2023年9月20日
根室市議会9月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします
1.物価高騰における市の対策について
(1)次年度以降の「根室市エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画」について
エネルギーや食料品等の物価高騰が、収束の見通しが立たない。総務省の消費者物価指数(今年7月の北海道分)は、総合指数は107.1(前月比+0.4%、前年同月比+3.7%)。食料の指数が前年同月比+9.5%と高い水準が維持されている。帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査では、今年1月から値上げされた食品は9月時点で昨年1年間を上回る約2万5000品目、年末には3万5000品目に到達するものと見込まれている。あらためて現状のエネルギーや物価高騰の状況について、将来的な見通しをどのようにとらえているのか、市長の見解を伺う。
また来年3月までを計画期間とした本展開計画について「必要な見直しや支援策の拡充を図りながら機動的に対応していく方針」という市の考え方が示されている。その考えに私も賛同する。一方で仮に今後、物価の上昇率が落ち着きを取り戻したとしても、現状の価格そのものが過去の水準に逆進するとは考えにくい。次年度以降も市として継続的な支援が可能なのかどうか、特に財源確保等の面も含め見通しについて伺う。
【市長 答弁】
市は物価高騰の影響を受けた市民や事業者の方々に対し、地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細やかに実施できるよう「根室市エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画」をまとめた。本年4月から来年3月までにおける重点支援の取組みの方向性について示すと共に、施策の展開方針として、日々変化する物価や市中経済の動向を踏まえ必要な見直しや支援策の拡充を図りながら機動的に対応していくとしている。
これまで物価高騰等に直面している生活者や事業者支援を、国の地方創生臨時交付金等も活用しながら、市民生活への影響緩和に向けて、支援を実施してきた。同時に出口も見ていくことも重要と認識しており、来年3月までの期間と整理している。
支援実施にあたっての財源確保等は国の動向も注視し、しっかりと対応していく。
【再質問】「根室市新型コロナウイルス関連緊急経済対策展開計画(第10版)」では、ふるさと応援寄付金を原資とする新型コロナウイルス感染症対策基金から、総額ら約532百万円が活用されているが、こうした手法について市としての見解を伺う。
つまり緊急的な財源確保の手段の一つとして今後も検討の余地があるのか、もしくは、現段階でふるさと応援寄付金を物価高騰対策に充当することは適切でないと判断しているのかについて確認したい。
【市長 答弁】「根室市エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画」の対象事業の実施には現在はふるさと応援寄付金を原資とする基金の活用はしていない。物価高騰の長期化に留意しつつ、弾力的な運用に留意したい。基本的には(対策が)長く続くので、ふるさと納税を充てるのは、合っていないと思っている。
【再質問】壇上の質問で「展開計画」の市の方針について賛同したが、それは財源に余裕があるから対策をするという形ではなく、とにかく今「何が困っているのか、こういう対策が必要だ」ということ。そのために必要な財源集めるのが市の基本的な方針と認識している。
物価高騰対策として、市として頑張って継続されてきたことに敬意を表するが、一方で答弁で「出口も見ていく」とあったように、いつまでこうした措置を継続できるのか、あるいは継続するべきなのか、という点で判断が難しくなっていると感じる。
急激な物価高騰に対する激変緩和という意味での市の特別な対策は、おそらく次年度以降も必要になる可能性が高いと思っている。そうした中で全ての方を対象にした水道料金の基本料金減免は9月補正を加えると今年度は2億円を超える。何か特別な財源がない限り、どこかで厳しい状況になる。しかし例えば来年の3月などで急に減免を断ち切った場合に、市民の「負担感」はより大きくなる。
したがって我々も含め、これからお互いに議論しながら、今後の取り組みを整理する必要がある。特に
① どういった社会情勢になってきたら、現在の展開計画は役割を終えることが出来るのか。
② 仮に物価高騰による市民生活への悪影響が長引いたとしても、現在の水道料金の減免について、いつまで継続することが可能なのか。
③ 物価高騰で全ての市民、全ての産業がダメージ。だから全てを支援するという対策。特定の業種や子育て世帯や低所得者世帯など、どこかでターゲットを絞った対策にシフトしていかなければならないのでは。私は福祉灯油の拡充はその手法の一つだと考えている。
④ 市長が政策判断するための指標として客観的データはどこに注視すべきか
政府が9月中に追加の経済対策を発表されるので、それを受けての検討になるかもしれないが、随時、議論していきたい。
【市長 答弁】激変緩和の緊急対策は長くて2年、せいぜい1年スパンの対策。水道料金の減免について、次の展開を見据えてプレミアム付き商品券に切り替えるかどうするか、という検討もした。ただ実態としてまだ物価高騰のなかで市民が苦しんでおり、今回の補正では継続した。物価高騰に直面している生活者や事業所支援について、国の地方創生臨時交付金を活用しながら市民生活の緩和に向けて支援を実施してきた。
水道料金は本年4月~12月まで9か月間で約237百万円(令和4年10月~の総額では378百万)を一般会計で対応した。特別な財源がない限り厳しいが、皆さんから必要な政策として支持されている。国も様々な対策をとっているが、足らざるところを補填するのが私たちの役割。(国の対策が)皆さんが実感できる対策をとっていただけるなら、必然と(私たち独自の)対応が必要ない。そういう状況にしていきたい。また今後はターゲットをしぼって、必要なところに必要な財源を振り向けていくことは必要と考えている。
【意見として】私たちとしても市民の皆さんのご意見を伺いながら、そうしたご意見も市側に伝えていきながら、これからも議論していきたい。
(2)福祉灯油の拡充について
政府は「燃料油価格激変緩和対策事業」-燃料油元売りに対する補助金を支給する措置を9月7日から今年12月末まで延長。この手法の是非は別にして、今年6月以降、政府の補助率が段階的に縮減されたことにより、急速に伸びていた灯油価格についても、冬場を前に一定の歯止めとなることが期待される。
根室市でも昨年に引き続き、「福祉灯油」の事業を実施するための補正予算が今定例月議会で提案される予定。この福祉灯油の事業は、各自治体の制度対象や給付額等にそれぞれ一長一短の特徴があり単純に良し悪しを比較することは困難だが、例えば高齢者世帯について、根室市では「75歳以上の方が一人以上いる世帯」が対象となっている。これは福祉灯油を実施している釧根の自治体の中で浜中町と並んで対象年齢が高く設定されている。
政府の激変緩和措置が延長されたとはいえ、既に灯油価格は昨年度の冬季の水準に近いほどに高騰している状況。市民生活は一層厳しい状況となることが予想される。さらなる対象者の拡充について市長の見解を伺う。
【市長 答弁】
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