2020年3月22日日曜日

2020年度 根室市一般会計 予算審査特別委員会

2020年3月22日
2020年3月16日~18日までの日程で2020年度の根室市議会の予算審査特別委員会が開催されました
一般会計と特別会計・地方公営企業の会計を分けて、二つの予算委員会で審査をおこないます。例年は一般会計の予算委員会は4日間の日程でしたが、新型コロナウイルス感染症への対策にむけて市行政職員の業務時間や体制を確保するために、1日短縮して3日間の開催となりました
日本共産党根室市議団からは一般会計には橋本が、各事業会計には鈴木議員が出席し、審議を行いました
橋本が予算委員会で質疑した内容の一部分を簡略的にご紹介します

災害時の避難所の感染症予防対策の強化を
 現在の防災計画では感染症予防は、例えばサルモネラ菌などによる感染症を防ぐために避難所の消毒や衛生管理を実施することが中心となっています(防疫計画)。しかし例えば飛沫感染するインフルエンザの予防などは考えられていません。したがって避難者用のマスクや手指消毒などの備蓄や感染対策は十分でありませんでした(なおマスク等の備蓄については今回、会派創新の代表質問に今後「備蓄品の充実を図る」と市長が答弁しています)。
 また仮に避難所でインフルエンザ等が発生したときに、避難所の中で患者さんをどのように隔離して看病するのか等の対策も検討されていません。避難所のような密集した環境ではすぐに蔓延するおそれがあります。避難所の立地や建物の状況が異なるため、個々の避難所ごとにどのように対策をするべきか、あらためて検証する必要があります。
 こうした状況を改善していくために、災害時に避難所で蔓延しやすいであろう感染症予防を強化する観点から、今後あらためて防災計画を見直しすることや、(仮に防災計画の改定が難しいとしても)現在市が策定中の避難所運営マニュアル等を見直し、新しい科学的な知見を踏まえた対策の充実を図るように求めました。

新型コロナウイルスの影響による経済対策の強化を
 2月末の北海道知事による緊急事態宣言以降、根室市内でも特に飲食店を中心に大きな影響を受けています。根室市では中小企業振興融資事業という制度融資があります。経営に打撃を受けている事業者にとって、国などの制度とあわせて中小企業の資金繰りを支援するために今後ますます重要になるものと思います。この中小企業振興融資は現在の市の制度として信用保証料への補助を行っていますが、この危機的な状況に対して、利子補給など新たな対策を行うよう求めました。
 また、国の制度として被雇用者を守るための雇用調整助成金について対象等を緩和しました。しかし依然として手続きが煩雑であるなど、申請する事業者側にとっては特に心理的な部分でハードルが高い制度であることに違いありません。市としてこうした部分に何らかのサポートが必要ではないかと質しました。例えば社会保険労務士に協力してもらって、相談会を開催することや書類作成や代行申請を行った場合にその報酬の一部を市が後から助成するなど、事業者が国の制度をより積極的に活用しやすくするための対策を求めました。
 市の担当課は現在、商工会議所などが実態調査アンケートを行っている最中であり、こうした内容を見ながら、必要に応じて検討したいと答えています。

妊娠・出産・子育てのトータルした支援体制の構築に向けて

消防の情報収集用ドローンの導入に向けて検討を

子ども達が読書に親しみやすい環境の整備、学校図書室の充実に向けて

市職員も子育てしやすい職場環境の改善を進めていくために


2020年3月4日水曜日

2020年 根室市予算案

2020年度の根室市予算案は、一般会計は191億3,500万円で、これまでより大きな予算規模となりました。
子ども向けの屋内遊戯施設やデジタル防災行政無線の建設、そして市役所庁舎の設計など大きな建設事業が予定されています。
また、子ども医療費の助成対象を中・高生に拡大するなど、新たな事業も予定されています。
ふるさと応援寄付金に頼るところが大きいですが、依然として市財政は厳しい状況が続いています。

根室市の新年度予算に関係する新たな制度や制度改正の一部をご紹介します。

●(仮称)花咲港・厚床ふるさと館:老朽化した花咲港と厚床の地域会館の建て替えに向けて基本構想をつくる。
●手話言語条例普及啓発事業:手話のリーフレット作成や手話講座、YouTubeで条例の解説など普及・啓発の取り組み。
●産後ケア事業:出産後6か月未満の女性が、産後ケアを市立根室病院で受けると費用を助成する。
●呼吸機能障害1級の方へタクシーチケットを支給。
●子ども医療費給付:中・高校生の外来受診の窓口負担へ助成を拡大する。
●助産師・保健師の就学資金貸付:これまでの月額6万円→10万円に拡大。
●働く介護職員へも研修費用を助成:資格取得に必要な実務者研修など研修費用を既に働いている人にも助成する。
●成央小学校に通級指導教室を開設
●中小企業創業等支援補助金:これまでUIターンを対象にした新規創業の支援を市内在住の方にも拡大する。
●UIターン新規就業支援交付金:東京23区内から根室市に移住して、道に登録した法人に就職したら支援金を交付する。
●観光情報発信推進事業:観光プロモーション動画の作成や情報発信を行う。
●ホタテ種苗放流の経費補助:新しい漁場に放流したホタテが当初の2年サイクルから、来年度から3区画の漁場を使い、3年サイクルで生産する。
●人づくり・まちづくり補助事業:市民の活動事業に対する補助を拡大する。
●Net119緊急通報システム:聴覚・言語障害のある方が円滑に消防・救急へ通報できる新しい仕組みを導入する。

