2024年11月16日土曜日

「北方領土」と「尖閣諸島」 領土問題の現状 根室市長と沖縄県の石垣市長 市内で講演を行う

2024年11月16日

政治団体「龍馬プロジェクト全国会」が主催する「国防勉強会2024in根室」が千島会館で開催され、領土返還運動関係者など約60名が参加していました。
根室市の石垣市長と沖縄県石垣市の中山義隆市長より北方領土問題と尖閣諸島問題、それらを抱える自治体としての課題について講演が行われました。

「国防勉強会」とはなかなか強烈なタイトルです。
主催した「龍馬プロジェクト全国会」という団体は今回はじめて知りましたが、2010年に参政党の神谷代表が地方議員等を中心に設立したそうです。
ホームページを見ると良く分かりますが(マイルドに表現をすれば)保守的な思想の極めて強い政治団体のようです。メンバーに元衆議院議員の杉田水脈氏等が名を連ねています。

 根室市の石垣市長の講演は、根室とロシアとの関係や戦前から戦後の「北方領土」返還要求運動をめぐる歴史的経過、そして日ロ関係の悪化による地元の苦悩やこうした中でキャラバン隊の再開など新たな領土啓発に取り組んでいる状況について報告されました。
 貝殻島コンブ漁業協定が開始した当時は東西冷戦の厳しい最中だが、当時の人々は小さな針の穴を通すような交渉を実現した。今の我々がそうした覚悟を問われている。返還要求運動を続けながらも、交渉・交流の扉は閉じてはならない。また「境界」にある地域を国内対策で振興させ光らせることが一番の対策だ、と強調しました。

中山市長の講演では沖縄県石垣市は出生数は減少傾向ですが、年間100万人を越える来訪者の観光業を中心に人口が増えて、今年は人口5万人に達したそうです。
石垣島から約170㎞離れた魚釣島を中心とする尖閣諸島は石垣市の行政区域であり、一つの島を除いて国有化されています。また米軍の射爆演習場として現在も登録だけは残されているとのこと。

石垣市独自の取り組みとして、
周辺の海洋調査等を行う専門部署の尖閣諸島対策室を設置したこと。
所在地の住所に「尖閣」の表記を追加したこと。
ふるさと納税に尖閣の寄付枠を設けていること。
また日本の領有権を示す歴史文献として中華民国(当時)が発行した書簡を苦労して探し出した経緯など報告されていました。
将来的には国の協力のもと資料館を建設し、またネットを通じて世界への発信を強化したいとお話されていました。
北方四島と異なり尖閣諸島は日本が実効支配していますが、現在は国により上陸が禁止されています。
しかし漁船の避難港の整備やヤギが増えて食害から島の土砂が流出している問題への対策など、石垣市は国に上陸が許可されるよう要望を続けています。

石垣に昨年開設された陸上自衛隊基地に関する話は特にありませんでしたが、国防というよりも日本の国土をどのように守るのかという観点では、その地域に住民が安定的に暮らし続けられる、そのための地域振興対策を国が責任を以て行っていくことが何よりも重要だとあらためて認識をしました。


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