2026年3月5日木曜日

2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ①/6

2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました

その質問内容と答弁を要約してお知らせします

1.共創のまちづくりと第10期根室市総合計画における行財政について
(1) 今後の根室市財政運営の見通しについて
① 令和8年度の根室市一般会計予算案では9.48億円の財源不足。市議会議員協議会で示された「今後の財政収支見通し」では、大型建設事業等により今後も大幅な収支不足が数年間にわたって見込まれている。公債費は令和12年度まで急増することが見込まれるが、その後の推移および市債残高の見通しは?

【市長 答弁】
今後、新庁舎をはじめとした大型の建設事業の残債償還が開始し、長期試算上、令和12年度以降も増加傾向が続くと見込んでいる。学校建設やごみ処理施設などの公共投資を集中的に実施することに伴う構造的な増加であり一時的な山を形成するもの。その後の推移は新規の債発行を元金償還の範囲内に抑制することにより、緩やかな平原局面に転換できる見通し。
重要なのは標準財政規模に対する将来負担比率や実質公債費比率といった財政健全化の指標。
現時点の試算で、これらの指標は早期健全化基準を超える水準には至らない見通しであり、制度上の警戒ラインは十分に回避できる範囲内。大型の建設投資を行う以上、一定期間の公債増公債費増は避けらないが、それは次の50年をデザインするための前向きな負担。
今後もこうした経営指標を注視しながら、将来にわたって責任ある財政運営に努める。

② 市財政課の資料によると令和8年度末の財政調整基金、備考資金組合の超過納付金を取り崩した後の残高は約20億円の見込。通常であれば十分な水準だが、長期試算で示されている今後の収支不足の動向から、数年以内にこれらの基金が枯渇する事態になりかねない。今後の市財政運営の課題を伺う。

【市長 答弁】
令和8年度末の財政調整基金等、市の貯金残高は約20億円となる見通し。現時点で直ちに財政運営に支障が生じる状況ではなく、一定の備えは確保できている。
今後の課題は、構造的な収支ギャップへの対応。物価上昇や人件費の増加、施設更新需要の高まりなど、支出面では増加基調が続く一方で、地税や地方交付税をはじめとした一般財源の大幅な伸びは期待できる環境にはなく、歳入面では依然として厳しい状況にある。単年度のやりくりに終始することなく、財政構造そのものを立て直していく視点が大変重要。
事業の優先順位を明確にし、補助金制度や有利な地方債、ふるさと応援基金、これらを戦略的に組み合わせ、財源のポートフォリオ(保有資産の構成内容)を最適化する視点を強化し、持続可能な財政構造へと着実に移行することが、今後の財政運営における課題。

③ 厳しい財政状況を反映したのか、令和8年度の当初予算は過去に比べてソフト事業での新規の事業が少ない。一方でそうした中においても制度の改正により拡充が図られた点があることは評価できる。今後についても既存事業の必要性、効率性については全体的に見直し図ること。あわせて過去の辺地債の例など、本来なら活用できたはずの有利な国等の制度活用を見逃すことの無いよう、これまで以上に慎重な対応が必要。市の財政運営において特に留意すべき観点について市長の見解を伺う。

【市長 答弁】
新規のソフト事業については相対的に抑えた予算編成としているが、これは固定経費の増加をできる限り抑えるための判断。一方で既存の市民サービスについては期を逃さずにニーズに応じた拡充を図った。
今後の財政運営で特に留意すべき点は大きく三つある。
第一に既存事業の総点検。必要性や費用対効果、代替可能性を検証し、役目を終えたものは縮小廃止も含めて見直すことが必要。
第二に制度活用の徹底。財政面で有利な制度を事業実施の検討段階から確実に組み込むため、情報収集と横断的な共有を徹底し、活用の機会を取りこぼさない体制の構築が不可欠。
第三に財政全体を俯瞰する経営的視点。国庫補助や有利な地方債、ふるさと応援基金。これらを戦略的に組み合わせ、財源のポートフォリオを最適化する視点を常に持ち続けることが重要。
厳しい局面だからこそ、守るために絞るのではなく、攻めるために組み立てる発想が求められる。緊張さと同時にチャンスを逃さない感度を両立させながら、持続可能な財政運営を着実に進める。

