2022年6月14日
根室市議会6月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)
4.保健予防の取り組みについて
(1)HPVワクチンへの対応について
HPV感染症を予防するワクチン接種について、国は今年度から市町村による積極的な勧奨を再開。またこの9年間に接種の機会を逃してしまった方にも、再び接種機会の提供(公費補助)が行われる。
しかし過去の予防接種の副反応による健康被害への不安もあり、接種率の回復は容易ではないと想像している。市として学校等の関係機関と連携し、病気の啓発やがん検診のさらなる向上対策とあわせながら、どのように予防接種の勧奨をすすめていくのか。
【市長 答弁】
市では平成23年2月に任意接種費用の全額助成を行い、平成25年4月には、国で定期接種化がなされたが、接種後の副反応が相次ぎ、同年6月より積極的な接種勧奨が差し控えられた。
今回、国において、ワクチンの安全性に特段の懸念が認められないことや接種による有効性が副反応のリスクを上回ることから、令和4年4月より接種体制の整備を進め、勧奨を行うよう方針の転換が示された。
市として対象者に対して、がん及びワクチン接種を正しい知識のもと判断してもらえるよう子宮頸がんに関する情報とワクチンの有効性等のほか、副反応に対する相談支援体制についての個別通知を行うとともに、関係各機関と連携を図り積極的な情報提供と啓発に努める。
【意見として】
今のところ、市の広報などで周知はされておらず、ホームページ上での記載も過去の「積極的な勧奨がはおこなっておりません」という内容が掲載されたまま。
いわゆるキャッチアップ接種の対象世代(16歳から25歳くらい)に効果的に情報を届けるのは手法として難しい。市の公式LINEなど色々な手段を活用して周知を図っていただきたい。
【再質問】
啓発の部分では、中学校との連携が大切。ワクチンを接種するかどうかは、本人・家族の判断によるが、接種してもしなくても定期的な「がん検診」は何よりも重要。過去にどのように、教育現場と連携して取り組んできたのか。また今後についてどのように取り組んでいくのか。
【市民福祉部長 答弁】
ワクチンの対象は小学校6年生から高校1年生の女子生徒。
過去の教育現場との連携については、平成23年に市内3中学校合同で、平成24年には厚床中学校を対象とした、女子生徒と保護者向けの説明会を市の保健師が講師で実施。
今後の取組は、教育現場には厚生労働省からポスターや生徒配布用資材などが提供される。また、NPO法人が主催する養護教諭・学校教職員向けオンラインセミナーなども実施される。市では、現在、市内医療機関と周知内容について協議を進めており、整い次第対象となる児童生徒に個別周知を行い、市ホームページやSNS等で受診勧奨を進めていきたい。
また平成9年から17年度に生まれた女性の中に、ワクチン接種を受けられなかった方もいるため、国は特例措置としてキャッチアップ接種(令和4年4月~令和7年3月末)を公費負担で受けられる制度を設けており、併せて周知する。
【意見として】
国は健康被害への対応を万全とした上で、積極的な勧奨をすすめているといっているが、市内の医療機関も相談の窓口となる自治体としても、運動器機能の障がいや全身の疼痛など原因の特定や対応が難しいが、検討をすすめてほしい。
(2)帯状疱疹ワクチンへの市独自の助成について
近年、帯状疱疹の患者数増加が懸念されている。帯状疱疹の予防にワクチン接種が有効であり、帯状疱疹後神経痛にも予防効果があるとされている。国内では2020年に新しく不活化ワクチンが販売。予防効果は従来の生ワクチンよりも高いものの、2回接種で1回あたりの接種費用が約2万円以上と高価であり、普及促進の課題に。
標津町や全国的には名古屋市など独自に助成制度を設けている自治体が増えている。最近はテレビCMの影響などもあり、このワクチンに対する市民の関心も高まっていると感じる。
市民の生活の質を確保するために重要な対策と考える。当市としても助成制度を創設することについて検討いただきたい。
【市長】
帯状疱疹の予防は50歳以上の方を対象に生ワクチンが用いられてきたが、2020年より新たに不活化ワクチン(総称名:シングリックス)が使用できるようになった。生ワクチンと比較して予防効果が高く、長時間持続するなど優れている一方、副反応や費用面での負担が大きい。
国の厚生科学審議会で、感染や重症化の予防、まん延防止等の観点から、定期接種化の必要性について、検討がすすめられている。
市として、国の動向を注視しつつ、市医師会等に意見をいただき、他の事例も参考に助成制度の創設について研究したい。
【意見として】
国の検討は、この間すすんでいないように思うし、決定するまでは時間がかかる。市内でも医師会との意見を聞くということなので、専門家による議論を深めながら、積極的な対応をお願いしたい。安定して生活をしていくために、市長の政策判断として、ぜひ検討をしてほしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