2020年8月26日水曜日

根室市に「新型コロナウイルス感染症に関する要望書」を提出しました

 2020年8月26日

日本共産党根室市議会議員団の鈴木議員と橋本は、根室市長に「新型コロナウイルス感染症に関する要望書」を提出しました

これから秋・冬にかけて、インフルエンザなどの流行も心配される中、PCR検査等の検査体制の充実や小児のインフルエンザワクチン接種への助成、介護・福祉事業所との連携推進、国保税減免などの問題、市職員の感染対策など、安心して暮らせる医療・介護福祉の施策充実を求めました

「新型コロナウイルス感染症に関する要望書」(PDF)






2020年8月21日金曜日

紙智子参議院議員、畠山和也元衆議院議員らが領土問題や漁業、医療問題を調査

2020年8月19日
日本共産党の参議院の紙智子議員、元衆議院議員の畠山和也さんらが根室を訪問し、領土問題や漁業、医療の課題などについての現地調査を行いました
千島連盟、根室漁協、根室市役所(石垣市長ほか、病院の部署)を訪れ、地域の実情や切実な課題を聞き取りながら、こうした声を国政に反映すべく、早期の国会開会を求めていく、としています

2020年8月5日水曜日

全国各地で新型コロナウイルス感染症の拡大。根室市内の医療の課題について

2020年8月3日
文教厚生常任委員会(工藤委員長)は、委員協議会を開催し、「市立根室病院新改革プラン」の実施状況について、病院事務局から説明をうけました。
2019年度の市立根室病院の経営状況は、前年度の実績比で-1,800万円の医業収益減です。
「新型コロナウイルス感染症」の影響により、一般患者の入院受け入れの制限を行うなど、2月~3月にかけての減収が響きました。
その一方で、材料費は前年実績比で+4,400万円増など医業費用が大きく膨らんでいます。
市立根室病院の経営健全化の道のりは未だ大変厳しい状況です。
そして何よりコロナ禍の影響はこれからも続き、医療経営にも打撃を与え続けるものと考えられます。

いま首都圏を中心に再び新型コロナウイルスの感染が拡大し、医療体制もひっ迫した状況になろうとしています。
市立根室病院では8月2日までに、新型コロナウイルス感染症の検体検査は63件実施されています。
市内では2月以降新たな感染者は報告されていませんが、感染の波が今後いつ、どのように広がるのか、全く予想できません。

市立根室病院では4階の「感染症病床」以外にも、隣接する一般病室をコロナウイルス感染症患者のために、現在も空床で確保しているそうです。
ただコロナの患者さんは個室対応とすることが求められているらしいので、その場合、4階の西病棟を全てコロナ対応に拡大しても、入院できる患者数は病室数=19名程度です。
またコロナウイルス感染症患者に対応する医師・看護師も特別の体制をとるため、患者数が増えると人員体制の確保が大きな課題とのことでした。
これから万が一、急速に感染が拡大した場合の対応について、市や病院内だけでなく、北海道などとも十分に相談していく必要があるものと思います。

6月19日に、根室振興局が主催して「新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた意見交換会」が開催され、1市4町の首長らが参加。
そこで根室市長から医療の課題として、
  • 軽症者を(病院以外に)宿泊療養するための施設に、医師や看護師など医療従事者を(道などが)派遣すること。
  • 感染症患者の受け入れのために確保している病床への補助額を拡充すること。
  • 防護服やN95マスクなど入手困難な医療資機材の安定供給を図ること。
などを求めています。

感染の収束が見えない中で、これらは今も引き続きの課題とされています。
こうした医療現場の様々な課題について、国や北海道に対して、強く求めていきたいと思います。

深刻な介護福祉の人手不足に これからどう対策していくか? 根室市介護人材確保対策協議会が発足

根室市では市内の介護事業所からメンバーを募って、介護人材確保対策のための協議会を設立しました。
先日、第1回目の会議を行い、来年度からの第8期介護保険事業計画にむけて、議論を進めていくこととしています。

根室市でも専門職を含め介護や福祉の現場で働く人手不足は深刻な状況が続いています。
このたび市が行った事業所アンケート調査でも、「従業員の確保」が運営上の課題であるとした回答は57%を占めました。
また3割以上の事業所が「職員数が常に足りていない」と回答しています。

 利用者の生活を支えるために欠かせない介護サービスを担う人材の確保は、今後ますます重要な課題となります。
 こうした中、根室市は7月31日に「根室市介護人材確保対策協議会」を設立しました。
市内で介護サービスを運営する11事業所が参加し、介護人材の確保に関する研究を行い、また活発な情報交換を推進するとしています。
市担当課によると、この協議会で様々に議論された内容についても、来年度からスタートする第8期介護保険事業計画に反映させていきたい考えです。