【再質問】
令和8年度地方財政対策で地方交付税の総額が前年度+1兆2,200億円、プラス6.5%と大きな増額。10年前から比べると3.9兆円増額で確かに増えている。ただ近年、各自治体で財政状況の悪化が急速に表面化をしている。それはひとえに物価高騰や人件費、老朽化する公共施設の更新に追われる地方財政の実情と、国の財政対策は乖離しているのではないか。
例えば根室市の場合は、令和7年度の交付税が再算定して増額になった。当初の算定額から2億4,500万円が増額。 58億円、約59億円ぐらいの規模になったが、それでも12月補正で人勧で給与費が全会計合わせると4億6,000万円規模の増額が必要になっている。交付税の給与費分は財政課の試算では5,500万円ぐらいの規模しかない。とても厳しいと思うが改めて近年の国の地方財政に対する市の受け止めを伺う。

【財政課長 答弁】
今回の地方財政計画は、地方交付税の総額が前年比で6.5%と大きく伸びたことが一つの重要なポイント。地方の財政運営に対する政府の一定の配慮が示されたものであり、一般財源総額の確保という点からも評価すべき。しかしマクロの総額が増加している一方で、ミクロの現場に目を向けると物価高騰、人件費の上昇、公共施設の更新需要など、構造的な課題が強まっている。
こうした実態と照らすと交付税総額の伸びが各自治体の財政需要に十分に対応しているとは言いがたく、なお現場との間にギャプがあると認識している。給与改定費相当の交付税措置についても制度上は算定がなされているものの、実際の人件費増を的確に補填できているかという点で課題が残っていると感じている。地方財政の現場感覚として率直に懸念を抱いている点。以上を踏まえ近年の地方財政計画は、一定の前進は認めつつも依然として現場との間に乖離があるとは認識。本市して過度に楽観することなく、生活現実的に受け止めながら、自立的な財政運営に努めたい。

【再質問】
自立的な財政運営を強化ことは本当に大切だが、根室だけでなく北見、釧路、室蘭とあちこちこれだけ出ている状況。これまで国の方はよくコロナの辺りから基金をたくさん積み込んでいるみたいなことを宣伝されてきたが、実情が急展開で悪化をしているということを強く地方から訴えていく必要がある。

【市長 答弁】
自立的な財政運営というのは基本姿勢と思うが、最大限の効果を上げる努力を積み重ねることが地方自治体の本質的な役割と言いながら、まさに失われた30年と言うが、30年前の北海道開発庁の予算一兆円あった。今は2、3割足りない現状。例えば道路工事でも今までの倍になることは「歪みが来ている」と思うところ。
地方財政を取り巻く環境は一層厳しさを増している。加えて人口減少、それから50年経って公共施設の更新をやらなければいけない構造的な課題が顕在化をしている状況。本市のみならず全国の自治体が共通している課題。
全国市長会、北海道市長会を通じて地方の実情を丁寧かつ具体的に共有し、(首相の)「責任ある積極財政」という言葉もあるが、しっかりと地方の自治体に見合った交付税の確保、必要な地方財源措置の充実に対して、国に対してしっかりと訴えてまいる取組が必要。

(2) 行政評価のあり方について 
令和7年度より第10期総合計画がスタートしたが、総合計画にもとづく行政評価が事務作業として過重な負担となっており、そのあり方をどのようにしていくのか課題となっていることが説明された。市職員の厳しい体制から事務作業の簡略化、効率化が可能であればその方が望ましい。その後、市の検討状況について伺う。
一方で第10期根室市総合計画では重点プロジェクトとして、「1 こころの元気作りプロジェクト」、「2 生きるをつなぐプロジェクト」、「3 地域資源Reデザインプロジェクト」という3つの横断・複合的なテーマが掲げられている。
これらは従来の個別の施策・事務事業に対する評価・検証とは別な視点から、検証する機会をつくる必要があると考える。事務事業評価および外部評価委員のあり方も含め、今後どのような方針および具体的な手法のもとで第10期総合計画の各種事務事業の検証を「見える」形で評価しようとしているのか伺う。

