2023年6月23日
根室市議会6月定例月議会では補正予算審査の特別委員会が行われ、そのうち一般会計では、ふるさと応援寄付金に対する返礼品贈呈経費や「根室市エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画」にもとづくプレミアム付き商品券発行事業や水道料金の基本料減免の延長など、28億1,371万1,000円の補正予算を可決しました。
今回の補正予算の主な内容をご紹介します
【一般会計】
行政デジタル化推進事業経費 +283万4,000円
- 落石簡易郵便局で証明書交付サービスを開始することによる経費です
- 根室市では今年度から、住民票などの証明書をコンビニの端末から交付できるサービスを導入しています
- ただ全国的にはコンビニの無い市町村やコンビニから遠い地域もあるため、
- 国は「令和4年度第2次補正予算「証明書交付サービス端末整備費補助金」(約4億円)により、コンビニがない市町村を中心として、郵便局等への証明書自動交付サービス端末の導入を支援」しました
- この補助制度を活用して根室市では落石簡易郵便局にキオスク端末を設置します
- 郵便局への委託事業として月額7700円と証明書1通につき250円を手数料を支払います
- 市は10月以降の実施に向けて作業を進めて行きたい考えとのことです
ふるさと納税推進事業経費 +9億380万3,000円
- 主に返礼品の贈呈経費の増額分です。
- 全国からお寄せ頂いたふるさと応援寄付金ですが昨年度と同様に、
- 2023年度は当初予算額(8億円)と6月議会の17億円を合わせて、計25億円を各基金に積み立てる予算としました
- なお2022年度のふるさと応援寄付金の受け入れについては、前年比+20%の約176億円、83万件をご寄付いただいたそうです
庁舎建設費の財源内訳の補正
防災対策基金繰入金 -1億2,240万円 → 市債 +1億2,240万円
- 新庁舎建設にあたって、起債の一部を公共施設等適正管理推進事業債から財政措置が有利な緊急防災・減災事業債に振り替えています(起債発行額も+2,200万円増額に)
- 千島海溝の特措法で補助率が2/3に引きあがった都市防災総合推進事業の自己負担分について、防災対策基金を充てる予定だったが、2023年度から新たに出来た公共事業等債を充当できるようになりました(起債額+1億40万円)
水道未給水世帯生活支援給付金 +57万円
- 根室市では昨年の10月から一般家庭の水道料金の基本料金が減免され、そして12月からは官公庁を除くすべての水道料金の基本料金の減免が実施されています
- 今年度も4月から6月まで延長し、
- ただ飲用井戸等を使用して上水道が未給水となっている世帯に対しては、当然、施策の対象外であったため、4月~9月までの水道料金6か月分相当額として1世帯あたり1万円が支給されます
- 根室市内では主に農業や漁業者の作業用などに使用され、2022年度時点の井戸設置者数は57世帯が把握されているそうです
幼稚園教諭等就学資金貸付金 +60万円
- 養成機関などの就学課程終了後に就学期間の貸し付けを受けた期間以上、市内の幼稚園等に勤務する方を対象に、月額5万円以内を貸し付ける制度です(根室市ホームページ参照)
- 2023年度の新規貸付件数が、予算5名→実績6名となり補正予算で増額されました(5万円×12か月分)
- 制度開始の2018年度から2022年度までの貸し付け実績は31名で、そのうち14名が市内に就職されています
- 結婚や配偶者の転勤などで早期退職となる方もおられるそうですが、一定程度は定着していると市担当では評価しています
民間保育施設送迎用バス安全対策事業補助金 +17万5,000円
- 2022年9月に静岡県で送迎用のバスに置き去りにされた女児が死亡した事件を受け、国は「送迎用バスの安全装置の設置の義務化」と「安全装置の仕様に関するガイドラインの作成」等の対策が決定されました(国交省のホームページから引用)
- 国の令和4年度第2次補正予算を活用して、根室市内の幼保連携型認定こども園「睦の園幼稚園」が送迎バスの置き去り防止のための装置を導入する補助経費です
- 補助基準額は、バス1台当たり定額補助17万5,000円以内となっています。2023年度の時限的措置です。
- ココール置き去り防止装置の卸売販売!全国出張取付可能|コアテックシステム / https://youho.life/core-tech-system-bus/
- なお市内の他の幼稚園(根室つくし幼稚園、根室カトリック幼稚園)も、文部科学省の「こども安心・安全対策支援事業」を活用して設置予定とのことです
