2026年3月5日木曜日

2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ⑥/6

2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(続き)

6.教育行政について
(1)北斗・柏陵校区の義務教育学校について 
令和11年度に開校予定の柏陵校区義務教育学校が、新年度より建設工事の事業が予算化。
① 新校舎の建設、改築にあたり、主にどういったコンセプトで設計されているのか特徴について伺う。

【教育長 答弁】
新校舎の建設は学校の適正配置計画などに基づき、築60年が経過し老朽化が著しい北斗小学校を柏陵中学校敷地へ統合し、義務教育学校としての開校を進めるもの。その設計は文部科学省が示す「新しい時代の学びを実現する学校施設のあり方」を参考に取り組んでいる。
具体的には普通教室、特別支援教室に隣接して多目的なオープンスペースを設け、個別学習、少人数学習、グループ活動など多様な学びの形に応じて柔軟に使い分けられる空間とする。多目的スペースの中央に一階と二階をつなぐ階段を設け、空間全体の一体感と上下階のつながりを生み出し、インクルーシブ教育につながる義務教育学校ならではの異学年交流促進を図ることを考えている。
また児童生徒が一人で落ち着いて過ごせるパーソナルスペースを整備し、支援を必要としている子や不登校傾向の児童生徒の居場所としても活用できるよう計画し、多様な児童生徒が安心して学校生活を送ることができる環境を確保。
このほか図書室を拡充し、従来よりも広く開放的な空間として子どもたちが本に触れ、親しむ機会を増やすとともに、地域住民との活動交流などにも活用できる共創空間を目指すなど、児童生徒が主体的に学び方を選択でき、学習意欲を引き出すだけではなく、心理的な安全が確保された子どもたちの居場所となる校舎を目指す。

② 4年間で約53億円という総事業費の見込みだが、これほど高額になっている主な要因と財源対策を伺う。その後の北斗小学校の解体にかかる経費を、どの程度と試算されているか。

【教育長 答弁】
本事業は普通教室等の増築や屋内体育館を含む既存校舎の長寿命化などを計画しており、その建設費については、近年の資材費や人件費の高騰に加え、働き方改革関連法の適用から時間外労働の上限時間が設けられ、人手不足も相まって校舎の増築、既存校舎の改修に要する建設工事期間が3年におよぶ計画となることから総事業費53億円を見込んだ。
財源対策は国庫補助金で文部科学省の学校施設環境改善交付金、公立学校施設整備負担金を合わせて9億6千万円程度。残りを過疎債、補助対象外経費を一般財源で補う。
また北斗小学校の移転後の対応は利活用や解体も含め協議中であり、現段階の解体費の詳細の試算等は行っていない。約8,000平方mで市内最大の花咲小学校の旧校舎解体でも約6億五千万円の工事費だったことから、約6,500平方mの北斗小学校も4年後の人件費の高騰を見据えた場合、同程度かそれ以上の経費がかかることも見込まれる。今後、市庁部局と跡利用、解体を含め協議を進めてる。

③ これまで設立された郊外の義務教育学校4校は各地域の特色を活かした教育活動が進められている。今回は市街地ではじめての、また児童・生徒数が多い義務教育学校の開設となる。これまでの各義務教育学校の経験を踏まえ、新しい校舎のもと、どのような教育活動を展開される構想となっているのか、そこに向けての準備状況とあわせて伺う。

【教育長 答弁】
これまでの郡部校における義務教育学校化による中1ギャップの解消や異学年交流の促進などのメリットを最大限に生かし、新しい時代の学びを実現する学校として、地域社会との共創空間やインクルーシブ教育に対応できる環境を備え、子どもたちの心理的な安全が確保された場所で教育活動を展開したい。
義務教育学校開校を令和11年4月とし、これまで教職員や保護者、設計業者などとの約50回に及ぶ協議を行い、先進地視察も含め検討を重ねてきた。
先般、新たに学校・保護者・地域・教育委員会で組織する「北斗小学校・柏陵中学校統合準備委員会」を設置。校名や校章、校歌の検討や9か年の教育課程の編成、学校教育目標を定めるなど、子どもたちにより良い教育環境を提供するため引き続き準備を進める。

【再質問】
3年後の話で、あくまでも今の時点の予測だが、その時には児童生徒数はどのくらいか? また教職員数は今と比べてどんな状況になっているのか。

【教育部長 答弁】
現時点で教育委員会が想定している児童生徒数は令和11年4月時点で1年生から9年生で全校児童生徒330名程度。学級数は普通学級が13学級、特別支援学級が10学級の見通し。
設計上は普通教室11教室、特別支援教室8教室としているが、全国的な少子化の現状や社人研の人口推計とかもペースが速まっている状況も踏まえ、児童生徒数の減少が続いた場合であっても余剰教室が生じることがないように設計をした。
教員数はクラス編成によっても違ったり、特別支援教室の部分もあり増減する可能性もあるが、現状よりは少なくなってくる見込み。

【再質問】
設計上教室が足りなくなるかもしれないという話は、学校のスタート時に「教室ありません」ということにはならないので、その点はしっかりと対応していただきたい。

330名ぐらいの予測だが、これまで多くて歯舞が150名ぐらい。(その後)海星、落石、厚床とこれまでは小規模な目の届きやすい環境で、義務教育学校という新しい学校種をスタートさせ、いろいろな取り組みを行ってきた。義務教育学校の良い点や課題点は繰り返し(質疑)しないが、懸念するのはこれだけ大きな生徒数の学校を初めて作るということ。教職員数も少子化等も関係で今よりは若干減るかもしれないが、やはり大所帯の職員数になる。
これまで無かったような新しい課題等も出てくることが懸念される。現時点では新しい学校に向けてどういう問題点が考えられるか。

