2020年8月5日水曜日

深刻な介護福祉の人手不足に これからどう対策していくか? 根室市介護人材確保対策協議会が発足

根室市では市内の介護事業所からメンバーを募って、介護人材確保対策のための協議会を設立しました。
先日、第1回目の会議を行い、来年度からの第8期介護保険事業計画にむけて、議論を進めていくこととしています。

根室市でも専門職を含め介護や福祉の現場で働く人手不足は深刻な状況が続いています。
このたび市が行った事業所アンケート調査でも、「従業員の確保」が運営上の課題であるとした回答は57%を占めました。
また3割以上の事業所が「職員数が常に足りていない」と回答しています。

 利用者の生活を支えるために欠かせない介護サービスを担う人材の確保は、今後ますます重要な課題となります。
 こうした中、根室市は7月31日に「根室市介護人材確保対策協議会」を設立しました。
市内で介護サービスを運営する11事業所が参加し、介護人材の確保に関する研究を行い、また活発な情報交換を推進するとしています。
市担当課によると、この協議会で様々に議論された内容についても、来年度からスタートする第8期介護保険事業計画に反映させていきたい考えです。

また、人材確保対策に限らず、介護福祉の現場では様々な困難を抱えています。
この協議会が今後、事業所間の連携と行政がしっかりと手を組んだ取り組みにつながって、人材確保も含め、市内の介護福祉が充実されていくことを期待します。

国の社会保障削減の政策を転換させよう 

ところで国は、第8期計画で「地域包括ケアシステムを支える介護人材確保及び業務効率化の取組の強化」についての記載を充実させるよう自治体に求める考えです。
その具体的な中身は分かりませんが、「元気高齢者の参入」・「有償ボランティア」など多様な担い手に期待しているものと思います。
しかし介護従事者の処遇改善を中途半端にしたまま、多様な担い手に頼るだけでは、危機的な介護労働者の不足や現場の困難さを根本的に解決することは出来ません。

介護労働安定センターが実施している「介護労働実態調査」によると、2018年度は全国で離職率が減少しています。
しかし、その一方で「従業員の不足感」は5年連続で上昇しています。
従業員が不足している理由は「採用が困難」との回答が9割近くと圧倒的で、その理由はやはり他業種と比べて、労働条件が厳しいことにあります。

このような実態は、これまでの国の社会保障削減によって作られてきました。
介護報酬の抜本的に引き上げ、介護福祉の現場で働く人々の全体の処遇を底上げしていく必要があります。

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