からの事業費として活用した分は2022年度に63億1,990万3,000円で、現時点の年度末残高見込みは119億4,972万3,178円になっています。
今年度の寄付金の受け入れ状況は受け入れ件数が約13万9,000件、受け入れ金額約25億100万円と現時点では近年と同水準で推移しているそうです(10/12時点)。
なお根室市では『地方創世の推進等に関する基金管理方針』【2021年3月改定】で2021年度(令和3年度)~2024年度(令和6年度)までの4年間で500億円、年間125億円づつ積み立てる目標額を定めています。現時点で4年間の積立目標額500億円に対して約3割の到達状況、また将来に備えて2024年度末(令和6年度末)の基金残高の目標200億円に対して約6割となっており、市担当課によると概ね方針通りに推移している評価とのことです。

各種基金の積み立て 35億8,037万8,000円
前年度の繰越金の各種基金への積み立て:財政調整基金 5億6,000万円/減債基金 2億円/備荒資金組合の超過納付金 1億円/廃棄物処理施設建設基金 2億円 ほか
上記のふるさと応援指定寄付金等の13基金への積立 25億円
2021年度一般会計の決算では実質収支額が約11億1,392万円になっており、その1/2を財政調整基金に積み立てています。2021年度末で15億8240万円に対して、令和4年度予算ベースで19億1800万円ほど見込まれます。
※地方財政法(剰余金):第七条 地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち二分の一を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌翌年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の償還の財源に充てなければならない。
減災金は令和3年度末で7億1,100万円。令和4年度予算ベースで9億1,100万円。
備考資金組合の超過納付金は根室市は平成14年度のピーク時14億円を積立ていたが、その後の財政状況の悪化により取り崩し、平成21年度以降は2億円後半の水準で推移していた。令和3年度末で3億円で令和4年度予算ベースで4億200万円の見込み。
※北海道市町村備考資金組合:組合市町村が、隣保相扶の精神に則り、災害による減収を補填し、又は災害応急復旧事業その他災害に伴う費用に充てるための積立金に関する事務を共同で処理することを通じて、相互の福利増進と財政運営の健全化を図ることを目的としています。普通納付金:災害が発生した時に応急復旧費用や減収補填、その他災害に伴う費用に充てるために積立。根室市は2021年度末の現在高1億2800万円の2倍以内を活用することができる。超過納付金:普通納付金を補うための災害備蓄として納付し、災害に強いまちづくりにも活用することが出来る。
根室市はこの3つの基金の合計額は令和3年度末で25億9,300万円。令和4年度予算ベースで32億3,100万円が見込まれます。
また廃棄物処理施設建設基金は今回の2億円積み立てで計3億円になります。

感染症対策事業経費 493万3,000円
職員用として市庁舎に配備する感染対策資機材の購入経費。抗原検査キット2,000個、グローブなど

感染症拡大防止対策事業経費 3,916万円
濃厚接触者や感染の疑いのある市民に配布する抗原定性検査キット4万個を追加購入する経費(月平均配布数約6000個×7か月分)。今年度は4月から8月までに約3万キット配布。

国営土地建設改良施設維持管理事業経費
※債務負担行為として次年度(2023年度)に1,703万1,000円を支出予定
太陽光発電自動出力制御装置設置に対する工事経費。国営環境型かんぱい排水事業によって肥培施設の整備が進められているが、その肥培施設の維持管理費の負担軽減のために、太陽光発電施設を設置してきた。北電から電力需給のバランスが崩れた際に出力を制御する装置を設置するよう求められたものです。肥培施設は現時点で25か所設置予定で、うち太陽光発電施設は5か所に設置されています
ただ現在は半導体等の資材調達が困難なため、今年度に発注し、実際の工事を次年度に実施するために債務負担行為としています

春国岱原生野鳥公園管理運営経費 180万円
ネイチャーセンター館内照明のLED化工事。フライウェイ・サイト保全活動支援事業の助成決定によるもの

水産業振興経費 3,202万2,000円
昨年9月に発生した赤潮被害に対して国が前年度補正予算で15億円で計上した「北海道赤潮対策緊急支援事業」について、各地元の漁業者による活動組織の取り組みに対して、北海道水産多面的機能発揮対策協議会を通じて実施される事業(環境・生態系保全緊急対策事業)の市町村負担分
漁業者による活動組織は根室市では7組織があり、赤潮によりへい死したウニ殻の除去・処分やウニ種苗放流が5月から実施されて、ウニ殻の除去などはすでに完了しているそうです。また調査資材(ウニ種苗)の放流による漁場環境把握は12月まで実施する予定となっており、その後来年3月まで種苗の生存調査が行われます
また赤潮対策の今後については、被害をうけた資源回復までには複数年かかるため、8/4に道と関係自治体や漁業者は国に対して、赤潮発生前の漁業生産に回復されるよう継続的な支援を要望しています。
※政府の令和4年度補正予算案(第2号)で北海道赤潮対策緊急支援事業として15億円が計上されています

商工業振興経費 121万円
見取町商店街振興組合の街路灯LED化に係る経費

市営住宅整備事業経費 430万円
社会資本整備総合交付金の追加配分により、2023年度(令和5年度)に解体を予定していた6棟24戸のうち、今年度予算で光洋団地47棟(1棟4戸)の解体工事を前出しして実施。

根室港港湾整備事業経費 1,100万円
※また債務負担行為として次年度(2023年度)に工事費として3億2,200万円を支出予定
2022年度の当初予算で実施設計が計上されていた根室港区北地区背後地船置場整備工事ですが、根室漁協組合が運営している船揚げ場の施設ですが、現在の「軌道走行による固定稼働型船台方式」の施設からクルマによる移動の方式(牽引走行による自在稼働型船台方式)に変えるため、レールの撤去や背後地をコンクリートやアスファルト舗装の平坦な用地に整備する工事。これまでの施設だと海中部分のレール等の設備が流氷などで破損が多くあったそうです。また現在の方式だと多くの人員配置や作業時間を要し、引き揚げや移動の安全のために機械操作にも熟練の技術を必要で、作業員の人材確保の点で将来的な課題を抱えていました。こうしたことから、
斜路部分は国の直轄事業の範囲ですが、別な直轄事業とあわせて予算配分(1億円)が認められたため、市の管理である背後地についてもあわせて今年度に工事を着手
背後地の敷地面積は約7,270㎡を各10,780㎡に1.5倍ほどに拡充し、これにともない漁船の収納隻数も現在の125隻程度から135隻に拡大。また路盤の耐重性が大幅に強化され、これまでよりも大型の船も利用可能になる。