【教育長 答弁】
市内で初めて300人を超える義務教育校になることの、現時点で想定される問題点だが、これまでの教育、先生が子供を全部管理しようと思う教育でやると、すごい一杯問題点出てくると思う。異学年の交流が本当にできるのかとか、教室抜け出したらどうするのかとか、いろんな課題が出てくると思う。
中教審で議論されているが、教育に限らずウェルビーイングを目指すことがいろんな場面で言われている。脳科学の研究ではウェルビーイングを感じることができるのは、誰かに設定された課題をクリアしたことじゃなくて、自分で設定した課題を自分のやり方で到達していく。この時にウェルビーイングは、人の中に感情として湧き上がってくる。
そうしたことからインクルーシブ教育で子供たちが自分の時間割を作ったり、自分のペースで進めたりっていう教育を進めていこうとしている。
義務教育学校は通常、学習指導要領で学習する内容、全部国の方で決まっているが、校長の判断で入れ替えたり、途中ここは短くしようとしたり、そういうことができるのが義務教育学校の特徴。そうすると子供たち自身が自分で判断して、自分で決めて、自分のやり方でやることが、よりやりやすくなる。小規模校でないとインクルーシブ教育ができないだろうと、なんとなく先生方も思っている。去年新聞にも載せていただいたが、北斗小学校で240名、私4時間国語やった、一人で。先月は厚床小中学校で29名相手に1年生から9年生までの授業をやってきた。子供の力を借りれば、子供が子供に教えるという場面が出てきて、学びが深まっていく。そういう循環ができれば、むしろ課題というより、より豊かな学びが義務教育学校として、人数が多いところでできるだろうと考えている。

【再質問】
なるほど、と思いながら聞いていた。子供同士が支援するのはすごく大切なこと。
ただ、おそらく導入時点は様々な混乱からスタートするだろうと懸念。しっかりとサポートする教職員体制が初年度や二年目、最初の導入部分には手厚い体制がされることが本当は望ましいと思う。道教委はこうした部分に加配などはあるのか。

【教育長 答弁】
その時々の状況によるが加配といっても様々な加配があり、指導方法の工夫改善や、生徒指導など。義務教育学校としての加配は主幹教員が付くか付かないか、という判断がその時でされる。

【意見のみ】
難しくてよくわからなかった部分もあるが、またあらためて。ここで学ぶ子供さんたちが「ここで良かった」と思っていただけるような、そして先生方もこの学校に来て、あるいは根室に来て教育できて良かったなと思っていただけるような環境を目指していきたいと思う。

(2)根室高校への支援について 
昨日、道内公立高校の入試、学力検査が行われたが、道教委の令和8年度の根室高校の「再出願後の出願状況」は普通科84、商業科20、事務情報科5で合計109名。根室市教育委員会の資料によると旧根室西高等学校と統合した平成29年度の入学者数216名の約半数。
先般おこなわれた「根室市議会議員研修会」で北大・中村准教授の講演により、少子化で高校の存続が危ぶまれる市町村が増える中で、魅力ある学校づくりを地域全体で行っていく必要性について再認識した。
羅臼高校が令和9年度から全国公募を行うと報道されたが、根室管内だけでもすでに別海高校、中標津農業高校が「地域みらい入学」として全国に公募を行っている。また政府の高校無償化の拡大などから私立高校への選択肢も広がっている中、全国各地で生徒の「奪い合い」と言える状況になっている。
これまで私の認識では高校は大学進学のための学力を高める、あるいは就職のための必要な能力を身につけるところというイメージだったが、今は高校生の若い知性と感性が磨かれる豊かな学びの実践に向け、地域の特色を活かした魅力ある高校づくりが各地で進められているのだと想像している。
あらためて先般、教育行政方針で報告された「総合的な探求の時間」等の活動が魅力ある高校づくりにどのように影響するのか。その魅力を中学生、保護者にどのように理解して頂くのか。また教育長の考える魅力ある学校のあり方について伺う。

【教育長 答弁】
現在根室高校は5間口の全てが定員割れ。次年度の入学願書受付時点では辛うじて5間口を維持しているが、このまま入学者数の減少が進むと、将来的な間口減は避けられない状況であり、高校の存続、延いてはまちの存続にも関わる課題であると危機感を強めている。
本市は令和4年度から根室高等学校教育振興会を通じて一人一台のパソコン貸与などの支援に加え、総合的な探究の時間など連携を深めてきた。道教委が昨年実施した「探究コンテスト」で根室高校生の作品が最優秀賞を受賞したこと。生徒たち自身が声を上げ放課後探究部を組織し、公民館女性セミナーでの講演や不登校の中学生が学校に来るきっかけとなるイベント作りなど、自分たちで考え、地域と関わることにより、この町のためになにかをしたいという気持ちが芽生えてきている。
この高校生の変化が、これからの高校のあるべき姿を探る糸口であると捉えており、自らの興味関心、特性等に応じて地域や社会とつながりながら探究し続けることを主体の学びとすることが必要と考え、現在、道教委や高校と意見交流を進めている。今後、地元経済界をはじめ関係団体との協力体制を構築しながら根室高校の更なる魅力化に取り組む。

(3) 社会教育計画にもとづく取り組みについて 
① 令和7年度は新しい社会教育計画の初年度であり、あらためて掲げられた理念の実現むけて、初年度はどのような活動を行ってきたのか、その結果どういった効果、あるいは実施をしての課題があったのか伺う。

【教育長 答弁】
新たな社会教育計画は、「当事者意識を高め、社会を創る力を育む様々な場の提供」
「幸福や豊かさを感じるウェルビーイングの向上を目指す支援活動支援」
様々な世代の市民がつながりを感じ、ふるさとに誇りを持ち、地域づくりの担い手の場を広げるための環境整備」を教育行政の三つの方向性として掲げている。
これらの方向性を踏まえ今年度、大学教授等を招いた社会教育に関するシンポジウムの開催、多世代が本音で語り合う語り場を実践する島根県益田市の事例講演、学校教育現場での教育漫才の実施からコミュニケーション力や表現力を学ぶ研修、また根室高校生が放課後教室で指導員役となる「ネクストティーチャーズ」など、学びの場の造成や活動支援、地域づくりの担い手の場を広げる環境整備に努めてきた。
これらの取り組みを契機に、当事者意識を持って市民から「根室版カタリバ」をやってみたいとの声が上がり、高校生からも高齢者向けの健康体操にやってみたいなど、主体的な動きも広がってきた。

