2021年3月16日~18日の日程で、2021年度の根室市議会予算審査特別委員会(各事業・特別会計)が開催されました。その内容について、一部を報告します(つづき)
国民健康保険事業特別会計
2020年度の国民健康険税の収納は、新型コロナや漁業不振などの経済状況の影響から761世帯が滞納見込みとなっており、加入世帯の約1/5にのぼります
ただその一方で、新型コロナに関連した減免の実績は、2月末時点で累計30件程度にとどまっており、本来的に必要としている人が利用できているのかどうか、引き続き周知などに努めていく必要があります
また対象について、前年度の所得が0円の場合に減免の対象にならない事や(均等割り部分が減免の対象になっていない)、非自発的失業者の場合ではコロナ関連の減免の対象外となっているなど、国の制度的な課題も引き続きあり、そうした問題について、政府に改善を求めていく必要があります。
なお資格証については、コロナの関係から2020年度は交付世帯は0件でした。
特定健診などは深刻な状況で、2020年度は1月までの数値で8.4%にとどまっています。2月の集団検診を加えても11%台と予想されているそうです。コロナの影響により、春先5月の集団検診が実施されなかったこと等が影響しているものと思います
また特定保健指導も2020年度は修了者は1.5%とごく少数に留まっています(2019年度は最終的に35.1%の実施率だった)
コロナのために外来の受診控えなども起こっていますが、こうした特定健診やまたがん検診なども受診率が低迷しており、疾病の早期発見が遅れることが懸念されます。
コロナ禍における安心安全な健診体制の確立は、新年度においても大きな課題と思います。
後期高齢者医療保険事業特例会計
2021年度は保険料の改定はありませんが、保険料の軽減特例が完全に廃止されます。所得が33万円以下の方が対象となっていた7.75割軽減から7割軽減となります。
これによって根室市の場合、1212人の方が保険料が実質的に値上げされます。
今後、国会では後期高齢者の医療費窓口負担2割化が狙われており、高齢者を必要な医療から遠ざけかねない制度改悪は許せません。
根室市では、2019年度から後期高齢者の歯科健康診査を実施しています。
歯科検診は、我々としてこれまで幾度も実施実現を求めてきたものです。
2019年度で2名、2020年度では現在6名の方が受診されいます。
受診率は0.5%程度で、全道的にも1%台の受診率というとても利用の少ない健診ですが、生活習慣病や介護予防について重要な健診であり、今後の利用拡大にむけて、あらたな取り組みが必要と思います。
市民交通障害共済事業特別会計
実施している市町村は数が少なくなりましたが、根室市として継続している優れた施策の一つと思います
ただ近年は加入率が低迷し、2020年度では46.1%に落ち込んでいます。
こうしたことから新年度では加入とりまとめを行う団体への加入奨励金を1件当たり20円引き上げ80円とし、市は加入促進を図りたい考えです。
高齢者や児童・生徒の加入割合は高いのですが、現役世代は町会加入率の低下とともに加入する割合も低下しており、町内会等以外にも今後、加入取りまとめのための新たな団体へ、例えば市内企業等へPRを進めていくことが重要と思います。
また新年度では新たに、根室市交通安全協会など他の交通安全関係団体と連携して、交通安全啓発活動用の資材を一括購入する計画とのことです。
なお、これまでの基金残高は約79百万円となっています。
市はこれまで基金を財源に、チャイルドシート購入助成や高齢者の免許返納にともなうタクシーチケット支給等のあらたな交通安全対策をすすめてきました。
今後について、さらなる基金を活用した対策をどのように進めていくのか課題の一つとなっています。
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