教育振興研究経費 322万6,000円
花咲港小学校と光洋中学校に特別支援教育支援員2名を年度途中に追加で配置。
花咲港小学校では教員数が昨年度から減少し、教育的支援が必要な児童への対応が困難となり、学校からの要望で4月から配置されている。児童数の減少にともない養護教諭と事務職の減のため学校の先生方の負担が増えているそうです。
また光洋中学校は啓雲中学校との統合により環境変化などから生徒指導案件が増加していたそうです。そのため6月から人員体制の強化が図られました。

歴史と自然の資料館管理運営経費 1,056万7,000円
資料館の壁や床などの老朽化が進んでいるが今回、国のアイヌ施策推進交付金が追加になったため、次年度に予定していた資料館の整備計画を前出しして実施
うち北方資料展示レイアウト(656万7,000円)として大型展示ケースによりアイヌ衣服等の民具の展示やチャシ跡の映像展示を進めるため液晶ディスプレイの設置、
また展示室の補修工事(399万6,000円)として現在は老朽化のため閉鎖しているスペースの床・壁・サッシなど改修を実施
国に提案されている根室市のアイヌ政策推進交付金事業計画(2020年度~2024年度)として資料館の改修や資料の展示にかかわる部分、チャシ跡群の活用事業などが盛り込まれており、資料館の改修では2023年度に予定していた事業を前倒ししたことで、今回で完了となります。チャシ跡群の映像制作や北構氏の発掘資料の保存処理など実施が計画されています。
その他、北構氏の資料はオホーツク文化を中心として膨大な量があり、今後そうした資料の保存方法や保管場所などについては、今後も検討課題となるものと思います

予備費 2,000万円
新型コロナウイルス感染症関連対策に備えた予備費

【水道事業会計】、
桂木浄水場運転管理等業務委託
令和4年度~令和9年度の委託、入札にむけた債務負担行為。6年間の限度額6億8,205万5,000円。現在の契約から年間あたり約1,100万円の増額になるが、主に労務単価が12%ほど上昇しているが、作業内容の一部見直しもあり全体としては+6.9%増。
根室市の水道施設は、桂木浄水場と市内3か所の水源地のポンプ場、納沙布や温根元の配水池ポンプ場、農業用水施設の第1ポンプ場、配水池等について包括的な管理委託を行っています。これまで市の技術系職員は退職や高齢化、技術の継承などの人材確保の困難さのため、民間企業のノウハウを活用した包括的な委託管理を平成30年度から実施してきました。

【下水道事業会計】
下水終末処理場他運転等業務委託
下水終末処理場、汚水ポンプ場、雨水ポンプ場等について、令和4年度~令和9年度の委託、入札にむけた債務負担行為。6年間の限度額13億312万5,000円。現在の契約から年間あたり約4,700万円の増額になるが、同じく主に労務単価の増によるもの。

【一般会計】(の後から追加された分)
原油価格・物価高騰緊急対策事業経費 2,032万7,000円
灯油購入費の助成経費(福祉灯油)。市民税非課税世帯のうち75歳以上のいる高齢者世帯、障害者世帯、ひとり親世帯、生活保護世帯に対して1万円分の灯油券を支給する(生活保護世帯は5,000円)。
あわせて市内で社会福祉施設等(入所・入居の施設)を運営する法人に対して、入所者等ひとりあたり5,000円を支給する。
10月時点の灯油価格は123円/リットルとなっています。

価格高騰緊急支援給付金給付費事業経費 2億347万1,000円
国の総合経済対策に伴う住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付支給経費
※詳細は下記の根室市のホームページへ

水道会計支出金、農業用水会計繰出金 あわせて8,730万2,000円
物価高騰等による経済的負担を軽減するため、水道料金(と農業用水)の基本料を減免する。
現在、10月~12月まで家事用の水道料金基本料金を免除していたが、これを2023年3月検針分まで延長する。また官公庁を除くその他の用途区分も含めて全ての水道料金の基本料金を減免する。

2022年 根室市議会 10月定例月議会 各常任委員会の議案審査

2022年10月27日

根室市議会10月定例月議会の総務経済常任委員会、文教厚生常任委員会が開催され、以下の議案がそれぞれ可決されました

根室市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について
「地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律」および「人事院規則(職員の育児休業等)の一部を改正する人事院規則」が10月1日から施行され、市の関係する条例が改正されました

※人事院の資料(常勤職員)(非常勤職員

ただ・・・とてつもなく複雑な制度の内容です
市職員のみなさんに十分にご理解いただいた上で、ぜひ有効に活用して下さるよう望みます

根室市議会議員及び根室市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について
選挙カーの借り入れ金額やガソリン代、ポスターやビラの作成に対する公費負担を、全国平均に合わせて引き上げています

根室市手数料条例の一部改正について
住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律」が施行されたことにより、市の手数料条例の関係する内容を新たに創設しています
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会のホームページ

重度心身障碍者及びひとり親家庭等医療費の助成に関する条例の一部改正について
10月1日から後期高齢者の医療費窓口負担が一定所得以上の方が2割負担に引き上げられましたが、重度心身障碍者医療助成制度の対象者は1割負担が継続されます
根室市では23名の方が該当します。その部分は北海道と市町村が負担します

農業生産資材高騰対策を求める請願
道東あさひ農業協同組合より西田議員を紹介議員として、上記請願が提出されました
審議を付託された総務経済常任委員会では紹介議員に対して、「具体的にどのような対策を求められているのか分からない」「請願の体を成していない」等のかなり厳しい意見や質疑が繰り返されていましたが、最終的には賛成多数で願意妥当として可決されています