② 教育行政報告に掲げる「多世代交流の場づくりと団体の我がひろがる支援活動」とはどういった事業をイメージされているのか伺う。

【教育長 答弁】
公民館は教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、住民の教養の向上、健康の増進をはじめ生活文化の振興などを目的に地域の課題解決に向けた支援、地域における公共を形成するための拠点として設置。
これまでも様々な団体やサークルの皆様が集い、音楽活動や絵画、書道、工芸活動などの多くの経験や知識を持って幅広く多彩な活動をしているが、現代の地域社会が抱える複合的な課題への解決として、様々な活動や団体を横でつなぎ、解決への道へと進めることは、持続可能な地域づくりにとって必要な視点。
女性の視点の立場からあらゆる課題を取り上げ、自主的に学習する「根室市女性セミナー」を例に挙げると、市内の幼稚園児と折り紙や手遊びなどの交流から、参加した高齢者にとっては、これまでの経験を生かした生きがいづくりや存在価値、意欲の向上が図られたほか、幼稚園児にとっては地域文化や情緒面での学びが図られたとの評価をいただいている。
また高校生によるスマートフォン講習では、高校生の社会参画や世代を超えた交流による人間性の育成はもとより、高齢者のデジタルデバイドといった課題解決にもつながった。
公民館活動は地域の課題解決にもつながる多世代交流の場づくりや団体の輪を広げる支援活動として教育行政方針に位置付けており、引き続き取り組む。



2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ⑤/6

 2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました

その質問内容と答弁を要約してお知らせします(続き)

5.北方領土隣接地域の振興対策について
(1)「北方領土隣接地域グランドデザイン」構想について 
北隣協の要望をうけ令和7年度からはじまった内閣府が主催する「北方領土隣接地域における地域一体となった啓発促進策の検討に関する有識者会議」において、この2月に「中間とりまとめ案(たたき台)」が示された。次年度以降はどのようなスケジュールで進められていくのか伺う。
また「中間とりまとめ案(たたき台)」は、隣接地域・各団体等による啓発の取り組みや啓発施設の現状が整理され、今後の対応策の検討の方向性が簡潔に示されている。どれも大切な内容であり、標津町の北方領土館の建て替えが進んだことや、納沙布の北方館の補修に予算がついたことなど一定の成果があったのではないかと思うが、「中間とりまとめ案(たたき台)」の文章そのものは、一般的な助言の範囲に留まっているように見える。
私としてはせっかく国が進めているのであれば、啓発施設は展示も含めて、あまり領土問題をよく知らない全国の人に「これが見たいから、聞きたいから、現地で無ければ出来ない体験をしたいから、深く学びたいから、ぜひ隣接地域、根室管内に行ってみたい」と思い込ませるようなインパクトある存在になってほしいと考える。
それをどう実現するのかというグランドデザイン構想にしていくことが大切と考える。これまでオブザーバーとして参加してきた根室市の見解を伺う。

【市長 答弁】
令和6年6月の北隣協要望を踏まえ、内閣府の令和7年度予算で新たに「北方領土隣接地域における地域一体となった啓発促進策についての調査研究経費」が盛り込まれ、これまで5回にわたり有識者会議が開催された。
先月の第5回有識者会議で示された中間取りまとめ案では、隣接地域における啓発活動の現状と課題、施設自体の老朽化への対応、展示等のあり方など、対応策の検討の方向性が整理をされたほか、全国の啓発施設の先進事例調査報告や隣接地域の啓発施設における来館者の特性、意識、行動傾向を把握するための実態把握調査報告、実態把握結果報告なども取りまとめられたことから、今後の効果的な啓発施設のあり方等の検討に資するものを考える。
令和8年度のスケジュールは現時点で具体的に示されていないが、今回の中間報告での整理をさらに深掘りし、効果的な集客促進策等が引き続き議論されるほか、市内の各啓発施設の実務担当者などで構成するワーキングチームなどを立ち上げ、施設間の連携強化や将来の方向性などの検討も予定されている。



2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ④/6

 2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました

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4.水道・下水道施設の耐震化について  
① 昨年1月に国の方針にもとづき、「上下水道耐震化計画」が策定された。ただこの時点では現状の判明している範囲の内容が記載された計画であり、特に下水道施設においては、終末処理場、ポンプ場の施設や管渠を含めて、施設全体の耐震化と老朽化対策について何を優先して、今後どのように対応していくべきか、まず調査・検討をしていきたい、という趣旨のご説明をされていた。
令和7年度に下水道施設整備方針等策定業務委託、令和7年度・令和8年度の下水道事業会計予算では「管路施設調査委託3,000万円」が盛り込まれているが、現状どのような検討状況にあるのか、今後の見通しを含め伺う。

【市長 答弁】
本市の下水道施設の耐震化は管路や施設の実態を把握した上で、将来の人口減少に対応した施設規模の適正化や更新方向の検討を行い、それらを踏まえた整備方針を決定する必要がある。このため現在、終末処理場等の整備方針の策定や管路調査を実施しているところ。
これらの結果をもとに下水道中期ビジョン及び経営戦略との整合性を図りつつ、次期上下水道耐震化計画において下水道施設の整備計画を加える。

② 現在の「上下水道耐震化計画」は下水道処理区域内の避難所等が重要施設として設定されているが、郊外にある指定避難所に接続する管路や、水道施設の耐震化はどのような現状にあるのか、今後の予定なども含めて伺う。

【市長 答弁】
上下水道耐震化計画の重要施設は根室市地域防災計画で指定をされた防災拠点の市役所等の官公庁施設や市立病院、下水道処理区域内の指定避難所の13施設を最優先施設として選定し、耐震化事業を推進しているところ。
上下水道耐震化計画に位置づけのない避難所等も重要な施設であり、落石や地区においては老朽管更新事業等の実施により主要な施設や管路の耐震化を行っている。根室半島地区など市街地、市街地区域外の管路についても引き続き耐震化を進める。

