2026年3月5日
根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(続き)
6.教育行政について
(1)北斗・柏陵校区の義務教育学校について
令和11年度に開校予定の柏陵校区義務教育学校が、新年度より建設工事の事業が予算化。
① 新校舎の建設、改築にあたり、主にどういったコンセプトで設計されているのか特徴について伺う。
【教育長 答弁】
新校舎の建設は学校の適正配置計画などに基づき、築60年が経過し老朽化が著しい北斗小学校を柏陵中学校敷地へ統合し、義務教育学校としての開校を進めるもの。その設計は文部科学省が示す「新しい時代の学びを実現する学校施設のあり方」を参考に取り組んでいる。
具体的には普通教室、特別支援教室に隣接して多目的なオープンスペースを設け、個別学習、少人数学習、グループ活動など多様な学びの形に応じて柔軟に使い分けられる空間とする。多目的スペースの中央に一階と二階をつなぐ階段を設け、空間全体の一体感と上下階のつながりを生み出し、インクルーシブ教育につながる義務教育学校ならではの異学年交流促進を図ることを考えている。
また児童生徒が一人で落ち着いて過ごせるパーソナルスペースを整備し、支援を必要としている子や不登校傾向の児童生徒の居場所としても活用できるよう計画し、多様な児童生徒が安心して学校生活を送ることができる環境を確保。
このほか図書室を拡充し、従来よりも広く開放的な空間として子どもたちが本に触れ、親しむ機会を増やすとともに、地域住民との活動交流などにも活用できる共創空間を目指すなど、児童生徒が主体的に学び方を選択でき、学習意欲を引き出すだけではなく、心理的な安全が確保された子どもたちの居場所となる校舎を目指す。
② 4年間で約53億円という総事業費の見込みだが、これほど高額になっている主な要因と財源対策を伺う。その後の北斗小学校の解体にかかる経費を、どの程度と試算されているか。
【教育長 答弁】
本事業は普通教室等の増築や屋内体育館を含む既存校舎の長寿命化などを計画しており、その建設費については、近年の資材費や人件費の高騰に加え、働き方改革関連法の適用から時間外労働の上限時間が設けられ、人手不足も相まって校舎の増築、既存校舎の改修に要する建設工事期間が3年におよぶ計画となることから総事業費53億円を見込んだ。
財源対策は国庫補助金で文部科学省の学校施設環境改善交付金、公立学校施設整備負担金を合わせて9億6千万円程度。残りを過疎債、補助対象外経費を一般財源で補う。
また北斗小学校の移転後の対応は利活用や解体も含め協議中であり、現段階の解体費の詳細の試算等は行っていない。約8,000平方mで市内最大の花咲小学校の旧校舎解体でも約6億五千万円の工事費だったことから、約6,500平方mの北斗小学校も4年後の人件費の高騰を見据えた場合、同程度かそれ以上の経費がかかることも見込まれる。今後、市庁部局と跡利用、解体を含め協議を進めてる。
③ これまで設立された郊外の義務教育学校4校は各地域の特色を活かした教育活動が進められている。今回は市街地ではじめての、また児童・生徒数が多い義務教育学校の開設となる。これまでの各義務教育学校の経験を踏まえ、新しい校舎のもと、どのような教育活動を展開される構想となっているのか、そこに向けての準備状況とあわせて伺う。
【教育長 答弁】
これまでの郡部校における義務教育学校化による中1ギャップの解消や異学年交流の促進などのメリットを最大限に生かし、新しい時代の学びを実現する学校として、地域社会との共創空間やインクルーシブ教育に対応できる環境を備え、子どもたちの心理的な安全が確保された場所で教育活動を展開したい。
義務教育学校開校を令和11年4月とし、これまで教職員や保護者、設計業者などとの約50回に及ぶ協議を行い、先進地視察も含め検討を重ねてきた。
先般、新たに学校・保護者・地域・教育委員会で組織する「北斗小学校・柏陵中学校統合準備委員会」を設置。校名や校章、校歌の検討や9か年の教育課程の編成、学校教育目標を定めるなど、子どもたちにより良い教育環境を提供するため引き続き準備を進める。
【再質問】
3年後の話で、あくまでも今の時点の予測だが、その時には児童生徒数はどのくらいか? また教職員数は今と比べてどんな状況になっているのか。
【教育部長 答弁】
現時点で教育委員会が想定している児童生徒数は令和11年4月時点で1年生から9年生で全校児童生徒330名程度。学級数は普通学級が13学級、特別支援学級が10学級の見通し。
