2022年9月9日
根室市議会の文教厚生常任委員会は委員会協議会を開催し、根室市教育委員会から市立の小中併置校を次年度から順次、義務教育学校として開設していく方針について説明を受けました
根室市内では2020年度(令和2年度)から歯舞小学校と中学校を、義務教育学校「歯舞学園」として開設しています
その歯舞学園のこれまでの経過や実績をふまえて、
2023年度(令和5年度)に、施設整備等が比較的小規模で済む海星小学校と海星中学校を義務教育学校とし、
また2024年度(令和6年度)からは、校舎の改築を検討している厚床小学校と中学校を、
さらに今年度に移転の設計をおこなっている落石中学校と落石小学校について、それぞれ義務教育学校として開設するための協議を進めて行く、としています
市教育委員会から義務教育学校の概要や歯舞学園の取り組み状況について説明をうけました
9年間を見通した連続性のある学びを確立することにより、入学時から「15歳になった子どもの姿」を学校の教職員と地域が一緒になって共有して教育にあたること。新学習指導要領がめざす目標の達成には義務教育学校の制度が一番適していると説明していました
また中学校教員の小学校への乗り入れなど教科担任制の導入により専門性の高い指導が行われ、歯舞学園では標準学力テストの成績が一部の科目で伸びているそうです
各委員からは「そんなに良いモノなら小中併置校だけでなく、市街地域も含めた市全体で計画を立てて、小中一貫教育や義務教育学校化に向けて早急に進めるべき」といった趣旨の意見がだされていました
しかし義務教育学校は制度として出来たばかりの学校種であり、その教育効果や子ども達の発達にどのような変化・影響がみられるのかについては、今後についても検証がすすめられるべきものと思います
現時点では、協議会内の意見交換で教育長も話していましたが「各地域の中で核となる学校を残す」ために、それも児童生徒にとってより良い教育環境をつくるシステムとして義務教育学校を導入するということであれば、根室のような過疎地域においては必要な対策かもしれません
一方で校則や定期考査など中学校型の管理教育を、従来の小学校に相当する学年にも広げてくるのでは、という疑問はあります
委員会協議会の質疑において各委員から「そんないいモノなら市全体で計画を立てて(急いで?)市街地の学校でも進めるべき」という趣旨の意見もだされていました
しかし埼玉や東京でやられているように、学校統廃合を急速に進める手段として小中一貫教育・義務教育学校を利用することがあってはなりません
いずれにしても学校教育職員、保護者や地域の方々への十分な情報提供と話し合いのもと、また児童・生徒の考えなども十分に聞きながら、検討していく必要があると思います
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