③ 市が今後耐震化を進めるにあたり、国の財政的な支援制度はどの程度まで自治体のニーズを満たしていると評価されているか。令和8年度の政府の地方財政対策でも「上下水道の老朽化対策の推進」が出されているが、これらは特に大きな管路や施設を対象としているように見えるが、根室市でも活用できる内容か。

【市長 答弁】
国は激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策として社会資本整備総合交付金の予算措置を進めながら、基幹施設や重要管路の耐震化など、重点的・集中的に取り組むべき対策の確実な実施を推進。令和8年度では新たな下水道管路の全国特別重点調査への対応や水道管路耐震化事業の重点対策分の創設、DX技術を活用した管路施設に関わる点検調査などが拡充され一定の評価を得ている。
しかし本市では重点調査で危険性のある管路が発見されなかったことや、国の令和7年度補正予算の事業の前倒しなどにより、重点対策分の交付金等の活用が見込めない状況にある。
市としては引き続き十分な予算の確保や補助対象の拡大、補助率の引き上げなど、日本水道協会等と連携し国等に対し強く要請していく。



2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ③/6

2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました

その質問内容と答弁を要約してお知らせします(続き)

3.市立根室病院について
(1)今後の病院経営の見通しについて 
① 令和7年度の現計予算および令和8年度当初予算では一般会計繰入金の総額が約25億円。令和6年度の決算が約20億円に比べ、ここまで膨らんでいる主な要因を伺う。人事院勧告等の影響による人件費増が約2億円と大きな要因に見えるが実情を伺う。

【市長 答弁】
令和8年度病院事業会計予算案における一般会計繰入金は、約25億6千9百万円で、令和7年度当初予算対比で約2億9百万円の増、現計予算対比でも約4千8百万円の増。
内訳は基準内繰入金で小児医療や医師確保対策に要する経費などが増額となり令和7年度当初予算対比約8千万円の増、基準外繰入金では収支均衡に要する補助金の増額で約1億2千9百万円の増となった。
予算編成過程で収入確保や経費節減に努めたが、人事院勧告に伴う人件費の増額や最低賃金の改定、物価高騰等の影響による委託料など、各種経費の増加が主な要因。

② 市立根室病院経営強化プランの「点検・評価・公表」について、市立根室病院財政再建対策特別委員会の令和6年度の評価はこれから行われるが、経営強化プランに掲げる各年度の収支計画では2026年度の医業費用49億7,400万円に対して、実際の令和8年度当初予算案は約54億9,600万円と約5億2,200万円増加している。内訳は与費+2億円、材料費+1億円、委託料を含む経費が+2億円と、経営強化プランに比べて全ての費用が大幅に乖離している。経営強化プラン策定時の予測精度がどうだったのかという疑問はあるが、新年度の予算編成にあたり何を「目標とする指標」としながら予算を組み立てているのか伺う。

【市長 答弁】
令和8年度病院事業会計予算案、現在計画期間中の市立根室病院経営強化プランに掲げる各種取り組みを項目を基本に、当院の医師や看護師など医療従事者の体制を見据えながら、市立病院が今後とも根室地域の中核的な医療機関としての役割を果たし、持続可能な病院運営が可能となるよう予算編成に当たった。
しかし近年、人事院勧告によるプラス改定が続く人件費や医薬品の高額化、原材料価格の上昇などを起因とした物価高騰など、主に外的要因の影響に伴う各種経費の増加傾向が著しく、経費節減に努めたものの、経営強化プランと比較し増額となった。今後も医療を取り巻く環境が厳しさを増す中、当院の病院運営についても大変厳しい状況が続く。

【再質問】
非常に大変厳しい経営状態が続くという見通し。こうした状況の中で新年度は「地方公共団体の経営財務マネジメント強化事業」を導入されるというこうが、どういうものか、そしてどういう効果を期待をされているのか。

【病院事務長 答弁】
総務省および地方公共団体金融機構が共同で地方公共団体などにかかる経営財務マネジメントを強化し、財政運営、経営の質の向上を図るための支援事業。
公営企業、第三セクターなどの経営改革に関することなど、10項目の各支援分野に応じ、これら課題に対する専門的な知識を有する地方公共団体職員、また公認会計士、学識経験者、経営コンサルタントなどからアドバイザーとして原則1回につき1名の派遣、年5回以内で、これらに要する費用は、機構側で負担をし、団体に派遣いただけるもの。
当院は人件費高騰等による厳しい運営が続く。喫緊の課題として当該事業メニューに応募し、アドバイザーの派遣がされた場合には、専門的知見から経営改善などに向けた具体的各種アドバイスなど受け、収入支出の面から経営の見直しを進め、今後とも安定的な医療サービスの提供が継続できるよう努めたい。

【再質問】
どういう経営改善のアドバイスをいただけるのかということを見た中で、経営強化プランは2027年度、令和9年度まで。
これほど経営強化プランとの乖離している状況を踏まえると、多分国の方針がどうなっているか不明だが、おそらく2028年度以降、また「なんとかプランを作りなさい」と総務省から出されると思う。そこに向けてですね、少し時間をかけてしっかりとした市立病院と地域医療の在り方を立て直すプランを作成していきませんか。
令和8年度から令和9年度まで1年、2年かけて、内部でも検討をされているとは思うが、その他外部の有識者の方々、あるいは既存の経営再建対策特別委員会、そして必要に応じて市民ともそうした実情をしっかりと共有しながら、どういう医療をつくっていくのか、そういうオープンな場での論議を進めていく時間をしっかりと取りながら進めていきませんか。

【市長 答弁】
経営立て直しに向けたオープンな議論の場の設置等の話だが、これまでも病院経営に関わる情報の提供は市議会への定例月一回ごとの状況報告、また市広報紙やホームページなどでお知らせをしてきた。また経営の健全化なども経験者や市民で構成する市立根室病院財政再建特別委員会での議論とともに関係機関との連携を図りながら取り組んできた。
地域医療講演会はかなり(多くの)方々に来て頂く。病院と市民が身近に取り合う機会が図られて、その回数をもっと増やしてもいいのかなと思っている。病院情報紙も発行しております。また、ホームページの情報発信、さらにねむろ医心伝心ネットワークを通じた事業などを実施してきた。
今後においても、まずは経営アドバイザーなどに意見をいただき、将来にわたる地域医療サービスの健全的な提供を行っていく上では、市民の皆さんに広く知っていただくということが大切。地域に入って地域医療講演会などをやって身近に感じていただくことが必要であり、その積み重ねが大切と思っている。

