10月19日、根室市の歴史と自然の資料館講演会「明治時代の洋食店西洋亭の記憶」を聴講しました。西洋亭創業者の子孫による講演などが行われ、当時のメニューを地元飲食店が再現した料理を参加者が試食しました。
明治20年に根室で開業し、港町根室に洋食文化を伝承した「西洋亭」。
創業者の長谷川徳太郎氏の玄孫にあたる川崎寛也氏(味の素株式会社食品研究所エグゼクティブスペシャリスト)が「西洋亭創業者の思いと受け継ぐ心」というテーマで講演されました。
西洋亭は創業当時から社交の中心として人気を集めた。幾たびの火災に見舞われるも、牛肉を仕入れていた根室牧場の山縣勇三郎など地元資産家による支援で再建されてきた。また海軍の軍艦にも食品を納入するなど地域で信頼を得ていたのではないか、と川崎氏は語りました。
猪熊樹人氏(歴史と自然の資料館学芸員)は「西洋亭を支えた根室牧場」を講演。
根室が港町として西洋文化が流入していた当時の時代背景や水産業で莫大な利益を上げた山縣や柳田宗吉など実業家が多角経営として牧場運営し、牛肉など食材が地産地消されてきたこと。そうした独自の洋食文化の歴史はエスカロップなど現在に引き継がれていることを解説しました。
西洋亭で当時提供されていたメニューの一つ「チキンポーイロ」が講演会の参加者に試食提供されました。
調理製作した千葉智人氏(北海道社交飲食生活衛生同業組合根室支部長)の講演では、根室商工会議所青年部(創陽クラブ)の活動と連携して、市内の飲食店がチキンポーイロを商品化する取り組みを開始。残された文献資料が少なく、どんな料理だったのか実態が分からない中、苦労しながら半年ほど各店が協議して研究を重ね、レシピを開発したそうです。
現在は市内8店舗で提供されていますが、今後さらに拡大していきたいとのこと。基本レシピを元にしつつ各店舗でソース等の違いがあり、各店のチキンポーイロを楽しんでほしい、と話されていました。
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