【市長 答弁】
本制度は、市の政策や施策、事業、事務事業の有効性、効率性について、職員による内部評価と市民委員による外部評価を行い、その結果を生かし改善する取り組み。引き続き 第10期総合計画の推進に当たり運用を図る方針。
また総合計画に掲げた重点プロジェクトについても本来行政評価の対象とすべきだが、本プロジェクトの目的が地方創生総合戦略と大部分で重なることから、根室市創生有識者会議における評価検証をもって行政評価を兼ねるなど、実務の面から省力化を図り、効率的かつ合理的に運用している。
なお具体的な運用の手法等については、平成22年策定の行政評価制度に定めるとおり。現在、本制度の改定作業を進めているところだが、今後とも目的の明確化や評価の可視化など、適切かつ効果的な運用を図る。

(3)地域産業の人材確保対策の取り組みについて 
歯止めのない人口減少のなかで、地域産業および商工業活動においてこれまでの担い手の高齢化や労働力不足が年々深刻になっている。根室市は令和7年度に新規事業および事業の改正として「ねむろ就農応援事業」「漁業担い手育成支援事業」「奨学金の返済支援などの人材確保対策事業」「ねむろ就職応援事業」など一連の総合的な対策の拡充を図ってきた。
一方で行政側の支援対策は、過去には残念ながら十分な活用が図られてこなかったケースも多々あり、民間の経済活動に市町村が効果的な行政施策を実施することは大変に困難な作業。令和7年度に市が新規に実施した人材確保対策に対する実績および施策の効果を伺う。
あわせて、昨年改定された産業振興ビジョンでも引き続き、大きなテーマの一つとして「人 労働力の確保と雇用機会の創出」を掲げており、今後どのように業界団体、企業側と連携を図りながら、就業環境の充実、担い手人材確保の支援策を進めて行くのか伺う。

【市長 答弁】
少子高齢化や人口減少に起因し、市内ではあらゆる産業において人材確保が課題。新規学卒者等の地元就職を促進するため、漁業、農業、商工業の各分野による地元就職奨励交付金制度を令和7年度に創設するとともに、これまで市と企業が共同で対応してきた奨学金返還支援制度を市単独での支援制度へと改正した。
令和7年度のこれまでの実績としては、農業分野の実績はなかったものの、漁業は4名、商工業では30名に地元就職奨励金を交付したほか、新たに3名に対し奨学金返還支援を開始した。
本施策の効果は今後5年間の定着率の推移を継続的に測定する中で評価していく。
根室市産業振興ビジョンにおいて産業政策に三つの柱を設定しており、人をテーマに労働力の確保と雇用機会の創出を一つ目の柱に据え、地元就職奨励金制度はもとより、基幹産業である漁業、農業の分野における担い手対策の強化や人材確保や育成、高校生による地元企業視察や職場体験等を通じた市内産業への理解の促進など、業界団体や市内企業と連携しながら取り組む。

(4)再生可能エネルギーとの「地域共生」の考え方について 
根室市内に建設を予定しているメガソーラーの企業による地域説明会が昨年秋より立て続けに行われ、どの説明会でも反対、批判的な声が多くある。同時に大きなテーマとして地域との共生、地域貢献のあり方についても意見が交わされた。事業者側はいろいろな案と出席者に説明していたが、それらの案が地域にとって必要な取り組みなのかどうか。市民合意という観点が重視されているが、建設時のみならず安全性や自然環境への影響等の課題、住民の不安が将来にわたってクリアされる、その担保がしっかりとされることが前提として、その上で地域住民のみならず行政や関係機関と十分な話し合いのもとで、事業者から地域にとって必要な、そして有効な対策を引き出しながら「ともに地域をつくっていく」ことを考えることも必要です。再生可能エネルギー発電施設との地域共生のあり方に対する見解を伺う。

