2021年10月19日~22日までの4日間の日程で、
根室市議会は「令和2年度一般会計決算審査特別委員会」を開催しました
2020年度の期間中における根室市の予算の執行状況や事業内容等を中心に審査を行い、
決算は全会一致で認定されました
橋本の主な質疑内容についてご報告いたします
じん芥焼却場の建設等にむけて、一般財源を確保するために基金などの準備が必要では?
「根室市防災対策基金」の残高は、2020年度末で約11億5,040万円となっています
市役所本庁舎の建設(2022~23年度に建設工事、2024年度に供用開始)に向けて、市の一般財源を確保するために、基金積み立てを行ってきました。
事業費のすべてを起債に頼ることが出来ないためです
ところで今後、根室市では大型の建設事業として塵芥焼却場の建設が控えています。
現時点ではまだ建設予定地も処理方式なども内容は何も決まっていませんので事業費がどうなるのかわかりません。
ただ現在策定中の「廃棄物処理施設基本構想(案)」では、処理方式ごとに概算事業費を55億円・63億円・95億円の3パターンで検討しているようです。
詳しい内容については私たちも新聞報道でしか示されていませんが、それに伴い一般財源は約15億円・17億円・23億円程度を要するそうです
本体の建設期間が令和7年~9年の3年間の予定ですので、単純に割っても単年度5億円~7億円程度の一般財源を要する勘定になります
そのほか、様々な調査費用や旧施設の解体費用なども要するものと考えられます
市役所本庁舎と同じように、基金などの何らかの事前準備をしていく必要があるのではないかと質しました。
また、同様に今後老朽化する施設などをどうしていくのか、根室市としてのまちづくりの将来像を描く「グランドデザイン」を策定しながら、そうした構想を詰めている最中です。
現在の公共施設についても、改築・建て替え・統合・移転など様々なパターンが考えられますが、いずれにしても相応の一般財源が必要とされる可能性があり、そうした将来構想にむけて公共施設の新規建設に活用できる基金の必要性を質しました。
- 根室市の新庁舎建設における概算事業費:基本計画段階では、建設工事費4,200百万円、外構工事費255百万円、解体・改修工事費380百万円、その他(設計費、ネットワーク、車庫、備品など)845百万円の計5,680百万円となっている。
- 市町村役場機能緊急保全事業(H29年度~H32年度):これまで、庁舎の建替事業に係る国の補助事業などが無く、また起債も原則として一般単独事業債で交付税措置もなかった。しかし国が庁舎耐震化が未実施の市町村に対して対策を促進するため実施。地方債の充当率は起債対象経費の 90%以内。交付税措置は起債対象経費の 75%を上限に、この範囲で充当した市町村役場機能緊急保全事業債の元利償還金の 30%を基準財政需要額に算入される。根室市はこの事業にのっかるために作業を前倒しして、R2年度中に実施設計の発注まで着手した。
聴覚障がい者等へ貸与する「文字表示機能付き戸別受信機」が余っている!
根室市ではデジタル防災行政無線の整備によって新たに文字情報の配信が可能となり、聴覚に障がいのある方の世帯等を対象に「文字表示機能付き戸別受信機」を1台ずつ無償貸与しました。防災行政無線(スピーカー)からの音声情報を把握しにくい方にとって、とても大切な取り組みだと思います
ところが、市内で聴覚障害の認定を受けている方と同じ数の87台を購入したものの、利用が48台にとどまっています。
対象者の全員に案内を出して、申し込みの無い方へ直接訪問して意向を確認したところ、補聴器などを利用しているので支障が無い方や手帳所持者が幼児なので不要という方や家族が同居しているので不用という方などがいたそうです
1台当たり約34万円もする高価な機体です。
受信機を取り付けた家庭の方からありがたいという声も聞かれており、取り組みとしては素晴らしい施策だと思いますが、今後は発注前に利用者の意向確認を行うなど無駄の無い予算執行となるよう対策を求めました
また新たな聴覚障害の認定を受けられたに対しては、市福祉課と連携しながら運用を図っていくことや、現在は不要としている方についても今後状況が変わる恐れがあるので年1回程度は対象者に確認していきたい、としています
市役所の分散勤務・テレワークの実証結果はどうだったのか?
昨年5月に根室市役所は、新型コロナのクラスター対策として、業務の継続性を維持することを目的にした「分散勤務」の試行実施を、旧根室西高校の校舎を活用して行いました
事後の職員アンケート調査では「窓口業務対応による本庁に残った職員の業務負担増」や「決済にこれまで以上に時間を要する」「職員間のコミュニケーションの難しさ」などの課題もあったそうです
そのほかに職員からの希望として「時差出勤」への意見も多く、現在試行的に実施しているところです
また、国が行う「自治体テレワーク推進実証実験事業」にも参加しており、これまで12名の職員が使用しているそうです
いずれにしても感染拡大は急速に発生することが懸念されます
職場における集団感染にどのように対応していくか、様々な方策を事前に十分に準備・検討していくことが求められるものと思います
消防団員の報酬など処遇改善について検討している
根室市内の消防団員数は2020年度で326名、2021年9月時点で322名となっており、条例の定数335名から13名の欠員となっています
全国的には消防団員は減少傾向にあるそうで2020年4月時点で81.8万人が所属していますが、前年対比で1.3万人以上も減少しているとのことでした
こうした中、国は「消防団員の処遇等に関する検討会」において対策を検討し、今年4月に消防庁は「消防団員の報酬等の基準の策定等について」通知を発しました
それによると報酬は「団員」階級では年額36,500円と標準とされていますが、根室市では年額27,500円となっており差が生じています
このほか出動報酬のあり方など、他地域の状況を踏まえながら検討し、必要な条例改正を行っていきたいとしています