2023年6月30日金曜日

再生可能エネルギー発電施設の建設に 新たな「ガイドライン」を策定 根室市

6月29日、根室市は再生可能エネルギー発電施設の建設に対する新たな指導要領を公表しました。
これまでの風力発電施設建設の指導要領を改定し、また新たに太陽光発電施設建設に関する指導要領を策定しました。

増え続ける太陽光発電等に対して、自然環境への影響を懸念する市民の声は多く、これまで議会でも様々な議員さんにより論議されてきました。
また今年5月には市民団体から要望書も提出されています。

根室市が公表した指導要領は太陽光発電と風力発電ともにほぼ同様の内容であり、「事業者が自主的に」遵守すべき事項等を定めるもの」とされています。
なお太陽光は住宅用の10kW未満は除外されています。
これまでの指導要領から新たに追加された点は、事故や騒音障害など住民からの連絡があった場合に事業者が市に報告することや、また発電設備の撤去・処分、跡地の適切な措置を行うことを求めています。
さらに事業者が指導要領に基づかない時は市が調査の上、悪質な場合は公表するとしています。

一方で、これまで議会論議されてきた禁止区域や抑制区域などを定めるゾーニングは今回も見送られました。
ただこれは憲法に基づく私的財産や営業の権利を制限するものであり、各分野の専門家等による協議の場を作りながら、しっかりと検討を深めていく必要があるものと思います。
また市民団体が指摘していた津波災害との関連についても触れられていません。
指導要領の中で事業者が行う「事前調査」の内容に「津波浸水区域における影響の調査」等も明示されると良いと思いました。
 
なおこの指導要領に違反したとしても特に罰則はありません。
一部の自治体では条例で5万円以下の過料等を科すところもありますが、どちらかと言えば、悪質な法令・条例違反に対しては、やはり国が責任をもって再エネ特措法の事業認可取り消しをする等の対策を強化するべきだろうと思います(根室市の指導要領が法令・条例等に相当するのかどうかは存じませんが)。

指導要領は従前より「事前説明会等の開催等を行い、十分に(近隣住民など)関係機関等との事前協議」を行うことを求めています。
しかし、その事前協議で事業者と住民・関係者の間できちんと「合意」がされたかどうかは問われていません。仮に反対など意見の対立があった場合には、市や第三者を交えた意見調整の場を作っていく必要もあると思います。 

根室市が今回、太陽光発電まで含めて指導要領を策定したことは、事業者が「自覚的に」責任ある行動を促す上で大切だと思います。
不足している部分があれば、どんどんバージョンアップしていけば良いと思います。
今後も我々も含め他地域の経験も学びながら、より良い取り組みの方法について、しっかりと研究を進めていく必要があると思いました。

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