また、人材確保対策に限らず、介護福祉の現場では様々な困難を抱えています。
この協議会が今後、事業所間の連携と行政がしっかりと手を組んだ取り組みにつながって、人材確保も含め、市内の介護福祉が充実されていくことを期待します。

国の社会保障削減の政策を転換させよう 

ところで国は、第8期計画で「地域包括ケアシステムを支える介護人材確保及び業務効率化の取組の強化」についての記載を充実させるよう自治体に求める考えです。
その具体的な中身は分かりませんが、「元気高齢者の参入」・「有償ボランティア」など多様な担い手に期待しているものと思います。
しかし介護従事者の処遇改善を中途半端にしたまま、多様な担い手に頼るだけでは、危機的な介護労働者の不足や現場の困難さを根本的に解決することは出来ません。

介護労働安定センターが実施している「介護労働実態調査」によると、2018年度は全国で離職率が減少しています。
しかし、その一方で「従業員の不足感」は5年連続で上昇しています。
従業員が不足している理由は「採用が困難」との回答が9割近くと圧倒的で、その理由はやはり他業種と比べて、労働条件が厳しいことにあります。

このような実態は、これまでの国の社会保障削減によって作られてきました。
介護報酬の抜本的に引き上げ、介護福祉の現場で働く人々の全体の処遇を底上げしていく必要があります。

2020年7月21日火曜日

根室市議会 7月補正予算

2020年7月17日

根室市議会は7月定例月議会を開催し、新型コロナウイルス感染症の対策のための補正予算411,900千円などを、全会一致で可決しました。

国の二次補正予算で決定した「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」は、根室市には約514百万円が配分決定されていますが、今回の補正予算ではそのうち356百万円の活用を見込みます。


