2021年12月7日火曜日

陸揚庫の保存と活用を考える「公開ヒアリング」と「意見交換会」

 2021年12月5日

10月に国の登録有形文化財に登録された「根室国後間海底電信線陸揚庫」について、北方領土対策に関する専門家会議が主催する公開ヒアリングと意見交換会が、ニホロで開催され、聴講してきました

第一部の公開ヒアリングでは陸揚庫保存会の久保浩昭氏をはじめ、根室の自然・文化に造詣のある方や観光協会、千島連盟の脇理事長などが、陸揚庫の今後の保存方法や今後の活用、あるいはこうした施設を含め根室の歴史や自然を活かした観光振興策や、領土返還運動を盛り上げるため結びつきなど、様々な角度からの主張されていました
二部の意見交換会では北海道博物館学芸員の右代氏をコーディネータに、根室市市史編纂委員の方、文化財保護の専門家の方を交え、さらに論議を深めていました

保護については、どのような形で修復するのか、あるいは潮風や越波から守るために「覆屋」をするのか等が論点となっていました
また活用については文化財として、そのほかの根室の歴史遺跡や自然と連動した一帯のストーリー性をもたせ、それぞれのスポットを観光客が周遊できるような壮大な構想など、いろいろなアイデアが挙げられたほか、領土問題の啓発施設としても修学旅行での活用や財源についても北方領土の関係から内閣府に協力を求めることなどの発言もありました

ただ修復をする上でも、市民や観光で活用するストーリーを構築する上でも、この「陸揚庫」が、当時どのような活用がされていたのか、もともとの姿はどのような形だったのか、装置や什器など陸揚庫の内部の状況がどうだったのか、当時かかわった人々の証言や記録が他にあるのか・・・まだまだ分からないことが多くあるそうです

それと合わせて論議になったのは、保存や活用を進めるうえで「多くの市民をどのような形で巻き込んでいくのか」という点です
何らかの市民組織を立ち上げたとしても、取り組みを「長く継続していくことが難題」と参加者の方々は懸念していました。こうした課題にも他地域の事例も参考にしながら研究を深める必要があるようです



0 件のコメント:

コメントを投稿