2022年12月21日水曜日

根室市の「令和4年度 総合教育会議」が開催されました

2022年12月21日

根室市の「総合教育会議」が開催され、市長と教育委員会が地域の教育に関する課題や今後の方向性について協議しました。

「根室市の学校教育がめざすところ」を報告
はじめに波岸教育長が根室市の学校教育がめざす内容を説明しました。
根室人の誇りや愛郷心等を学校教育でどのように育むのかを大きな命題に掲げ、学校の使命として、ふるさとキャリア教育やインクルーシブ教育の実現を進めることが重要としています。日常的な授業では、子どもが各自の関心のもと自ら学び、また子ども同士で教え合う等お互いに頼ることの出来る人間関係を築く指導に変えていく必要がある、と言います。
この大きな目標に市全体で到達するためには、それぞれの学校や地域で特色ある学校づくりを進めて行く必要がある、と話していました。

こうした教育の先行的な実践として、花咲港小学校では小規模校の特色を活かして昨年から、3・4年生の国語と算数で学習内容を自分で計画して進めることや、教室のレイアウトも自分たちが学習しやすいように話し合って変えてきたこと。また異年齢集団として、上級生が下級生を教える活動を取り入れた取り組みの様子について校長先生がお話をされていました
子ども達には学習への主体性や意欲の向上がみられたそうです。

2022年12月16日金曜日

2022年 根室市議会 12月定例会議会 意見書案など

2022年12月16日

根室市議会12月定例会議会が最終日を迎え、各常任委員会や予算特別委員会で審議された条例改正案や補正予算案等が全会一致で可決されました

また12月定例会議会で審議、可決された意見書案は次の通りです


2022年 根室市議会 12月定例月議会 補正予算

2022年12月16日

根室市議会12月定例月議会では補正予算審査特別委員会が行われ、そのうち一般会計では、ふるさと応援寄付金に対する返礼品贈呈経費や燃料単価増による影響など、70億4,843万7,000円の補正予算を可決しました。

今回の補正予算の主な内容をご紹介します

【一般会計】

燃料費や光熱水費(電気代)の増額
今回の補正予算分だけですが、ざっくりと一般会計分で足してみると、年度末までに3,789万8,000円もの増額を見込んでいます。
しばらくの間は燃料費、電気代の高騰は続くものと思いますが、果たして今後どのようになっていくのか大変に懸念されます

国際交流事務経費 -314万4,000円 減額
国債姉妹都市のアラスカ州シトカ市に親善調査団として高校生など関係者(5名)を派遣し、今後の姉妹都市としての交流の在り方などについて意見交換を行い、将来的な交流の推進に向けた協議を行うことを目的としていました
はじめに予算化したのは2020年度の時でしたが、新型コロナ感染拡大のため、3年連続で実施が見送られています
来年度こそは実施できる環境になっているでしょうか?

ふるさと納税推進事業経費 25億円 増額
主に返礼品の贈呈経費の増額分です。全国からお寄せ頂いたふるさと応援寄付金ですが、2022年度は当初予算額に加え、6月と10月定例月議会の補正予算と今回の12月補正分(50億円)を合わせて、100億円を各基金に積み立てる予算としました。

歯舞会館整備工事 -1,155万円 減額
屋根などの工事を予定していましたが、着工のため詳しく調査したところ、破損や修繕するべき箇所が増え大規模な工事となる見込みになることが判明しました。そのため工期もさらに伸びることから、今年度の予算は一度減額して、2023年度にあらためて予算化、工事を実施する予定となりました。

(仮称)花咲港ふるさと館整備工事 -2,654万5,000円 減額
工事の入札減です。そのほか工事の財源の内訳として、当初は「浜の活力再生・成長促進交付金(水産業強化支援事業)を想定していましたが、予算枠が継続事業でいっぱいのため、残念ながら事業採択とならず、代わりに北海道の地域づくり総合交付金の事業として採択されました
※水産業強化支援事業 -1億7500万円、地域づくり総合交付金 +8620万円
 入札減 -2,654万5,000円、ふるさと応援寄付金の基金で穴埋め +6,225万5,000円

