2022年10月25日火曜日

2022年 根室市議会 10月定例月議会 代表質問 ⑥/6

2022年10月25日
根室市議会10月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)

8.平和に関する諸問題について
(1)非核平和都市宣言を活かした取り組みの推進について 
① 根室市における基本的な考え方と計画的な取り組みの推進について
根室市では平成23年に「非核平和都市宣言」を行い、これまで原爆パネル展や60周年等の根室空襲展、また市民団体と協働し平和祈念の碑の建立などの事業が行われてきましたが、これらの取り組みは基本的に単発的な事業として行われています。
私たちは根室空襲で甚大な被害を被った地域として、また領土問題を抱える地域としても、あの悲惨な戦争を実際に体験した方々が少なくなっていく中で、平和な社会を未来に後世に引き継ぐため、非核平和都市宣言に基づく施策展開について、市としての基本的な考え方をもち、年間を通じて計画的に推進していく必要があると考えます。見解を伺います。

【市長 答弁】 根室市は、市民が安心して暮らせるまちづくりの基本は平和にあるとの考えから、平成23年に非核平和都市宣言を行い、平和市長会議に加盟した。平成27年には根室市平和祈念の碑」を鳴海公園敷地内に建立した。
平成29年に高校生平和学習として歴史教育や根室空襲の講義を始めたほか、市政ウォッチングで「平和を考える戦跡めぐり」を開催するなど平和に関する啓発活動に取り組んできた。
今後まずはコロナ禍の影響により停滞しているこれらの啓発事業の活性化を目指し、ウクライナ問題や北朝鮮による弾道ミサイル等により平和や非核の言葉が注目されている現状を、あらためて平和への思いを市民とともに強く願う一つの機会と捉え、効果的な取り組みについて検討したい。

② 戦争遺産に対する市行政の基本的な考え方について 
根室市では、戦時中に旧日本軍が構築したトーチカや塹壕跡、飛行場跡や掩体壕などいわゆる「戦争遺産」と呼ぶべき史跡が残されている。旧海軍の施設が市教育委員会の施設として活用されている他、これまで開発行為を逃れて現存している史跡もあるが、その他まだ十分な調査がなされていない遺構等も残されていると伺っている。
しかしその多くは80年近い歳月の中で自然劣化が進み、あるいは再生可能エネルギー関連施設の開発行為等により、いずれ無くなってしまうものと思う。これまでも神忠志元議員が繰り返し議会で議論してきたが、この戦争遺産に対して調査・研究を進め、あるいは可能であれば何らかの形で保全する方策が無いのか検討すること。そして戦争遺産が伝える当時の「記憶」をどのような形で市民の学びに活用し、後世に引き継いでいくのか、ということ。これらに対して市として基本的な考え方をしっかりと定めることを求める。

【市長 答弁】 根室市は昭和20年7月、2日間にわたる大空襲により多くの命が奪われ、市街地の8割を焼失する大きな被害を受けたところだが、先人の尊い犠牲とたゆまぬ努力により復興を遂げ、今日があることを私たちは決して忘れてはならない。
戦後80年近くの歳月が流れ、戦争や空襲の記憶が薄れていく中で、残された戦争遺産は劣化が進んでいるが、昨年、新たに昆布盛地区でトーチカが確認された。戦争の時事を後世に伝えていく上で、これらの史跡の保存は重要であると再認識した。他市の事例等を調査研究し、教育委員会とも連携しながら方向性について検討を進めたい。

(2)「土地利用規制法」について 
いわゆる「土地利用規制法」が今年9月に全面施行された。日本共産党としてはこれまで国民を監視し、財産権など権利を制約する恐れのあるこの法律に対して廃止を求めてきた。
内閣府は10月11日に同法に基づく注視区域、特別注視区域の指定(案)の第1弾を公表し、根室市内では根室分屯基地周辺、牧之内訓練場周辺および歯舞沖の島が区域案とされた。
重要施設の周囲おおむね1000メートルの区域などが指定されるため、この案によると光洋町・昭和町をはじめ多くの住宅地が該当。指定案に対して自治体側の意見も求められているが、あらためてこのように注視区域等に指定されることで、地域の住民に対してどのような影響が生じると考えられるのか。
あわせて自治体として政府に対して、住民へ直接説明を行うよう求めるべきと考える。

【市長 答弁】 「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」は国民生活の基盤並びに領海等の保全及び安全保障に寄与するため、自衛隊や海上保安庁等の重要施設や国境離島等の機能を阻害することを防止するためのもの。これまで欠けていた安全保障上の脅威への対応として必要なものとして認識している。
市民は法に基づく注視区域の指定に伴い、施設機能を阻害する行為に是正勧告や命令がされるほか、特別注視区域に指定された場合は200㎡以上の土地・建物の売買等の際に、国への事前届け出が必要となるが、日常生活や通常の社会・経済活動に支障をきたすものではないと考えている。
区域指定は今後、国と関係行政機関の長との協議や国の土地等利用状況審議会における審議を経て告示される。
なお、住民や所有者に対する説明は、国が窓口(コールセンター)を開設し、直接対応することとされている。

【再質問】 答弁された「日常生活や通常の社会・経済活動に支障をきたすものではない」の根拠について、国が住民に対して、わかりやすく明確な説明をするべき。地元自治体として国に説明責任を果たさせることが重要。国の相談窓口(コールセンター)を開設する話は初めて聞いたが、自治体として市民周知を図っていく必要がある。国防は国の専権事項だが、正確な情報を得ながら、国民が情報を基に自らの考えで判断をして、個々人が対応していくことが重要。国の基本方針では「最終的な注視区域の指定は」「あらかじめ、関係行政機関の長に協議する」としている。市として今後どのような対応をしていくのか。

【総務部長 答弁】 国が策定した基本方針では区域指定や届け出制度の周知は一義的には内閣府が行うものとされている。国が相談窓口(コールセンター)を開設して直接説明をする。届け出制度の該当者は特別注視区域に土地や建物を所有している方であり、市内の在留者に限らない。あるいは個人情報保護の兼ね合いもあり、国ではコールセンターを設置して直接、個別相談に対応していく。
関係する地方公共団体から地理的な情報や開発計画などの情報について意見徴収する。関係行政機関との協議は、自衛隊や海上保安部などを所管する省庁との行うもの。
区域指定については国から告示される予定が、その決定を待って市は広報誌の掲載やリーフレットの配布などの市民周知を図っていきたい。

【意見として】 まずは「今何がおこなわれようとしているのか」「どういったことが変わっていこうとしているのか」。影響があるのか無いのかを含め、地元情報として分析をしながら、必要な場合には国に対してモノ申していくことも求められる。

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