主な内容は次のとおりです
  • 感染症対策等防災推進事業
    • 聴覚障がい者への文字行事機能付き戸別受信機の貸与(33,743千円)87台。必要に応じて外部アンテナの追加。
    • 避難所用資機材の整備(65,733千円)。避難所13か所、歯舞学園、福祉交流館(福祉避難所)に防災コンテナを設置。その中に、段ボールベッド・間仕切り48セット、室内用のテント48張、マスク消毒液など衛生消耗品一式を配備。
      • なお、エアベッドの導入も検討しているそうです。
      • 段ボールベッド等は王子製紙との協定で災害時に提供を受ける予定ですが、災害時に流通が寸断される可能性も大きく、備蓄が望まれていました。ただ保管する場所がないため、今回あらたに防災コンテナを避難所ごとに置くことになりました。
      • 福祉避難所である福祉交流館は保管場所が無いために、介護ベッドやポータブルトイレ等の保管を、福祉交流館から少し離れた施設に保管していました。今回の補正で防災コンテナにその資機材を保管することが可能になりました。
  • 保育施設等事業者支援臨時助成金(800千円)
    • 市内の保育園や幼稚園、こども園などの事業者に感染防止対策などを目的に1事業者10万円を支援。
  • ひとり親世帯臨時特別給付金(国の事業なので割愛)
  • 新生児特別給付金(149,000千円)
    • 4/28~来年3月31日に出生した乳幼児も、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策で実施された「特別定額給付金」に相当する10万円を市独自に支給する。
  • 生活困窮世帯(生活弱者)支援事業(2,904千円)
    • 「生活福祉資金」(緊急小口資金・総合支援資金)の貸し付けを受けた方、市の「住居確保給付金」の決定を受けた方に、1カ月程度の食料品や感染対策品を支給。
      • 大変良いのですが、何らかの理由によって緊急小口資金などに対象にならなかった場合にも、生活が困窮して食料品が無い家庭に配布できるような仕組みとなることが必要と考えます。
  • 感染症拡大防止対策事業
    • 医療施設に、医療資機材(マスク、グローブ、消毒液、ガウンなど)を、年度内に3回程度配布(14,283千円)
      • 以前に比べて、感染防止のための資材は流通するようになってきました。今後は各施設の状況を把握しながら必要に応じた配布を進めていくとのことでした。
    • 市民の啓発用チラシを新聞に折り込む。年度内3回程度発信する予定(694千円)。
  • 感染症等対策環境整備事業
    • 市内の飲食店に向けの根室市版「感染防止マニュアル」を作成・配布。対策をとった飲食店に「安全・安心宣言の店」ステッカーの交付(149千円)と、アクリル板パーテーション5枚を配布(5,592千円)
  • ICT活用教育環境整備事業
    • 根室高等学校教育振興会負担金(123,726千円)。根室高校へ長期的な視点にたった支援・進行を図ることを目的に「(仮称)根室高等学校教育振興会」を新設。教育環境の充実など継続的な支援を図る。
    • 生徒用ノートパソコン693台(2021年度入学予定者を含め1人1台分)を貸与し、卒業時に無償譲渡する(108,247千円)、教員用の端末55台(3,328千円)、大型テレビ一式20セット(6,821千円)など。
      • これは、いくつかの点で課題の整理が必要です。
      • 北海道ではこれまで高校の間口削減などが進められており、市内1高校に統合された根室高校でも、地域の少子化がこのまますすめば、将来的にさらなる間口削減の対象となる可能性があります。
      • こうした中、隣の標津町など各地では、例えば給食提供やバスなど独自に高校への支援策を実施しています。今回の根室高校「教育振興会」は各地の取り組みに倣った施策であり、地域の高校を守り、より良い環境の中で高校生を地域として育てていくために、重要な取り組みと考えます。
      • 教育振興会を通じて、高校生に一人1台ノートパソコンを貸与します。その理由として、国はICTを活用した教育の推進を進めていますが、根室高校ではまだそうした機材はほとんど配備されていないそうです。また感染症対策で休校となった間のリモート授業を行うためのサポート機材でもあります。
      • ノートパソコンは卒業時に無償譲渡されます。今後、進学や社会人となっても必要な道具です。ただ問題は再来年度以降も新入生用に購入するとすれば莫大な予算が必要ということです(例えば150人で毎年2300万円程度)。
      • 根室市としては、ふるさと応援寄付金を財源にこのための基金を設け、財源対策に充てていきたいという考えを示しています。
      • ICT教育の推進は国家的に進められていますが、北海道は財政難を理由になかなか進んでいないのが実情です。しかし地域任せにするのではなく、子ども達に必要な教育環境の整備について、予算拡充を強く求めていく必要があります。
      • また根室高校「教育振興会」についても、今回のICT整備に限らず、関係機関が十分に協議しながら、必要な対策をさらに進めていく必要があると考えます。
    • ICT教育環境整備事業(4,000千円)。GIGAスクールサポーターの人件費。
      • 2名で小学校8校、中学校4校の対応にあたります。
      • 学校現場のサポートのために、ICT支援員など地域としてさらなる人材の発掘・育成が必要です。
    • 学校保健特別対策事業(学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援事業)32,000千円。(国の事業なので省略)
    • 北方資料研究活用推進事業。7,000千円。
      • 8月8日~13日まで故北構保男氏の業績に関する特別展示開催を根室市総合文化会館で実施。8日には資料の展示解説も予定されている。
    • シーサイドマラソン開催事業。実質的な必要予算は4,826千円。
      • 第4回最東端ねむろシーサイドマラソン大会は中止となったが、かわりにスマホアプリを利用した「最東端ねむろソーサイドオンラインマラソン2020」を実施。
    • 文化・スポーツ団体等新型コロナウイルス感染症対策助成金及び「新しい生活様式」を踏まえた事業等開催への活動補助金(7,600千円)
      • 市内の文化・スポーツ団体の活動に対し感染対策用品の購入等の助成(1団体3万円)。
      • 新しい生活様式をふまえ、新たな威厳との創造・発信を推進する事業への助成(1団体の上限200万円)

2020年7月13日月曜日

第8期介護保険事業計画 事業所調査の結果

根室市は2021年度から2023年度の第8期介護保険事業計画の策定にむけて、市内事業所に対して現状や課題を把握するためのアンケート調査を実施しました。あらためて根室市内でも、介護サービスもそれを支える介護職員等も不足している状況が浮き彫りになりました。調査結果は6月25日に開催された「介護保険事業計画運営委員会」で報告されました。

アンケートに回答のあった市内の35事業所で働く職員518名のうち、約半数の248名(47.9%)が非正規職員です。
やはり介護職員・看護職員の不足は深刻な状況で、事業所の運営上の課題として、従業員の確保が課題であると答える事業所が57.1%になっています。また3割以上の事業所が「職員数が常に足りていない」と回答しています。

市内で不足している在宅サービスでは、訪問入浴・ショートステイ・訪問介護が不足しているという回答が圧倒的に多いです。医療系ではやはり訪問看護と訪問リハビリテーションが不足していると回答されています。

