2023年9月15日金曜日

2023年 根室市議会 9月定例月議会 補正予算

2023年9月15日

根室市議会9月定例月議会で補正予算審査の特別委員会が行われました
そのうち一般会計では、ふるさと応援寄付金に対する返礼品贈呈経費や障害者支援施設の建設費補助の増額、「根室市エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画(第2版)」に基づく福祉灯油や水道料金の基本料減免の延長など、48億7,781万3,000円の補正予算を可決しました。
今回の補正予算の主な内容をご紹介します
2023年7月27日 新園舎建設を計画している根室すずらん学園に
視察で訪れた根室市議会文教厚生常任委員会

【一般会計】
ふるさと納税推進事業経費 +9億380万3,000円
ふるさと応援基金など関連13基金への積立金 +25億円
  • 主に返礼品の贈呈経費の増額分です。全国の皆様へ心よりお礼申し上げます。
  • 2023年度は当初予算額(8億円)、6月議会17億円、9月議会25億円を合わせて、計50億円を各基金に積み立てる予算としました
  • 総務省は6月27日に、今年10月からの「ふるさと納税の次期指定に向けた見直し」を告示。主な改正は「募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とする(募集適正基準の改正)」等となっています(引用:総務省ホームページ)
  • これを受けて、根室市では返礼品や事務経費にかかる経費を再精査し、特に寄付金額と返礼品の額を調整し、総額が5割以下となるよう8月中までに見直しを完了させたという趣旨の答弁を予算委員会でしていました
  • また
財政調整基金への積立金 +4億9,000万円 → 残高 約24億円
減債基金への積立金   +1億円     → 残高 約10億円
備考資金組合超過納付金 +1億円     → 残高 約5億円
廃棄物処理施設建設基金 +2億円     → 残高 約6億円
  • 2022年度(令和4年度)の実質収支が約964百万円ですが、地方自治法に基づいて積み立てられる分のほか合計8.9億円で、前年度繰越金の大部分が積立てされています。将来の建設投資などの負担に備えた財政運営をしようとしていると思います。また間接的にふるさと応援寄付金の威力を感じます。
※地方自治法 第七条 地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち二分の一を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌翌年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の償還の財源に充てなければならない。

障がい福祉サービス事業所建設事業補助金 +7,000万円
  • 根室すずらん学園は老朽化した園舎の建て替えに向けて、根室市は本年度の当初予算で6億5,000万円の補助をもっていました
  • その後、実施設計などを法人側が進められていましたが、資材や人件費の高騰、また国の補助金(社会福祉施設等施設整備費補助金)の不採択となったことにより、あらためて法人側と市が協議
  • 今年度は追加で7,000万円を補助し(ふるさと応援基金を活用)、次年度は債務負担行為として2億3,000万円(地方債-たぶん過疎債を活用)を補助します。根室市の補助総額は9億5,000万円になる見込みです
  • なお総事業費は14億188万4,000円(うち補助対象事業費12億191万4,000円)。法人負担は4億5,188万4,000円(当初見込み+1億3,832万8,000円)になっています
原油価格、物価高騰緊急対策事業経費 +2,014万1,000円
  • 根室市では今年度も福祉灯油を実施します
  • 非課税の高齢者世帯(75歳以上)1200世帯、障害者世帯94世帯、ひとり親世帯112世帯、生活保護世帯394世帯の計1800世帯が対象で、各世帯1万円の灯油券(生活保護世帯は5000円)を支給します
  • 施設入所者に対しては、法人に入所者一人当たり5000円が支給されます(対象者457人)
  • また今年度から新たに拡充分として、上記の対象のうち薪や電気など灯油以外の暖房器具を使用している非課税世帯に対しても、1万円が支給されます
  • 現在の燃油価格高騰において福祉灯油を実施している市町村も増えていますが、それに対して北海道の地域づくり総合交付金「社会福祉基盤整備事業」の「高齢者等の冬の生活支援事業」による補助があります。しかし根室市の場合、道からの交付金額は60万円にすぎません(人口1万~3万人未満は交付基準額120万円の1/2以内)。今回の福祉灯油は事務経費ですら182万6000円かかっており、道の補助の増額が求められます。
子育て世帯生活支援支援事業経費 +815万2000円
  • 出産応援給付金 +400万円 妊婦一人当たり5万円。80名分
  • 子育て応援給付金 +400万円 こども一人につき5万円。80名分
  • 国は2022年補正予算で「出産子育て応援交付金」を実施。伴走型相談支援の充実と経済的支援を一体として実施する事業が実施されています
  • 根室市では2023年1月定例月議会で、パパママ応援給付金事業として実施。今年9月までの予算措置で、10月以降は国の制度にもとづき補正対応する予定となっていました
  • R4年4月から直近までの実績では出産応援
子育て応援推進事業経費 +150万円
 (ファミリーサポートセンター業務委託料)
  • 根室市内で実施しているファミリーサポートセンターへの新たな加算の取得(地域子育て支援拠点等との連携)。
  • 根室市子育て相談所「ぶらんこ」およびあそびの広場「クルクル」に参加されている保護者さんに提供会員への加入を呼びかける等の取り組みを実施するそうです
特定不妊治療費(先進医療)等助成金 +37万5000円
  • 【背景】令和4年4月から一般不妊治療や生殖補助医療が公的医療保険の適用になりました。保険適用化により北海道特定不妊治療費助成は終了しました。しかし根室市では令和4年度以降に保険適用となった特定不妊治療を受けられた方に対し、交通費及び宿泊費等を引き続き助成することになりました(引用:根室市ホームページ)。
  • しかし実際には保険摘要の不妊治療と保険適用外の先進医療を併用して不妊治療を受けている人も増えている、とのことです。
  • そのため北海道は、今年10月から保険適用外だが国が先進技術として告示している不妊治療に対して(保健適用されている不妊治療と併用して実施した場合に)、その費用の一部を助成する事業を開始することになったそうです。令和5年4月以降に治療開始したケースが対象となるそうです。
  • なお、根室市のこれまでの特定不妊治療費等助成事業(交通費等に5万円以内を助成)についても、引き続き併用して実施するそうです
北海道作成の資料から一部を引用して再構成

