2025年12月16日
根室市議会12月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします
1.地域共生社会について
(1)高齢化・人口減少社会における地域を支える担い手について
少子化・人口減少する地域において労働力・働き手の不足と同時に地域活動の担い手が薄くなっていくことも深刻な課題。
根室市は65歳以上の人口はピークを過ぎ今後も減少するものの、その中で特に85歳以上の人口は2040年まで増加、高い水準で推移することが見込まれる。具体的に市担当課さんの資料で見ると、65歳以上人口は2019年が10,709人がピークで、今年、2025年度11月末時点で10,058名ですから651名、約6.1%も減少。一方85歳以上の方は同じく2019年は1,350名、2025年11月末時点では1,505名と約11.5%増加。将来推計がどこまで信頼できるのかは実際には不透明だが今から15年後、2040年頃まで増加する予測。おそらく1900名ぐらいがピークではないか。
これまでいわゆる現役をリタイアした60歳代~70歳代の方々が町会活動をはじめとする様々な地域活動の中心的役割を担ってきた。しかしその世代が高齢化・減少し、代わりとなる世代の担い手確保が今後ますます厳しくなっていくことを懸念。
これまでも「地域の支え合いづくりを促進する取り組みが重要」等の市長の答弁だったが、あらためて根室市として、こうした課題にこれまでどのように取り組んできた、あるいは今後取り組んでいこうとしているのか見解を伺う。
【市長 答弁】
これまで地域活動の中心を担ってきた60代から70代の世代が高齢化により支えられる立場に移行することが予想され、今後さらに地域の担い手が減少し、支え合いの仕組みが弱まることが危惧されるところであり、地域全体で支え合う仕組みの強化を図る必要がある。
当市はこれまで町内会やサークル等による見守りボランティア活動を進めて来たところで、地域住民が日常的に高齢者の方々に声をかけ、困りごとを早期に気づける仕組みが整いつつある。
今後、見守りボランティア活動の充実と促進に努め、地域とのつながりが持てるよう認知症カフェや高齢者サロン等の「居場所づくり」を拡大し、地域全体で支え合う仕組みを推進する。
【再質問 ①】
「高齢者見守りボランティア」の仕組みについて交付金制度で導入部分のハードルを下げたことはすそ野を広げる意味で大変に優れた仕組み。
この制度をはじめてから9年ほどになるが、個人・団体あわせて初年度の倍以上の150件に登録数が伸びている。ただ制度導入から年数が経過しており、そろそろ次の段階を構想する時期にきているのではないか。
宝町では年2回ほど登録ボランティアが協力して、独居・高齢者世帯の訪問活動をおこなっているが、各地域・団体ではより優れた、豊かな経験が蓄積されている。
各団体の活動を交流し合い、お互いに学び、活動を刺激し合える関係づくりなど進めていただきながら、地域の担い手を広げる一助にする取り組みも大切。
ボランティア等の活動を地域全体でさらに高めていく方策について伺う。
【健康福祉部長 答弁】
現在の見守りボランティアは地域の皆様に日常的な見守りをお願いする、いわゆる緩やかな見守りを中心に取り組んでいる。このような活動は地域の支え合いを維持する上で大変重要。今後の更なる推進の取り組みとして、現在活動している個人や団体の皆様に対し、アンケート調査などを通じて活動の意向や課題などを聞き、活動の現状を把握した上で、見守りを行う際のポイントをまとめたガイドブックなどを作成し、活動の意識向上と一定の質の確保を図りたい。
こうした取り組みを通じて見守り、見守り活動の意義を広く発信し、より多くの住民の皆様に関心を持っていただくことで、見守りの輪を広げたい。地域全体で支え合う体制を築き、住民主体の取り組みとして定着していくよう努める。
また以下(2)~(4)まで地域の担い手不足という問題に関連して今回は一部の分野での話となりますが、根室市の取り組み状況や課題等を伺います。
(2)民生委員・児童委員の状況について
2022年12月からの民生委員児童委員の体制は67地区・3名の主任児童委員に対し10名10地区の欠員が生じ、その後も亡くなる方や病気などから十分な活動が出来ない地域もあったものと認識。今年12月から改選で新体制となったが、民生委員の担い手確保のため、これまで行ってきた市の取り組み内容とその成果について伺う。
【市長 答弁】
本市は民生委員児童委員 67名、主任児童委員 3名の合計 70名の定数に対し、本年 12月の一斉改選において、それぞれ58名と3名の61名となった。現在9名の欠員で市内9地区の空白が生じている。
この一斉改選に向けた担い手不足の取組として、根室市民生委員児童委員協議会で協議し、各委員の地域活動の中での啓発・啓蒙や各地区の町内会への協力要請などを行ってきた。空白地区に4名の新任排出となったが、新たに空白地区が3地区増加し、空白地区の解消には至っていない状況。
市として一斉改選後も、空白地区の解消に向けて民生委員・児童委員協議会と連携し、活動内容や重要性について市民に広く周知し、担い手の確保に努めたい。
【再質問 ②】