北方四島交流事業経費 -1,657万3,000円
主に四島交流の人道支援(医療支援)について、今年度も実施できなかったことによるものです
元島民の方々の高齢化も進む中、一刻も早くウクライナ侵略が終了し、北方墓参をはじめとした四島交流の再開が待ち望まれます

ファミリサポート会員数増などによる委託料の増額 +56万円
今年(2022年)9月から根室市ではじめて民間事業者として稼働したファミリーサポートセンター事業について、当初予算では国の補助単価(会員数50人-99人)180万円でスタートしましたが、12/13時点で会員数103名登録となり補助単価200万円への引き上げと、提供会員向けの講習会の実施補助分として24万円があらたに追加されました。
このファミリサポート事業について、橋本は質疑しましたが、平日で一時間800円という利用料単価が高額であり、利用者から一部声も出ていました。しかしこの利用料を引き下げると子どもを預かる提供会員の活動報酬が減額となってしまいます。元々、子どもを預かるという責任のある仕事を近所の助け合いやボランティア的な役割として国が制度化したシステムのため、こうした矛盾がどうしても生じることがあります。
当面の間、国の制度としてひとり親家庭や非課税世帯などへ利用料補助の制度が国の仕組みとしてあるため、そうした制度の活用を図っていくこと。そして将来的には利用料そのものに対して補助制度等の仕組みをぜひ検討して欲しいと求めました
市側は来年度からの実施に向けて事業者側と協議・検討したいと答えています

北海道水産多面的機能協議会負担金 +300万円
今年度に国の「北海道赤潮対策緊急支援事業」が行われ、根室市内でもウニの調査などが実施されています
その後、さらに国の予算が追加配分され、ホタテ漁場の調査等の事業が実施されます(事業の実施主体は根室沖合ホタテ漁場保全会)
来年2月から根室沖でホタテ種苗の生存調査のほか、事前に水質調査や水中ドローン等によるより高度な漁場環境調査などが実施される予定とのことです

旧花咲小学校校舎等解体工事 -3億3,187万円
令和4年度から旧啓雲中学校の校舎に移転した花咲小学校の元校舎ですが、令和4年度中に解体工事を実施する予定でしたが、解体の前段階でアスベスト調査を実施したところ、改築を重ねた古い校舎のため想定外の場所から大量のアスベストが検出されました
そのため次年度にかけてさらに詳細な調査を実施するため、解体工事が延期されました。
今年度当初は解体費として約3億円を予算化していましたが、飛散防止などアスベスト対策のため、今後実際に解体工事する際はさらに高額になるのではないかと想定されています
なお旧校舎に残された卒業制作のレリーフは既に回収保存されたこと、また職員室前の看板については直ぐに取り外すことが難しいため、解体工事の際に回収して保存・活用する考えであることを、須崎和貴議員(会派紬)の質疑に応えていました

市立根室病院の補正予算
収益的収入では、コロナ対応の感染症病床確保促進事業費補助金が追加で+3億4200万7000円が追加になっていますが、医業収益では予算を-7,276万9,000円減額しています
収益的支出では、高額医薬品・新型コロナ検査試薬使用料の増などで+1億529万8,000円、電気料や燃料費、感染性廃棄物の増加、臨床検査件数の増による経費も+4,100万5,000円増加しています
また工事では、市立根室の救急外来の前に救急車両を停め患者さんを搬送するとき、風等をさける庇(屋根)を新たに設置するための調査が行われます
それは良いのですが、正面玄関側では寝たきりや車イスの患者さんを乗せた車両が、後続車の邪魔にならないように屋根の無い奥の方に停車して患者さんを乗降させています。
橋本は予算委員会の質疑でそうした車に乗る方が雨雪が当たらないように屋根等を設置することも検討するよう求めました
さらに正面玄関側は屋根の柱が死角になって横断する患者さん等が見えづらく、より安全性の確保するためミラー等の設置を検討するよう求めました