【市長 答弁】
現在、西浜町及び月岡町で計画中のメガソーラー発電施設は、事業者が地域住民と合意形成を図るための対話が重ねられており、その中で地域貢献策についても検討さている。
市は安全対策をはじめ自然環境や生活環境への配慮など必要な措置を適切に講じるよう事業者を支援する立場にあり、地域貢献策は内容自体が地域住民と事業者の合意形成に直接的に関わる事項であるため、市が踏み込んで関与することは、届出の受理判断に対する疑念を招きかねないことが想定をされ、適切ではないと考えている。事業者提案の地域貢献策については、その実現性についての確認等助言にとどめる考え。

(5)第3次根室市男女共同参画基本計画にもとづく今後の推進について 
① パートナーシップ制度について
計画の「基本方向2 人権の尊重」に掲げるパートナーシップ制度について、第10期根室市総合計画および第3次男女共同参画基本計画で「導入します」と明記されたことは大きな前進点。男女共同参画基本計画の「第1次実施計画」では、令和11年度までに導入を目標としている。釧路市では検討する期間を1年以上を要している。先行する先進自治体の事例は増えており、最新の知見を取り入れつつも、しっかりとした検討を進めるための体制を早く構築していくことが重要。今後どのような体制で検討していこうとしているのか伺う。

【市長 答弁】
多様な価値観や生き方を尊重し、安心して暮らせる社会の実現のため、全国の自治体で広がっており、当市においても人権尊重の観点からパートナーシップ制度の導入を第三次男女共同参画基本計画に位置付けた。
制度導入に当たっては、住民票の請求や市営住宅への入居、病院での面会、手術同意、救急搬送時の救急車への同乗など、様々なサービスを検討するためには、庁内における横断的な連携体制の構築が必要と考えており、どのような体制が適切なのか、他市の状況などを調査研究したい。

② 就労の場における男女共同参画の推進について
計画の「基本方向6 就労の場における男女共同参画の推進」では、通年雇用セミナー等を通じて啓発を行うとしている。セミナーによる一般的なハラスメント対策や雇用機会均等などへの理解を深めていくことは大切。あわせて正面から経営者自身が論議し、具体的に取り組むための方策をすすめていくことは、働きやすい職場づくり、職員の定着につながる。企業側と行政が連携した取り組みを推進していくことについて見解を伺う。

【市長 答弁】
根室市男女共同参画基本計画では施策展開の一つに男女の均等な就業機会と職域拡大の促進を推進事項としており、市や関係団体主催のセミナー等を通じて、企業経営者に対し、労働基準法や男女雇用機会均等法、女性活躍推進法などの周知啓発に努めるとともに、職場体験や資格取得支援など、市内企業と連携して就労者の個々の適性や能力、希望職種に合った総合的な職業能力の開発を支援する。
また就労の場における男女共同参画の推進には、経営者自身がその取り組みを進めることが重要で、例えばワークショップ型セミナー開発など、経営者自身が現状を認識し、具体的な取り組みを実施するための機会づくりを検討する。

③ 市行政における男女共同参画の推進について
計画の「基本的方向9 政策・方針決定過程における男女共同参画の推進」において、「市役所内における男女共同参画の推進」とある。市職員の体制も非常に困難な状況が続いているが、地域の中で市がリーダーとしての役割を図っていくことが重要。職場の現状分析の結果を伺うとともに、長期的な視点にたってどのように取り組みをすすめていこうとしているのか伺う。

【市長 答弁】
市役所内の男女共同参画の推進は、組織が持続可能な発展を求めるために重要な課題。単に男女の平等を実現するだけではなく、多様な視点や価値観を取り入れることで、より良い政策やサービスの提供につながる。
令和7年4月1日現在の本庁部局の女性管理職は3名で、全管理職に占める割合は8%、女性主査職は17名で、全主査職に占める割合は23%となっており、年々女性の比率は上昇傾向にあるが全職種における女性の比率31%と比較すると依然として低い状況。
男女共同参画の一層の推進に向けて、ワークライフバランスの確保や男女ともに能力を発揮できる職場環境の整備を進める必要がある。併せて出産や子育てに対する周囲の職員の理解も重要で、職員研修等を通じて男女の平等や相互理解の重要性について理解を求め、職場内でのコミュニケーションの活性化を図る。


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