1929年(昭和4年)9月に旧逓信省により建設された根室国後間海底電信線陸揚施設(通称・陸揚庫)は根室側の陸揚線と国後島へ延びる海底電信線を接続する中継施設で、かつて北方領土に日本人が住んでいた頃、この陸揚庫から延びた海底電信線は、国後島を経由して、択捉島までつながっており、島民の暮らしやサケ・マス漁業などの産業を支える通信インフラとして、島々の発展に大きな役割を果たしていました。
(YouTube動画の概要欄から引用)
根室市が昨年度中に制作した約34分の動画で、今年4月22日のシンポジウムで初公開されたそうです。
なお2022年度の市予算では陸揚庫の現況調査とプロモーション動画制作の経費として、1925万円が計上されています。
現存する陸揚庫の保存と活用をどのようにするのか、根室市では現在、専門家による会議で検討が進められています。
本作品はこれまでの調査結果を取りまとめた内容ですが、単に建物の解説というだけでなく、国後・択捉島をつなぐ海底電信ケーブルによって日常的にどのような通信(電報)がされていたのか、またソ連侵攻当時の切迫した状況を伝える各村長の電報の内容も、資料に基づき詳しく説明されています。
映像の中で保存会の久保会長が話していましたが、陸揚庫という建物と当時の通信記録を結びつけた視点により、その地に紛れもなく暮らしていた人々の姿を、見る人に強く思い起こさせる作品になっていると思いました。
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