2022年10月25日火曜日

2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ⑥/6

2022年10月25日
根室市議会10月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)

8.平和に関する諸問題について
(1)非核平和都市宣言を活かした取り組みの推進について 
① 根室市における基本的な考え方と計画的な取り組みの推進について
根室市では平成23年に「非核平和都市宣言」を行い、これまで原爆パネル展や60周年等の根室空襲展、また市民団体と協働し平和祈念の碑の建立などの事業が行われてきましたが、これらの取り組みは基本的に単発的な事業として行われています。
私たちは根室空襲で甚大な被害を被った地域として、また領土問題を抱える地域としても、あの悲惨な戦争を実際に体験した方々が少なくなっていく中で、平和な社会を未来に後世に引き継ぐため、非核平和都市宣言に基づく施策展開について、市としての基本的な考え方をもち、年間を通じて計画的に推進していく必要があると考えます。見解を伺います。

【市長 答弁】 根室市は、市民が安心して暮らせるまちづくりの基本は平和にあるとの考えから、平成23年に非核平和都市宣言を行い、平和市長会議に加盟した。平成27年には根室市平和祈念の碑」を鳴海公園敷地内に建立した。
平成29年に高校生平和学習として歴史教育や根室空襲の講義を始めたほか、市政ウォッチングで「平和を考える戦跡めぐり」を開催するなど平和に関する啓発活動に取り組んできた。
今後まずはコロナ禍の影響により停滞しているこれらの啓発事業の活性化を目指し、ウクライナ問題や北朝鮮による弾道ミサイル等により平和や非核の言葉が注目されている現状を、あらためて平和への思いを市民とともに強く願う一つの機会と捉え、効果的な取り組みについて検討したい。

② 戦争遺産に対する市行政の基本的な考え方について 
根室市では、戦時中に旧日本軍が構築したトーチカや塹壕跡、飛行場跡や掩体壕などいわゆる「戦争遺産」と呼ぶべき史跡が残されている。旧海軍の施設が市教育委員会の施設として活用されている他、これまで開発行為を逃れて現存している史跡もあるが、その他まだ十分な調査がなされていない遺構等も残されていると伺っている。
しかしその多くは80年近い歳月の中で自然劣化が進み、あるいは再生可能エネルギー関連施設の開発行為等により、いずれ無くなってしまうものと思う。これまでも神忠志元議員が繰り返し議会で議論してきたが、この戦争遺産に対して調査・研究を進め、あるいは可能であれば何らかの形で保全する方策が無いのか検討すること。そして戦争遺産が伝える当時の「記憶」をどのような形で市民の学びに活用し、後世に引き継いでいくのか、ということ。これらに対して市として基本的な考え方をしっかりと定めることを求める。

【市長 答弁】 根室市は昭和20年7月、2日間にわたる大空襲により多くの命が奪われ、市街地の8割を焼失する大きな被害を受けたところだが、先人の尊い犠牲とたゆまぬ努力により復興を遂げ、今日があることを私たちは決して忘れてはならない。
戦後80年近くの歳月が流れ、戦争や空襲の記憶が薄れていく中で、残された戦争遺産は劣化が進んでいるが、昨年、新たに昆布盛地区でトーチカが確認された。戦争の時事を後世に伝えていく上で、これらの史跡の保存は重要であると再認識した。他市の事例等を調査研究し、教育委員会とも連携しながら方向性について検討を進めたい。

(2)「土地利用規制法」について 
いわゆる「土地利用規制法」が今年9月に全面施行された。日本共産党としてはこれまで国民を監視し、財産権など権利を制約する恐れのあるこの法律に対して廃止を求めてきた。
内閣府は10月11日に同法に基づく注視区域、特別注視区域の指定(案)の第1弾を公表し、根室市内では根室分屯基地周辺、牧之内訓練場周辺および歯舞沖の島が区域案とされた。
重要施設の周囲おおむね1000メートルの区域などが指定されるため、この案によると光洋町・昭和町をはじめ多くの住宅地が該当。指定案に対して自治体側の意見も求められているが、あらためてこのように注視区域等に指定されることで、地域の住民に対してどのような影響が生じると考えられるのか。
あわせて自治体として政府に対して、住民へ直接説明を行うよう求めるべきと考える。

【市長 答弁】 「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」は国民生活の基盤並びに領海等の保全及び安全保障に寄与するため、自衛隊や海上保安庁等の重要施設や国境離島等の機能を阻害することを防止するためのもの。これまで欠けていた安全保障上の脅威への対応として必要なものとして認識している。
市民は法に基づく注視区域の指定に伴い、施設機能を阻害する行為に是正勧告や命令がされるほか、特別注視区域に指定された場合は200㎡以上の土地・建物の売買等の際に、国への事前届け出が必要となるが、日常生活や通常の社会・経済活動に支障をきたすものではないと考えている。
区域指定は今後、国と関係行政機関の長との協議や国の土地等利用状況審議会における審議を経て告示される。
なお、住民や所有者に対する説明は、国が窓口(コールセンター)を開設し、直接対応することとされている。

【再質問】 答弁された「日常生活や通常の社会・経済活動に支障をきたすものではない」の根拠について、国が住民に対して、わかりやすく明確な説明をするべき。地元自治体として国に説明責任を果たさせることが重要。国の相談窓口(コールセンター)を開設する話は初めて聞いたが、自治体として市民周知を図っていく必要がある。国防は国の専権事項だが、正確な情報を得ながら、国民が情報を基に自らの考えで判断をして、個々人が対応していくことが重要。国の基本方針では「最終的な注視区域の指定は」「あらかじめ、関係行政機関の長に協議する」としている。市として今後どのような対応をしていくのか。

【総務部長 答弁】 国が策定した基本方針では区域指定や届け出制度の周知は一義的には内閣府が行うものとされている。国が相談窓口(コールセンター)を開設して直接説明をする。届け出制度の該当者は特別注視区域に土地や建物を所有している方であり、市内の在留者に限らない。あるいは個人情報保護の兼ね合いもあり、国ではコールセンターを設置して直接、個別相談に対応していく。
関係する地方公共団体から地理的な情報や開発計画などの情報について意見徴収する。関係行政機関との協議は、自衛隊や海上保安部などを所管する省庁との行うもの。
区域指定については国から告示される予定が、その決定を待って市は広報誌の掲載やリーフレットの配布などの市民周知を図っていきたい。