2022年12月15日木曜日

2022年 根室市議会 12月定例月議会 各常任委員会の議案審査

2022年12月15日

根室市議会12月定例月議会の総務経済常任委員会、文教厚生常任委員会が開催され、各議案が可決されました
主な内容について、一部をご紹介します

コンビニ交付サービスの導入
マイナンバーカードを使って、コンビニ等に設置されているマルチコピー機から、住民票などの各種証明書の取得が可能になります。
道内では27市町で実施されています。
実施時期は未定ですが市は来年度から実施したい考えです。
全国どこのコンビニでも、土日祝日を含め朝6時30分~夜11時まで利用できるそうです。
遠隔地に居住している方や、役所が閉庁している時間帯でも書類がとれるのは時間のない方にとって便利と思います。
なお印鑑証明もコンビニ交付できるようになりましたが、一方で市役所の窓口ではシステム的に従来通り印鑑登録証の提示が必要であり、マイナンバーカードだけでは印鑑証明が出せないそうです。

  • コンビニ交付可能な証明書 ⇒ 住民票の写し/印鑑証明/戸籍謄本・抄本/戸籍の附票/所得課税証明/非課税証明/児童手当用/所得証明

あわせて郵送申請オンラインサービスも導入
住民票等はこれまでも郵送申請で交付出来ましたが、来年度以降は上記の証明書等もコンビニ交付と同様に郵送で交付出来ます。
ただし、同じくマイナンバーカードを使ってスマホの専用アプリからしか申請できない仕組みのようです。支払いはクレカのみです。
こちらはそれほど便利になったと思えませんが、手段が増えることは良いことかなと思います。

市職員の定年延長
地方公務員法の改正により市職員の定年が現在の60歳から来年度から2年に1歳づつ段階的に引き上げられます。
最終的に2031年度には65歳定年になる予定です。
なお管理監督職については60歳以降はそれ以外の職へ降任・転任することとされています。定年延長にによって定年退職が出ない年度も発生する場合がありますが、市はそうした年度でもある程度の必要数を見込んで新規採用を行うとしています。
ところで定年が延長になったといっても60歳以降は現行給与の7割水準にまで減額されます。地方公務員法24条「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない」という従来の考え方に反する変更点で、こうした国のやり方に不満を覚えます。

来年度から「海星学校」へ
海星小学校と海星中学校を統合し、来年度から9年間の一貫教育を行う義務教育学校に変わります。
これまでの学校側や保護者・地域との話し合いのでは、小中一貫教育に対して前向きに受け止められていると市教委は説明していました。
地域から校歌を変えないでほしいとの意見があり、学校名を「海星学校」としています。
9年間を6・3制で分けますが、従来の小6の卒業式と中1の入学式に代えて「前期課程修了式」と「進級式」という子ども達の成長を祝う節目行事を行います。
また職員室についても従来の小学校・中学校で二つに分けて使います。
このように市内の義務教育学校の先行事例である歯舞学園とは運営形態が異なっています。文教厚生常任委員会の審議で委員から「根室市として統一した教育方針で進めるべきではないか」という意見が出されていましたが、市教委は「学校ごとの判断において特色ある教育を推進することを重視した」と説明していました。


2022年12月13日火曜日

2022年 根室市議会 12月定例月議会 代表質問 ②/2

2022年12月13日

根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)

2.介護福祉をめぐる諸課題について
(1)国の2024年度にむけた介護保険制度改定の動向について 

介護保険では、2024年度からはじまる第9期介護保険事業計画に向けた大きな改革案が、厚生労働省社会保障審議会で検討されている。その中で「給付と負担」に関する論点は、介護サービスの利用料2割・3割負担の対象拡大など7点が示されている。これらの改革項目は財務省や経済界からの強い要望により、過去にも論議されてきたが、大きな負担増となるため今までは実施が見送られてきた項目。
最近の報道によるとこのうち、ケアプランの有料化と、要介護1・2の訪問介護・通所介護を地域支援事業へ移行することについて、今回も見送られる方向とされている。
しかしその他の項目についても、国会の法改正を経て実現された場合、被保険者と利用者・家族にとっては大きな負担となり、家庭の経済状況によっては必要な介護サービスが受けられなくなること等を懸念する。
10月に全国老人福祉施設協議会など8団体が「要介護度 1、2 の方への訪問介護、通所介護を総合事業に移行する見直しには反対する」要望書を国に提出。また日本介護支援専門員協会など10団体は「居宅介護支援費、介護予防支援費における現行給付の維持継続」を求める要望書を国に提出。公益社団法人「認知症の人と家族の会」などはインターネットでの活動を中心に「介護保険の負担増に反対します」という署名をすすめている。政府の審議会における改正案の一部見送りはこうした民間団体や国民の批判の声をうけた結果と思う。
社会保障制度は国が策定し、制度運用するもの。しかし国の言いなりのまま制度改悪を容認しては、例え根室市が頑張って、いろんな独自の制度を実施したとしても、土台が崩れてしまえば、市民の生活を守ることはできない。
保険者である市としても被保険者と住民生活を脅かす制度改革について、その内容や動向をしっかりと分析し、国に対して意見を挙げていくことが重要。

