2024年11月28日木曜日

歴史と自然の資料館の下に埋もれた地下壕?

2024年11月28日

床などの改装工事のため今年度いっぱい休館中となっている「根室市歴史と自然の資料館」。
その展示室側の床下にコンクリート製の大きな構造物が埋まっています。

地中にあるため、その構造物の高さは分かりませんが、面積は現展示室の隣室の半分くらいでしょうか。
下に降りる階段があり、さらに廊下から玄関につづく箇所の床下にも通路みたいのが伸びています。
資料館の猪熊学芸員の話によると、元々の建物である「大湊海軍通信隊根室分遣所」(隊舎)の地下室ではないか、とのこと。

ずっと土に埋まっているためか「陸揚庫」に比べ、はるかに良い状態で残っているように見えます。
「当時の記録があまり無いので、この機会に色々と計測など記録しておきたい」と猪熊学芸員は話しておられました。

花咲港小学校の旧校舎の時代に教員として勤務していた神忠志氏によると、「当時のグラウンド奥の方に『掩体壕』があり、また校舎から地下通路がどこかに伸びていた」とのこと。
そのほか当時、港小旧校舎の周辺にはアンテナの鉄塔など様々な「戦跡」が残っていたそうですが、現校舎の建設時には取り壊されたと考えられています。

取り壊されたのは仕方ないですが、当時のそうした記録がきちんと残っていたらと少し残念に思いました。

なお猪熊学芸員に教えて頂きましたが、当時の大湊海軍通信隊根室分遣所についてのまとまった記録は根室空襲研究会が発行した「根室空襲」に記載されている内容が一番わかりやすいそうです。




2024年11月19日火曜日

ひとり暮らしでも安心できる地域に

2024年11月19日

11月12日、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が『日本の世帯数の将来推計(都道府県推計)』(2024年推計)を公表しました。
気になるところを、ざっくりと引用すると、
  • 2050年までの推計で総世帯数が減少するが、単独世帯の割合は上昇する。
  • 2050年には全世帯の1/5が65歳以上の単独世帯になる。高齢者のみ世帯を含めると全世帯の約1/3を占める予測。
さて、根室市内の状況はどうなっているでしょうか?

市介護福祉課の調査によると根室市内の全世帯に占める65歳以上の独居世帯の割合は13.5%、その他の高齢世帯(夫婦など)は12.9%(2023年9月時点)。
北海道全体の割合よりは低いものの、やはり年々増加しています(下グラフ)。
 
市の高齢者施策もよりきめ細やかな視点で
根室市でも従来から様々な高齢者施策を推進してきました。
一方で高齢世帯が増加する中、よりきめ細やかな視点からの見直しも重要かと思います。
例えば、
  • ひとり暮らし緊急通報システムは、緊急時の連絡先が古くなり、既に亡くなっている方や高齢で十分に動けない方が連絡先に登録されているケースもある。緊急連絡先が定期的に更新されているか確認作業が必要ではないか。
  • 市民の高齢者見守りボランティア活動について、お互いの活動状況を交流しあえる機会が必要ではないか。
などのご意見も市民の声としてありました。

今後も様々な角度から検討を進め、行政と市民が協力しながら取り組みを進めて行くことが求められます。

民生委員など地域福祉の体制をどう確保するか
他市と同様に根室市でも民生委員・児童委員のなり手不足等の課題があります。
現在60名の方が活動されていますが、定数より10名も欠員。
市街地の10地区が空白になっています。
こうした状況に市社会福祉課は「なり手の確保は困難。しかし民生委員のいない地区は実態を把握しづらく、福祉を必要としている人を見過ごす心配がある」と懸念します。
前述の高齢世帯の訪問調査も根室市では民生委員が担っていますが、空白地区は市職員が手分けして何とか調査を続けているそうです。
民生委員の制度のあり方を含め、地域福祉の体制を今後どう確保していくのか、あらためて考え直す時期に来ています。

根室市内の全世帯に占める「独居・高齢世帯」の割合 推移
(根室市介護福祉課が調査した統計を元に作成)


2024年11月16日土曜日

「北方領土」と「尖閣諸島」 領土問題の現状 根室市長と沖縄県の石垣市長 市内で講演を行う

2024年11月16日

政治団体「龍馬プロジェクト全国会」が主催する「国防勉強会2024in根室」が千島会館で開催され、領土返還運動関係者など約60名が参加していました。
根室市の石垣市長と沖縄県石垣市の中山義隆市長より北方領土問題と尖閣諸島問題、それらを抱える自治体としての課題について講演が行われました。

