2020年10月25日
根室市と根室商工会議所が主催する「根室道路開通記念市民の集い」が市総合文化会館小ホールで開催されました
根室IC~温根沼ICまでの7.1㎞は2020年3月22日に開通しましたが、新型コロナウイルス感染対策のため、記念式典などは中止となっており、代わって今回このような形で「市民の集い」が開かれたそうです。
7.1㎞の区間ですので、釧路⇔根室間は時間的には夏場2分、冬場で3分程度の短縮です。ただし、昨年市議会の行政視察で伺った釧路開発建設部の説明によると、冬場には従来の国道部分と合わせた除雪対応を行うことで、暴風雪時の交通障害が緩和されるのではないかと期待されています
「市民の集い」の第2部では、北見工業大学の髙橋清教授が「高規格道路を活用した根室地域の創生に向けて-ポスト・コロナ時代の地域とインフラ-」というテーマで基調講演を行いました
髙橋教授は、スペイン風邪が流行した100年前に比べ、下水や流通そして防疫システムなど整備が進んだことから、様々な災害から防御するインフラの使命がコロナ時代で再確認された。一方でサプライチェーンやデジタル化の脆弱性など未熟な点を明らかにした。人口集中など交通政策と地域政策は、その理念とシステムの再構築を考える時期に来ている、と指摘。
さらに地震・津波・台風・暴風雪と頻発する激甚災害に対して、今は災害と災害の間に生活する時代であり、多重防御の考え方でインフラ整備を進めること、高速道路と国道など質の異なるダブルネットワークの仕組みでレジリエンス(回復力)を高めることが必要であると述べていました。
また、これまでの経済効率性を優先したインフラ整備から、質的、時間・空間的なゆとりを高めるためインフラの進化と転換をはかる「垂直展開」が必要と述べていました。
最後にこれからの国と地方のあり方として、インバウンドも少しづつ戻っていくが、そのときまでにどのような準備を進めていくことが出来るのか問われている、と指摘。地方に対して排他的でない「寛容性」と新しいヒト・モノを受け入れる「開放性」が試されていると述べていました。
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