【意見として】 まずは「今何がおこなわれようとしているのか」「どういったことが変わっていこうとしているのか」。影響があるのか無いのかを含め、地元情報として分析をしながら、必要な場合には国に対してモノ申していくことも求められる。

2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ⑤/6

2022年10月25日
根室市議会10月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(つづき)

5.教育・文化について
(1)老朽化する学校施設の整備について 
① 市内の小・中学校施設の現状に対する市長の認識について
先般、市議会文教厚生常任委員会で市内のいくつかの小学校等を視察した。各学校も老朽化する中、雨漏り、電気設備の不備、壁の亀裂、教室や廊下の床の痛み、トイレの洋式化がされていない等、大きな修繕が必要な学校施設がいくつも確認できた。
市内の学校施設の現状について市長としてどのように認識しているか。

【市長 答弁】 市内において昭和40年代以前に建設された学校施設が現在も使用されており、これまで耐震化や改修に伴う工事などにより長寿命化に努めてきた。
しかし現状においては老朽化がさらに拡大している施設が存在し、これらの施設の中には学校生活などへ影響を及ぼしている状況が状況がある。
私は市長就任以来、教育委員会と連携しながら、これまでの修繕予算に加え、学校施設の維持補修に特化した「1,000万円」の予算を計上し、学校施設の機能維持や安全性の確保に努めてきた。
教育環境の悪化は直接、子ども達に影響を与えるものであり、早期の改修が必要と認められる場合には最大限、迅速に対応しなければならない。

② 学校教育施設の整備・修繕等に関する市長の考えについて
教育予算について令和2年度から学校修繕費の上乗せなどの対応がされたことにより、以前に比べて学校修繕の前進が図られた。しかし残念ながら先般の視察した中では、現状の水準でもまだ厳しいというのが実情ではないかと捉えている。あらためて石垣市政の2期目4年を通じて学校施設の整備に対して十分な予算の拡充を図っていくことについて見解を伺う。
また今回の市長選の公約では、北斗小学校などの課題にも触れられていた。根室市公共施設総合管理計画では第2期(令和7~16年度)に新築・改築とされている。しかし視察した北斗小学校では、先ほど述べた雨漏りなど校舎の全体的な痛みのみならず、雨が降った後に急にブレーカーが落ちる場合もあるなど、子ども達が学ぶ場として大きな影響が生じており、今のスケジュールでは遅すぎると危惧している。この問題への見解もあわせて伺う。

【市長 答弁】 所信表明で教育予算の確保を掲げ、子ども達の教育環境のさらなる充実を図っていく考えを示したところ。現在は教育委員会が最優先事項としている落石中学校の耐震化のための移転新築に向けた実施設計の策定を後押ししている。
一方、施設の老朽化等によって子ども達の学校生活に影響を及ぼしている状況の改善については迅速な対応が必要。
この度、文教厚生常任委員会が市内小学校の視察を行い、その状況についても報告を受けたことから、私自身、雨の日の北斗小学校を訪問し、雨漏りの状況などを確認してきた。
北斗小学校については、現在教育委員会において将来の姿を見据えた協議を進めていると報告を受けているが、このような現状を放置しておくことは出来ないと改めて認識をしたところであり、早急に対応策等についての検討を進める。


6.防災・減災対策について
(1)災害時の避難行動要支援者の対策について 
北海道の深刻な被害想定が示される中、市として「(仮称)津波防災地域づくり推進計画」の策定に向けて取り組みが進められている。一方で避難行動要支援者への個別計画の策定は十分に進んでいない現状にある。
また福祉避難所は、各介護施設が指定を受けているほか、福祉交流館では備品の整備と倉庫の設置、またそれら活用した避難所設営訓練などもされてきた。しかし実際に要支援者が安全に避難所生活を送るために、どのようにそれらの施設を活用することができるのか。また市内の各介護施設などに指定されている福祉避難所の役割がどのように整理されているのか。
さらに、これまでも答弁では避難支援のための個別計画は「順次進めて行く」とされてきたが、なかなか進まない状況であり、福祉事業者を含め現状の課題を整理し明らかにするため、この災害対応の問題を正面に据えて、全体的な協議を図る必要がある。

【市長 答弁】 福祉避難所は主として車いすを利用している方やひとりで移動することが出来ない高齢者など一般の避難所生活が困難な方のために被災の状況や避難生活中の健康状態の変化などに留意し、必要に応じて開設を行い、活用を図るものと位置付けている。
特別養護老人ホーム等の介護施設は施設の定員枠の範囲内において避難者を受け入れていただくとしており、災害の状況によって長期の避難が必要な場合にはご家族や支援者などが介助者として強力を頂くことも必要と考えている。
要配慮者の避難支援にあたって、よりきめ細やかな対応が図られるよう民生委員、町内会、自主防災組織等との連携をいっそう強化し、居宅介護支援事業所や障害者相談支援事業所など、地域に根差した幅広い団体にも協力を呼びかけながら、個別計画の策定を順次進め、地域ぐるみでの避難支援体制の構築に取り組む。

7.領土問題について
(1)隣接地域振興対策について 
現在、北海道では2023年度(令和5年度)からの「第9期 北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画」について策定作業を進めている。それにむけた「今後の方向性」の一つとして北海道は、「高い施策効果が見込まれる取り組みに対して、(北方基金等の)助成の優先配分を検討する」としている。これについて道庁の担当課は「基金は限りのある財源であり、優先的に(事業を選択して)充てざるを得ない」と話していた。
しかしこれまでも振興計画に基づく一市四町の事業の一部にしか北方基金等の財源は充当されておらず、第9期計画では、第8期計画までのあり方からどういった点で前進させようとしているのか見えない。地域振興に資する事業の実施にあたり現状では十分な財源配分となっておらず、その抜本的な拡充を求めることについて市の見解を伺う。
あわせて所信表明では「北特法」の改正について触れられていまたが、例えば従来から北隣協等が国に要望していた「一括交付金の制度化」等については北特法の改正により対応できるものなのか、疑問がある。隣接地域の抜本的な振興対策の確立のために市としての基本的な考え方について伺う。