(2)医療従事者等の体制について 
新年度の看護師および医療従事者の採用見通し、年度末の退職者数の見通し、必要としている人数に対して現状がどの程度まで充足しているのか伺う。今年度の採用では、市の「看護師等確保総合対策事業」による効果を実感されていたが、近年の傾向とあわせて伺う。

【市長 答弁】
市立病院は今年度の定年、休職を含め18名が退職する見通し。医療従事者の確保対策として看護師養成校への訪問や民間企業主催の合同就職説明会に積極的に参加する中、今年度は看護師7名を含む11名の医療従事者を採用する見通し。
また市立根室病院経営強化プランにおける経営の安定性に関わる数値目標として掲げる職員数に対する状況として、本年3月末見込みで看護師13名のほか、助産師、薬剤師などを含め21名の不足が見込まれる。
市立病院が将来にわたり持続可能な病院運営を行っていくためには、医療従事者の確保が重要であり、また良質な医療提供体制の確保・充実に向けて重要な課題。職員アンケートの実施による意見聴取や個々の事情に即した勤務形態の導入など、ハード、ソフト両面で職員が働きやすい環境づくりの取り組みを進め、引き続き医療従事者の確保、定着対策を進める。



2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ②/6

2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました

その質問内容と答弁を要約してお知らせします(続き)

2.子育て支援、福祉施策について
(1)障害児支援の充実と福祉・教育の連携について 
① 今年1月から根室市こども家庭センター「すくすく」が開設されたが、本事業の展開により根室市内のこども・家庭、子育て支援がどのように変わってきたのか。また現状の保健師体制が困難な状況の中で、必要とされる機能に対して何らかの影響が生じているのかどうか伺う。

【市長 答弁】
当市はこども家庭センターの開設を見据え令和6年度から子ども支援課を新設し、母子保健業務と児童福祉業務の一部を集約、専門職を配置し、妊娠期から子育て期までの支援体制を整備してきた。
センター開設により支援の枠組みに大きな変化が生じたものではない。保健師の欠員が続く中にあっても、派遣職員の協力を得ながら支援が途切れないように努めており、現時点で必要な機能に大きな影響は生じていない。
しかしセンターの安定運営には、保健師をはじめとする専門職の配置が重要でありますことから、引き続き人員体制の強化に努める。

【再質問】
子ども家庭センターで、基本的には地域の全ての子ども18歳までが対象となっている。市内の現状として、これまで小学校、中学校など義務教育課程との連携、そして近年、高校でも様々な課題を抱える子どもが増えている現状で、根室市としてどのような形で取り組まれているのか。

【健康福祉部長 答弁】
子ども家庭センターは、保護者の同意や個人情報保護に配慮した上で、平時から教育委員会や高校も含め学校と情報共有を行う。必要に応じて学校関係者と家庭訪問を行うなど、切れ目ない支援に努めている。
また支援が必要なケースでは、学校や警察、関係機関と連携して個別支援会議を開催し、支援方法を協議しながら対応している。

② 令和6年度に改訂された「第3期根室市障がい児福祉計画」では、こども・子育て支援施設との関連がどうなっているのか記載が明確ではありません。市の「こども家庭センター」が設立されたように、地域の全ての子ども達と家庭に対して、切れ目なく、漏れなく対応することが近年の国の方針。したがって障害児福祉の分野とどのような連携が図られているのか、地域の課題は何かを明らかにしながら、計画をもとに対策を進めていく必要がある。あらためて市内の現状について伺う。

【市長 答弁】
当市の障害児支援施設は、未就学児を対象とした児童デイサービスセンターと、就学児童生徒を対象とした放課後等デイサービスの2施設。
本年度より市が運営する児童デイ「ひだまり」は未就学児の療育をはじめ、保育所、幼稚園や学校等と連携した支援を行っている。 NPO 法人「あいの手」が運営する放課後デイ「くれよん」は、小学校以上の就学児童を対象に放課後や休校日に過ごせる場所を提供している。
両施設ともに療育から就学への円滑な移行に向けて、保育所や幼稚園、学校、相談支援事業所などの関係機関と綿密な情報共有により、切れ目のない支援につながるよう連携を図っている。

③ 第3期根室市障がい児福祉計画では「令和8年度末まで「市町村中核こども発達支援センター」への移行に向けて、引き続き、児童デイサービスセンターの段階的な機能強化に向けた検討を進める」としている。
児童デイサービスセンターが指定管理から直営化となり、専門職の確保をはじめとした体制・運営には引き続き課題を抱えている。近年、発達障害の様々な特性を持つ子ども達が保育所、幼稚園、学校で増えている。あらためて市町村中核こども発達支援センターとは何か、児童デイサービスセンターの段階的な機能強化とは何か、そのことが地域の子ども達、家族にとってなぜ必要とされているのか伺う。

【市長 答弁】
国が推進する同センターは地域において専門性に基づく発達支援や家族支援機能を担い、保育所等の関係機関との連携支援など、中核的機能を発揮し、支援を要する子どもとその家族を地域全体で支え切れ目なく必要な支援を行う。 また療育に加えて、保育所や学校等への訪問支援や専門的助言、関係機関との連携調査などを通じ、地域全体の支援体制をより高度で専門的に支える機能を担うもの。
市として既存の児童デイサービスセンターに保育所等訪問支援相談機能を拡充するため、心理士や言語聴覚士の専門人材を確保し、専門性及び連携機能等について段階的な強化を図り、中核的機能を備えた体制への移行を目指す。

