2022年12月1日
都心で「北方領土」問題を全国民に発信し、国民の関心や世論を盛り上げようと、「北方領土を返せ」などと呼びかけながら、元島民をはじめとして全国の返還運動関係者がアピール行進を行いました。
北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協)が主催し、今回で15回目の開催。コロナ禍で3年ぶりに実施され、主催者発表で約500名が参加とされています。
日比谷大音楽堂での出発式で、北隣協会長の石垣雅敏根室市長が「ロシアのウクライナ侵攻によりこれまで積み上げられてきた平和条約交渉の中断、北方四島交流・自由訪問の一方的な停止、北方墓参も見送りを余儀なくされている。取り巻く環境は厳しさを増しており、元島民には自分の境遇と重ね合わせ心を痛めているかたも多く、一刻も早い和平を願う。事態の長期化は北方領土問題が置き去りにされ、関心が薄れることを懸念する。これまでどんな時代でも北方領土問題の解決に命をかけて取り組んだ多くの先人たちがいる。明けない夜は絶対にない。この時だからこそ今を生かされている私たちの責務として、その思いをさらに大きく、強靭にしなければならない。外交を推進する力は国民世論。15回目となってしまったアピール行進は、この厳しいときだからこそ長きにわたり返還運動に命をかけ取り組んできた先達の思いも込め、北方領土問題の前進に向けた志をさらに高く掲げ、全国民が一丸となって政府の外交交渉を後押しするために、力強く行進し、私たちの熱い思いを発信しよう」とあいさつしました
また元島民代表の決意表明として河田弘登志副理事長は「島を負われてから77年。海の向こうに見える近くて遠い故郷が、一日も早く変えることを望み、今日まで政府外交交渉の下支えとして返還要求運動を続けてきた。しかし故郷はいまだに還らず、自由に行くことも出来ない。望郷の念もかなわず他界した多くの同胞たちの墓前に吉報を伝えるその日まで返還要求運動の火を消すことなく邁進する。この無念の思いを希望に変え、みなさんとともに北方領土問題の早期解決の声を上げ、力強く行進する」と決意表明しました。
アピール行進で参加者はいつものハチマキやタスキの代わりに、ロゴマークの入ったマスクをし、「北方領土を返せ!」などメッセージのはいった旗を掲げ、中1.6㎞の道のりを歩きながら「北方領土返還要求運動に参加しよう!」などコールして、道行く人々へのアピールを行いました
※1945年12月1日は、当時の安藤石典根室町長がGHQマッカーサー元帥に対し、ソ連軍に武力占領された「歯舞村ゴヨマイ諸島」並びに「南千島諸島(色丹を含む)」を「米軍の保障占領下」とするよう求める陳情書を提出した日で、「返還要求運動はじまりの日」として位置付けられている。
「北方領土返還要求中央アピール行動」は領土問題解決の進展が見られない中、国民世論喚起高揚を図るため2007年から毎年12月1日実施されている。アピール行進と同日に内閣総理大臣など関係機関への要請活動が行われる。コロナ禍で2020年、2021年はアピール行進は行われていないが、その間も首相への要請は行われていた。
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