また、ほとんどの事業所で家族による介護力が不十分であると回答しており、その理由として老々介護や家族が遠方に暮らしていることを挙げています。独居・高齢者世帯が急増している状況を反映しているものと思います。
介護保険以外の「生活支援」や「見守り・安否確認」のサービスが不足していると回答されています。高齢で、ひとりで、身体が不自由になってきたときに、残念ながら根室市では安心して暮らし続けることが難しい状況にあるを示しているものと思います。

介護保険スタート当初から見て、この根室市でも介護現場で働く方々は多くなっています。しかし事業所数が増えていますので、それに見合う人員体制を確保することが大変に困難な状況です。ましてや人口減少により、特に地方都市では多くの業種・業態で「労働力不足」が生じています。
「昔より介護事業所は増えた」と言っても、このアンケート調査から見られるように、まだ市内サービスは不足しているのが実態です。それにもかかわらず、介護人員を確保することが難しいため、昨年は市内でも休止となる事業所が出ています。

根室市長は今年3月定例月議会の「施政方針」で「介護サービス事業者間の連携会議を組織 するなど、人材不足の解消に努め」るとしています。介護事業所等が置かれている困難な状況は、各事業所が独自に努力するだけで解決を図ることは困難であり、各事業所がそれぞれの「強み」を活かしながら、共同した取り組みを行い、その取り組みを市行政がそれを全面的に支援していく必要があります。

もっとも大本となる国の社会保障を変えさせていかなければ、根室市だけが、民間事業者だけが、努力するだけで解決することは出来ません
介護保険制度がスタートして20年。介護の専門化によって、求められる知識・技能は高度化し、その社会的な役割と責任は重大です。また今回の新型コロナウイルス感染対策のため、仕事でも私生活でも日々緊張した対応を強いられていたと思います。しかしその一方で、国の社会保障給付費の削減によって、介護報酬は削減され続けたため、働く介護職員の賃金等は低いまま置かれてきました。全国的な抗議の声によって、国は処遇改善の加算などを行ってきましたが不十分です。求められるケアにふさわしい水準にまで、抜本的に介護報酬を引き上げる必要があります。
一方で介護報酬の引き上げは、利用者負担増につながります。今年は低所得者の補足給付が見直され、自己負担額が引き上げられることになります。2割負担化などは見送られましたが、今後も検討課題とされています。年金収入だけで、これ以上の利用者負担増に耐えられない利用者が多くなるものと心配しています。
「介護報酬を引き下げ、自己負担額を引き上げる」というこれまでの政府の方向性をなんとしても変えさせ、安心・安全の介護・福祉社会をめざしていく必要があります

2020年6月28日日曜日

「根室市災害漁業研究センター」を見学しました

2020年6月24日
根室市水産研究所付属施設として、2020年3月24日に竣工した「栽培漁業研究センター」の見学をしてきました
施設内の様子や、現在の様々な取り組みについて、ご紹介したいと思います


沿岸漁業の振興にむけた資源増大のために、これまで市水産研究研究所で培った研究成果や技術を活かして、種苗の生産量を拡大することや増養殖事業の積極的な展開を目的とした施設です。
また北方四島との共同経済活動の事業のうち5つのプロジェクトの候補の一つとしてあがっている「海産物の共同増養殖」に向けた中核的施設とされています。そのため総事業費10億6,192万円のうち10億5,000万円が国と北海道からの補助金を受けています
しかし四島との共同経済活動に具体的進展が無い中、何の魚種を共同増養殖の対象にするのか示されていません。センターではウニ等の広範な種苗生産に対応できるよう体制整備を図るとしています

メインとなる水槽室。小学校の体育館が2~3個入りそうな大きさ

既存の水産研究所とつながっている渡り廊下を抜けると、新しい施設の水槽室が広がっていました
室内が明るいのは蛍光灯だけでなく、いくつもの窓や天井のアクリル板?から自然の光が入ってきているためです。太陽を浴びることで病気に強くなるそうです

ここでは飼育するための5トンサイズのFRP水槽が32基と、そのほか断熱機能水槽やろ過用水槽などが並んでいます
水槽一基で、稚ガニがおおよそ5~6万匹飼育できるそうです
多様な魚種の飼育や飼育環境の変化をつける試験数を増やすこと、また病気などの危険性を分散するために、より大きな水槽を用いずにこのサイズの水槽を設置しているとのことです
これまで水産研究所の種苗生産の最大実績は40万尾とのことですが、この栽培漁業研究センターの設備によって、将来的に120~130万尾の生産を目指していきます
これまでの種苗生産放流による資源への影響や効果については、カニやエビは脱皮するため、標識による放流後の追跡調査が出来ずにいます。現在の技術ではDNAによる測定も可能だそうですが、そのための設備投資など経費も多額にのぼるため、将来的な課題とされています

