2023年1月31日火曜日

根室市津波防災地域づくり推進計画(素案)が示される

根室市は津波防災地域づくりに関する法律にもとづく「根室市津波防災地域づくり推進計画」(素案)を策定し、現在は2/17まで日程でパブリックコメントを実施しています。今年度中の策定を目指しています。

根室市は2022年7月に関係機関や有識者等による「津波防災地域づくり推進協議会」を設置。これまで3回の協議会と各地区での懇談会を開催してきました。
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に対して北海道が2021年7月に公表した「津波浸水想定区域」をもとに、数百年から千年に一度とされる最大クラスの津波(L2津波)への対策を構築するとしています。
北海道の被害想定では根室市の場合、最悪のケースで死者2300人の予測とされています。
こうした中、最大クラスの地震や津波に対しても「何としても人命を守る」ことを目的に、多重防御の視点で、ハードの施策(避難路や津波防護施設の整備等)とソフトの施策(速やかな避難体制や情報伝達手段の整備等)を組み合わせた取り組みを行います。
三方を海に囲まれ、水産業が中心である根室の実情に合わせて、災害に強い地域づくりを総合的に進める内容です。

推進計画(素案)は各地域の課題や冬季の課題の取り組み方針を踏まえ、根室市の津波防災地域づくりの将来像を「海とともに生きる、安全・安心な水産都市ねむろ」と掲げています。さらに基本的な方針では、
  1. 津波から逃げる環境づくり
  2. 命をつなぐ環境づくり
  3. 迅速に復旧・復興する体制づくり
  4. 地震・津波から守るインフラづくり
  5. 地震・津波に強いまちづくり
という5本の柱を設定しています。
素案で5つの基本方針に張り付けられている市の事務・事業は、現時点で主に既存の内容を振り分けたものです。
「今後さらに検討が必要な事項」として補助率の嵩上げ等の改正がされた日本海溝・千島海溝の特措法を活用して施設整備を進める「津波避難対策緊急事業計画」を策定し、地域防災計画の防災対策推進計画とも整合させながら、さらなる内容の充実を図っていくとしています。

以下は私の感想ですが、
これまで根室市では車による避難を前提としていたため避難困難地域は無いとされてきました。
その所為か以前、市民団体(根室まちづくりDIY:須崎和貴代表)より防災対策の充実強化を求める請願が出された時、当時の市議会総務常任委員会は厳しい反応でした。
それが今回の素案で「一時避難先の拡充や津波避難シェルターの整備等を検討」とされことは大きな前進と思いした。
また要配慮者対策では、特に高齢者や障がい者等の避難行動要支援者への対応について既存の取り組みが掲載されていますが、これまでの対策では十分に進んでこなかった経緯があり、福祉等の専門職の力を借りながら取り組みを進めるような方策を具体化していく必要があると考えます。
その他、災害ボランティアを受け入れるための体制…例えば受け入れ施設をどこでどのように開設するのか等についても、関係機関と十分に協議しながら検討を進めていくべきと思います。
根室市津波防災地域づくり推進方針(素案)から抜粋した基本的な方針の体系図


2023年1月30日月曜日

2022年の根室市内の出生数は 死亡数の1/4以下に

根室市の統計によると、
2022年1月~12月までの出生数は104名と近年で最も少なくなりました。
一方で死亡数は443名と去年を上回りました。
またコロナ初期の2年前より外国人も含め市内転入は回復していますが、市外転出はもっと多く人口減少がさらに進んでいます。


各年1月~12月の推移 根室市市民環境課の資料より

根室市内の出生数と死亡数の推移(各年1月~12月)
根室市市民環境課の資料より作成


子育て支援策の充実とともに、子どもの貧困対策さらに前進を
石垣市長は昨年の所信表明で子ども医療費無償化を18歳以下の高校生まで拡充する等「子育て応援7つの無償化」を表明しています。
さらに今年は「移住元年」を宣言して取り組みを強化する姿勢です。
岸田首相の言う「異次元の~」がどこまで本気なのかは不明ですが、地域として使える制度は十分に活用しながら積極的な取り組みが求められます。

