2022年9月14日水曜日

老朽化の現状など市内の各学校を視察 根室市議会文教厚生常任委員会

2022年9月12日~13日

市議会文教厚生常任委員会は、市内の小・中学校等を視察しました。
義務教育学校「歯舞学園」の取り組みや、移転後の花咲小学校の状況等について、授業参観や校長・教頭先生から説明を伺いました。
また成央小学校、北斗小学校や花咲港小学校では老朽化して雨漏り等がひどい学校施設の現状等について説明をうけました。

市内初の義務教育学校「歯舞学園」
2020年度に市内で初めての義務教育学校として開設した歯舞学園。
教頭先生は4年目を迎えて「軌道に乗ってきた」と評します。
歯舞学園では9年間の教育課程を初等部(1~4年)中等部(5~7年)高等部(8~9年)に分け、統一した教育方針のもと「めざす子ども像」を教員や地域が共有しながら子ども達を育てます。
従来の小学校に相当する学年から多くの教科で教科担任制を取り入れ、中学校教諭免許をもつ先生が専門性の高い授業を行います。
いろいろな先生が授業に入ることで子どもが7年生に進級した時に急な変化に戸惑う状況が緩和されると考えられています。

また1年生から9年生までの縦割りグループを作り、毎日の掃除や学校行事等に取り組みます。
上級生が日常的に下級生の面倒を見ることで「優しい子どもが多い」と教頭先生は話されていました。
地域の産業や歴史・自然を学ぶ「はぼまい学」は総合学習の中心的なテーマです。
これを新たに設立したコミュニティスクールの行事として歯舞漁協や地域の方々と協同で取り組み、9年間のカリキュラムを充実させています。  
さらに義務教育学校の特例として独自に教育課程を独自に編成することが可能です。
その仕組みで通常3年生から始まる英語の授業を歯舞学園では試行的に1年生・2年生にも導入しています。

義務教育学校のデメリットも
6年生で卒業式が無い代わりに、4年生時に「未来の式」、7年生時に「立志式」という節目行事を行います。
しかし通常の小学校のように6年生で最高学年としてのリーダーシップが発揮できる機会が少ないと教頭先生は指摘します。
また施設一体型のため、特に体育館を使用する各クラスの割当てが難しい状況等もあるそうです。
この他、実際には中学校教諭と小学校教諭の免許の両方を持っている先生の配置が難しい等の様々な課題も話されていました。

こうした新しい取り組みの中で、先生方が地域の方々と共に、常に試行錯誤を続けている様子について学ぶことが出来ました。






成央小、北斗小、花咲港小では、雨漏りなど学校老朽化が大変な状況に
各学校で特に児童生徒にとって影響の大きい施設の課題について視察しました。
特に成央小学校は昭和42年、北斗小学校は昭和39年に建てられた校舎で過去に大規模改修も実施されていますが、全体的に老朽化が著しい状況になっています。

北斗小では至る所で雨漏りし、廊下の窓にずらっと何枚もビニール袋をかぶせて雨水を逃がしているような状況です。
そればかりでなく雨が降った翌日には侵入水のせいか度々ブレーカーが落ちるそうです。
今は各教室に大型モニターが設置され授業で常に使われていますが、授業中に電気が止まるので大変困っている、と校長先生は話します。
業者が何度点検しても原因は不明のようです。
もしかすると火災の危険性すらあるのではないかと心配になります。
各校で階段や壁、廊下や教室等の床材の損傷や劣化が進んでいます。
他にも成央小では給食搬入口の扉が開きにくい、石油タンクが中庭にあるため雪に埋もれるだとか、花咲港小学校ではトイレの洋式化がされていないとか、説明を受けたのは極一部ですが本当に大変な状況です。
子ども達が安全に安心して快適な環境で過ごせる環境を作るために、特に老朽化が著しい校舎は一刻も早く抜本的な改善に向けて検討を進めるべきとの思いを強くしました。













改築後に移転した花咲小学校
花咲小学校は今年度から旧啓雲中学校の校舎を改築して移転しました。
その新校舎の状況や新しい学習指導要領にもとづいた取り組み状況について説明を受けました。
校舎に入った時に感じた印象が「明るい」と思いました。
床や壁、窓などきれいに修繕されており、前日に見学した成央小や北斗小と比べて雰囲気が違って見えました。
花咲小学校の取り組みとして、授業改善推進やICT活用推進の担当教諭を中心に積極的な取り組みを進めている状況等について説明を受けました。
実際の授業を見学すると、子ども達が配布されたタブレット端末を十分に使いこなしている様子もうかがえました。

通級指導教室の体制が大変
通級指導教室(サポート教室と言うそうです)には花咲小学校で現在40名が在籍。
今年度も9名増えています。
しかし担当する教員は2名しか配置されず体制的に厳しいと言います。
根本には全国的な教員の成り手不足の問題があると思いますが、子ども達にきめ細やかな対応をするためには、しっかりとした体制を確保していくよう国・道に求めていく必要があります。











花咲港小学校ではイエナプラン的な教育指導方法を試行的に導入はじめる




学校給食の様子




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