(2)福祉サービス提供体制、人材確保対策について 
市内の障害福祉サービス提供体制の充実は引き続き、大きな課題。とりわけ障がい者等の家族が高齢化していくなか、グループホームなど生活の場の拡充、また従来から課題の計画相談支援の体制強化に向け、事業者、利用者などと適切な検討を進める必要がある。また、そうしたサービス支援体制を支えるためにも人員体制が大きな課題だが、「根室市障がい者計画」では「介護・保健分野での先行事業などを参考に、障害福祉分野における人材確保施策を検討します」とされている。こうした点も含め、あらためて現在の課題や市としての支援策について検討を加速する必要があると考える。

【市長 答弁】
障害のある方を支えてきた家族の高齢化、いわゆる親亡き後の問題は、本市においても現実的な課題と認識しており、あわせて生活の場となるグループホームは受け入れ人数も限られており、ニーズに応えられていない現状にあると受け止めております。
また福祉サービス利用の入り口となる計画相談支援も、相談支援専門員の不足等により負担が増大していることから体制の充実が重要。
これらの課題は、施設はもとより人材確保や維持可能な運営体制の構築が不可欠で、市として現状の課題を整理し、事業者、関係団体、利用者の意見を丁寧に伺いながら、支援策、人材確保対策について検討する。

【再質問】
市の障がい福祉計画等は6年間の計画。令和8年度は中間年。環境の変化と新しい課題等もある。改めて必要な見直しを図る必要がある。

【健康福祉部長 答弁】
障がい福祉計画並びに障がい者・障がい児福祉計画は、従前3年ごとの計画策定が求められていたが、令和5年の国の指針において柔軟な期間設定が可能となり、当市も北海道の計画に合わせて計画期間を令和6年度から令和11年度までの6年間として、令和6年2月に策定した。
国は今後3年ごとに指針を示すとしており、本計画は中間年度となる令和8年度に中間評価及び計画の見直しを行う。担当課としては様々な現状や課題が浮き彫りとなっている状況にもあり、今後示される国の指針や当市の現状課題を整理し、中間評価及び必要に応じた計画の見直し等を対応する。


2026年 根室市議会 2月定例月議会 一般質問 ①/6

2026年3月5日

根室市議会2月定例月議会で代表質問を行いました

その質問内容と答弁を要約してお知らせします

1.共創のまちづくりと第10期根室市総合計画における行財政について
(1) 今後の根室市財政運営の見通しについて
① 令和8年度の根室市一般会計予算案では9.48億円の財源不足。市議会議員協議会で示された「今後の財政収支見通し」では、大型建設事業等により今後も大幅な収支不足が数年間にわたって見込まれている。公債費は令和12年度まで急増することが見込まれるが、その後の推移および市債残高の見通しは?

【市長 答弁】
今後、新庁舎をはじめとした大型の建設事業の残債償還が開始し、長期試算上、令和12年度以降も増加傾向が続くと見込んでいる。学校建設やごみ処理施設などの公共投資を集中的に実施することに伴う構造的な増加であり一時的な山を形成するもの。その後の推移は新規の債発行を元金償還の範囲内に抑制することにより、緩やかな平原局面に転換できる見通し。
重要なのは標準財政規模に対する将来負担比率や実質公債費比率といった財政健全化の指標。
現時点の試算で、これらの指標は早期健全化基準を超える水準には至らない見通しであり、制度上の警戒ラインは十分に回避できる範囲内。大型の建設投資を行う以上、一定期間の公債増公債費増は避けらないが、それは次の50年をデザインするための前向きな負担。
今後もこうした経営指標を注視しながら、将来にわたって責任ある財政運営に努める。

② 市財政課の資料によると令和8年度末の財政調整基金、備考資金組合の超過納付金を取り崩した後の残高は約20億円の見込。通常であれば十分な水準だが、長期試算で示されている今後の収支不足の動向から、数年以内にこれらの基金が枯渇する事態になりかねない。今後の市財政運営の課題を伺う。

【市長 答弁】
令和8年度末の財政調整基金等、市の貯金残高は約20億円となる見通し。現時点で直ちに財政運営に支障が生じる状況ではなく、一定の備えは確保できている。
今後の課題は、構造的な収支ギャップへの対応。物価上昇や人件費の増加、施設更新需要の高まりなど、支出面では増加基調が続く一方で、地税や地方交付税をはじめとした一般財源の大幅な伸びは期待できる環境にはなく、歳入面では依然として厳しい状況にある。単年度のやりくりに終始することなく、財政構造そのものを立て直していく視点が大変重要。
事業の優先順位を明確にし、補助金制度や有利な地方債、ふるさと応援基金、これらを戦略的に組み合わせ、財源のポートフォリオ(保有資産の構成内容)を最適化する視点を強化し、持続可能な財政構造へと着実に移行することが、今後の財政運営における課題。

③ 厳しい財政状況を反映したのか、令和8年度の当初予算は過去に比べてソフト事業での新規の事業が少ない。一方でそうした中においても制度の改正により拡充が図られた点があることは評価できる。今後についても既存事業の必要性、効率性については全体的に見直し図ること。あわせて過去の辺地債の例など、本来なら活用できたはずの有利な国等の制度活用を見逃すことの無いよう、これまで以上に慎重な対応が必要。市の財政運営において特に留意すべき観点について市長の見解を伺う。

【市長 答弁】
新規のソフト事業については相対的に抑えた予算編成としているが、これは固定経費の増加をできる限り抑えるための判断。一方で既存の市民サービスについては期を逃さずにニーズに応じた拡充を図った。
今後の財政運営で特に留意すべき点は大きく三つある。
第一に既存事業の総点検。必要性や費用対効果、代替可能性を検証し、役目を終えたものは縮小廃止も含めて見直すことが必要。
第二に制度活用の徹底。財政面で有利な制度を事業実施の検討段階から確実に組み込むため、情報収集と横断的な共有を徹底し、活用の機会を取りこぼさない体制の構築が不可欠。
第三に財政全体を俯瞰する経営的視点。国庫補助や有利な地方債、ふるさと応援基金。これらを戦略的に組み合わせ、財源のポートフォリオを最適化する視点を常に持ち続けることが重要。
厳しい局面だからこそ、守るために絞るのではなく、攻めるために組み立てる発想が求められる。緊張さと同時にチャンスを逃さない感度を両立させながら、持続可能な財政運営を着実に進める。