同時に長引くコロナ禍と物価高騰により子どものいる家庭の経済状況がどうなっているのか。
市は「子どもの生活実態調査」を2017年に行っていますが、その後の再調査の実施も含め子どもの貧困について総合的な対策推進を図るべきと思います。



寒さが厳しい中、灯油代や電気代等の高騰が生活を圧迫

根室市介護福祉課によると、市が2年連続で実施した「福祉灯油」は、今年度分は既に対象世帯の約95%の世帯に支給されたそうです。
道内の灯油価格は昨年12月以降やや下落傾向ですが、それでも例年に比べるとまだ高い水準で推移しています。
市内のある方は、
「1月の灯油代が2万円を超え、数年前の倍近くに。家で厚着もしているが、年をとったせいか前より寒さが堪えるようになった」と言います。
電気代や食料品も大幅に値上がりする中、食費や外出を控える等で支出を抑えるようにしている、とのこと。
福祉灯油をはじめ物価高騰への支援対策は、今後も引き続き重要な課題です。

2023年1月25日水曜日

2023年 根室市議会 1月緊急議会

2023年1月25日

根室市議会1月緊急議会が開催され、市職員の時間外勤務手当等に関する算定誤りを正す条例改正等やふるさと応援寄付金の増額や国の第2次補正予算の出産・子育て応援給付金に関連する補正予算などが審議され、可決しました

市職員の時間外勤務手当等の算定基礎額の改正について
時間外勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当について、労働基準法と施行規則ではその算定に寒冷地手当を算入しなければならないそうですが、根室市ではその部分が漏れていました


経過としては、平成29年(2017年)に「適切に対応するよう」求める総務省通知が出されていたにも関わらず、当時、根室市では他市の状況を確認したところ、多くの自治体で実施していなかったことから、見送ってきた経過があるそうです。
ところが年月が経過して、昨年あらためて調査したところ約8割の自治体が参入していたことから、根室市でも導入することを決定したようです
というよりも他市がどうであれ、市の法務担当主幹より「労基法違反だ」と指摘され、実施することになりました

「法令解釈の誤りや認識不足により、これまで不適切な対応となっていた」として、未払い賃金として労働基準法の時効成立前である令和2年(2020年)4月にさかのぼって支給し、あわせて遅延損害金も支給します
在職者・退職者あわせて660人に対して、差額となる未払い賃金額が11,378,977円(一人当たり17,240円)と合わせて未払い賃金に対する遅延損害として賠償額609,326円を補正予算として計上しました
あわせてその責任として、当時の関係職員に対して行政処分を行い、また今回の市長の給与を20%、副市長は10%を2月の1か月分減額します
石垣市長は「給与は職員と家族の生活を支えるものであり、職員の生活を守るべき雇用主として不利益を与えたことを重く受け止めている」と行政報告で述べていました

法律の問題なので、もちろん適正に実施されなければなりません
ただ、市の各担当課においても欠員が生じる等、体制的に厳しい中で日々の業務を担っています
適切な業務のチェックのありかたについて、どのような方法が考えられるのか、十分な検討が必要と思います

2023年1月18日水曜日

根室市へ『2023 年度の根室市予算編成等に関する 要望書』を提出しました

2023年1月18日

日本共産党根室市議会議員団と根室市委員会は市に対して新年度の予算編成に関する要望書を提出しました。
毎年度実施しているもので、領土問題や産業振興、医療・福祉・介護、教育、防災など多岐にわたる住民要望や地域課題について要請を行いました。

党根室市議団の鈴木一彦団長は、国は防衛費を大幅に拡大する一方で、社会保障等を削減している。根室市として住民生活をまもる予算編成としていくよう求めました。
石垣市長は、先進自治体の事例も学び、ふるさと応援寄付金をしっかり活用しながら「選ばれる」まちづくりに取り組んでいきたいと答えていました。


2023年1月15日日曜日

エゾシカ防除柵で春国岱のハマナスや生態系を保護

2023年1月15日

春国岱ネイチャーセンターのフィールド講座が開催され、根室市歴史と自然の資料館の外山学芸員さんが「春国岱のハマナスは今 ハマナス群落保全プロジェクトのその後」というテーマで講演を行い、聴講させていただきました。

