2024年12月5日
今年度の根室市総合教育会議が根室市役所で開催されました
総合教育会議は市長と教育委員会が、相互の連携を図りつつ、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して教育行政を推進していくため、重点的に講ずべき施策等についての協議・調整が行われます(根室市のホームページから引用)
今回は意見交換として、市政方針に掲げられている「市民誰もが住み慣れた根室で生き生きと暮らす」ために、高齢社会において生きがいづくりの「通いの場」としても重要な役割を担う公民館活動の今後のあり方をテーマに市長と行政の各担当部局、教育委員の皆さん方が意見交換をされました
また今回の総合教育会議は根室高等学校の3年生で市職員や医療福祉、地域の活動に関心のある6名も参加(傍聴)し、「こころとこころの握手講座(Ne-Ko-P)」というワークショップを教育委員の皆さんとともに体験されていました
根室市では2022年度から市民向けのコミュニケーション能力を高める講座として『根室子どもピアサポート事業』を開催しており、その中で「こころとこころの握手講座」が活用されているそうです。
参加者は円形に座り、緊張感を受けずに安心して本音で話せるように「ぬいぐるみ」(いわゆるコミュニティ・ボールの代わり)を手にした参加者が共通のテーマについて発言し、話し終わったら次の発言者にぬいぐるみを手渡します
言葉を途中で遮ったり否定したりせず、相手の話をよく聞きながら、自分自身の考えをじっくりと深めていく、そうした一連の流れを参加された方々は体験していました。
体験をした教育委員からは「素の自分、本心からは話すことができる安心感があった」「いろいろな方向から見ることができた。教育委員会の会議もこのスタイルで実施してはどうか」などの意見がだされていました。
また高校生からは「人の前で話すのは苦手だったが、この雰囲気なら自分の伝えたいことも伝えやすい」などの意見がだされていました。
この「こころとこころの握手講座(Ne-Ko-P)」は、当日の配布資料をそのまま転記すると
「自分自身を表現し、相手の発言をそのまま受け止めることができる『質の高い対話』を実践することで、市民同士が相手目線で思いやり、つながりづくりの方法や探求心をもって安心して対話に参加できる関係性を形成し、それぞれのやり方で『地域コミュニティで活かせる対話』の実践を身に着けることにより、質の対話が生まれ市民同士が助け合える地域を目指します」
ということだそうです。
私は勉強不足でよく分かって無いのですが、この手法は元々アメリカ発祥のphilosophy for children(こどものための哲学:p4c)という哲学の教育実践で、近年は日本でも道徳など学校教育で多く活用されるようになっているらしいです
今後の公民館活動についての意見交換の中で教育委員から
「以前、高校生からラウンドワンを作って欲しいという意見があった。遊ぶ場所が無いことはたしか。公民館の市民講座はいろいろあるが、市民だけでなく来訪者もターゲットにした人を呼べる取り組みができないか」「旧校舎を利用した伊達大滝 CHILDHOOD(チャイルドフッド)などの取り組みは参考になる」
「市総合文化会館は行事等の何か用事があるときに行くが、何もなくても市民が集えるような形になっていくと交流の場として良いのではないか」
「高校生が高齢者の方にスマホ教室をするとか、逆に高齢の方から高校生に昔の話をする機会など、世代間交流の機会が出来れば良い」
「居場所づくり」についての様々な意見がだされました。
これらの意見をうけて波岸教育長は「こころの居場所づくりが大切」どういったことができるのか、行政でも担当部局を横断するような形で考えていきたい、と話していました
石垣市長は文化やスポーツなど趣味を通じた人と人とのネットワークが大事。そのためには文化会館の利用料を軽減する必要があるのではないか。新年度は新たな教育大綱を策定しますが、物理的にも心の面でも集いやすいまちづくりを考えていく必要があると、話をされていました。
また市教育委員会の各担当課から「課題と将来に向けた取り組み」として、新年度にむけて予算要求している内容について説明されていました
主な内容は、
- 小・中学校の義務教育学校化および学校施設の整備について
- 柏陵中学校と北斗小学校の義務教育学校化への取り組みとして、
- 令和6年度 基本設計
- 令和7年度 実施設計
- 令和8年度 建設工事
- インクルーシブ教育の推進、一斉教育指導からの脱却、個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けて学校づくりを推進する。
- 社会教育士育成支援事業について
- 市民向けに社会教育主事講習の受講を奨励し、社会教育士の有資格者を増やすことで、地域コミュニティの活性化を図る。
- 多世代交流コミュニティ活性化事業について
- 令和7年度からの新たな社会教育計画にもとづき「多世代交流コミュニティ化推進委員会」を設置し、公民館活動やサークル活動の横断的な交流を図る。
- 文化財の環境整備等について
- 市内の多数ある文化財について年次計画で環境整備を行い、適正な保全管理と活用を進める。
- ノツカマフチャシ跡。令和6年度に基本構想を策定。令和8年度以降に駐車場や展示施設の整備など検討
- 歯舞湿原。基礎データとして水位や昆虫類、シカ道の調査を実施。
- 和田屯田兵村の被服庫。北海道の交付金を活用して令和7年度から修復工事を行う予定。
- 歴史と自然の資料館。北方基金で年次計画で改修。令和6年度は床等の工事。令和7年度は屋根の全面改修。
- 「スポーツ課」への課名変更について
- 全国的に体育の名称からスポーツの名称を使用することが多くなり、根室市でも令和7年度からの新たなスポーツ推進計画にあわせて、現在の社会体育課からスポーツ課へ課名を変更。
- 新総合体育会館建設に関する取り組み
- 令和6年度は「基本計画」「基本設計」の策定を進めている。一方で建設費の急激な高騰で国の補助など財源確保が最大の課題になっている。
- 子どもブックライフ応援事業の拡充
- 現在の根室市で行っている「子どもブックライフ応援事業」は
- マタニティブック事業(妊娠時)
- ブックスタート事業(生後9か月)
- セカンドブック事業(新小学校など1年生)を実施
- あらたに中学校1年生(義務教育学校7年生)を対象にした「(仮称)サードブック事業」を行う。
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