根室市は津波防災地域づくりに関する法律にもとづく「根室市津波防災地域づくり推進計画」(素案)を策定し、現在は2/17まで日程でパブリックコメントを実施しています。今年度中の策定を目指しています。
根室市は2022年7月に関係機関や有識者等による「津波防災地域づくり推進協議会」を設置。これまで3回の協議会と各地区での懇談会を開催してきました。
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に対して北海道が2021年7月に公表した「津波浸水想定区域」をもとに、数百年から千年に一度とされる最大クラスの津波(L2津波)への対策を構築するとしています。
北海道の被害想定では根室市の場合、最悪のケースで死者2300人の予測とされています。
こうした中、最大クラスの地震や津波に対しても「何としても人命を守る」ことを目的に、多重防御の視点で、ハードの施策(避難路や津波防護施設の整備等)とソフトの施策(速やかな避難体制や情報伝達手段の整備等)を組み合わせた取り組みを行います。
三方を海に囲まれ、水産業が中心である根室の実情に合わせて、災害に強い地域づくりを総合的に進める内容です。
推進計画(素案)は各地域の課題や冬季の課題の取り組み方針を踏まえ、根室市の津波防災地域づくりの将来像を「海とともに生きる、安全・安心な水産都市ねむろ」と掲げています。さらに基本的な方針では、
- 津波から逃げる環境づくり
- 命をつなぐ環境づくり
- 迅速に復旧・復興する体制づくり
- 地震・津波から守るインフラづくり
- 地震・津波に強いまちづくり
という5本の柱を設定しています。
素案で5つの基本方針に張り付けられている市の事務・事業は、現時点で主に既存の内容を振り分けたものです。
「今後さらに検討が必要な事項」として補助率の嵩上げ等の改正がされた日本海溝・千島海溝の特措法を活用して施設整備を進める「津波避難対策緊急事業計画」を策定し、地域防災計画の防災対策推進計画とも整合させながら、さらなる内容の充実を図っていくとしています。
以下は私の感想ですが、
これまで根室市では車による避難を前提としていたため避難困難地域は無いとされてきました。
その所為か以前、市民団体(根室まちづくりDIY:須崎和貴代表)より防災対策の充実強化を求める請願が出された時、当時の市議会総務常任委員会は厳しい反応でした。
それが今回の素案で「一時避難先の拡充や津波避難シェルターの整備等を検討」とされことは大きな前進と思いした。
また要配慮者対策では、特に高齢者や障がい者等の避難行動要支援者への対応について既存の取り組みが掲載されていますが、これまでの対策では十分に進んでこなかった経緯があり、福祉等の専門職の力を借りながら取り組みを進めるような方策を具体化していく必要があると考えます。
その他、災害ボランティアを受け入れるための体制…例えば受け入れ施設をどこでどのように開設するのか等についても、関係機関と十分に協議しながら検討を進めていくべきと思います。
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