2021年5月19日
5月19日、根室市議会の文教厚生常任委員会は委員協議会を開催し、今年度の教育行政方針に示された「インクルーシブ教育を主とする包括的な教育スタイルの学校」について、市教育委員会と意見交換を行いました。
特別支援学校の分校・分教室の開設に道側は依然厳しい姿勢
これまで市民団体の方々が取り組んだ1万5千筆を超える署名を背景に、市と市教委は特別支援学校の分校・分教室を誘致する活動を進めてきました。
しかし道教委は昨年頃から財政難等を理由に実現が困難との姿勢を示しています。
今年3月に波岸教育長が道教委と協議したときも同様の反応だったそうです。
特別支援学校へ通学を希望する子ども達が現在20名以上いても、少子化で将来的に児童生徒数が減り学校を存続できなくなるのではないか、と道側は懸念しているそうです。
インクルーシブ教育を主とする包括的な教育スタイルの学校?
こうした中、市教委は今年の教育行政方針で障害のある子と無い子が、学年や学級、普通学級や特別支援学級の枠を超え、共に学ぶインクルーシブ教育を主とする包括的な教育スタイルの学校を独自に設置することの可能性について、調査・研究をすすめることを表明しています。
それ果たして一体どういうことなのでしょうか?
文教厚生常任委員会の委員協議会で波岸教育長は「道教委の学校を誘致することは根室の子どもを『預けはて』しまうことにしかならないのでは」と指摘。
インクルーシブは障害だけでなくジェンダーや意識、格差などを乗り越えていくものとして、「市民がインクルーシブの意識で、相互に助け合い、認め合う社会をめざす。私たち自身が独自にそうした学校教育を行うモデルを作りたい」と言います。
またそのためには、教員の配置や特別支援教育のノウハウなど北海道からソフト面の支援や協力を得られるようにしていきたいとしています。
署名運動に取り組んだ団体や、市民との幅広い話し合いが必要
こうした説明に対して、各委員からインクルーシブ教育を行いたいとの趣旨は理解するが「これまでの取組から方針転換する内容ではないか。1万5千筆の署名を集めた方々にどう説明するのか」と意見がだされました。
波岸教育長は「議会論議も含め説明会や講演会など、市民への説明はしっかりと進めて行きたい」と答えています。
全国的に例の無い、全く新しいタイプの学校を目指そうとしています。
どういう教育のあり方や教育環境の整備方針が根室の将来の子ども達にとって望ましいのか。しっかりと議論検討していきたいと思います。
サカイツツジ |
0 件のコメント:
コメントを投稿