【市長 答弁】
国の社会保障審議会介護保険部会で令和6年度の介護保険制度見直しに向けた議論が行われている。65歳以上の介護保険料では高所得者の標準乗率の引き上げについて検討が進められる。一方、介護サービス利用料の負担割合では2割・3割負担の対象者拡大について検討が行われるなど「給付と負担」のあり方に関して来年早期の取りまとめを目指し、協議が行われている。
超高齢化社会に対応した制度改正は持続可能な制度運営のために必要と考えているが、介護サービス利用者のおよそ9割が1割負担であることからも、今後の国の動向に注視するとともに低所得者の負担軽減や必要な財源措置を講じるなど、介護保険財政の健全な育成が図られる制度改正となるよう、全国市長会を通じて国へ要望していく。

(2)介護人材確保対策について

第8期計画の取り組みとして、市と市内事業者の協働による「介護サービス事業者対策協議会」の立ち上げと介護人材確保の取り組みが始まったことは大きな前進。
しかし人材不足の状況は続いており、特に訪問介護などでは新規受け入れが困難な状況も一部あると聞く。また今現在働いている介護従事者側も高齢化が進んでおり、将来的な体制についても大きな懸念。例えば、ある調査では根室管内のケアマネの半分以上が50歳代以上とのこと。
根室市における介護人材確保の取り組みは緒に就いたばかり。これまでの実績を踏まえ、次年度以降、そして第9期計画期間を展望した今後の方向性について、市の見解を伺う。

【市長 答弁】
介護サービス事業者対策協議会で「確保」「定着」「育成」の三つの視点から様々な検討協議を行い、
・資格取得助成金の対象者拡充
・介護従事者紹介パンフレットの作成
・経験年数に応じた奨励金制度の創設
などの取り組みを行った
北海道福祉人材センターと連携し、11月3日に札幌市の福祉で職場説明会に介護事業者との協働による出展を行うなど、市外からの介護人材確保にも着手した
第9期介護保険計画の策定にあたって、こうした取り組みを基本としつつ、介護現場の意見を伺いながら、介護サービス事業者対策協議会で新たな対策について検討・協議を進め、高齢者介護を支える人材の確保に積極的に取り組む。

【再質問】 今後、市として介護サービス事業者協議会などの場でも協議・検討を進めていただきたいテーマについて、何点か質問したい。

①新規就労に対する支援策。
別海町では2019年度から「介護従事者就業支援補助金」という制度を実施。新規就労する介護従事者あるいは復職する有資格者を対象に、1年間継続して就労すると5万円、2年目も5万円、3年目は最後の年だが、10万円が支給される制度。
同様の施策は道内他町にもあり、本別町、足寄町、大空町などにもある。特に大空町の「医療・介護従事者就業支援補助金」は、医療機関・薬局・障害者福祉施設なども含め「継続就業補助金」として年15万円×5年間、さらに転居費用および家賃相当額として1回限りですが20万円を支給するなど手厚い制度を設けている。ぜひこうした新たな取り組みについても研究を深めていただきたい。
根室市にはUIターンがあり、若年者等正規雇用奨励補助金の制度を設けている。市全体の制度を十分に活用し、連携した取り組みを図っていく必要がある。

【市市民福祉部長 答弁】
「就業支援補助金」は道内各地で取り組みが行われている。
当市では昨年度、介護サービス事業者対策協議会において介護現場のご意見を伺い、検討・協議を行い、経験年数に応じた奨励金制度を創設し、運用している。
市として第9期介護保険計画の策定に向けて、新規就業者の補助金など他の自治体の取り組みについて情報収集に努め、新たな人材確保策について検討を進める。