【再質問】
令和8年度地方財政対策で地方交付税の総額が前年度+1兆2,200億円、プラス6.5%と大きな増額。10年前から比べると3.9兆円増額で確かに増えている。ただ近年、各自治体で財政状況の悪化が急速に表面化をしている。それはひとえに物価高騰や人件費、老朽化する公共施設の更新に追われる地方財政の実情と、国の財政対策は乖離しているのではないか。
例えば根室市の場合は、令和7年度の交付税が再算定して増額になった。当初の算定額から2億4,500万円が増額。 58億円、約59億円ぐらいの規模になったが、それでも12月補正で人勧で給与費が全会計合わせると4億6,000万円規模の増額が必要になっている。交付税の給与費分は財政課の試算では5,500万円ぐらいの規模しかない。とても厳しいと思うが改めて近年の国の地方財政に対する市の受け止めを伺う。

【財政課長 答弁】
今回の地方財政計画は、地方交付税の総額が前年比で6.5%と大きく伸びたことが一つの重要なポイント。地方の財政運営に対する政府の一定の配慮が示されたものであり、一般財源総額の確保という点からも評価すべき。しかしマクロの総額が増加している一方で、ミクロの現場に目を向けると物価高騰、人件費の上昇、公共施設の更新需要など、構造的な課題が強まっている。
こうした実態と照らすと交付税総額の伸びが各自治体の財政需要に十分に対応しているとは言いがたく、なお現場との間にギャプがあると認識している。給与改定費相当の交付税措置についても制度上は算定がなされているものの、実際の人件費増を的確に補填できているかという点で課題が残っていると感じている。地方財政の現場感覚として率直に懸念を抱いている点。以上を踏まえ近年の地方財政計画は、一定の前進は認めつつも依然として現場との間に乖離があるとは認識。本市して過度に楽観することなく、生活現実的に受け止めながら、自立的な財政運営に努めたい。

【再質問】
自立的な財政運営を強化ことは本当に大切だが、根室だけでなく北見、釧路、室蘭とあちこちこれだけ出ている状況。これまで国の方はよくコロナの辺りから基金をたくさん積み込んでいるみたいなことを宣伝されてきたが、実情が急展開で悪化をしているということを強く地方から訴えていく必要がある。

【市長 答弁】
自立的な財政運営というのは基本姿勢と思うが、最大限の効果を上げる努力を積み重ねることが地方自治体の本質的な役割と言いながら、まさに失われた30年と言うが、30年前の北海道開発庁の予算一兆円あった。今は2、3割足りない現状。例えば道路工事でも今までの倍になることは「歪みが来ている」と思うところ。
地方財政を取り巻く環境は一層厳しさを増している。加えて人口減少、それから50年経って公共施設の更新をやらなければいけない構造的な課題が顕在化をしている状況。本市のみならず全国の自治体が共通している課題。
全国市長会、北海道市長会を通じて地方の実情を丁寧かつ具体的に共有し、(首相の)「責任ある積極財政」という言葉もあるが、しっかりと地方の自治体に見合った交付税の確保、必要な地方財源措置の充実に対して、国に対してしっかりと訴えてまいる取組が必要。

(2) 行政評価のあり方について 
令和7年度より第10期総合計画がスタートしたが、総合計画にもとづく行政評価が事務作業として過重な負担となっており、そのあり方をどのようにしていくのか課題となっていることが説明された。市職員の厳しい体制から事務作業の簡略化、効率化が可能であればその方が望ましい。その後、市の検討状況について伺う。
一方で第10期根室市総合計画では重点プロジェクトとして、「1 こころの元気作りプロジェクト」、「2 生きるをつなぐプロジェクト」、「3 地域資源Reデザインプロジェクト」という3つの横断・複合的なテーマが掲げられている。
これらは従来の個別の施策・事務事業に対する評価・検証とは別な視点から、検証する機会をつくる必要があると考える。事務事業評価および外部評価委員のあり方も含め、今後どのような方針および具体的な手法のもとで第10期総合計画の各種事務事業の検証を「見える」形で評価しようとしているのか伺う。

【市長 答弁】
本制度は、市の政策や施策、事業、事務事業の有効性、効率性について、職員による内部評価と市民委員による外部評価を行い、その結果を生かし改善する取り組み。引き続き 第10期総合計画の推進に当たり運用を図る方針。
また総合計画に掲げた重点プロジェクトについても本来行政評価の対象とすべきだが、本プロジェクトの目的が地方創生総合戦略と大部分で重なることから、根室市創生有識者会議における評価検証をもって行政評価を兼ねるなど、実務の面から省力化を図り、効率的かつ合理的に運用している。
なお具体的な運用の手法等については、平成22年策定の行政評価制度に定めるとおり。現在、本制度の改定作業を進めているところだが、今後とも目的の明確化や評価の可視化など、適切かつ効果的な運用を図る。

(3)地域産業の人材確保対策の取り組みについて 
歯止めのない人口減少のなかで、地域産業および商工業活動においてこれまでの担い手の高齢化や労働力不足が年々深刻になっている。根室市は令和7年度に新規事業および事業の改正として「ねむろ就農応援事業」「漁業担い手育成支援事業」「奨学金の返済支援などの人材確保対策事業」「ねむろ就職応援事業」など一連の総合的な対策の拡充を図ってきた。
一方で行政側の支援対策は、過去には残念ながら十分な活用が図られてこなかったケースも多々あり、民間の経済活動に市町村が効果的な行政施策を実施することは大変に困難な作業。令和7年度に市が新規に実施した人材確保対策に対する実績および施策の効果を伺う。
あわせて、昨年改定された産業振興ビジョンでも引き続き、大きなテーマの一つとして「人 労働力の確保と雇用機会の創出」を掲げており、今後どのように業界団体、企業側と連携を図りながら、就業環境の充実、担い手人材確保の支援策を進めて行くのか伺う。