【市長 答弁】 平成31年の改正北特法の施行で、北方基金の原資が活用可能となり、地域振興に資する事業の財源は増額となったが、隣接地域が求める十分な財源対策に至っていない状況。
北特法に基づく隣接地域の振興と住民生活の安定を図るための内政措置の充実・強化、さらには新たな交付金などによる重点的な振興対策の推進が必要。
新たな交付金の制度化については、改正北特法の附則(※)において規定されていることから、隣接地域の安定的な財源措置が図られる交付金制度の創設に向け、北海道や4町とも連携しながら引き続き、協議・検討していく。
※政府は、この法律による改正後の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の施行の状況を勘案し、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定を図るための交付金に関する制度整備その他必要な財政上の措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。



2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ④/6

2022年10月25日

根室市議会10月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(つづき)

4.子育て支援・医療・福祉の充実について
(3)地域医療等の推進について
① 市立根室病院の医療活動等について
(ア)在宅医療の取り組み状況について
医療費削減を目的としたいわゆる「地域医療構想」の是非は別にしても、病床削減と病床機能分化はそもそも受け皿となる在宅医療の体制整備が十分なされなければ成立せず、また今後も高齢化のさらなる進展により在宅医療に対する地域のニーズはますます高まる。
しかし市立根室病院新改革プラン(実施状況・評価調書)によると、訪問診療の件数は令和2年度まで大幅な減少傾向となっており、病院財政再建対策特別委員会から充実を求める意見が記載されている。あらためて令和3年度の実績および令和4年度のこれまでの状況と、市立根室病院の医療活動として在宅医療の推進がどのように位置づけられているのか。

【市長 答弁】 市立根室病院では訪問診療を平成21年度からはじめ、令和3年度では25名・訪問回数185回。令和4年度は9月までで15名・訪問回数54回。今後、高齢化の進行に伴う需要の増加が見込まれる。
当市では医療・介護従事者などの多職種による「根室市在宅医療介護連携推進協議会」を組織しており、在宅医療と介護の在り方について情報共有を行っている。
今後においても医療機関との連携を図り、地域において患者さんが安心して自宅で医療を受けられる環境の構築に努める。

【再質問】 訪問診療の件数(回数)で一番多かったのは平成29年度に482回。令和3年度で185回。令和4年度は半年で54回に。訪問診療の件数や回数が減少している状況について院内でどのように評価しているのか?
【病院事務長 答弁】 市立病院では、医師が通院が困難と判断した場合に訪問診療として対応している。患者様の容体やニーズ、診療体制の状況に応じて件数の増減が生じる。今後においても院内関係者において情報を共有していきたい。

【意見として】 今の説明では不十分と思う。平成30年7月に新病院改革プランを策定し、そのときに設定した目標値が令和2年度では520回としているが、結果として298回。患者さんの状況や医師・看護師などの体制など様々な要因もあるのかもしれない。目標設定に対して到達点がどうだったのかという評価をしながら、市立病院は地域医療の中でどのような役割を果たすのかと、院内議論をしてほしい。大変だが病院事務局はこうした経営戦略を打ち立てる役割を担っている。

(イ)市立根室病院における産後ケアの実施について
市立根室病院で分娩が停止されていた期間より助産師外来がはじまり、令和2年度からは根室市の助成事業である「乳房ケア」の受け入れ先機関として取り組んできた。出産後の母子のケアに関して、これまでの市立根室病院における取り組みについての内容および評価を伺う。
また根室市では産前・産後から子育ての期間を通じた切れ目ない支援を進めて行くための重要な要素のひとつとして、今年度から産後ケアのうち日帰り型・宿泊型の事業に対する助成が開始。今後についても特に育児不安を抱える母子にとってより利用しやすい環境づくり、その一つとして出来るだけ身近な場所に、相談しやすい医療機関等において産後ケアが実施できることが望ましい。
市立根室病院ではこれまで助産師等の体制確保に苦慮されてきたが、あらためてこうした取り組みの重要性について院内で議論を進め、実施にむけた検討を図っていただきたい。

【市長 答弁】 ケア事業として現在は助産師2名体制で外来診療や分娩への対応を行いながら、乳房マッサージや授乳相談など、年間のべ100件を超える対応をするなど、産後の不安を抱えた母親の支援に努めている。
市立病院では平成29年に経産婦の分娩を約10年ぶりに再会したところだが、依然として助産師不足など、産婦人科体制は課題を抱えており、初産の受け入れ対応もできていない。
市としては宿泊型・日帰り型ケア事業については現行の市外医療機関への委託を継続し、私立病院での実施については、今後の職員体制などに応じて院内で検討したい。

【意見として】 体制が整ったら産後ケアなどを検討したいという趣旨の答弁だったが、では「何人体制だったら新たな取り組みができるのか?」産後ケアの施設基準は常勤で1名配置が必要。ケアの実施者は助産師でも看護師でも保育士でも良いが、常勤で助産師が1名配置されていることが必要。その場合、病棟も外来も日勤・夜勤体制に影響をおよぼすではないかと想像は出来る。具体的に病院の中で、どのくらいの体制があって、どういう仕組みだったら、産後ケアができるのかを今の段階から検討してほしい。

(ウ)市立根室病院の職員と地域住民との懇談等の場について
市立根室病院の基本理念として「市民に愛される病院」、「心の支えとなる病院」であることが掲げられている。それは確かな知見・技術に裏打ちされた医療活動への信頼、患者さんやご家族に寄り添ったケアの実践、また好感をもたれる接遇等について、今後も継続的に向上させ続け、培われていくものと考える。
同時に、職員が「市立病院スタッフの立場」で地域に出かけ、市民といろいろな場面で話し合いするような機会を持つことで、市民・患者さんとのこれまで以上に顔の見える関係、相互の信頼関係をさらに高めていくことが必要ではないか。具体的には過去、当時の院長先生が各地域での懇談会を何度か開催するなどの取り組みをおこなったこともあったが、医師に限らず様々な職種の方々が地域に出て、病気や健康づくりのことを話す、病院での仕事の様子を紹介するなど様々な取り組みが考えられる。この間、感染リスクから職員がそのような形で多様な方々と接触する機会は出来るだけ控えることが必要だったが、一定の状況を判断しながら今後、そうした活動を広げていくことについて見解を伺う。

