2024年12月10日火曜日

2024年 根室市議会 12月定例月議会 一般質問 ②/2

2024年12月10日

根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)

2.終戦後80年を迎えるにあたって
(1)戦争の記録や記憶をどのように後世に引き継ぐかについて 
1945年7月14日、15日の根室空襲、旧ソ連による歯舞群島・色丹島・千島列島の占領…いまの私達には想像もつかないほどの、当時、その痛み苦しみを直接受けた人々、戦争を経験された方々がこの長い年月の中で多く他界。日本においては戦争を経験された方が少なくなっていることは、まさに今日に至るまでの先人たちのたゆまぬ努力の結果。それを後世に引き継ぐ上で、市内各地に残る「戦争遺跡」も含め、その記憶がしだいに私たちの中から風化していくことを懸念する。
また根室市ではこれまで空襲研究会など市民団体の方々が精力的な活動のもと、丹念に歴史の証言をはじめとする歴史の事実を掘り起こし記録を残してきた。しかし活動を担ってきた方々もご高齢となり、すでに多くの方々が亡くなられるなど活動の継続が困難に。
来年、戦後80年を迎えるにあたり、あらためて市として市民、民間の団体と協力しながらその節目の年をどのように迎えるのか。空襲展なども企画構想されていると聞くが、そうした単発的な取り組みに留まらず、継続的に戦争と平和を考える機会を市民と共有していくこと。また必要に応じて市内の史跡の調査、記録をどうしていくのか。市としての考え方、構想を作る必要がある。

【市長 答弁】
これまで、非核平和都市宣言や平和祈念の碑の建立、平和祈念推進事業に取り組むとともに、教育委員会においては、トーチカをはじめ戦争遺跡の調査など悲劇を風化させず、平和な社会を未来へ引き継ぐための取り組みを進めてきた。
来年は、戦争によって引き起こされた根室空襲、そして、北方領土の喪失から80年の節目の年。これを契機に歴史の事実を後世に引き継ぐため、パネル展の開催や広報ねむろへ特集を掲載するほか、民間団体が実施する啓発イベントへの支援などを行っていく予定。
戦争のない明るく平和で安全な郷土を後世に引き継ぐことは、私たちの責務。今後もこれまでの取組みを継続するとともに、改めて平和の想いを市民とともに誓う施策のあり方について検討する。

【再質問】
昨年は新庁舎ロビーで空襲パネル展なども取り組んできたが、市担当課も多方面の業務を抱えている中、過去を振り返ると後回しになりがちで、継続的な施策の推進が難しい。
市民憲章の「北方領土の復帰をはかり、平和なまちをつくります」とあるように根室にとって重要なテーマ。
継続的な施策・事業としていくためには「新総合計画」のなかに「領土問題」と並べて施策分野のテーマに織り込んでも良いと思うが、そうならないとしても、80周年の取り組みを通じて、市民とが今後のあり方について話し合い考える機会を。
また「遺族会」も会員の方々が高齢となる中、将来的な市戦没者追悼式のあり方をどうしていくのか。ご遺族の思いを引き継ぎながら、90年100年をどう根室市として迎えたいのか。
さらに「戦争遺跡の調査」も行ってきたと答弁されましたが、現物を全て保存することは難しいと思うが、公式的に市内・市外に広く(子ども達にも)分かるように情報発信されているかというと、今はまだそうではない。
こういった点も踏まえて、「平和への想いを市民とともに誓う施策のあり方を検討」するという答弁だったのでしっかりと進めていただきたい。

【市長 答弁】
決して後回しにはしていない。鳴海公園の平和祈念の碑は連携しながら、これまで出来なかったことを行ってきた。これまで戦争を体験した方が次世代に歴史を継承する取り組みが行われてきたが、高齢化により活動できなくなっており、記憶の継承に向けて働きかける。戦没者追悼式も遺族の方も少なくなってきていることを実感している。戦争体験が継承されるためには、受け継ぐ世代の当事者意識が大事。自分事として物事をとらえることが求められる。過去の出来事に向き合って、今起こっている問題と繋げることによって、関心を持ってもらうことが必要。現代史の教育がそこまで行きつかないという実態もある。また官製ではなく、民が取り組むことが良いという意見もある。
戦争の記憶を風化させないために、今行っている取り組みを継承しながら、今後についてどうあるべきか考えてみたい。



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