【意見として】 本別町の担当課の方にも伺ったが、5年後に離職してしまうケースがあるそうで、制度の見直しを考えているという話もあった。新規就労と離職対策を含めて対策が必要。

【再質問】 直近の課題としてハローワークを通じた求人が難しい一方で、人材紹介会社の活用が考えられる。しかし、紹介手数料が高額のため、苦慮している。一般的には手数料は、入職者の想定年収2割~3割が相場とされている。年収350万円なら20%の紹介手数料は70万円。医療機関に比べて収益性が低い介護事業所では経営的に厳しい。
先般、訪問入浴サービスの看護師確保対策のため、手数料負担を補助する制度を根室市としても設けたが、これを他の施設に拡大していく必要があるのかどうかを検討できないか。

【市民福祉部長 答弁】
訪問入浴看護師の紹介手数料の補助は、令和4年度の当初予算で新規事業として予算計上したが、現時点では紹介事業者からマッチングの情報提供がなく、看護師の確保に苦慮している現状にある。
こうした状況を踏まえ、対象施設の拡充は今後の介護現場の状況を見極め検討したい。

【再質問】 ③外国人の介護人材確保対策についてどうするか、市としても真剣に考える時期に来ている。
介護事業所は受け入れるための財政的な基盤が弱いことと、技能実習や特定技能などの場合は期間が限定されていることなどの課題はある。
H31年度から特定技能の制度が導入されて来年は5年目になる。今後は介護福祉士国家試験の受験者、そしてきちんと国家資格を取得され、在留資格の介護をとる方も増えてくると思う。全国的にも介護分野での、受け入れ実績や成果、あるいは逆に課題がどういった点なのかについて、それぞれの知見が蓄積されてきていると思う。
そういった地域や施設の状況を実際に学びながら、根室市の地域としても、その実現可能性について、やはり市全体として、本格的に研究を進めて行く必要があると思います。

【市民福祉部長 答弁】
外国人の介護従事者の受入れについては、一部の介護事業者において、特定技能などの制度を活用した受入れについて、具体的に検討が進められている。
住居の確保など、財政的な負担が大きく、また職場でのOJTに時間がかかり、通常業務のと外国人の教育で負担が増すといった介護職側の慎重なご意見もある。
こうした状況から今後、介護事業者と連携し、既に外国人従事者を受け入れている地域へ視察を行うとともに介護サービス事業者対策協議会で、事業者の意見も伺いながら、早期に、外国人従事者の受入れが実現できるよう検討を進めたい。

【意見として】
技能実習生の方々もコロナで大変な状況であり、特定技能で来られる方も本国の経済状況も大きく変わってきて、かつ円安の中で情勢は変化しており、それに対応して制度も今後変わっていくこともあると思う。
選ばれる地域にしていかければならず、そのためにどのように対応していくのか、長く地域にいてもらえるような環境づくりについて検討していく必要がある。

2022年 根室市議会 12月定例月議会 代表質問 ①/2

2022年12月13日

根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします

1.根室市の水道事業会計および水道料金等における今後の諸課題について
(1)水道事業会計の今後の経営状況について 

根室市の水道事業は2019年度(平成31年度)から水道料金の引き上げを実施。
1981年以来の料金改定で、当時の考え方として、次の料金改定まであまり長い期間を空けることなく、2023年度までの5か年を目安に再検討することを想定。
2021年度の水道事業会計の決算は単年度収支が約3,118万円の黒字だが、決算審査特別委員会では、今後の長期試算で2024年度(令和6年度)に単年度資金不足額が生じ、2029年度(令和11年度)には内部留保資金がマイナスとなることが示された。
2019年度の料金改定時に示された収支計画時点と比較して、現時点の水道事業会計の経営状況をどのように評価されているのか。

