2022年6月14日
根室市議会6月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(つづき)
2.領土問題について
(1)今後の返還要求運動の推進に向けた取り組みについて
①国民世論の啓発とともに、後継者支援、運動の担い手を広げ、市民が運動に参加しやすい環境づくりについては、従来から、そして長い間課題。
しかし今、残念ながら返還要求運動はさらなる長期化が懸念される中、千島連盟の方々が存続の危機と表現されているように、深刻な状況においてさらなる対策が急務に。
国、道と連携しながら具体的にどのような取り組みを図っていくのか。
【市長 答弁】
ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、長年積み上げられてきた平和条約交渉が中断するなど、元島民をはじめ関係者は大きく落胆。事態が長期化する中で、北方領土問題が置き去りにされ、関心が薄れていくことを懸念する。元島民の痛みを和らげ、返還運動を後押しする意味からも内政措置の拡充がより一層重要だ。
北方領土問題の啓発、返還要求運動後継者の育成、元島民の援護対策、地域振興策など、各種施策の推進にさらに取り組んでいく必要があり先日、岸田総理大臣に要請を行った。
岸田総理は「こういう難しい機会だからこそ、国民が心を一つにして取り組むことができる雰囲気を作ることも関係者の皆様と一緒に努力していきたい」と発言。
特に若い世代への啓発強化の取り組みを推進するなど、国・北海道をはじめ関係団体と連携して、更なる北方領土返還要求運動を全国の先頭に立って推進する。
②修学旅行の誘致活動を国の事業などを活用しながら根室市もこれまで積極的に取り進めてきた。コロナ前は大変に好調だったが、あらためて近年の状況(実績など)とコロナ禍における今後の取り組み方針ついて見解を伺う。
また近年、日本遺産や海底ケーブル陸揚庫などの取り組みが進められているが、こうした領土問題の学習と根室の歴史・自然を結び付けたメニューについての考え方について伺う。
【市長 答弁】
コロナ禍前の令和元年度の実績は17校・約2100人。令和2年度・3年度はコロナ禍の影響から大幅に減少し、5校・約200人。元島民等による講話や羅臼町の観光船を活用した洋上視察研修などの北方領土学習プログラムに参加した。
今年度は、現在のところ33校・約3400人が根室管内への訪問を予定しており、コロナ感染者の減少や感染対策の徹底に加え、国の補助の拡充効果などにより、大幅に増える見通し。
今後も、国に対し事業の継続と補助額の増額を要望するとともに、これまでの北方領土学習プログラムに加え、歴史や自然といった根室管内一市四町の魅力を取り入れながら、北隣協として修学旅行の誘致事業に取り組む。
【意見として】
修学旅行については、回復しているとは聞いていたが、今年コロナ前の倍くらいに伸びている。思った以上だったのでビックリした。
学校によっては旅行先をローテすることもあるから、訪問学校数は年度ごとの波は出てくるのかもしれないが、いずれにしても幅広い地域・学校から選んでいただけるように、様々な地域の魅力と学びを一体に取り組む構想については、さらに研究し発展していくことを期待。
【再質問】
また根室市内での啓発施設の中心は、やはり望郷の家と北方館、北方領土資料館、ニホロ。
このような日ロ関係が後退した状況がいつまで続くのか、全く想像できないが、領土問題を積極的にPRする上では積極的に、外観や施設内で提供されるコンテンツを含め、外から「人が来たい」と思わせるように、より魅力あるものにしていくことが重要。
市公共施設総合管理計画では、望郷の家は2025年度~2034年度の期間内に大規模改修。北方領土資料館は~2024年度まで現状維持。2025年度以降どうするのか?
これまでどのような検討がなされてきたのか分からないが、納沙布岬の近隣に関連する啓発施設が二つあるという現状については、将来的に統合を含めて検討していく必要があると思う。
また、この間も、国や北海道や北対協などで蒐集されてきた資料などもあると思うが、新たな資料の活用(展示・研究)など含めて、スペース的に十分なのかという検討も必要だ。
この間、大型公共工事が続き市財政も苦しいところだが、この先、どういった啓発施設としていくのか、あらためて将来的な構想をしっかりと検討していく必要性について、見解を伺う。
【市長 答弁】
施設の外観やコンテンツを含め、魅力あるものにしていくことも重要。今後も啓発施設に展示する資料採収や適宜データを更新するなど充実に努めたい。
初めに望郷の家が出来て、次に北方館、その後に資料館が出来た。将来的には統合することが一番良いと思っているが、市が(財源を)出すのではなく、国としてどういう形に北方領土問題をとらえ、また国としてどのように啓発をしていくのか、が大切。各施設の統合など将来のあり方については、念頭に置きながら国や関係団体と協議検討していきたい。
【意見として】
今後の地域振興対策の中で、地域としての考え方を国に伝えていくための資料となっていくものと考えており、積極的に検討いただきたい。
(2)隣接地域の振興対策について
北方基金事業について北海道が従来よりも前向きな方向性を示したが、一方で改正北特法の附則にもとづく検討事項について、国がどう考えているのか見えない。隣接地域における「補助事業の効果を見極める」という言うが、基金が尽きるまで、じっと待つということにはならないのではないか。
第9期振興計画の計画策定において、ある程度の先が見えるような何らかの形に反映させていく必要がある。これまでも地域財源対策の充実は求めてきたが、この情勢を踏まえさらに強力に働きかけていくために、市として今後どのような方針で取り組んでいくのか。
【市長 答弁】
令和5年度からスタートする第9期振興計画は、北方領土問題を取りまく現下の状勢等を踏ま、北特法の趣旨に基づく隣接地域の振興と住民生活の安定を図るための施策の推進とともに、より実効性のある計画にしていく必要がある。
また、その財源となる北方基金補助金は、北特法が改正され、令和元年度より基金の取り崩しが可能となり、大幅な増額となったものの、年4億円程度と十分な財源には至ってない状況。先般、北海道からは国が示す目安を勘案の上、第9期振興計画に定めるべき施策に基づき、事業を積み上げたうえで必要な財源について検討し、限られた基金の安定的な運営に配慮しつつ、各市町の要望に基づき、国と協議する旨、示されている。
今後の財源対策の方向性については、北海道より具体的な説明があるが、補助金の増額など隣接地域が求める具体的な財源対策の実現に向け、北海道や4町とも連携しながら、新しい交付金制度の創設に向けた検討も含め、引き続き協議していきたい。
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