これまで(民生委員児童委員協議会や事務局である市担当課が)努力してきたが、やはり改選後も空白地区が生じている現状が続いている。
地域住民による「民生委員協力員」の制度の活用や、民間事業者や地域の団体・個人の協力を得る取り組みにより、民生委員の活動をサポートする体制のあり方を民生委員児童委員協議会で論議していく必要がある。
特に民生委員協力員は近年でも導入している自治体が増えている。どこも民生委員の負担軽減と担い手の発掘に頭を悩ませ続けており、可能性は追求していく必要がある。
【健康福祉部長】
全国的に民生委員、児童委員の現状は、担い手の年齢構成の偏りと減少、無報酬での活動、活動内容の増加による負担増等が課題として挙げられており、本市においても当てはまる。
厚生労働省は民生委員担い手確保対策として、地域の実情に応じた民生委員の支援体制の充実を目的とした民生委員協力員の設置を推進しており、全国の自治体においても民生委員協力員制度の導入が広がっていると認識。
市として、こうした国の動向や他自治体の先行事例を参考に、民生委員、児童委員協議会と協力員制度の導入について協議を進めたい。
(3)チームオレンジの取り組み状況について
国の「認知症施策推進大綱」(2019年6月)は認知症の人が安心して暮らし続けられる地域づくりとして、2025年まで「全市町村で、本人・家族のニーズと認知症サポーターを中心とした支援を繋ぐ仕組み(チームオレンジなど)を整備する」という目標を掲げた。
それらを踏まえ、根室市の第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画でも計画期間中に2か所の設置をすることが記載された。
本計画も期間を半ば過ぎたところであり、現時点の準備状況がどこまで進んでいるのかについて伺う。
【市長 答弁】
チームオレンジは、認知症の人とそのご家族が住み慣れた地域で安心して生活を継続できるよう、認知症サポーターや地域住民が協力して支える共生の仕組みとして設置するものであり、国は 2025年までに全市町村での整備を目標としている。
当市は第9期高齢者保健福祉計画介護保険事業計画で2ヶ所の設置を目標とし、その1ヶ所目として高齢者サロンを拠点に整備を進めており、令和6年度に開催した認知症サポーター ステップアップ講座の受講者を中心に認知症カフェなどの準備を進めている。
今後は高齢者サロンでの活動の充実とともに成果や課題を踏まえ、令和8年度をめどに2ヶ所目の設置に取り組む予定としている。地域の実情に応じて活動の場を整え、認知症の方々が地域で安心して暮らし続けられる環境づくりを進める。
【再質問 ③】
認知症の人とその家族が地域住民とつながりを持ち、お互いを見守り、支え合う仕組み。
一部の専門職や関係機関だけが関わる話ではなく、その意義や役割について周知し地域の理解を深め、地域住民の側の担い手を育てていく必要がある。
昨年のステップアップ講座1回の実施で受講者10人で、その方々を中心にチームオレンジを立ち上げていく形になると思うが、
こうした取り組みを市が行う・行おうとしていることを地域の多くの方は知らないのでは?
地域の理解が広がることは、新しい担い手を育てることに繋がる。市として今後の取り組みについて伺います。
【健康福祉部長】
認知症の方々とその家族が地域で孤立せずに生活するためには地域住民の理解と協力が不可欠であり、認知症に関する理解を深めることは地域社会全体で支え合う仕組みを作るために大変重要と考えますが、現状では認知症そのものに対する認識が地域全体に十分に広がっていない。
これまで認知症サポーター育成講座や認知症出前講座、認知症 VR 体験などを通じて、市民の皆様に認知症について学ぶ機会を提供してきたが、今後より多く市民に関心を持っていただけるよう、より効果的な周知に努めたい。
【意見として】
これまで認知症サポーターは2,000人(※)ほど受けているが、その中で次のステップアップ講座を受けられた方が10名。
(介護事業計画の)期間中、2ヶ所のチームオレンジを設置するため2回ステップアップ講座を行うが、費用や講師など準備も大変だが、ぜひこうした機会も積極的に広げていただきたい。
(4)身寄りのない方の死後事務等について
高齢化・人口減少は地域における人と人のつながりを希薄化させます。これは地域コミュニティのみならず親類縁者についても同様。単にひとり世帯という状況のみならず、子どもや親せき等との繋がりが無い、または極めて薄い方が増えており、ご自身が亡くなった後の対応について心配する声が挙げられるようになってきた。
国は来年の社会福祉法改正に向けこうした議論が行われているが、基本はご自身が生前から死後事務を担う人を含め準備をすることが前提と考える。
しかし何をどのように準備しておけば良いのか、多くの方は分からないのが実態。またそうした方の中には生活保護までいかなくても家計的に苦しい状況にある方もおられる。
一方で日常的に繋がりの無かった親族側も、ある日突然警察から連絡が来てもどのように対応すればよいのか分からないものと思う。
今はネットに情報が溢れているが、そうした情報にアクセスできないご高齢の方も多く、またネット情報の信ぴょう性や詐欺行為なども懸念される。