【市長 答弁】 市立病院では平成26、27年度に当時の東浦先生や医療従事者・保健師が市内において住民の皆さんへの疾病予防に関する懇談会を地域へ出向き開催した経過があり、41町会に参加いただいた。
その後は常勤医師などによる市民向け公開講座や地域医療講演、また院内において医療従事者による来院者向けのミニ公開講座を定期的に開催してきたが、新型コロナウイルス感染症の流行にともない、これらの活動は現在中止を余儀なくされている。
今後の講演会等の実施に関しては新型コロナの状況を見ながら、院内において検討したい。


②コロナ禍等における保健予防活動の推進について
根室市はこれまでの経過から見ても特定健診やがん検診などの受診率が大変に低い状況が続いてきた。その上、感染拡大が急激に広がった時期では集団検診等の延期や中止、あるいは市内医療機関での健康診断の制限などの影響も受けてきた。今後は引き続き感染拡大の影響を考慮しつつも同時に、市民への啓発周知のあり方の創意工夫と市内市外の医療機関をはじめ関係団体と連携しながら、市民の健康をまもる取り組みを前進させていかなければならない。
さらに小児の予防接種では市内医療機関の閉院による影響があるのかどうか含め、適齢期を迎える子ども達のいる家庭のニーズを十分に把握しながら、より利用しやすい受診機会の確保対策等も必要に応じて検討していく必要がある。
あらためて市として今後の保健予防活動の推進のため、特にどういった点に留意しながら取り組んでいくのか。

【市長 答弁】 令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、各種健診や予防接種については中止等を余儀なくされ、受診控え等により受診率及び接種率は低下。
本年2月に市内の小児医療機関が閉院したことで予防接種を含めた受診は市立病院小児科に集中しているが接種及び診療への対応を滞りなくなされている。
市民への啓発周知については検診の大切さが一目でわかるような情報集約を行うなど効果的な受診勧奨を検討し、医師会などの医療機関と意見交換を行いながら、受診機会の確保に努める。

【再質問】 市立根室病院の診療体制上、予防接種は実施できる曜日や受付できる時間帯が限られる。仕事をもっている家庭の場合、かならずしも受診できるとは限らない。受診しやすい環境整備にあたって、今後市外の医療機関などの連携も必要かもしれない。保健師などによる聞き取りやアンケート調査など対象世帯のニーズや声をしっかりと聴きながら、今後の対策につなげてほしい。

【市民福祉部長 答弁】 市立根室病院で実施している各種予防接種では、外来診療等の関係から現在、火曜日から木曜日の午後に実施している。接種条件が限られているが、小児医療機関の閉院により市内医療機関でも無理をいただきながら、小児の診察や予防接種などに協力いただいている状況。
家庭には様々な条件や負担を考慮しても市内での受信を希望する方が多いと考えている。子どもの受診しやすい環境整備には医師会をはじめとする地域の医療関係団体との協力が不可欠。まずは市内でどのような体制の構築ができるか、医師会及び市立根室病院と協議を重ねていきたい。

【意見として】 予防接種では健康被害への対応など身近なところで出来るのが何よりというのはその通りと思う。そのうえで、それが出来ないケースがあると思う。実態の声を拾い上げてほしい。可能な形で、受診しやすい取り組みを進めてほしい。

③行政、医療機関はじめ関係団体、市民が一体となって地域医療全体を考える場の創出について
これまで北海道の根室保健医療福祉圏域連携推進会議(および根室圏域地域医療構想調整会議)は、地域医療の将来をどうするかということよりも、基本的に状況の報告や国や道の方針を説明する会議となっているように私には思える。実際に市内の医療機関などの現状と課題がどうなっているのか、また市民がどのような医療体制への期待や不安を抱えているのか等、市民の医療へのニーズの把握や地域における保健・医療と介護・福祉との連携等に関する課題について、行政や医療機関はじめ関係団体そして市民が一体となって論議を深めることは重要。
これまで市長も答弁されてきた根室市における独自の「地域医療構想」は、コロナ対応を優先しなければならなかったため、どこまで進捗しているのかわからないが、一定の到達目標をそこに置きながらも、感染対策が一定の見通しが立った段階で、まずそれぞれの立場から「地域医療全体を考える場」を作っていくことから、はじめるべきではないか。

【市長 答弁】 北海道の地域医療構想は新型コロナウイルス感染症への対応を優先し議論が進んでおらず、また感染拡大時の病床の機能分化、連携等も踏まえた検証見直しが国から求められている。
当市の独自の地域医療構想も新型コロナウイルス感染症により事務作業を中断しているが、人口減少や少子高齢化の進行により医療ニーズの多様化や担い手確保などの環境は年々厳しさをましてきており、将来を見据えた医療・介護など地域全体を含めた環境整備が必要。
今年度はインフルエンザとの同時流行も懸念されるなど依然厳しい状況だが、感染状況を見極めながら医師会からも意見をいただき、再開時期を判断する

2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ③/6

2022年10月25日

根室市議会10月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(つづき)

4.子育て支援・医療・福祉の充実について
(2)子育て支援について
① 子育て世代包括支援センター等の取り組みについて
根室市子育て世代包括支援センターは今年度より新たに始まったが、そのセンターと一体で運営されている市町村子ども家庭総合支援拠点についても、あわせて今後もそれぞれの機能をさらに充実させて行くこと。専門職体制の充実と相談支援スキルアップをさらに進め、業務の実態や必要性に応じてそれぞれ専任の体制なども検討することも、将来的には検討課題と考える。
子育て世代包括支援センターおよび市町村子ども家庭総合支援拠点について、この半年間の経過を踏まえた成果や取り組み状況を伺う。

