1. (仮称)子育て世代包括支援センターについて
(1)新年度以降の取り組みについて
【質問】 新年度からスタートする「(仮称)子育て世代包括支援センター」について、体制の強化や組織機構の見直しが予定されているが、今後具体的に、妊娠期から乳幼児期にかけて根室市としてどのような支援が行われるのか伺う。
【市長 答弁】 本年、4月開始の「根室市子育て世代包括支援センター」は妊娠届等の情報を基に、妊娠、出産、子育てに関する相談に保健師や保育士等の専門職が対応。必要に応じて、個別に支援プランを策定することで、保健・医療・福祉・教育等、地域の関係機関が切れ目のない支援を実施する。
新対象者は、原則、全ての妊産婦と乳幼児、保護者を対象としている。新しい家族を迎える人資金期から子育て期、特に3歳までの子どもに重点を置いている。必要に応じて就学後から18歳到達までの子どもと保護者についても対象とするなど柔軟な運用を目指す。
学齢期以降の児童や保護者から相談があった際も、就学前の支援との連続性を考慮しながら学校保健等との連携も含め、適切な担当者や関係機関につなぐ等の対応をすすめる。
【再質問】国が示している「業務ガイドライン」によると、ワンストップ拠点であり、関係機関の連携と、支援のための連絡調整の中枢、とされているところ。また必須業務として挙げられている4項目(※)の実施していく。
※子育て世代支援センターの必須業務
① 妊産婦・乳幼児等の実情を把握すること
② 妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な情報提供・助言・保健指導を行うこと
③ 支援プランを作成すること
④ 保健医療又は福祉との関係機関との連絡調整を行うこと
これまで以上に庁内各部署や他機関との連携進めて行かなければならないと想像しているが、あらためて今後の取り組み方について伺いたい。
具体的に言えば、子育て相談所(とクルクル)や保健課や福祉課を含めそれぞれの部署や、
あるいは民間の事業所、医療機関も含めた関係機関が、
それぞれ把握した相談事例や、また専門職の視点から把握した課題等について、どのような形で情報共有がなされるのか。
さらには、それらをデータとして整理していくために事務支援ソフトウェア等も活用した方がいい。
また、何らかの困難を抱える個別事例に対して、どのような支援体制が構築されるのか。
さらに庁内関係部署や民間含めた関係機関との、定期的な協議の場などについて、どのように構想しているのか
等について具体的な取り組みがどのようになっているのか、あらためて伺いたい。
【市民福祉部長 答弁】 市で実施する赤ちゃん訪問や乳幼児健診、子育て支援事業等で得られた各種相談や、民間幼稚園、医療機関等が把握した情報について、子育て世代包括支援センターに情報提供、当該情報をセンター職員間で情報共有する。
令和2年度より保健課で導入した健康管理システムをこども子育て課にも導入し、妊娠届や乳幼児健診、予防接種の記録等について、保育士等においても情報共有することが可能に。
困難を抱えると考えられる事例に関して、個別の支援プランを作成し、支援対象者の妊娠、出産、子育て期まで当面のスケジュールに応じたサービス等の利用調整や、手続きのサポートを行う。関係機関による支援内容や、今後の支援の方向性について、支援対象者と支援者で共有し、必要に応じて関係機関へ情報共有を図る。
保健師、保育士間で定期的にカンファレンスを実施し、支援対象の状況の変化、継続的に把握と評価を行い、必要な場合は支援プランの見直し等を行う。
危険性が高いと判断した場合には、厳格な守秘義務が課された「根室市要保護児童対策地域協議会」の場で、警察や児童相談所等を交えた情報共有の実施を行うことを想定。
【意見】「要対協」は特別なケースとしても、保健師と保育士等の日常的なカンファレンスは、必要に応じて「外の機関」例えば医師や民間施設など含めた協議を行う仕組みをつくことが重要と思う。
【再質問】子ども自身も子どもをめぐる環境も早いペースで変化していく。
子どものいる家族の転入や転出にともなう他市町村との情報共有や連携はどのような形で行われているのか。
また、子育て世代包括支援センターが主に対象とする年齢層以降の対応はどうなるのか。具体的にはこれまでセンターで対応していた支援経過などの情報が、小学校入学以降の対応にどのように引き継がれていくのか。幼保・小・中・高の連携を重視していると思うが、教育委員会との連携がどのように考えられているのか。
あわせて「支援プラン」と教育委員会の子育てファイル「りんくす・ねむろ」との関係がどうなるのか。
【市民福祉部長 答弁】 子どものいる家族の転出入は、これまでも、こども医療カードの申請手続き等の際に、保健師対応に繋ぐ等、子どものいる世帯の把握に努めている。
養育支援が必要な家庭についても、転出入先の市町村の保健師や、家庭児童相談員等と、電話や連絡票等を通じた情報共有を図ってきた。
また、就学後の教育委員会との連携では、子育て世代包括支援センターで作成する支援プランは、家庭における子育ての支援を目的としている。保護者の同意を得られていないケースや、センター内でのみの情報共有の同意が得られているケースとなることも想定される。
保護者が子どもの育ちや学びの情報を積極的に提供する観点の「りんくす・ねむろ」とは、作成する目的に若干の差異があるが、お子さんの就学後の学校での支援に有益に繋がる可能性もあり、センターで対応していた情報の引き継ぎ事項等の方法について、どのような形が望ましいか。例として教育支援委員会と引き続き教育委員会と協議を重ねる。
【意見】これまでも連携はとって対応してきたケースは多いと思うが、担当者の力量によるところが大きい。センター設置にあたって、だれが担当であっても、同じように情報が引き継がれていく仕組みづくりを市長部局と教育委員会とで形作っていただきたい。
【再質問】令和2年12月の一般質問で、何よりも利用者目線で、子育て世代の方々が気軽に利用・相談しやすい環境づくりが重要と質問した。
ただ、その時は考えもしなかったが、コロナ禍で感染が生じた保育所や託児所が閉所・閉園となり、また子育て相談所やクルクル、そして子育て相談所が行っている親子支援事業のピヨピヨ・ふれあいルームなども休止に。また一時保育についても制限が長期間続いていると聞く。
感染拡大を防ぐためには(休止・利用制限は)あり得ると思うが、一方で転勤族などで身近に親など相談できる環境の薄い家庭など、子育てに何らかの不安を抱える方々への対応もふくめて、非常事態においても、どのような形で子育て支援を継続することができるのか、協議・検討していただきたい。
【市民福祉部長 答弁】年明け以降の市内で子どもの感染拡大で、認可外保育施設でもクラスターが発生。保育所における臨時休所や子育て支援事業の制限等、利用される市民の方々には大変不便をお掛けした。
本年4月開設の「根室市子育て世代包括支援センター」は、運営において妊娠期から継続的に関わることで、必要な支援を切れ目なく提供するための情報把握にとって、児童福祉施設や、子育て支援施設の果たす役割は非常に大きい。
また、身近に協力者が少ない転勤族の方などにとっては、現在のコロナ禍等の非常事態で子育てに不安を抱える場面も増えていると推測される。市といたしましても本年4月より、つどいの広場「クルクル」に副所長を配置し、相談体制の強化を図るとともに、子育て相談所「ぶらんこ」で実施する一時保育事業について、実施箇所の拡充できるかどうか検討する。
【意見】非常時だからこそ、お互いに関係機関・専門職がアイデアをしっかり出し合っていく。そういう環境づくりが大事。子育て世代包括支援センターの事業を通して、この根室で「どういう子育て支援」をめざすのか。市民にも、外から来た人にも伝わるようにしていきたい。