外山氏はエゾシカによる食害等を受けていた春国岱のハマナス群落について、春国岱ネイチャーセンターや根室ワイズユースの会の協力のもと群落を保護する防除柵を2014年に設置。
その後モニタリング調査を続け、ハマナス群落や関連する生態系がどのように変化したのか、防除柵の中と外側とを比較したデータを報告されていました。
設置後8年を経過して防除柵の内側ではハマナスの樹高が回復しており、また観測された植物や虫、鳥の種類も柵の内外で差異が確認されたそうです。
外山氏は、エゾシカの個体密度を減らすことがカギだが時間がかかりその間も被害が進むため、柵などで部分的にも植物群落を保全することは意味があるとしていました。

また環境省の調査ではエゾシカが春国岱のほか落石方面にも往来しているそうです。
狩猟できない区域に密集することで、踏み荒らしたり糞尿による影響で高層湿原やアカエゾマツ湿地林に被害が生じているとのことでした。




2023年1月8日日曜日

令和5年 根室市 20歳のつどい

2023年1月8日

「根室市 20歳のつどい」が開催され、今年度に20歳となる204名の方が新たな門出の日を迎えられました
昨年までは「成人式」としていましたが、民法改正により昨年4月から成人年齢が18歳に引き下げられ、全国の自治体でこれまでの「成人式」のあり方をどうするのか様々な対応となっています。
従来通り20歳のときに式典を行う自治体が多いと思いますが、根室市でも対象となる方々へのアンケートを行い、今回はじめて「20歳のつどい」として開催されました

成人式は新型コロナウイルス感染の影響で、確か一昨年5月に開催し、また昨年は一般参加の来場者を制限し、式典の様子は市教育委員会のYouTubeチャンネルでライブ配信されていました
一般の方の参加ができる式典は3年ぶりです
準備された実行委員会の方々も大変にご苦労なさったことと思います

二十歳の誓いとして参加者の代表のお二方が
「これから様々な困難に直面するかと思いますが、私たちの持ち前の明るさを活かし、どんなときも一生懸命努力を続けます」
「世界に誇る美しく豊かな根室の自然を守り、先人が築き上げた良き伝統と文化を継承し、若い人たちが住み続けたいと、戻ってきたいと思えるような根室を作るために努力します」
と宣言されていました

晴れやかな振袖や袴、スーツ姿の若い方々のはつらつとした姿をみて、私達も住みよい地域をつくるために一層の努力をしていかなければならないと思いを新たにしました

ところで今回配布された式典のしおり204名の名簿が掲載されていましたが、そのうち18名の方がベトナムなど外国の方々のお名前でした
主に技能実習や特定技能等で来日されている方々と思いますが、市役所の方のお話ではベトナムでは18歳成人で、特に20歳をお祝いする習慣はないそうで、残念ながら今回の市の「20歳のつどい」にもあまり参加はされていなかったそうです
せっかく縁あって根室に来ていただいたわけですから、こうした外国籍の方々もなんらかの機会にお祝いできる場がもてると、と思いました

2023年1月7日土曜日

今年が災害の少ない明るい年となりますように

2023年1月7日

「令和5年根室市消防出初式」が、市総合文化会館で開催されました

分列行進など屋外行事では、昨年12月に新規導入された高規格救急児童車(根室救急2)の紹介もされていました

屋内行事では、昆布盛太鼓保存会さんによる迫力ある演奏や昨年の消防団の活動を記録したスライドショーが披露されました
その後、消防庁長官表彰の伝達など、表彰式が執り行われました
市長のあいさつによると2022年の根室市内の火災発生件数は4件(前年-6件)でと過去最少となったそうです
ただ高齢化の中、救急搬送件数は2022年は1,236件(前年+59件)と増えています
「令和3年版消防年報」-根室市消防本部-より抜粋