設計上は普通教室11教室、特別支援教室8教室としているが、全国的な少子化の現状や社人研の人口推計とかもペースが速まっている状況も踏まえ、児童生徒数の減少が続いた場合であっても余剰教室が生じることがないように設計をした。
教員数はクラス編成によっても違ったり、特別支援教室の部分もあり増減する可能性もあるが、現状よりは少なくなってくる見込み。
【再質問】
設計上教室が足りなくなるかもしれないという話は、学校のスタート時に「教室ありません」ということにはならないので、その点はしっかりと対応していただきたい。
330名ぐらいの予測だが、これまで多くて歯舞が150名ぐらい。(その後)海星、落石、厚床とこれまでは小規模な目の届きやすい環境で、義務教育学校という新しい学校種をスタートさせ、いろいろな取り組みを行ってきた。義務教育学校の良い点や課題点は繰り返し(質疑)しないが、懸念するのはこれだけ大きな生徒数の学校を初めて作るということ。教職員数も少子化等も関係で今よりは若干減るかもしれないが、やはり大所帯の職員数になる。
これまで無かったような新しい課題等も出てくることが懸念される。現時点では新しい学校に向けてどういう問題点が考えられるか。
【教育長 答弁】
市内で初めて300人を超える義務教育校になることの、現時点で想定される問題点だが、これまでの教育、先生が子供を全部管理しようと思う教育でやると、すごい一杯問題点出てくると思う。異学年の交流が本当にできるのかとか、教室抜け出したらどうするのかとか、いろんな課題が出てくると思う。
中教審で議論されているが、教育に限らずウェルビーイングを目指すことがいろんな場面で言われている。脳科学の研究ではウェルビーイングを感じることができるのは、誰かに設定された課題をクリアしたことじゃなくて、自分で設定した課題を自分のやり方で到達していく。この時にウェルビーイングは、人の中に感情として湧き上がってくる。
そうしたことからインクルーシブ教育で子供たちが自分の時間割を作ったり、自分のペースで進めたりっていう教育を進めていこうとしている。
義務教育学校は通常、学習指導要領で学習する内容、全部国の方で決まっているが、校長の判断で入れ替えたり、途中ここは短くしようとしたり、そういうことができるのが義務教育学校の特徴。そうすると子供たち自身が自分で判断して、自分で決めて、自分のやり方でやることが、よりやりやすくなる。小規模校でないとインクルーシブ教育ができないだろうと、なんとなく先生方も思っている。去年新聞にも載せていただいたが、北斗小学校で240名、私4時間国語やった、一人で。先月は厚床小中学校で29名相手に1年生から9年生までの授業をやってきた。子供の力を借りれば、子供が子供に教えるという場面が出てきて、学びが深まっていく。そういう循環ができれば、むしろ課題というより、より豊かな学びが義務教育学校として、人数が多いところでできるだろうと考えている。
【再質問】
なるほど、と思いながら聞いていた。子供同士が支援するのはすごく大切なこと。
ただ、おそらく導入時点は様々な混乱からスタートするだろうと懸念。しっかりとサポートする教職員体制が初年度や二年目、最初の導入部分には手厚い体制がされることが本当は望ましいと思う。道教委はこうした部分に加配などはあるのか。
【教育長 答弁】
その時々の状況によるが加配といっても様々な加配があり、指導方法の工夫改善や、生徒指導など。義務教育学校としての加配は主幹教員が付くか付かないか、という判断がその時でされる。
【意見のみ】
難しくてよくわからなかった部分もあるが、またあらためて。ここで学ぶ子供さんたちが「ここで良かった」と思っていただけるような、そして先生方もこの学校に来て、あるいは根室に来て教育できて良かったなと思っていただけるような環境を目指していきたいと思う。
(2)根室高校への支援について
昨日、道内公立高校の入試、学力検査が行われたが、道教委の令和8年度の根室高校の「再出願後の出願状況」は普通科84、商業科20、事務情報科5で合計109名。根室市教育委員会の資料によると旧根室西高等学校と統合した平成29年度の入学者数216名の約半数。
先般おこなわれた「根室市議会議員研修会」で北大・中村准教授の講演により、少子化で高校の存続が危ぶまれる市町村が増える中で、魅力ある学校づくりを地域全体で行っていく必要性について再認識した。
羅臼高校が令和9年度から全国公募を行うと報道されたが、根室管内だけでもすでに別海高校、中標津農業高校が「地域みらい入学」として全国に公募を行っている。また政府の高校無償化の拡大などから私立高校への選択肢も広がっている中、全国各地で生徒の「奪い合い」と言える状況になっている。
