2024年10月31日木曜日

ヒグマの市街地への「超大量出没」が深刻化 根室地方林活議連が羅臼町で研修会を行う

2024年10月31日

根室地方森林・林業・林産業活性化推進議員連盟協議会(会長:中標津町議会の髙橋善貞氏)が令和6年度の研修会を羅臼町で開催しました。
参加した根室管内1市4町の議員は、重要文化財の松法川北岸遺跡の解説や根室地域のヒグマの生態と対策の現状についてあらためて学びました。

はじめに羅臼町郷土資料館の学芸員の天方博章氏から「重要文化財 松法川遺跡出土品について」をテーマに、資料館の土器やクマの装飾された容器、住居模型など展示品を実際に見ながら、この地域のオホーツク文化から擦文文化、そしてそれらが融合したトビニタイ文化についての解説をいただきました





次に公益財団法人知床財団の梅村佳寛主任より、根室地域のヒグマの現状と課題について講演を受けました。
1989年の春クマ駆除の廃止後、30年間でヒグマの個体数は倍増。農業被害のほか、市街地への侵入など問題が広がっています。特に昨年は山のエサが不足し知床地域では市街地での超大量出没となりました。捕殺数も30年前の7倍に増加。梅村氏は「人身事故が起きなかったのは奇跡的」と言います。
既に地域住民や行政、知床財団で出来る対策は限界にきているとして、ヒグマの絶滅は回避させつつも適切な個体数調整を図ることが求められています。
一方で捕獲従事者は高齢化が進み、また各自治体でもヒグマや鳥獣対策の専門家の配置を含め人材育成や担い手確保が課題であることを説明していました。
市街地に出没したヒグマを職員の方々が、投石しながら銃器が使用できる場所まで誘導し、捕獲する様子などを聞き、命がけで取り組まれているのだと頭が下がる思いでした

私たちとしても地域の中で出来ることをしっかりと検討していきたいと思いました






2024年10月30日水曜日

2024年 根室市議会 第2回10月緊急議会

2024年10月30日

根室市議会 第2回10月緊急議会が開催され、市有地に長年放置されてきた老朽化した危険な建物を市が解体する補正予算1,000万円が可決しました

市有地にあるたてものは元々の賃借人が他界したのち、相続人が全て相続放棄したため、根室市が「相続財産清算人」の申し立てを行い、ひまわり基金の弁護士の方が裁判所選任され、今年中に建物を解体します

市内でも様々な老朽家屋が放置されて問題になっていますが、今回は市有地にある建物の対処であり、極めてイレギュラーな措置です



2024年10月15日火曜日

市議会特別委が北方領土根室研究会と懇談

2024年10月15日

根室市議会の北方領土・水産対策特別委員会は根室高校「北方領土根室研究会」と意見交換を行い、若い世代がどのように領土問題に取り組んでいるのか学びました。

根室市議会の北・水特委員会(本田俊治委員長)と根室高校の北方領土根室研究会との意見交換会は今回はじめてかと思います。
研究会から二人が顧問教諭と参加され、これまでの活動内容についての報告のほか、実際の「出前講座」を実演して頂き、地元高校生がどのように領土返還運動に取り組んでいるのか話を聞かせていただきました。

同研究会は、2008年より全国各地での出前講座を開始。またFMラジオでの情報発信やさんま祭りなどイベント会場での署名活動、内閣府や他団体との協働事業、さらに昨年からは根室振興局の主導で管内の高校生との合同プロジェクトを展開するなど、近年はその活動内容をより豊かに発展させています。
ただコロナ禍以降は会員減少(現在8名)もあり、市内小学校への出前講座や新たな活動等を通じて認知度を再び高めていきたいとしていました。

意見交換のなかで、若い世代からみた北方領土問題として、これからどういった点が課題と考えているのかという質問には、
「元島民の高齢化で北方領土問題の風化につながりかねない。積極的なアピールを広げ、北方領土に関わる人を増やしていかなければならない」と指摘。

また啓発活動に関して上の世代に期待することとして、
「(自分自身の経験として)小学校では北方領土を知る授業があったが、中学校以降はほとんど機会が無くなった」として、北方領土学習の機会を増やすことが必要、という声が挙げらました。
こうした状況について同研究会顧問の冨谷先生より、
「特に高校以降は『断絶』状況になっている。小中高で領土学習をしっかりと行い、一方で全国の高校生同士が交流する活動を盛んにしていくことが大切」として、
さらに「北方領土問題に限らず、高校で取り組んでいる様々な活動についても全国的に交流し、広げていく上で、国の十分な財政支援、サポートが必要だ」という意見がだされました。
このほかSNSを活用した情報発信について、いきなり北方領土のことを直情的に発信すると固い印象になって閲覧されない。例えば観光など別なテーマから北方領土のことに繋げるなど、多角的にアプローチすることが必要、という研究会OBの話も紹介されていました。



根室市民大学 総合テーマ「根室の海の豊かさとその将来」

今年も根室市民大学が開催されています。
10月4日、11日、18日の全三回で、今年の総合テーマは「根室の海の豊かさとその将来」とされています。
「30by30目標」(※環境省のホームページの解説ページ)に向けて環境省は「野付半島・風蓮湖・根室半島」を国定公園への新規指定候補に挙げています。
昨年の根室市民大学のテーマが「湿原」だったので、今年は「海」がテーマになったそうです。

第2回目の10月11日は、国立環境研究所の阿部博哉博士が「道東の海洋環境と生態系:気候変動に備える」をテーマに講演されました。
阿部博士は根室の平均気温の上昇はこの100年で+0.9℃だが、近年の気温上昇が特に高く、新たな段階に入ったと指摘。この気候変動による海水温の上昇、集中豪雨や海洋の酸性化が生態系にどのような影響を与えるのか。阿部博士らは厚岸湖など道東の汽水湖の調査を行い、コンピューター上で漁業資源への影響がどうなるかシミュレーションができたという研究結果が報告されました。
また参加者からは近年のコンブ不漁があり、沿岸海域における海洋調査の充実が必要との質問も挙げられていました。





2024年10月8日火曜日

公民館シンポジウム~人づくりとまちづくり~

2024年10月8日

根室市教育委員会が「根室市公民館シンポジウム~人づくりとまちづくり~」を市総合文化会館で開催しまし、高校生や教育関係者はじめ多くの市民が聴講されていました。
今年2月に「社会教育とまちづくり講演会」が行われ、その第2弾となるシンポジウムです。
これからのまちづくりのあり方について考える大切な機会となりました。

前半は東京大学大学院教育学研究科の牧野篤教授が「VUCA時代の『ふるさと』づくり~なぜ、いま共創が必要なのか~」をテーマに講演されました。

牧野教授は「これまでの学校教育ではふるさとに残る者は負け組になる競争社会。ふるさとを捨てる学力を身につけさせるものだった」と指摘。
今の若者は生きがいを得て、他者から認められることを大切にする「承認欲求の時代」になっている。
その社会では自分がふるさとから大事にされたという経験、承認欲求が満たされることで、子ども達が大人になってから、今度は自分がふるさとを大事にしようと地域社会を担うことにつながる。
社会教育はそうした地域の「基盤」を作っていくものだ、という趣旨の話をされました。
この他、様々な観点から社会が大きく変革している状況について解説をされました。

後半は根室市の社会教育委員長さん、根室に移住して起業した女性の方、新体育館建設の市民論議に関わる高校生3名が登壇して、牧野教授の進行のもとで、根室のまちづくりについての対談が行われました。