孵化して3週間ほどの稚エビが元気に泳いでいました。茶柱より少し大きいかな?というくらいの大きさ
上の網にはエサとなる植物プランクトンが付いています(付着珪藻)

現在、栽培漁業研究センターの水槽には、6月に孵化したばかりのホッカイエビが約9万尾ほど飼育されていました
栽培漁業研究センターのサイクルとして、1月~2月ごろに孵化した花咲ガニの稚ガニを5月まで飼育して放流し、6月から9月までホッカイエビを飼育して、3㎝ぐらいの大きさになってから、沿岸域に放流するそうです
根室ではホッカイエビは年間40~50トン程度漁獲されます。成長がはやく、おおよそ2~3年ほどで漁獲サイズに成長するそうです

培養室ではエサとなる植物プランクトンを育てていました
培養に適した温度管理が出来る部屋だそうです
花咲ガニの親
タラバガニの親。今年3月に交尾して、今はそのうち3匹のメスが卵を抱えたそうです

水産研究所では花咲ガニで培った研究成果と技術を活かして、タラバガニの養殖に向けた研究も進められています
今年2月に4漁業と「根室市タラバガニ養殖協議会」を設立して、室蘭の道立総合研究機構栽培水産試験場から親ガニの提供をうけて、1月に幼生が誕生しています

水産研究所で孵化したタラバガニの稚ガニ

タラバガニは1月に幼生が誕生して、3月~4月ごろにこのような稚ガニの姿になるそうです。
6月下旬では、7~8ミリほどの大きさになっているように見えました(もう少し大きいかな?)。おおよそ1か月に1回脱皮を繰り返す、らしいです。
ちなみに、写真の奥の水槽の底の茶色い点々はすべてこのような稚ガニです。見た目はまるでクモっぽい。
タラバガニは通常、漁獲できそうな1㎏のサイズになるまで、6年かかるそうです。
根室では夏場は水温が高くなるので、ベニザケ養殖のように海面で養殖をすることは困難です。しかし6年間も陸上で完全に養殖しようとすれば、漁業生産としては大変なコストがかかります。ただし水温をあげることで、4年で1㎏に成長させたという研究結果もあるそうです
センターでは、「様々なチャレンジをしながら、課題を明確にし、将来に向けた可能性を広げていきたい」と意欲をもっています

生まれたばかりのヤナギダコ。6月に産卵して翌年の6月頃に孵化するそうです。
すでにタコの姿をしており、スミも吐いていました。
一方、水産研究所の方では現在はヤナギダコが700匹ほど孵化していました
本来でしたら、内地の業者さんの協力により、落石の方の海に漁礁を造成して、放流する予定でしたが、今年はコロナの問題で業者さんが来ることが出来ず、放流することを見送ったそうです

漁協から提供をうけた卵を抱えた親のヤナギダコ
観察を容易にするために、今年からこのような形の塩ビ管で飼育する方式をとりました。実験的な取り組みでしたが、このような狭いスペースでも無事に産卵できることが確認されました。
こうした技術が確立すれば狭いスペースでも、産卵させることが期待されます
ちなみに通常、産卵後の親タコは孵化するまで1年間ほぼ何も食べずに卵を守り続け、そのまま死んでいくそうです
水産研究所ではタマゴが付着したアクリル板を取り出して親から引き離し、卵だけで育てる方式を実施しています。上の写真の子ダコは卵だけで孵化しました
そうすることで親だこの筋肉等が衰弱するまえに、加工品に回すことも可能になるのではないかと、考えられます

北方四島との共同経済活動では、この施設を拠点としてウニなどの複数魚種の種苗生産をおこない、四島海域に放流することを目指していますが、日ロの交渉は先の展開が全く見えない状況です。現在は沿岸漁業振興策として、これまで見てきたようにホッカイエビ、ヤナギダコ、花咲ガニ、そして新たにタラバガニ等の取り組みを進めており、開発した生産技術を最大限に活かして栽培漁業の推進に寄与することが期待されています
ただし大規模な施設だけに維持管理の経費も大きく、2020年度当初予算では35,513千円が見込まれています。さらに今後、水産技師など体制も充実させていく予定になっています。
そうした観点からも、四島における共同経済で漁業の分野で進展が図られること、また栽培漁業研究センターの運営に対する国の財政的な支援が必要と考えます。