水道料金の減免
 水道会計支出金+7,688万円、農業用水会計繰出金+100万2,000円
  • 2022年10月から一般家庭の水道料金の基本料金が減免され、12月からは官公庁を除くすべての水道料金の基本料金の減免が実施されています
  • 市民の方から継続を求める声も上がっており、2023年度も市は4月~9月までの6か月間を延長し、また今回の補正予算で9月~12月までさらに延長されます
 ※2022年度(10月~3月)の減免額(予算時の概算総額)
   水道   5,650万円+追加分8,512万2,000円
   農業用水 153万円  計 1億4,315万2,000円

 ※2023年度の減免額(予算時の概算総額)
   水道   4月 ~6月 7,688万3,000円(事務経費等を除く)
        7月 ~9月 7,688万3,000円(事務経費等を除く)
        10月~12月 7,688万円(事務経費等を除く) 計2億3,064万6,000円
   農業用水 4月 ~6月 108万8,000円
        7月 ~9月 108万8,000円 計217万6,000円
        10月~12月 100万2,000円 計317万8,000円 総計2億3,382万4,000円

経営発展支援事業補助金 +1,125万円
  • 北海道経営発展支援事業(参照:農水省ホームページ)が交付決定されました
  • 新規就農の機械や家畜導入などを助成。国1/2、道1/4、本人1/4が負担
  • 根室市内では今年度4月に2戸が就農されたそうです
  • なお過去の新規就農実績はR2年度1戸、H23年度1戸、H22年度1戸、H21年度1戸とのことでした
自然保護対策経費 +428万6,000円
  • ヒグマの目撃情報が今年度は根室市でも過去最高を更新しています(9/11時点63件。2022年は61件)。幸いにもこれまで人的・物的被害は報告されていないそうです。根室市内では生息する個体数は未だ調査されていないそうですが、道内全域の推計では増加しているとのことです。
  • ヒグマ捕獲用の箱罠(2基)160万円、箱罠捕獲動作をメールで通知する長距離無線式の捕獲パトロールシステム185万円、自動撮影カメラ(2台)26万円。計+371万円増額。
  • 箱罠の設置場所については、道・警察・猟友会などで組織する根室市ヒグマ連絡会議で検討される予定です
  • 箱罠はこれまでヒグマ用に1基所持しており、H22.6月に光洋団地付近に2か月設置、その後同年に牧の内に2か月設置していますが、これまで捕獲実績はありません。これまでの箱罠は中でヒグマが動き回れるような大きなサイズでしたが、他地域では暴れて止め刺し時に危険があり、箱罠の改善が求められていました。実績のある浜中町で使用されている罠を参考に、ヒグマが動き回れないサイズの箱罠2基を購入するとのことでした。
  • また出場従事者の報酬+57万6,000円については、猟友会根室支部の会員等で構成される鳥獣被害対策実施隊による猟銃を所持した巡回パトロール。1回1.2万円で、述べ48回分。巡回パトロールはこれまで目撃情報が寄せられた出没地域に必要に応じて実施していたが、出没件数が増加しており、冬期間を除く、4か月間(1/週)を定期的に出没多発地域を中心に出動する。
【港湾整備事業会計】
花咲港区3号水産上屋 海水取水ポンプ補修工事 +99万円
花咲港区2号水産上屋 照明器具補修工事 +580万円
花咲港区5号水産上屋 照明器具補修工事 +310万円

【水道事業会計】
債務負担行為 水道料金等徴収管理業務委託
 令和06年度~令和10年度 3億4648万8000円
  • 平成31年度~令和5年度までは3億239万円でしたので、5年間の契約期間で+4409万8000円、年平均で882万円の増額となっています
  • 主な要因は労務単価の増によるものです
【病院事業会計】
市立根室病院施設設備環境保全等調査業務委託 +2079万円
  • 病棟など空調のあり方、不足する院内スペースの検討、施設の現状把握などを一体的に調査。それによって今後、必要とされる長期修繕に必要な経費の算出を行うための調査委託業務の経費です。
  • 特に今年は大変に暑かったこともあり、特に病棟では室温が上昇し29℃近くなることもあったそうです。空調は常時入れていましたが、対応しきれず、廊下に扇風機を設置する等の対応をしたそうです。

 

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