【市長 答弁】本年4月から妊産婦の段階から専門職が寄り添い出産後から子育て期において、いつでも相談できる体制を整えた根室市子育て世代包括支援センターがスタート。
道営であえ~る明治団地内の「つどいの広場」では、子育て相談所の保育士を新たに配置し、相談体制を強化することで、転勤してきた親子が保育士を介して他の親子と接点を持ち、友達が出来たという声も聴いている。
その他、子どもの発達面で心配を抱えた母親に対し、普段から遊びを通じて接する保育士の視点から助言することで、安心できたとの感想も聞かれる。幼稚園等を利用する前の親子にとって身近に相談しやすい窓口が新たに誕生したものと認識している。
保育士等が保健師に相談したい場合、連絡票を活用することで、専門職同士がつながる体制を整備した。親から支援プランの同意が得られないケースは、情報提供票により、センターと一体的に運用する子ども家庭総合支援拠点と情報共有を図る。本年9月から本拠点所属の社会福祉士を採用し、児童相談所の児童福祉司の家庭訪問に同行し、ケースワーク技術を学んでいる。今後も子どもの支援充実を目指した相談体制の強化に努める。

② 民間事業所と一体になった子育て支援施策の推進について
(ア)0~2歳児・保育料の減免制度について
所信表明で「子育て応援7つの無償化」の一つとして新たに掲げられた。大変先駆的な取り組み。ただ0-2歳児は保育所・認定こども園でも職員配置基準などの要因から定員が限られており、そうした点でこれまで根室市内では特に認可外保育施設となっている託児所等をはじめ各施設が小さな子どもを預かるニーズに応え役割を果たしてきた。したがって新たに市が創設しようとしている減免制度では保育の必要性から0~2歳児を預かる認可外保育施設等についても助成の対象とすべきと考える。

【市長 答弁】令和1年10月から開始された国の「幼児教育・保育無償化」により、満3歳から5歳児の全世帯非課税世帯のみが無償となったが、課税世帯については依然として保育料が賦課される状況にある。
所信表明で掲げた0~2歳児・保育料の減免制度では、そのような状況にある子育て世帯の経済的負担の軽減を図っていきたいと考えている。
認可外保育施設等については本制度の対象にしていないが、今後、認可外保育施設等を利用する子育て世代に対する支援策について先進地の状況を参考にし、調査・研究したい。

(イ)ファミリーサポートセンターについて
今年9月から民間事業者によって根室市ではじめてとなるファミリーサポートセンターの運営が開始。しかし登録会員の拡大や会員のサービス利用料負担の問題など様々な面で苦慮されていると伺っている。根室市内では長い間、多様な子育て支援の形態が求められていた。この間、公立保育所で一時保育、私立保育所で延長保育が取り組まれたものの、市内で担い手となる事業者がなかなか無いことから子育て支援策の幅を広げる、拡充が困難な状況が続いていた。ファミリーサポートセンター事業は市の委託事業だが、外部の大きな法人事業所が運営しているわけではない。市として事業者側をしっかりと支援しながら、その時々の課題に対して協力しながら具体的な対応を図って行くことが重要と考える。

【市長 答弁】ファミリーサポート事業の運営については、本年4月に民間事業者と委託契約し、会員募集や講習会などの準備期間を経て開始。
事業の運営方法等について事業者と幾度となく協議を重ねスタートしたが、会員拡大に関すること、利用料負担に関すること、会員同士の利用調整に関することなど様々な課題に早急に向き合っていかなければならない。
市として事業者とともに内在する諸課題の解決に向けた事業の評価・検証を行い、会員及び事業者が円滑に運営できるようファミリーサポート事業を支援したい。





2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ②/6

2022年10月25日

根室市議会10月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(つづき)

4.子育て支援・医療・福祉の充実について
(1)障がい者支援施設をはじめとする福祉関連施設の整備の方向性について
① 施設の建設整備に対する市の財政負担について
根室すずらん学園が施設建て替えに向け昨年基本設計を実施し、現在は国の補助申請を進めているところと伺っている。社会福祉法人の施設整備に対する国の補助制度は基本的に補助対象経費に対して国1/2、道1/4、法人1/4の負担率。ところが国の設定する補助単価の低さなど様々な要因から、実際の補助額はそれよりもかなり低い水準になる。
それでも当該施設は市内で唯一の入所施設として重要な事業所であり、現在の社会情勢として当然求められている個室化ばかりでなく災害への対応や感染症対策など入所者・利用者の安全確保の観点から建て替え工事の実施は必要。障害者施策における「地域移行」は国の方針ですが、それは単に施設や病院を出て、元々住んでいた家に戻るということでは無く、「障害者個々人が市民として、自ら選んだ住まいで安心して、自分らしい暮らしを実現することを意味する」とされている。この施設は厚床の地域に根付き、地域の方々や学校等と結びついた施設。
今回の所信表明で「障がい者支援施設の整備に対する財政支援を行い地域福祉を充実します」と表明されていることから、あらためて市長の考えを伺う。

【市長 答弁】根室すずらん学園の園舎は、昭和59年に建築され老朽化、現設備基準への対応、感染症対策や防災設備の整備を伴う建て替えが急務であり、これまで検討・協議を続けてきた。
市として、根室市障がい者計画で障がい福祉サービス事業を行う法人に対し、施設整備費等の支援を行い、地域福祉の充実を図ることとしており、その財政負担については、社会福祉法および根室市社会福祉法人の助成に関する条例等にもとづき、市内唯一の障がい者支援施設に対し、財政視線をおこなっていきたい。

② 老朽化する各施設への対応について
所信表明では「老人福祉センター」の移転新築を構想とされている。
同時に昭和40年代に建設された福祉会館、児童デイサービスセンター、旧こうよう保育所(放課後等デイサービスの施設)等について、それぞれ市の指定管理者であったり、また施設の無償貸与を受けているなど運営形態は異なるが、市の重要な福祉事業を担う拠点として一体に将来的な構想を検討していく必要がある。
複合・集約化は時代の趨勢だが、その一方でそれぞれの施設は地域の福祉における重要な活動拠点であり、どの地域に配置することが望ましいのか、あるいはどの機能とどの機能を複合化することでより高い効果を発揮するか、それとも単独施設のまま維持されるべき施設があるのかどうか。
市、事業者、あるいは地域住民の方々と十分な議論の機会を設けながら検討していくべき。

