2023年9月13日水曜日

2023年 根室市議会 9月定例月議会 一般質問 ③/3

2023年9月12日

根室市議会9月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)

3. 障がい者福祉に関する取り組みについて
(1)「障がい者団体」の現状と課題について
 根室市内においても、例えば「身体障害者福祉協会」など複数の「当事者組織」である「障がい者団体」が活動している。しかし高齢化によりどの団体も構成メンバーの減少が顕著であり、また特にコロナ禍で活動の停滞が続いていた。中心的な役割を担ってきた方々が活動を離れる方が増える一方で、新規加入は極めて少ない状況が続いていると聞く。
 人口減少社会だが、決して加入して欲しい対象者そのものが激減しているということではない。根室市統計書では身体障害者手帳の交付総数は、平成25年と令和4年の10年間における比較で、身障者・身障児あわせて-165人程度の減少に過ぎない。また療育手帳の交付数では10年間で逆に増えている。個人情報保護の課題等から、加入促進の働きかけが困難であることが「障がい者団体」への新規加入が減少した要因の一つと言われている。このままでは多くの「障がい者団体」が遠からず消滅の危機にあるのでは、と私は捉えている。
 さきほど「当事者組織」という言葉を使いましたが、これは「同じ悩みや問題など共通の課題を抱える者同士が集い、課題についての情報交換や交流をつうじて理解を深め、お互いに助け合い、支えあう場」としての役割を担うものと言われている。
 市として、当該各団体や関係機関などと協力しながら、今後の支援策のあり方について、現在の補助事業以外の取り組みについても検討していく必要がある。

【市長 答弁】
 現在市では当事者団体5団体に対して、団体の運営や行事開催にあたり補助制度による支援を行っておりますが、一部団体からは、今後の団体運営や会員の加入促進等に関する相談を受ける機会もあり、団体の活動が非常に厳しい状況との声も聞かれる。
 近年はSNS等の普及により、当事者としての交流の場や情報交換の方法についても多様化が進んでいる。今後、当該各団体や社会福祉協議会から、時代に即した団体運営のあり方等についてご意見を伺いながら、市としてもそれらに対する支援について検討したい。

(2)「医療的ケア児」等への支援について
 全国的には在宅の医療的ケア児は令和1年に約2万人と推計され、医学の進歩を背景に、この15年ほどで2倍に増加しており、根室市内にも複数名の方々がおられる。こうした中、国は令和3年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」を施行。
 しかし施策を実施する地方公共団体ごとに実情は大きく異なり、特に根室のような地域では支援の体制やそのための人材確保に大きく苦慮している。あらためて地方からこうした実情を踏まえ、国に対して法がより実効性のあるものとなるよう、人材育成や財源の確保など取り組みを強化するよう求めることが必要。
また「第2期根室市障がい児福祉計画」では、医療的ケア児支援のための本市の目標設定として、「令和5年度末までの、医療、障がい福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場の設置に努める」とされ、現状の取り組みや今後の見通しを伺う。

【市長 答弁】
 現状は、難病患者及び小児慢性疾患病児等に対する制度や、既存の障がい福祉施策を活用し、支援をおこなっているが、これらの施策に該当しないその他の医療的ケア児等への対応についても、対策が必要と考えている。
 一方で、支援体制については医療職等の人材確保が難しい状況にあり、本年11月に発足予定の「医療的ケア児者を応援する市区町村長ネットワーク」を通じて取り組んでいきたい。
また「第2期根室市障がい児福祉計画」に掲げる、医療的ケア児等の支援に係る協議の場については、今年度中の設置に向け準備する。

【意見として】 患者・家族の実情を拾い上げ、いろいろな機関が集団的に情報共有して検討する「協議の場」が計画にもとづいて今年度中に作られる、との答弁でした。
 そういう協議の場から得られた地域の課題-ひとつの市町村内の努力だけでクリアできない様々な課題があれば、国や都道府県に積極的に求めていく。
 答弁の「医療的ケア児者を応援する市区町村長ネットワーク」というのは初めて聞きましたが、各地の現場の実情や地方の取り組みについての情報共有、そして地方や現場の課題を国に届ける、要請していくための取り組みとして、有意義な団体になるのではと期待している。
 国の政策と地方の実情がマッチしない、いくつかの事例を紹介したい。
 例えば、放課後等デイサービス。根室ではくれよんが実施している。R3年度の障害福祉サービス等報酬の改定で、医療的ケア児の報酬を新設して、かなり高い単価を設定。それだけならまだしも、その他の障害児の報酬単価が引き下げられている。この間、文教厚生常任委員会で視察に行ったときも、くれよんでは収益減少で大変だ、という話を施設側から伺った。本末転倒な状況だ。
 医療的ケア児支援法では、都道府県が指定する「医療的ケア児支援センター」が規定されています。「…専門的に、その相談に応じ、又は情報の提供若しくは助言その他の支援を行うこと」とされている。北海道では1か所、札幌の医療機関が指定を受けている。
 広い北海道なので、札幌圏一か所だけでは十分な支援を行うことは難しいのではないか。将来的に拡充を求めていく必要がある。

9月10日 根室産業フェスティバル


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