これまで私の認識では高校は大学進学のための学力を高める、あるいは就職のための必要な能力を身につけるところというイメージだったが、今は高校生の若い知性と感性が磨かれる豊かな学びの実践に向け、地域の特色を活かした魅力ある高校づくりが各地で進められているのだと想像している。
あらためて先般、教育行政方針で報告された「総合的な探求の時間」等の活動が魅力ある高校づくりにどのように影響するのか。その魅力を中学生、保護者にどのように理解して頂くのか。また教育長の考える魅力ある学校のあり方について伺う。
【教育長 答弁】
現在根室高校は5間口の全てが定員割れ。次年度の入学願書受付時点では辛うじて5間口を維持しているが、このまま入学者数の減少が進むと、将来的な間口減は避けられない状況であり、高校の存続、延いてはまちの存続にも関わる課題であると危機感を強めている。
本市は令和4年度から根室高等学校教育振興会を通じて一人一台のパソコン貸与などの支援に加え、総合的な探究の時間など連携を深めてきた。道教委が昨年実施した「探究コンテスト」で根室高校生の作品が最優秀賞を受賞したこと。生徒たち自身が声を上げ放課後探究部を組織し、公民館女性セミナーでの講演や不登校の中学生が学校に来るきっかけとなるイベント作りなど、自分たちで考え、地域と関わることにより、この町のためになにかをしたいという気持ちが芽生えてきている。
この高校生の変化が、これからの高校のあるべき姿を探る糸口であると捉えており、自らの興味関心、特性等に応じて地域や社会とつながりながら探究し続けることを主体の学びとすることが必要と考え、現在、道教委や高校と意見交流を進めている。今後、地元経済界をはじめ関係団体との協力体制を構築しながら根室高校の更なる魅力化に取り組む。
(3) 社会教育計画にもとづく取り組みについて
① 令和7年度は新しい社会教育計画の初年度であり、あらためて掲げられた理念の実現むけて、初年度はどのような活動を行ってきたのか、その結果どういった効果、あるいは実施をしての課題があったのか伺う。
【教育長 答弁】
新たな社会教育計画は、「当事者意識を高め、社会を創る力を育む様々な場の提供」
「幸福や豊かさを感じるウェルビーイングの向上を目指す支援活動支援」
「様々な世代の市民がつながりを感じ、ふるさとに誇りを持ち、地域づくりの担い手の場を広げるための環境整備」を教育行政の三つの方向性として掲げている。
これらの方向性を踏まえ今年度、大学教授等を招いた社会教育に関するシンポジウムの開催、多世代が本音で語り合う語り場を実践する島根県益田市の事例講演、学校教育現場での教育漫才の実施からコミュニケーション力や表現力を学ぶ研修、また根室高校生が放課後教室で指導員役となる「ネクストティーチャーズ」など、学びの場の造成や活動支援、地域づくりの担い手の場を広げる環境整備に努めてきた。
これらの取り組みを契機に、当事者意識を持って市民から「根室版カタリバ」をやってみたいとの声が上がり、高校生からも高齢者向けの健康体操にやってみたいなど、主体的な動きも広がってきた。
② 教育行政報告に掲げる「多世代交流の場づくりと団体の我がひろがる支援活動」とはどういった事業をイメージされているのか伺う。
【教育長 答弁】
公民館は教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、住民の教養の向上、健康の増進をはじめ生活文化の振興などを目的に地域の課題解決に向けた支援、地域における公共を形成するための拠点として設置。
これまでも様々な団体やサークルの皆様が集い、音楽活動や絵画、書道、工芸活動などの多くの経験や知識を持って幅広く多彩な活動をしているが、現代の地域社会が抱える複合的な課題への解決として、様々な活動や団体を横でつなぎ、解決への道へと進めることは、持続可能な地域づくりにとって必要な視点。
女性の視点の立場からあらゆる課題を取り上げ、自主的に学習する「根室市女性セミナー」を例に挙げると、市内の幼稚園児と折り紙や手遊びなどの交流から、参加した高齢者にとっては、これまでの経験を生かした生きがいづくりや存在価値、意欲の向上が図られたほか、幼稚園児にとっては地域文化や情緒面での学びが図られたとの評価をいただいている。
また高校生によるスマートフォン講習では、高校生の社会参画や世代を超えた交流による人間性の育成はもとより、高齢者のデジタルデバイドといった課題解決にもつながった。
公民館活動は地域の課題解決にもつながる多世代交流の場づくりや団体の輪を広げる支援活動として教育行政方針に位置付けており、引き続き取り組む。
0 件のコメント:
コメントを投稿