2017年6月8日-11日
択捉島へのビザなし訪問に参加して(つづき)
昨日から一転、翌朝は素晴らしい快晴となりました
8:30頃に出発し、
通訳の先生による「実践ロシア語講座」をうけながら
およそ3時間ほどで、入域手続きを行う国後島古釜布へ到着
遠目にカラフルな街並みが見える一方で、湾には沈没したまま放置された船の姿も見えました
事務局の方から、ロシアの係官の写真を撮らないこと、各団員は船室で待機することなど、厳しく注意事項が言い含められます
なかなかロシア側の係官が到着しません。待つことしばし、ようやくそれらしき船が港からエトピリカに向かってきます
団員は各自、自室で待機するようアナウンスが流れます
1時間ほど待機していると、団員が呼び出され、一列にならんでロシアの係に官による提出した書類写真と実人物との照合が行われ、無事に入域手続きは終了
いよいよ択捉島に向かって出発です
目的の択捉島ナヨカ沖に到着するは夜の10時ごろだそうです
今回の訪問団副団長で択捉島出身の岩崎忠明氏から「紗那日本人墓地」についての説明がされました
紗那の墓地は現在、日本人とロシア人の混住状態になっているそうです
そのためロシア人は土葬のため埋葬するための領域面積が大きく、もともとあった日本人の墓が追いやられていると言います
当時は今のような加工石でなく、丸い自然石を削って墓碑にしています
それらが取り壊されたり、整備されないままあれた状態となっており、日本人の墓碑で現存しているのは20基程度とされています
それでも、四島で53か所あるといわれている日本人の墓地のうちで、ロシア人と共同のため、この紗那墓地は整備されている方だと言います
その他の墓地については、そもそも場所を特定して探せない、道がない、クマが出る等の理由で墓地までたどり着けないといった場所が多数あるそうです
また紗那のまちで日本人が共住していたという痕跡が残っているのは、測候所後と小学校跡だけとなっており、近くとり壊れる予定ではないかと、危惧されていました
国後島 爺々岳 |
船に乗っている時間は長いのですが、研修プログラム以外にも参加者同士で様々な交流が行われています
夕方、国後水道を抜けます
波が早く大変に船が揺れます、とアナウンスされていましたが、思ったほどではありません
他の方に伺うとこの日は比較的穏やかだったようです
船の左側に国後島、右側に択捉島をのぞみながら、太平洋側からオホーツク海側へ向かいます
そして択捉島の姿を大きく目で見たときはとても感動しました
海にまじかに迫る山々、特に阿登佐岳とその奥に見える択捉島最高峰の西単冠山、そして遠く正面に散布山(北?南?)が映る風景は、印象が知床や国後島ともまったく違う姿のように思えました
ちょうど船の左側には水平線に夕日が沈むときで、それに照らされた阿登佐岳が赤く染まり、山の側面からは満月が登ろうとしているときでした
多くの参加者達もカメラを手に、絶景に見とれています
素人ながら本当にこうした雄大な自然を生かしたクルーズだけでも十分な観光資源になるのではないかと思われます
ちなみに「えとぴりか」のスタッフさんのお話では、このように波が穏やかで、しかも霧がかからずきれいな風景が見えるのは、自分たちも年に1回あるかどうか、という話でした
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