2020年 根室市議会3月定例月議会 日程・代表質問の項目

新型コロナウイルスの対策のため、当初予定していた議会日程が短縮されました。
3月12日(木)に代表質問・一般質問を同日に行い、また予算委員会の日程が1日短縮されました。
議会傍聴は、従来通りですが、マスクの着用と手洗い・手指消毒へのご協力をお願いします。

3月定例月議会の日程は次の通りです

3月02日(月)10時~ 本会議
  市政方針・教育行政方針・補正予算
3月12日(木)10時~ 代表質問(4会派)・一般質問(1名)
  日本共産党からは、橋本竜一が質問を予定
3月13日(金)
  10時~ 総務常任委員会・文教厚生常任委員会
  13時~ 産業経済常任委員会
3月16日(月)10時~ 予算審査特別委員会
  一般会計(議会費・総務費・民政費・衛生費)
  各事業・特別会計
(港湾・汚水処理・水道・下水道・農業用水)
3月17日(火)10時~ 予算審査特別委員会
  一般会計
 (労働費・農林水産業費・商工費・土木費・消防費)
  各事業・特別会計(病院) 3月18日(水)10時~ 予算審査特別委員会
  一般会計(教育費・公債費~予備費・歳入)採決
  各事業・特別会計
(交通共済・国保・介護保険・後期高齢者)採決
3月19日(木)15時~ 本会議
  採決・意見書案など

日本共産党根室市議会議員団の代表質問の項目は次の通りです

1.根室市の行財政運営と市政方針からみるまちづくりの考え方について
(1)これまでの石垣市政について
(2)まちづくりにおける地域コミュニティ活性化と男女共同参画について
(3)今後の市財政の運営における考え方について
 ① 根室市の財政運営について
 ② 地方交付税について
 ③ 市立根室病院への一般会計繰入金について
 ④ 公共施設の維持補修について
2.領土問題について
(1)日ロ関係について
(2)北方領土対策部の役割について
(3)北方四島との交流について
 ① 専門家交流について
(4)隣接地域振興の財源対策について
3.地域経済と産業振興対策について
(1)地域経済の状況把握と産業振興ビジョンの見直しについて
 ① 産業振興ビジョンの見直しについて
 ② 労働力の確保等について
(2)産学官の連携について
(3)栽培漁業研究センターについて
4.地域の保健・医療・介護・福祉に関する諸問題について
(1)今後の地域医療と介護の方向性について
 ① 安心して暮らし続けられる地域医療に向けた構想づくりについて
 ② 在宅医療・介護の連携推進について
(2)地域福祉計画について

新型コロナウイルスの抜本的対策強化を

2月22日に根室市内で感染者が確認されて以降、新たな感染者が報告されていませんが、引き続き緊張した市民生活が続いています。
北海道で感染者数が急激に拡大する中、鈴木知事は緊急事態宣言として外出を控えるように呼びかけ、市内でも飲食店業やサービス業など様々な業種で客足が一気に遠のきました。
「3月以降もこんな状態が続いたら経営が持たない」という苦しい声も聞かれます。

 政府の対策でも、従来のセーフティネット等の融資的なものだけでは、その後の返済の目途が立たなければ、苦しい状況には変わりありません。雇用調整助成金についても、若干の規制緩和が図られていますが、手続きの複雑さや助成される金額の不十分さ等は従来から問題として指摘されてきました。
国は10日頃に新たな支援対策を打ち出すとしていますが、学校休業など一つの対策が、関連して社会の様々な問題に波及しており、そういった意味で、国の対策予算の大幅な拡充が必要です。

根室市では小・中学校の休業を延長する一方、5日から保育所や放課後教室の開所をしています。
放課後児童教室では留守家庭児童会等の登録している児童を対象に、午前中から開所しますが、職員体制の確保も大変です。
また市内の介護や福祉事業所でもコロナ対策で休業していた事業所も再開していますが、今後もしマスク等の在庫が尽きた場合にどうするか、対応に頭を悩ませています。

まず今は対策に全力を挙げる時期ですが、今後の感染症へ市としての事前の「備え」について、例えば避難所でマスクや消毒液など感染症対策の備蓄を増やすことや、避難所でインフルエンザ等の患者が発生した場合の対応など、様々な角度から検証が必要とあらためて痛感しました。