2017年3月13日に、根室市議会3月定例月議会で行われた、橋本の代表質問の内容を一部抜粋・要約および再構成して、ご報告いたします
1.2017年度予算と市財政について
(1)地方財政および地方交付税の今後の動向について
( 橋本 質問 )
2017年度の地方財政計画は、地方交付税が5年連続の減少。
根室市では2010年度に71億円以上に回復した地方交付税が、2017年度予算は64億円程度を見込むまでに落ち込んだ。
昨年示された市の予算編成方針で当初見込まれた多額の財源不足は、新年度予算時点では相当圧縮しているが、本来的には必要な事業についても当初予算から削減しながらの苦しい予算編成が続いていると推測する。
しかし再来年度以降も、地方財政をめぐる今後の動向は不安・不透明な状況にある。
これまで政府の「骨太の方針」により2018年度まで2015年度地方財政計画と同水準を確保するとしてきたが、2019年度以降についてどのようになるのか危惧されるところ。
歳出特別枠についても段階的削減がすすめられ、国の施策としてあらたに事業化されたものに振り替えられ、自治体の財政運営の幅を狭める要因となっている。
その上いわゆる「トップランナー方式」など現状の国の地方財政締め付けによる政策誘導もすすめられていく。
本来の意味での地方分権にふさわしい地方財源の確保を国に求める必要がある。
近年の地方財政をめぐる国の方向性について、市としての評価・見解を伺う。
( 市長 答弁 )
地方の一般財源総額は過去最高の62兆1000億円が計上され、抑制基調ではあるが一定の評価を受けている。
一方、地方交付税は、国税決算額が下振れしたことによる減額精算の影響や地方税が堅調に推移するものと見込まれたことから、約16兆3000億円(前年対比-2.2%)に。当市を含め、市税の伸びに多くを見込めない自治体では引き続き厳しい財政運営を余儀なくされる。
今年度から導入されたトップランナー方式は、現行は人口30,000人以下の市町村に影響が出ないよう制度設計がされているが、段階的に対象業務の拡大を進めていく方針であり、今後の動向を十分注視する。
地方の固有・共有の財源である地方交付税は、国が掲げる財政健全化の目標達成のため、一方的な削減を行うことなく、地方の厳しい実情を踏まえた税財源の充実確保と、交付税本来の財政調整および財源保障の機能強化を、引き続き国に強く要請する。
(2)市の地方債の推移と市債発行に対する考え方について
( 橋本 質問 )
先般示された市の財政収支試算および地方債の推移では、昨年度予算時点で示された収支見込みに比べ、2017年度以降の市債の新規発行額を1-2億円程度抑制した試算に。
地方債残高は順調に縮減に向かっていく見通しながら、それでも2021年までは毎年21-22億程度の償還額が見込まれる試算。
こうした状況に加え、この先将来の総合体育館の建設含め必要な公共施設等の建設事業を組み込んだときに、地方債残高と単年度ごとの償還額はどの程度増額すると見込まれるのか。
( 市長 答弁 )
先般示した財政収支試算などは、総合体育館など現時点で事業費や建設年次が未定の事業は見込んでいない。
これらを見込んだ推計は困難だが、公債費は高止まりの傾向がつづくため、大事行刑改革の目的に掲げている市債残高の縮減に努める。
財政状況はもとより、市民ニーズを的確に把握し、緊急度優先度を最大限に考慮した事業選択を前提とする。
(3)地方創生と今後の市財政運営について
2017年度地方財政計画では、「まち・ひと・しごと創生事業費」は取り組みの成果への配分に対し重点的にシフトされてきているものの、引き続き1兆円が維持された。また地方創生推進交付金についても前年度当初予算と同額の1,000億円が予算計上された。
根室市も地方創生総合戦略ににそった施策の展開をすすめているが、2017年度当初予算では、地方創生に関する国の交付金を事業費の財源としていないが、その要因について伺う。また、仮に国の交付金が見込めない状況が、今後も引き続き継続されるのであれば、次年度以降も「地方創生」に関連する事業を推進するため、財源確保をどのように行っていくのか。