【市長 答弁】
人口減少や市中経済の低迷により給水収益が減少し、水道施設の老朽化対策などに伴う費用の増加で単年度収支が図れず、内部留保資金が枯渇する見込みであったことから、平成31年4月から算定期間が令和5年度までの5年間に平均改定率21.5%の料金改定が必要として収支計画を策定。
この収支計画では、料金改定に伴い単年度収支が黒字となり、令和5年度末の内部留保資金が9千万円となる試算だったが、収支計画に比べ給水収益の増収や維管理持費が減額となり、令和4年度末の内部留保資金が約2億6千万円となる見込み。
経営状況は収支計画に比べ内部留保資金は確保できているものの、維持管理費や減価償却費等の固定費が増加しており、令和6年度以降は単年度収支が赤字となる厳しい見通し。
人口減少に対応した適切な投資や効果・効率的な事業運営に努めなければならない。

【再質問】 水道施設の老朽化対策としての建設改良事業について、今後も計画的に更新を進めていくため、一定規模の予算を確保していくことが必要。約4億円程度を毎年度維持する方針。その場合、
H29年度 企業債残高 50億29百万円 償還額 2億91百万円
→ R03年度 企業債残高 51億43百万円 償還額 3億17百万円
と、徐々に増加しているように見える。企業債の償還や残高の将来的な見通しは?

【建設水道部長 答弁】
建設改良費の計画は、平成29年に策定した「上水道施設整備計画基本方針」に基づき、施設の重要度、緊急度、老朽度を総合的に検討・評価して整備を進めることとし、その整備費用は年間約4億19百万円を基本としている。
この建設改良費の財源は、基本的に国庫補助金および企業債を活用し、建設費負担の平準化を図っている。企業債残高は、今年度末で約52億円になる見込。
将来の見通しは、経営戦略の令和14年度までの財政収支試算で、企業債償還額は令和5年度の約3億79百万円をピークに3億円程度まで減少する一方で、企業債残高は54億6千万円となる見込み。仮に毎年4億円の企業債の借入れを続けた場合、令和17年度には償還額が増加に転じ、企業債残高、償還額ともに増加を続けると推計。

【意見として】 低金利だが将来的には徐々に残高が増えていく。政府の金融政策が変更になってきたときはまた状況が変わっていく。

【再質問】 国庫補助について、水道管の老朽施設の更新費用は、その全てを受益者負担で賄うのは大変な(厳しい)状態であり、限界がある。国の補助のあり方が重要に。
これまでも補助制度の拡充が大きな課題とされていたが、その後の状況はどうか?

【建設水道部長 答弁】
人口減少に伴い料金収入が減少する中、老朽化した配水管や浄水施設の更新を続けるための財源確保が課題。
国庫補助金について北海道を通じ情報収集を進め、令和4年度は、生活基盤施設耐震化交付金のうち、水道施設等耐震化事業の補助金が交付されることとなった。
補助制度の拡充は、生活基盤施設耐震化交付金が創設された平成27年度以降大きな変更が無く、さらなる財政措置の拡充、補助対象の拡大や補助率の嵩上げなどを、全国市長会や日本水道協会を通じて、国や道などに対し要望しているところ。

【再質問】 今後の料金についてどのようにしていくのか。
R3年3月の「経営戦略」では、「令和6年度から料金改定の必要性等について検討」「令和8年度から料金改定に向けた検討を進める」となっている。
R6年度より単年度収支不足となる大きな要因は、給水収益の減収だけでなく、一般会計からの約4,000万円の水道料金補助金の減と、これまで繰り返し説明されていました。
水道料金補助金は市長の政策的な判断によるものであり、料金改定を検討する場合に、あわせてこの取り扱いをどうするか十分な検討が必要。
元々、根室市の水道料金は地形的な要因等から他の地域と比較して高いとされている。また、市民生活や市中経済への影響、長期的な施設更新にかかる負担増を考慮すれば、一般会計からの水道料金補助金は必要であり、継続するべきと考えます。
少なくとも次期料金改定を実施する時点までは現状の水準を維持し、2024年度(令和6年度)以降の繰り入れ分を含めた中で再度、長期試算の見直しを図り、料金改定のあり方について議論するための資料とするべき。

【市長 答弁】
平成31年の料金改定は、水道事業として収支均衡を図るために21.5%の改定率が必要と推計しつつも、市民負担の軽減を考慮して平均改定率を14.8%に。
その軽減額の約4千万円については、平成31年度から令和5年度までの5年間を基本として、一般会計が負担する判断をした。
水道事業は地方公営企業法の適用により受益者負担の原則にそった独立採算制を基本に、水道料金を主たる財源として経営するものとされていることから、まずは、引き続き収入確保や経費節減などの自助努力を前提とした料金算定の試算を行い、そのうえで地域経済の状況などを踏まえ、一般会計の負担について判断したい。