「国防勉強会」とはなかなか強烈なタイトルです。
主催した「龍馬プロジェクト全国会」という団体は今回はじめて知りましたが、2010年に参政党の神谷代表が地方議員等を中心に設立したそうです。
ホームページを見ると良く分かりますが(マイルドに表現をすれば)保守的な思想の極めて強い政治団体のようです。メンバーに元衆議院議員の杉田水脈氏等が名を連ねています。

 根室市の石垣市長の講演は、根室とロシアとの関係や戦前から戦後の「北方領土」返還要求運動をめぐる歴史的経過、そして日ロ関係の悪化による地元の苦悩やこうした中でキャラバン隊の再開など新たな領土啓発に取り組んでいる状況について報告されました。
 貝殻島コンブ漁業協定が開始した当時は東西冷戦の厳しい最中だが、当時の人々は小さな針の穴を通すような交渉を実現した。今の我々がそうした覚悟を問われている。返還要求運動を続けながらも、交渉・交流の扉は閉じてはならない。また「境界」にある地域を国内対策で振興させ光らせることが一番の対策だ、と強調しました。

中山市長の講演では沖縄県石垣市は出生数は減少傾向ですが、年間100万人を越える来訪者の観光業を中心に人口が増えて、今年は人口5万人に達したそうです。
石垣島から約170㎞離れた魚釣島を中心とする尖閣諸島は石垣市の行政区域であり、一つの島を除いて国有化されています。また米軍の射爆演習場として現在も登録だけは残されているとのこと。

石垣市独自の取り組みとして、
周辺の海洋調査等を行う専門部署の尖閣諸島対策室を設置したこと。
所在地の住所に「尖閣」の表記を追加したこと。
ふるさと納税に尖閣の寄付枠を設けていること。
また日本の領有権を示す歴史文献として中華民国(当時)が発行した書簡を苦労して探し出した経緯など報告されていました。
将来的には国の協力のもと資料館を建設し、またネットを通じて世界への発信を強化したいとお話されていました。
北方四島と異なり尖閣諸島は日本が実効支配していますが、現在は国により上陸が禁止されています。
しかし漁船の避難港の整備やヤギが増えて食害から島の土砂が流出している問題への対策など、石垣市は国に上陸が許可されるよう要望を続けています。

石垣に昨年開設された陸上自衛隊基地に関する話は特にありませんでしたが、国防というよりも日本の国土をどのように守るのかという観点では、その地域に住民が安定的に暮らし続けられる、そのための地域振興対策を国が責任を以て行っていくことが何よりも重要だとあらためて認識をしました。


2024年11月2日土曜日

「支え合いのまちづくり」を学ぶ 根室市社協が市民対象の研修会を開催

2024年11月2日

根室市社会福祉協議会が主催する「令和6年度 支え合いを広げる地域づくり研修会」が行われました。
民生委員や町内会等で活動する市民ら24名が参加し、根室のこれからの地域づくりのあり方について学びました。



公益財団法人さわやか福祉財団の北海道ブロックインストラクター丸藤競(まるふじきそお)氏が「根室市の未来のつくりかた~支え合いのまちづくりとは~」をテーマに講演しました。

これまで地域づくり担い手の中心となっていた45歳~74歳の世代が今後急速に減少し、逆に85歳以上の人口は高止まりが続きます。
かつ高齢の独居世帯が増加し、介護を必要とする方や認知症の方も増えると予測されています。
こうした状況に対して丸藤氏は、制度や行政の施策のすき間を埋めることが必要であり、
「みんながそれぞれ地域で出来ることを担っていかなければ、地域は持たない」と指摘します。

趣味や文化、ボランティアなどグループ活動に参加する方は認知症の予防や介護予防などに効果が高いというデータがあるそうです。
丸藤氏は高齢者が元気にくらしていくためには人と人とのつながりが大切であり、そのためには地域で「近助」のつながりを作っていくこと。
自分の元気活動(介護予防)と地域の元気(助け合い・支え合い)を互いに相乗効果のある「二刀流」として取り組んでいくことの重要性を強調されていました。

「一人の一歩より、一人の百歩より、百人の一歩」という言葉が紹介されていましたが、
決して大きな負担を抱えることなく、無理せず楽しく取り組んでいこうと、そんな気持ちになった研修でした。


研修会の参加者同士のグループワークでは「助け合い体験ゲーム」が行われました。
これはカードを使って「自分が困っていること」をお互いに他者に説明し合い、「助けを求める」ことを体験するゲームです。

本当に困っている時も隣近所の人に「助けて」とはちゃんと言えません。
他者のSOSに気付くことは難しいので、地域の中で「お願い上手」になることが大切と、講師の丸藤氏は説明していました。