2023年11月25日土曜日

行政視察 広島県「福山市立常石ともに学園」

 2023年11月22日

日本共産党根室市議会議員団(鈴木一彦議員、橋本)は、根室市議会の会派紬(久保田陽議員、須崎和貴議員)、無所属の西田浩一とともに、「イエナプラン教育校」として公立学校ではじめて認定をうけた広島県の福山市立常石ともに学園を行政視察させていただきました
福山市教育委員会様、常石ともに学園の皆様、大変にお忙しいところ、ご対応いただきありがとうございました。

福山市立常石ともに学園は公立学校ではじめての「イエナプラン教育」の認定校です。
近年、根室市立花咲港小学校ではインクルーシブ教育をめざし、イエナプラン教育の考え方を取り入れた教育実践に取り組んでいることから、その内容について学ぶため視察を行いました。

日本のイエナプラン教育の認定校は長野県の大日向小学校・中学校に続いて3校目。
公立校としては初めての取り組みです。
地元の企業グループによる支援で校舎は全面的にリニューアルされました。
教室には黒板が無く、ホワイトボードやプロジェクターが自由に活用されます。
また児童が対話しやすいよう教室内にベンチを置き、廊下でも自由に子どもが学べるよう机やイスが設置され、壁は見通しの良いガラス張りになっています。

開校2年前から旧常石小学校では3学年を一つのグループにした教育を取り入れてきました。
ただしオランダのイエナプラン教育をそのまま行うのではなく、福山市が市内全小中学校等で目指している「子ども主体の学び」を実践するために、イエナプラン教育のコンセプトを取り入れて、常石ともに学園ならではの「学び」を作っていきたいと担当の方は説明していました。
従来の同一学年による対面式授業ではなく、異なる年齢のグループの中で子ども達同士が対話し、試行錯誤しながら自ら考えること。また子ども達同士で教え合って「わかる」という学びの方式が、福山市が掲げる教育目標に合致する教育方法であると考えているのではないか、と学校側の説明を聞きながら思いました。

常石ともに学園で取り組まれている実践内容は資料をご覧ください

以下は視察を通じた感想ですが、常石ともに学園あるいは福山市における教育の特徴として、
①福山市教育委員会は2016年から「福山100NEN教育」として目指すべき子どもの姿を「自立」「共生」「自己実現」というビジョンを立て、市全体で「自ら考え学ぶ授業づくり」という教育の目標を掲げています。
その方針のもと常石ともに学園だけでなく、福山市内の各学校で独自の取り組みが進められています。
②常石ともに学園のイエナプラン教育は前述のビジョンを達成するための手法の一つとして取り入れられました。
ただしイエナプラン教育の特徴である異年齢集団によるグループ編成や対話・遊び・仕事・催しという4つの基本活動に基づいた実践は、従来の教育方法と異なります。
そのため教員が子ども達の学び方や各授業をどのように作っていくのか、放課後等では常に先生同士でも対話しながら授業づくりや教材研究のため試行錯誤を繰り返しています。
③また例えば「子ども主体の学び」と言っても具体的にはどういうことか。答えはそれぞれの授業の中にあるとして、学校長が中心に各クラスを頻回に廻り、それぞれの授業の内容や子ども達の様子を記録。内容を動画等で共有し、教員同士で互いに理解を深めています。
④そうした成果は一つの学校内だけで完結するのことなく、各学校が毎月の校長会による研修などを通じて、それぞれの授業内容を共有して、市全体で教育活動の推進が図られていることが、大きな特徴ではないかと私は受け止めました。



2023年11月15日水曜日

市内の介護スタッフ「不足」が拡大 第9期介護保険事業計画に関するアンケート調査

 根室市は2024年度からの「第9期介護保険事業計画」の策定作業を進めています。
その中で、市が実施した家族介護者や事業者等へのアンケート調査では、市内のサービスや介護従事者の不足の状況が示されていました。

根室市が今年春に実施したアンケート調査結果のうち特徴的な内容について何点か紹介したいと思います。

職員数の「不足」が拡大
事業所に対するアンケートでは職員が計57名が不足していると回答。
回答した事業所数が多かった3年前の調査(34名不足)よりも増加しています。
特にヘルパーは13名の不足で、ニーズに追いついていない状況が伺えます。

介護職員の側も高齢化している
アンケート調査に回答した32事業所で働く正職員数は239名。
そのうち40歳未満は全体の32・3%に過ぎません。
また60歳代の職員も13・8%になります。
なお40歳未満のケアマネージャーは1名のみでした。
また正規職員以外の職員の内訳では70歳以上の方は全体数196名のうち27名(13・7%)が就労しています。
この年齢構成は3年前の調査に無い項目のため比較出来ませんが、介護職員側の高齢化がさらに進んでいるのではないかと想像しています。
若い世代が介護現場に参入していける状況を作らなければ、いま働いている職員が定年等でリタイアした後は人手不足がさらに深刻になります。

市内で不足しているサービス
またアンケートでは市内で不足している在宅介護サービスについて、訪問入浴、訪問介護、短期入所生活介護が上位を占めます。
これは前回調査と同様の結果ですが実態は深刻化しています。
訪問入浴は利用休止が続き、ヘルパーは新規利用が大変に困難です。
またショートステイも現在受け入れ可能な施設は一事業所だけです。
そのほか医療系サービスは、訪問看護、訪問リハビリ、訪問診療について前回調査と同様に高い水準で不足していると回答されています。
地域包括ケアシステムが提唱されてから随分と経ちますが、在宅医療を提供する基盤は依然として全般的に少ない地域事情を反映しているものと思います。

在宅の介護者の状況について
「介護の社会化」と言いますが、日本の介護保険制度は、在宅では家族等による介護が前提になっています。
今回の調査でも約半数の要介護者は、ほぼ毎日家族等からの介護を受けています。
また主な介護者が70代・80代の世帯は全体の36・6%です。
老老介護や認認介護(※)の状況が推測されると、今回の調査結果と前回の調査でも指摘されています。
さらに家族が遠方にいる要介護者では介護力が不十分になるという回答も多くありました。
地域で安心・安全な在宅生活を送るためには、サービス提供体制の充実が欠かせません。
自治体と各事業所のより一層の取り組みは重要ですが、その大本である国の介護保険制度を抜本的に改善しなければ、私たちの暮らしが立ち行かないことは明らかです。

11月11日の「介護の日」にあわせて一週間の間、毎朝、道東勤医協ねむろ医院の職員さん方が、「介護保険制度の抜本的な改善を求める」アピール行動を行いました。
それぞれ「人手不足は深刻です」「介護の仕事をして根室の介護を支えませんか」等のプラカードを手に街頭に立ち、通勤・通学する市民らにアピールしていました。

2023年11月3日金曜日

市内の中学校で「防災フェスティバル」が開催され、全校生徒と地域の方々が一緒に災害対策を学びました

2023年11月3日

11月3日、根室市立光洋中学校は、避難所開設を想定した全校一斉の防災学習を実施しました。同校では毎年このような大規模な防災学習を行っており、またコミュニティスクールの取り組みとして地域の町内会などの方々も参加されました。

生徒は避難所設営(ダンボールベッドの組み立て等)や、救急手当法の実習、非常食の調理・実食と図面上の避難訓練、自衛隊の災害救助装備品展示など多彩なメニューを体験していました。
また「リアルはぐ」という、地域の方々が避難者役になり、生徒がその避難者を受付、避難所に誘導する訓練も行われました。
市危機管理課によると、このほか市内の各学校でも学年ごとの宿泊研修をはじめ、いろいろな形での「防災学習」が継続的に行われているとのことです。