【意見として】 料金収入をH31年度から5年間を21.5%UPする試算をしたが、料金改定で14.8%と市補助金で6.7%という財源内訳に。R6年度以降の長期試算は、14.8%分しか見込まれず、6.7%分が落ちてしまえば、当然赤字になる。その状態で長期試算を出すことが適切なのか疑問がある。
R5年度で2.4億円の内部留保資金の見込みと示されたが、将来的な投資に充てる資金だが、R6年度から(赤字のために、その内部留保資金を)先食いする状態になる。
今の計算方法では市民の理解を得るのは難しいのではないかと危惧をしている。あらためて、考え方を整理して、検討してほしい。

(2)低所得者等に対する水道料金等の減免について 

根室市「水道事業給水条例」に基づき、経済的事情によって料金の減免が必要と認められる方に対する水道料金の減免が実施されてきた。これまでの減免実績は決して多いとは言えないが、この制度は全国的にも例の少ない優れた取り組みと認識している。
また2019年度の水道料金改定とあわせて、低所得者世帯への減免の範囲が拡大されてきたが、この間の取り組み実績に対する市長の評価を伺う。

【市長 答弁】
平成30年6月定例月議会で、水道料金の改定にあたり減免対象の拡大などの必要な措置を求める付帯決議を受け、減免範囲を生活保護基準の1.1倍まで拡大し、減免率を15%とした。
減免の認定実績は、令和元年度が延べ12件、2年度が延べ55件、3年度が延べ60件。料金改定に伴う値上げ分の負担軽減となったものの、認定件数が当初予測より下回ったことから、制度周知や手続きなどに課題が残ったものと考えている。

【再質問】 減免対象の拡大分について「実施期間は平成35年度までの5か年とする」とされている。R6年度以降どうするのか。
当時、減免対象を拡大した背景として平均改定率14.8%に対応させて減免率を15%としたことや、減免拡大分は水道料金のみを対象にして下水道使用料は対象とならなかった等から、主に料金引き上げに対する激変緩和的な意味合いが強かった。
しかし実際問題として減免率15%(しかも水道料金のみ)では、月額で数百円程度の減額にしかならず、本当に生活に困窮した世帯に対する支援策としては不十分な水準です。
料金改定から5か年を経過し、現在の水道料金体系が浸透してきた時点を一つの区切りとして、あらためて福祉施策として「この制度がどうあるべきか?」について見直す必要がある。
具体的に言えば、減免対象を就学援助の準要保護を見習って生活保護基準の1.5倍まで拡大すること。また減免率を一律50%まで引き上げること。下水道使用料の減免制度も水道料金と統一すること等を求める。
対象となる全ての世帯を全て(網羅して)拾い上げて適応させる制度だと思っていない。しかし、いざ生活に困った人が相談に来た時に、支援策として使っていただけるような制度なっていくのが良い。社会福祉協議会や市の社会援護の担当課、料金徴収を担当する委託業者等と十分な連携を図り、有効な支援対策の一つとなるように、内容のさらなる充実を図るべき。

【市長 答弁】
本市における低所得者に対する水道料金等の減免は、基本的な基準を生活保護法に基づく「最低生活費認定額」を超えない世帯を対象としている。
収入認定額の拡大は、使用者間の公平性なども考慮する必要があり、料金改定に伴う軽減措置として実施した本制度の拡大は難しいと考えている。
なお全道各市の減免制度等の情報収集を進め、これらの内容を調査研究し、低所得者等への減免制度の拡大の必要性について、福祉施策としてどうあるべきか、引き続き検討したい。

