2025年5月16日
根室市議会総務経済常任委員会(足立委員長)は道東あさひ農業協同組合根室支所で「根室市酪農の現状と基幹産業の発展の在り方」について懇談を行いました
JA道東あさひ根室支所の田中俊彦統括理事、田中輝義統括代理理事、佐藤支所長が対応してくださいました
飼料代など生産コストの高騰により引き続き厳しい状況にあることや担い手確保の困難さによる生産者の減少の実態についてあらためて考え直す機会となりました
はじめに佐藤支所長が全国・全道的な情勢を含めた根室市の酪農の現状について説明
主な内容としては、
根室市の酪農の生産高は令和6年で約72億円
しかし経費の半分近くを占める飼料代など年々高騰を続け、平成30年から令和5年までの5か年の平均では農業収入を支出が大きく上回る赤字状態、とのこと
乳価が上がり令和6年の収支は改善傾向だそうですが、飼料以外に機械類等も含めたコスト増や融資返済が経営を圧迫し続けているようです
今年度の根室支所における生乳生産農家は68戸(4月に67戸)で、うち60歳代以上が45・6%、また後継者がいる農家は約26%
根室支所の生乳出荷者の耕作面積は約6784㏊で、一戸あたり平均所有面積は103㏊に上ります。現在、遊休農地は無いそうですが限界に来ていると支所長は指摘します
長年JAや国・道・市が新規就農者受け入れの取り組みを進めていますが厳しい状況が続いています。道内で生乳出荷する戸数は約4600戸
令和6年は249戸が生乳出荷を停止の一方で新規戸数は25戸程度です
酪農家の減少は生産量の減少のみならず、将来的に基盤産業の衰退、地域コミュニティの衰退、農業・農村が培ってきた伝統文化や生物多様性など地域の多面的機能の衰退につながると懸念を示していました
続く意見交換では、
新規就農は小規模であっても土地や機械・設備など初期投資に1億数千万円もの費用がかかる問題、
また引退・廃業する牧場を受け継ぐ「第三者経営継承」でもマッチングが難しいことや受け継ぐ家屋や設備の補修に多額の経費を要する場合もあるなど、
様々な実情について説明がされました。
特に田中代理統括理事は市行政や地域として産業の担い手を確保していくためには、
学校教育や産業体験など短期・中期・長期の各視点で取り組みを推進していく必要があるとし、
さらに保育や教育、医療など地域に暮らしやすい生活環境を整備していく必要があると述べられていました
各産業で抱える課題は異なるとは思いますが、共通する視点として住みよい地域をどう作るのかが大切と私も認識をあらたにしました
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