民間保育施設ICT化推進事業補助金 +105万円
- 社会福祉法人しらかば保育園、みさき保育園(社会福祉法人珸瑤瑁福祉会が指定管理者)で新たにICT業務支援ツール(保育支援システム)を導入する補助経費です
- 補助負担割合は補助基準額の70万円×2か所に対して、国1/2・市1/4(2023年度末までの時限措置)
- 根室市内の公立保育所でも2022年1月から運用されているこども施設向けICTシステム「CoDMON」が導入される予定です
生活保護費 +277万8,000円
- 今年度は5年に一度の生活扶助基準の見直しですが、物価高騰対策のため、10月から世帯人員ひとりあたり月額1,000円が加算されます(厚生労働省の資料)
- 2023年度~2024年度の時限措置です
水道料金の減免
水道会計支出金+7758万3,000円、農業用水会計繰出金+1,088千円
- 昨年10月から一般家庭の水道料金の基本料金が減免され、そして12月からは官公庁を除くすべての水道料金の基本料金の減免が実施されています
- 市民の方から継続を求める声も上がっており、今年度も市は4月~6月までの3か月間を延長し、また今回の補正予算で7月~9月までさらに延長されます
※2022年度の減免額(予算ベースの概算総額)
水道 5,650万円+追加分8,512万2,000円
農業用水 153万円 計 1億4,315万2,000円
※2023年度の減免額(予算ベースの概算総額)
水道 4月~6月 7,688万3,000円(事務経費等を除く)
7月~9月 7,688万3,000円(事務経費等を除く) 計 1億5,376万6,000円
農業用水 4月~6月 108万8,000円
7月~9月 108万8,000円 計217万6,000円 総計1億5,594万2,000円
価格高騰重点支援プレミアム付き商品券発行事業 +1億444万6,000円
- 電力・ガス・食料品価格等の物価高騰に対して、市は今年度も国の交付金を活用して、プレミアム付き商品券を発行します
- 「根室市エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画」にもとづく施策です
- 今回のプレミア率は30%で、50,000セットを販売します
- 商品券の販売期間は9/1-10/20まで。商品券の使用期限は9/1-来年1/31まで
- 昨年実施したプレミアム付き商品券発行事業に対する市民アンケート結果から、従来は1セット1万円で販売していたものを1セット5,000円にして、一人2セットまで購入することができます
- また郵便局に委託販売していましたが、土日に購入できないというアンケートの意見を受けて、9/30(土)・10/1(日)の2日間のみ商工会館で販売します
商店街等活性化緊急支援事業(価格高騰重点支援プレミアム付き商品券発行事業連動型) +1,000万円
- 価格高騰重点支援プレミアム付き商品券発行事業と連動した商店街振興組合などが独自に取り組む販売促進活動を支援します
- 補助率9.5/10、補助は1団体200万円を上限
- 事業者負担を軽減するため、前回の支援事業から補助率の引き上げ(9/10→9.5/10)、補助上限の引き上げ(150万円→200万円)がされています
消防本部用備品 +130万8,000円
- 軽可搬ポンプの更新等の経費です(厚床号積載の機材を更新)
- 自治総合センターコミュニティ助成事業の助成
消防団運営経費(消耗備品) +143万3,000円
- 消防団員用雨合羽(70着)購入費です(昨年の70着購入に引き続き)
- 自治総合センターコミュニティ助成事業の助成
博物館活動推進事業経費 +134万7,000円
- アイヌ遺骨の運搬と慰霊祭出席に対する経費です
- 根室市歴史と自然の資料館では現在、2017年に寄贈された考古資料に含まれていた、戦前に発見されたアイヌ遺骨を保管しています
- 2023年4月11日に「根室市教育委員会の保管するアイヌ遺骨等の取り扱い方針」を公表
- 市教委が保管する21体のアイヌ遺骨情報を公表し、地域返還の手続きを定めました
- その後、返還の申請がなかったことから、8月に白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の慰霊施設に保管することになりました
- なお遺骨は大きなものであり、納骨する箱なども一般的な骨箱より大型のサイズになるそうです
ウポポイの慰霊施設 |
0 件のコメント:
コメントを投稿