社会福祉協議会をはじめとする関係機関と連携して相談対応する窓口の設置や、正確な情報の周知をより積極的に図ること。あるいは委任する弁護士・司法書士・行政書士等の専門職など活用のための必要な経費、埋葬や遺品整理等に要する経費負担が困難なケースに対する支援など、根室市としても対策を進める必要がある。
これまでの市内で身寄りのない方が亡くなった(いわゆる孤独死・孤立死だけでなく)された場合の対応の実情を伺うとともに、今後こうしたケースが増加していくことが想定されるが、市行政としてどのように対応していくのか。
【市長 答弁】
当市における身寄りのない方が亡くなられた場合は、根室市民生委員児童委員協議会と連携し、生活保護法に基づく葬祭扶助費を活用して葬儀等を行っており、直近では令和4年度から令和7年度までの4年間で各年度をもとに1名、計4名の方の葬儀等を執り行った。
身寄りのない方々が亡くなられた後の事務の中でも、遺留金品や遺骨の取扱いについては、慎重かつ丁寧、丁寧に対応しなければならないことからも、それぞれがあらかじめ準備を整えることが重要。
市として民生委員児童委員協議会や社会福祉協議会と連携し、身寄りのない方々に向けた有効な支援方法や相談体制等について検討する。
【再質問 ④】
大項目「1.地域共生社会について」の質問全体を通した再質問になるが、社会福祉法第106条の3に規定される「包括的な支援体制の整備」について、根室市としてどのように考えるのか?
大枠の理念としては大切な概念であることは異論の余地はない。
当市は小さな役場であり、これまでも複合課題を抱える困難な個別ケースに対し各課・関係機関が連携することはこれまでも多くあった。
一方で地域福祉計画等の策定が数年とん挫している状況が続いていることから見ても、具体的な体制を構築する部分について、現実的に何らかのハードルを抱えているのではないか。
あらためて「包括的な支援体制の整備」に対する根室市としてどのように考えているのか。
【健康福祉部長】
包括的な支援体制の整備は、住民一人一人の生活課題が多様化・複雑化する中、医療、介護、福祉、見守り、生活支援など、分野を超えた支援を切れ目なく提供する体制が求められているもの。
この包括的支援体制の実現には、行政だけでなく、地域住民、社会福祉協議会、民生委員、児童委員、関係団体や事業者などが有機的に連携し、地域内で支え合いの仕組みを形成することが不可欠であり、また、この体制の基盤となるのが地域全体の方向性を示し、地域共生社会の実現を目指す指針として策定する地域福祉計画であると考えている。
市は、これまで新型コロナウイルス感染症対応や、ここ数年続いているエネルギー・食料品の価格高騰に伴う各種給付金業務等により、計画の着手には至っていない現状だが、包括的支援体制の必要性を十分に認識した上で、地域福祉計画の策定に向けて取り組みを進めたい。
【意見として】
大枠についてはご説明していただいた通りだと私も考える。
それを具体的に考えると、「分野を超えた支援を切れ目なく提供する」ってどういう意味なのか、「地域内での支え合いの仕組み」は何を指しているのか、ということをしっかりと考えていくことが必要。
例え話だが、生活保護の申請・相談に役所の窓口に来た時に例えば「〇〇さん貯金、今 20万円あるんですね。保護基準超えるので、貯金がある程度減ってからまた来てください」っていう対応になるかと思う。
それでは、その人が地域に帰って、家に帰って、その後どうなったのかっていうことを一体誰が追求してきたでしょうか。恐らく役所の方も再度相談に来ない限り、状況として把握ができなかったものと思う。
別の話を言えば、介護保険だって介護申請をしたけれども、サービスの利用がなければ、おそらく定期的なフォローっていうのはなかなかされていないというのが実情。
こうした話は本当に一例だが、役所、関係機関、地域の役割、それぞれが何ができるのかということをぜひですね、本当に多くの皆さんと話し合いをしながら作っていく。そういう機会をぜひ設けていただければと考える。
最後は余談になるが、ある医療的ケア児(者)のお母さんがお話をされていたことが、訪問入浴の問題で、根室市も積極的に日常生活予防事業の拡充を図ってくださった時期の話。
お母さんの話では「初めて市の職員の人が家に来てくれて、いっぱいいろんな話を聞いてくれた」と大変喜んでいた(職員が)話を聞いたということが、直接何らかの制度や支援の給付が広がったかどうかとは別に「自分たちの状況を受け止めていただいた。お話を聞いてもらった」だけで、その方にとっては大切な支援になったと思う。
それは役所だけがやることでは無く、地域の方だと何ができるのか、関係する機関ではどういったようなことができるのか、今までの仕事の範囲を超えた中でどういうつながりを持てるのか。そういう地域づくりを広げていきたい。
先ほど救急車の話に関連するが、この質問に当たって、消防、病院、福祉の方々が事前に協議して話し合ってくださった。どういう対応ができるのか、どういう状況なのか、本当にそうした取り組みが大切。
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