( 市長 答弁 )
地方創生推進交付金の活用には、自治体の取組みに「官民協働」、「地域間連携」、「政策間連携」等の各分野で、先駆的要素が盛り込まれていることが不可欠。
加えて地域再生計画を作成し国の認定が必須となっており、交付金の活用には多くの条件が付されている。
このため、全国市長会を通じ、要件緩和や弾力的な運用について、国に対し要請しているところ。
地方創生に要する財源確保は、引き続き、推進交付金の活用について研究する。それとともに徹底した歳出の見直しや財源調整等に努め、地方創生の取組みを着実かつ計画的に推進する。
財政状況はもとより、市民ニーズを的確に把握し、緊急度優先度を最大限に考慮した事業選択を前提とする。
(3)地方創生と今後の市財政運営について
2017年度地方財政計画では、「まち・ひと・しごと創生事業費」は取り組みの成果への配分に対し重点的にシフトされてきているものの、引き続き1兆円が維持された。また地方創生推進交付金についても前年度当初予算と同額の1,000億円が予算計上された。
根室市も地方創生総合戦略ににそった施策の展開をすすめているが、2017年度当初予算では、地方創生に関する国の交付金を事業費の財源としていないが、その要因について伺う。また、仮に国の交付金が見込めない状況が、今後も引き続き継続されるのであれば、次年度以降も「地方創生」に関連する事業を推進するため、財源確保をどのように行っていくのか。
( 市長 答弁 )
地方創生推進交付金の活用には、自治体の取組みに「官民協働」、「地域間連携」、「政策間連携」等の各分野で、先駆的要素が盛り込まれていることが不可欠。
加えて地域再生計画を作成し国の認定が必須となっており、交付金の活用には多くの条件が付されている。
このため、全国市長会を通じ、要件緩和や弾力的な運用について、国に対し要請しているところ。
地方創生に要する財源確保は、引き続き、推進交付金の活用について研究する。それとともに徹底した歳出の見直しや財源調整等に努め、地方創生の取組みを着実かつ計画的に推進する。
(4)市民生活をまもる予算および人材の確保について
( 橋本 質問 )
2017年度根室市予算について、ビジョンにもとづく産業振興策や福祉についてもあらたな独自施策制度を実施するなど積極的な面があると評価。
ただし収支試算上では次年度以降についても引き続き財源不足が見込まれる一方、福祉分野だけで見ても高齢者・障がい者・教育・子育て支援・生活困窮者対策などそれぞれの分野で市民ニーズは増大しており、それに対応した市民生活をまもる予算の確保・施策の充実は引き続く重要課題。
より効果的な施策を展開していくために、様々な分野において専門的な人材の確保が必要。根室市の第6次行財政改革プランには「業務内容に伴う、多様な職員採用や雇用形態による人材活用と、これにより生じる マンパワーを新たな行政課題等に重点配分(配置)」とある。職員の専門性を高めること、必要に応じた新たな専門職の積極的に登用すること、および外部の有識者や専門家との連携を推進していくこと、それぞれの分野・政策課題に応じた有効な人材確保対策を進めていくことについて見解を伺う。
( 市長 答弁 )
社会経済情勢が大きく変化し、市民ニーズが多様化する中で、行政としての役割を果たしていくためには、職員一人ひとりの意欲、能力の向上はもとより、限られた経営資源、
人的資源を効果的に活用していくことが重要。
そのため、これまでも各種職員研修などによる人材育成をはじめ、介護・福祉分野などの職場においては、専門知識や資格を有する人材の確保に努めてきたところ。加えて、大学等研究機関における専門家や研究者など、外部有識者との連携も推進してきた。
今後においても、これらの連携をあらゆる分野で展開していく。また分野によっては地域的に有資格者などの確保が難しいといった課題もあるが、新たな行政課題への対応や、市民ニーズを的確に捉えながら、人材の確保・育成に鋭意努める。
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