【市長 答弁】3施設についてはいずれも昭和40年代に建設され、築年数も50年以上経過していることから利用者の安全性の確保や利便性の向上の観点からも新たな対応が急務。
また将来構想の検討については、各施設の立地や利用実態等を踏まえ、複合化・集約化を含め総合的に判断するとともに、各施設の整備にあたって事業者や地域住民のほか、施設利用者等からもご意見をいただきながら進める。



2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ①/6

2022年10月25日

根室市議会10月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします

1.市民との協働のまちづくりについて
今回の所信表明では「市民皆様に、対話と説明による徹底した情報共有を図る」としている。
コロナ禍よりどのように立ち直っていくのか、いま地域産業の低迷、そして著しい人口減少という危機的な社会情勢にあって、地域を維持・発展させていくためには、何よりも市民自身が主体となって市と協働してまちづくりを担っていくことにある。
そのためにもコロナ禍で著しく停滞した町会活動や地域福祉活動を含め地域コミュニティの活性化は引き続き重要な課題です。またそれ以外にも今後の市行財政運営の全般にあたって、市民と協働する取り組みを様々な施策等に具体的に反映させていく必要がある。
今回の代表質問はそうした観点から、いくつかの視点で取り上げているが、まず初めに2期目の4年間を通じて、市民と協働のまちづくりの視点をどのように市政運営に反映させていこうとしているのか伺う。

【市長 答弁】今後の行政サービスを維持するためには、人口問題と真摯に向き合い、まちづくりに与える絵協なども踏まえ、市民と行政が共に考え、共に行動し、一丸となった市政の推進が必要。
少子高齢化が進展する中、地域のきずなづくりが重要性を増している。市民誰もが安全で安心して暮らせる地域社会を構築するうえで、支え合いや助け合い、声掛け、見守りなど地域コミュニティの役割はますます重要になる。
これまで市民団体の自主性や自立性に配慮し、町会などとも連携し、地域コミュニティの活性化を図ってきたが、今後もまちづくりの基盤となる人材の育成や市民参画の推進に努め、市民誰もが住み慣れた根室でいきいきと暮らすことが出来るまちの実現をめざす。


2.物価高・コロナ対策について
(1)次年度以降の財源対策の考え方について
根室市の新型コロナ対策は、小規模な自治体として住民の声が届きやすいという利点を活かし、市職員がそれぞれの創意工夫のもと、誰もが目に「見える」形での計画性を示し、加えて、その時々の情勢や課題に応じた柔軟な対応を行うという両方の視点から各施策が執行されてきた。
ただ、これまでの施策推進を支えていたのは、国からの数度にわたる交付金や、ふるさと応援寄付金を中心と一定の財源が確保されてきたことも大きな要因の一つ。
市の「緊急経済対策展開計画」は物価高騰対策も含め20243月まで延長されたが、ウクライナ問題や円安をはじめ様々な世界的な要因から燃料・物価等高騰の影響は今後も続く恐れがある。住民生活を守るための支援対策やまたコロナから立ち直って「経済活動回復」させていくための取り組みは、次年度においても重要課題。
次年度以降の財源対策について現時点ではどのように想定しているか。

【市長 答弁】
国は物価高騰などの経済情勢の変化に対応するため、電力・ガス・食料品など価格高騰緊急支援給付金や地方創生臨時交付金の増額を図るなど、地域の生活・経済の厳しい現状を踏まえた対策が進められている。
あわせて現在、(国では)総合経済対策として2022年度第2次補正予算案の検討が進められている。
市として今後も市中経済や市民生活の動向を慎重に見極め、市民や事業者が求める支援策を迅速かつ機動的に講じていくこととしている。必要となる財源は国の経済対策を基軸としつつ柔軟に対応する。

3.産業・経済対策について
(1)市内の労働人口の医事・確保対策について
8月の根室管内の有効求人倍率が2.25倍と高い水準で推移している。根室市内では生産年齢人口がこの10年間で4,000人以上も減少しており、急激な人口減少の中、また現在働いている方々についても高年齢化が進んでいる状況であり、産業の担い手や働く人々をどのように維持・確保していくのか、引き続きの大きな課題。
これまで根室市総合戦略や産業振興ビジョン等に基づき地域の人材確保のための各事業が位置づけられ、各産業分野における個別施策のほか雇用対策協議会やなでしこ応援など民間事業所と協働した取り組みを進めてきた。しかし専門職に絞った就学資金貸付など一部の施策を除き十分な成果として結びつけることが困難な状況が続いている。
これまでの施策や取り組み内容について必要に応じて見直しを図りつつ、全体としてさらに拡充させていく必要がある。施策の対象はUIターンか、地元高校卒業生への支援かを問わず、また既に他市町村が先進的に実施している住宅支援(賃貸の助成・中古リフォーム費用支援など)や奨学金返済支援など新たな対策の実現可能性を含め研究し、総合的な施策パッケージ的に取りまとめていくよう検討するべき。
施策はあくまでも人を呼び込むためのツールの一つであり、同時に行政あるいは実施団体として、それらの施策を市内外に効果的に発信し、必要な人に効果的に届けるための力を伸ばしていくことも重要。

【市長 答弁】根室公共職業安定所本所受付分の有効求人倍率で、令和1年8月に1.92倍から令和4年8月で2.42倍となり、この3年間で0.5ポイント増加している。
市としてこれまで若年者等の雇用促進支援、働きたい女性への支援、市内新規学卒者の地元就職の推進や、都市部での合同就職説明会開催など人材確保に向けた取り組みを推進し、一定の効果があったものと認識している。その一方で、日本全体の課題である少子化や都市部への人口集中の波には打ち勝てない状況。
当市の人材確保対策事業の充実化を図るべく、現在、奨学金返還支援や資格取得支援の制度創設に取り組んでおり、今後においても市内外への情報発信力の強化も含め、様々な検討を行うなど、労働人口の確保対策に努める。