2022年12月6日火曜日

2022年 根室市議会12月定例月議会 日程・一般質問の項目

根室市議会の12月定例月議会は12月13日(火)~16日(金)の日程で開催されます
今回は6人が一般質問を行います。

12月定例月議会の日程

12月13日(火)10時~本会議
 一般質問(4名) 橋本 →鈴木議員 →足立議員 →須崎議員

12月14日(水)10時~本会議
 一般質問(2名) 中村議員 →本田議員

12月15日(木)
 10時~総務経済常任委員会
 14時~文教厚生常任委員会

12月16日(金)
 10時~補正予算審査特別委員会
 17時~本会議
 各議案などの採決
 意見書案の採決

一般質問の項目

橋本 竜一 13日(火)1番目

1.根室市の水道事業会計および水道料金等における今後の諸課題について
(1) 水道事業会計の今後の経営状況について
(2) 低所得者等に対する水道料金等の減免について

2.介護福祉をめぐる諸問題について
(1) 国の2024年度にむけた介護保険制度改定の動向について
(2) 介護人材確保対策について

鈴木 一彦 議員 13日(火)2番目

1.財政問題について
(1) 当市の新年度予算について
(2) 今後の財政見通しについて

2.領土問題について
(1) 岸田首相の領土問題に対する政治姿勢について
(2) 日ロ関係が厳しい状況にある今、やるべき課題について

3.各種検定受験者に対する助成について





2022年12月1日木曜日

北方領土返還要求中央アピール行進

2022年12月1日

都心で「北方領土」問題を全国民に発信し、国民の関心や世論を盛り上げようと、「北方領土を返せ」などと呼びかけながら、元島民をはじめとして全国の返還運動関係者がアピール行進を行いました。
北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協)が主催し、今回で15回目の開催。コロナ禍で3年ぶりに実施され、主催者発表で約500名が参加とされています。

日比谷大音楽堂での出発式で、北隣協会長の石垣雅敏根室市長が「ロシアのウクライナ侵攻によりこれまで積み上げられてきた平和条約交渉の中断、北方四島交流・自由訪問の一方的な停止、北方墓参も見送りを余儀なくされている。取り巻く環境は厳しさを増しており、元島民には自分の境遇と重ね合わせ心を痛めているかたも多く、一刻も早い和平を願う。事態の長期化は北方領土問題が置き去りにされ、関心が薄れることを懸念する。これまでどんな時代でも北方領土問題の解決に命をかけて取り組んだ多くの先人たちがいる。明けない夜は絶対にない。この時だからこそ今を生かされている私たちの責務として、その思いをさらに大きく、強靭にしなければならない。外交を推進する力は国民世論。15回目となってしまったアピール行進は、この厳しいときだからこそ長きにわたり返還運動に命をかけ取り組んできた先達の思いも込め、北方領土問題の前進に向けた志をさらに高く掲げ、全国民が一丸となって政府の外交交渉を後押しするために、力強く行進し、私たちの熱い思いを発信しよう」とあいさつしました
また元島民代表の決意表明として河田弘登志副理事長は「島を負われてから77年。海の向こうに見える近くて遠い故郷が、一日も早く変えることを望み、今日まで政府外交交渉の下支えとして返還要求運動を続けてきた。しかし故郷はいまだに還らず、自由に行くことも出来ない。望郷の念もかなわず他界した多くの同胞たちの墓前に吉報を伝えるその日まで返還要求運動の火を消すことなく邁進する。この無念の思いを希望に変え、みなさんとともに北方領土問題の早期解決の声を上げ、力強く行進する」と決意表明しました。

アピール行進で参加者はいつものハチマキやタスキの代わりに、ロゴマークの入ったマスクをし、「北方領土を返せ!」などメッセージのはいった旗を掲げ、中1.6㎞の道のりを歩きながら「北方領土返還要求運動に参加しよう!」などコールして、道行く人々へのアピールを行いました

※1945年12月1日は、当時の安藤石典根室町長がGHQマッカーサー元帥に対し、ソ連軍に武力占領された「歯舞村ゴヨマイ諸島」並びに「南千島諸島(色丹を含む)」を「米軍の保障占領下」とするよう求める陳情書を提出した日で、「返還要求運動はじまりの日」として位置付けられている。
「北方領土返還要求中央アピール行動」は領土問題解決の進展が見られない中、国民世論喚起高揚を図るため2007年から毎年12月1日実施されている。アピール行進と同日に内閣総理大臣など関係機関への要請活動が行われる。コロナ禍で2020年、2021年はアピール行進は行われていないが、その間も首相への要請は行われていた。