消防職員・消防団員の皆様のご活躍に心から敬意を表します
今年が災害の少ない明るい年となりますように




2023年1月4日水曜日

本年が根室市にとって躍動感あふれる、飛躍の年となることを

2023年1月4日

「令和5年 根室市新年交礼会」が行われました
今年も牛乳で乾杯をしていました

新年のあいさつで石垣市長は、2022年(1月~12月)に全国から寄せていただいたふるさと応援寄付金が速報値で83万件、約177億円と過去最高の受け入れ実績となったことを報告(2021年1月~12月は796,000件、1485,000万円)
全国の皆様の根室への信頼の積み重ねと、関係する皆様の取り組みのおかげと感謝の言葉をのべ、引き続き制度お健全な発展といっそうの普及に取り組みたいとしていました
昨年から根室市ではワンストップ特例制度の申請事務の完全オンライン化をはじめ、また宣伝を行わなず、すべて地元で対応し、口コミとリピーターにより、応援して頂いているとのことでした
これまでのふるさと納税をつうじた関係人口は340万人にのぼり、そうした関係人口を移住につなげていくために、市長は2023年を若者や女性から選ばれる町として「移住元年」として、全国紙への全面広告や根室市移住定住促進ポータルサイトを立ち上げ、また関連する施策推進をはかっていく考えを示しました



2023年1月1日日曜日

大軍拡を許さず、新しい政治の実現を 物価高騰でも命と暮らしを守るため 今年もがんばります

市民のみなさん
昨年中はお世話になり、誠にありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
6時49分、今年の初日の出も、すばらしい天気のなかで迎えることができました
納沙布岬も風もなく、それほど寒さを感じませんでした
全国各地から大勢の方があつまってこられていました
例年よりも多かったかもしれません




2022年7月に行われた参議院選挙では、多くの市民の皆さんから、ご支援をいただき、誠にありがとうございました。
岩渕友参議院議員が再選を果たした一方で、党全体としては改選5議席から3議席への後退となり、皆さんの期待に応えることが出来ませんでした。
今後ともあらゆる分野で国民の願いを実現する活動を全力で取り組んでまいります。
 
 新型コロナの影響は3年目も続き、特に秋頃の第8波は根室でも多くの方が感染され、高齢者施設等の集団感染や医療機関の発熱外来もひっ迫するなど、不安な中で過ごされた方もおられると思います。
さらに今冬はインフルエンザとの同時流行も心配されるなど、感染拡大への対策は引き続き重要な課題です。
日本共産党は「物価高騰から暮らしと経済を立て直す緊急提案」を発表しました。
大企業の内部留保に課税し、その財源をもとに中小企業へ直接支援を行い賃上げの実現を求めます。
また世界各国が実施している消費税の緊急減税により、暮らしに希望をもてる日本を目指します。

岸田政権は「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定しました。
敵基地攻撃能力を保有し、5年間で43兆円という大軍拡を進める方針です。
財源は増税など言われてますが、その一方で年金や医療・介護など暮らしの予算が犠牲になります。
いま日本が取り組むべきことは、憲法9条を生かした平和の外交戦略を進めることです。暮らしを壊す大軍拡を止めるため全力を尽くします。

2023年は道知事選挙をはじめとする統一地方選挙が行われます。
平和と自由、住民の暮らし守る政治を地方自治体から広げていきましょう。
引き続き、ご支援を頂けますよう心からお願い申し上げます。

ロシアのウクライナ侵略により、多くの命と平穏な生活が奪われ、厳しい冬の今はより深刻な状況に陥っていると報じられています。ウクライナ情勢は世界規模で経済的な打撃を与え、領土問題を抱える根室では対ロ漁業や四島交流など、今後もさらなる影響が懸念されます。
サンマ漁など水産業が厳しい状況が続く中、2021年の赤潮被害、コロナ禍に加え、燃油や物価の高騰が、酪農業をはじめ全ての産業と市民生活に打撃を与えています。
日ロ関係の悪化により、外交交渉は完全にストップし、墓参やビザなし交流事業の全てにおいて、再開の見通しが立ちません。
領土問題が置き去りにされることを多くの元島民の方々が心配しています。
早期の再開と、何より領土問題が未解決であることから深刻な打撃を受け続ける隣接地域に対する抜本的な地域振興対策は切実な課題です。

私たちは市民のみなさんとともに、産業振興、医療・福祉・介護の充実、教育環境の向上などの諸課題解決のため、引き続き力を尽くします。 
新しい年が、明るく希望に満ちた一年となるよう、ともに頑張りましょう。