2023年12月13日
根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします
1.根室市の水道事業会計および水道料金等における今後の諸課題について
(1)根室市水道事業会計の今後の見通しについて
7月の根室市「水道事業及び下水道事業運営委員会」の資料によると水道事業会計の今後の見通しは来年度に単年度収支が赤字、内部留保資金も令和11年度(2029年度)にマイナスになる。現時点における経営見通しは?
【市長 答弁】
人口減少や市中経済の低迷による給水収益の減少、水道施設の老朽化対策などに伴う費用の増加が見込まれ、今後ますます厳しい経営状況となる。
今年度の長期財政収支試算は令和6年度以降、単年度収支が平均4,500万円程度の赤字になり、令和11年度には内部留保資金が枯渇すると推計。
引き続き、業務および経営の効率等を図り、安全・安心な水道を供給できるよう努める。
(2)水道料金の補助金の継続について
平成31年度より水道料金の引き上げ幅を抑制するため、一般会計から「水道料金補助金」が繰り入れられているが、令和5年度で終了するため、2022年12月定例会議会の一般質問でこの補助金の継続を求めた。
当時よりもさらに水道施設の委託費や工事費など維持・整備費用が増嵩しており、またおそらく今後は金利の引き上げ等も想定される。経営を取り巻く環境は水道事業の従来の「自助努力」を超えて悪化することが懸念される。
また物価高騰に対して市として昨年10月から今年12月まで総額約3億7,697万円の予算を投じて水道料金の基本料金免除を続けてたが、こうした中で当初の予定通りに、市の補助金を終了してから料金改定の検討・論議をはじめることは市民の理解を得られにくい。来年度以降の予算措置においても、前述の市補助金を継続していただくことを再度求める。
【市長 答弁】
料金算定の基礎となる経費は基本的に料金収入をもって充てなければならない。適切な投資や効果・効率的な事業運営に努めても必要な経費が賄われない場合は料金改定を検討することが基本的な考え。
しかし、主要水産物の水揚げの不振、エネルギー・食料品等の価格高騰などが重なり市民生活や市中経済に大きな影響が及んでいる現時点において、市民負担を求めることは大変厳しい状況にある。
水道事業が将来にわたり安定的に事業を継続していくためには、少なくとも令和1年の料金改定で試算した値上げ率21.5%分の収入を確保する必要があるため、水道料金改定に伴う一般会計からの水道料金補助金について、令和6年度も継続する必要があると判断した。
なお令和7年度以降の対応は、水道事業会計の経営状況、市民生活や市中経済の状況等を注視し総合的に判断する。
(3)低所得者・生活困窮者等に対する水道料金等の減免について
「根室市水道事業給水条例」第30条に基づく低所得世帯への水道料金の減免制度だが、制度の内容を簡潔におさらいすると、もともと根室市には生活保護基準以下の世帯に対して料金を50%減免する制度があった。平成31年度の水道料金を引き上げる時に、生保基準より1.1倍の収入がある世帯にも拡大した。これは料金を15%減免する制度。
「それの内容では不十分ではありませんか?」と昨年12月定例会議会の時に、減免の対象世帯の拡大、減免率の拡充、さらには下水道にも広げるよう求めた。このときの市長答弁は「利用者間の公平性から本制度の拡大は難しい」としつつも「低所得者等への減免制度の拡大の必要性について、福祉施策としてどうあるべきか、引き続き検討したい」という趣旨。
平成31年度の料金改定時に拡充した減免の部分は、令和5年度を期限とした制度であり今後の方向性を伺う。
【市長 答弁】
料金改定時に拡大した低所得者世帯への減免制度は、料金算定期間の令和5年度までの時限措置としていた。
低所得世帯への水道料金等の減免制度が福祉施策とした性格を考慮すると、本制度を停止する場合には代替措置が必要であると判断し、次の水道料金まで改定時まで継続する考え。
【再質問】
現在の水道料金と下水道使用料の減免について、6か月を目安としているが、どちらかと言えば継続的に低所得状態である世帯に対する支援。
この従来の仕組みに加えて、より積極的に「疾病・事故、失業その他の家計の著しい急変時に生活を緊急的に支援するため」の施策を追加することが出来ないか。
具体的に言えば家計急変時に、諸条件から生活保護の対象とならない方に対して家計の立て直しを図るため、市の社会援護担当または社会福祉協議会で受託している日常生活サポートセンターで生活相談を受け、そうした相談支援機関が必要と認めた場合に、一時的(6か月~1年程度を目安)に水道料金と下水道使用料(し尿処理手数料も)を全額免除する等の大胆な制度改革を検討いただきたい。
【市長 答弁】
水道事業会計が独立採算事業であることや、使用者負担の公平性、市の財政状況等を踏まえながら、いま緊急的な対応の話もあったが、水道料金等の減免に限らず、低所得者・生活困窮者等への支援のあり方について検討したい。
【意見のみ】
国の方でも生活困窮者等への支援は国の方でも制度を整えてきているが、いざというときに生活保護に至らない人たちを支える具体的な制度やサービスが少ない状況がある。全般的な支援対策を検討頂けると大変にありがたい。
2023.12.1 北方領土返還要求運動中央アピール行進の出発前(東京) |
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