【市長 答弁】
少子高齢化や人口減少に起因し、市内ではあらゆる産業において人材確保が課題。新規学卒者等の地元就職を促進するため、漁業、農業、商工業の各分野による地元就職奨励交付金制度を令和7年度に創設するとともに、これまで市と企業が共同で対応してきた奨学金返還支援制度を市単独での支援制度へと改正した。
令和7年度のこれまでの実績としては、農業分野の実績はなかったものの、漁業は4名、商工業では30名に地元就職奨励金を交付したほか、新たに3名に対し奨学金返還支援を開始した。
本施策の効果は今後5年間の定着率の推移を継続的に測定する中で評価していく。
根室市産業振興ビジョンにおいて産業政策に三つの柱を設定しており、人をテーマに労働力の確保と雇用機会の創出を一つ目の柱に据え、地元就職奨励金制度はもとより、基幹産業である漁業、農業の分野における担い手対策の強化や人材確保や育成、高校生による地元企業視察や職場体験等を通じた市内産業への理解の促進など、業界団体や市内企業と連携しながら取り組む。

(4)再生可能エネルギーとの「地域共生」の考え方について 
根室市内に建設を予定しているメガソーラーの企業による地域説明会が昨年秋より立て続けに行われ、どの説明会でも反対、批判的な声が多くある。同時に大きなテーマとして地域との共生、地域貢献のあり方についても意見が交わされた。事業者側はいろいろな案と出席者に説明していたが、それらの案が地域にとって必要な取り組みなのかどうか。市民合意という観点が重視されているが、建設時のみならず安全性や自然環境への影響等の課題、住民の不安が将来にわたってクリアされる、その担保がしっかりとされることが前提として、その上で地域住民のみならず行政や関係機関と十分な話し合いのもとで、事業者から地域にとって必要な、そして有効な対策を引き出しながら「ともに地域をつくっていく」ことを考えることも必要です。再生可能エネルギー発電施設との地域共生のあり方に対する見解を伺う。

【市長 答弁】
現在、西浜町及び月岡町で計画中のメガソーラー発電施設は、事業者が地域住民と合意形成を図るための対話が重ねられており、その中で地域貢献策についても検討さている。
市は安全対策をはじめ自然環境や生活環境への配慮など必要な措置を適切に講じるよう事業者を支援する立場にあり、地域貢献策は内容自体が地域住民と事業者の合意形成に直接的に関わる事項であるため、市が踏み込んで関与することは、届出の受理判断に対する疑念を招きかねないことが想定をされ、適切ではないと考えている。事業者提案の地域貢献策については、その実現性についての確認等助言にとどめる考え。

(5)第3次根室市男女共同参画基本計画にもとづく今後の推進について 
① パートナーシップ制度について
計画の「基本方向2 人権の尊重」に掲げるパートナーシップ制度について、第10期根室市総合計画および第3次男女共同参画基本計画で「導入します」と明記されたことは大きな前進点。男女共同参画基本計画の「第1次実施計画」では、令和11年度までに導入を目標としている。釧路市では検討する期間を1年以上を要している。先行する先進自治体の事例は増えており、最新の知見を取り入れつつも、しっかりとした検討を進めるための体制を早く構築していくことが重要。今後どのような体制で検討していこうとしているのか伺う。

【市長 答弁】
多様な価値観や生き方を尊重し、安心して暮らせる社会の実現のため、全国の自治体で広がっており、当市においても人権尊重の観点からパートナーシップ制度の導入を第三次男女共同参画基本計画に位置付けた。
制度導入に当たっては、住民票の請求や市営住宅への入居、病院での面会、手術同意、救急搬送時の救急車への同乗など、様々なサービスを検討するためには、庁内における横断的な連携体制の構築が必要と考えており、どのような体制が適切なのか、他市の状況などを調査研究したい。

② 就労の場における男女共同参画の推進について
計画の「基本方向6 就労の場における男女共同参画の推進」では、通年雇用セミナー等を通じて啓発を行うとしている。セミナーによる一般的なハラスメント対策や雇用機会均等などへの理解を深めていくことは大切。あわせて正面から経営者自身が論議し、具体的に取り組むための方策をすすめていくことは、働きやすい職場づくり、職員の定着につながる。企業側と行政が連携した取り組みを推進していくことについて見解を伺う。

【市長 答弁】
根室市男女共同参画基本計画では施策展開の一つに男女の均等な就業機会と職域拡大の促進を推進事項としており、市や関係団体主催のセミナー等を通じて、企業経営者に対し、労働基準法や男女雇用機会均等法、女性活躍推進法などの周知啓発に努めるとともに、職場体験や資格取得支援など、市内企業と連携して就労者の個々の適性や能力、希望職種に合った総合的な職業能力の開発を支援する。
また就労の場における男女共同参画の推進には、経営者自身がその取り組みを進めることが重要で、例えばワークショップ型セミナー開発など、経営者自身が現状を認識し、具体的な取り組みを実施するための機会づくりを検討する。

③ 市行政における男女共同参画の推進について
計画の「基本的方向9 政策・方針決定過程における男女共同参画の推進」において、「市役所内における男女共同参画の推進」とある。市職員の体制も非常に困難な状況が続いているが、地域の中で市がリーダーとしての役割を図っていくことが重要。職場の現状分析の結果を伺うとともに、長期的な視点にたってどのように取り組みをすすめていこうとしているのか伺う。

【市長 答弁】
市役所内の男女共同参画の推進は、組織が持続可能な発展を求めるために重要な課題。単に男女の平等を実現するだけではなく、多様な視点や価値観を取り入れることで、より良い政策やサービスの提供につながる。
令和7年4月1日現在の本庁部局の女性管理職は3名で、全管理職に占める割合は8%、女性主査職は17名で、全主査職に占める割合は23%となっており、年々女性の比率は上昇傾向にあるが全職種における女性の比率31%と比較すると依然として低い状況。
男女共同参画の一層の推進に向けて、ワークライフバランスの確保や男女ともに能力を発揮できる職場環境の整備を進める必要がある。併せて出産や子育てに対する周囲の職員の理解も重要で、職員研修等を通じて男女の平等や相互理解の重要性について理解を求め、職場内でのコミュニケーションの活性化を図る。