2017年10月10日に、根室市議会10月定例月議会で行われた、橋本の一般質問の内容を一部抜粋・要約および再構成して、ご報告いたします
1.介護福祉に関する課題について
(1)2017年改定と第7期介護保険事業計画の課題について
①
( 橋本 質問 )
5月26日に可決した介護保険法の改正の内容は「介護保険制度の持続可能性の確保」と「地域包括ケアシステムの深化・推進」が柱。
この「地域包括ケアシステムの深化・推進」のうち「自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化」は、簡潔にいうと、国がしめす評価指標にもとづいて市町村が目標を設定し、その成果にもとづいて国が財政支援を行う。これまでの介護保険運営のあり方を大きく転換させる内容になりかねないと強く危惧。
根室市として、この改正をどのように受け止め、来年度からの第7期計画に反映させていくのか。
第7期計画策定では、新たに加わる保険者機能強化の達成度を測る指標など、国の具体的な内容が未達成であり、その動向を注視し、北海道からの指導助言、他市の状況を参考に的確に対応する。
地域支援事業の包括的支援事業のうち、国が求める最終年度の2018年度までに実施すると介護計画で位置付けた4つの事業について、現時点でどのようにすすんでいるのか?
( 市長 答弁 )
生活支援体制整備事業では、地域支えあい推進員の配置について、社会福祉協議会と協議を行っている。
認知症施策推進事業では、地域支援推進員と初期集中支援チームの人的な体制において、認知症サポート医、看護師、介護福祉福祉士等の専門職の配置が必要であり、三職種が在籍する市内医療機関に受託の内諾を得ており、委託内容の具体的な調整を進めている
在宅医療介護連携推進事業では、根室保健所主催の「根室地域在宅医療多職種連携協議会」で医療と介護の顔の見える関係づくりを進めており、次年度からこの協議会を市が引き継ぎ、さらに発展させ、関係づくりや研修を進めていく。
地域ケア会議推進事業は、地域包括支援センターが中核を担い、会議を通じて地域の実態に即した連携体制の構築を推進する。
( 橋本 再質問 )
生活支援サービスのその担い手を確保すること、その地域のボランティアをしっかりとつくっていくということが、この地域的には大きな課題。具体的にどうしたらうまく進めていくことができるのかということを一つ一つ着実に取り組んでいく必要がある。わかりやすいところから手探りでも取り組んでいく。
そうした経験を行政側も仕掛けていく。また住民のほうも様々なボランティアや地域活動の取り組みを経験として積み重ねていくことが必要と思う。
具体的な取り組みの一つとして、冬場の独居高齢者の除雪サービスの問題。高齢者事業団の担い手も非常に厳しい中、市の職員が総出で(除雪に)まわっているという状況。
各地域の中で担い手を広めていくために、地域を巻き込んだ積極的な仕掛けを行政側としても進めていく必要がある。
( 市長 再答弁 )
ボランティアの組織化、活性化について、マンパワーの確保は重要。生活支援対策整備事業の枠組みの中で、市と社会福祉協議会が両輪となって進めていきたい。
また高齢者世帯の除雪体制は、これまでも団体への働きかけを行ってきたが、新年度に向け、町会単位や個人の有償ボランティアによる仕組みづくりについて、更に参画していただけるよう検討を進めていきたい。
介護人材確保は、第7期計画でも任意の記載事項とされる課題。根室市内の介護施設の現状や、現在市が実施している就学資金貸し付けの状況と評価等これまでの取り組みを検証し、さらなる対策が具体的に求められる。
( 市長 答弁 )
市は今年5月に市内の介護事業所に調査を実施。32事業所中、18事業所で従業員の確保が困難、9事業所で35名の介護職員が不足しているとの回答。
市では介護福祉士を対象とした返済免除型の就学資金を実施し、既に2年が経過した。介護職が若者から敬遠される職種となっており、介護福祉士養成施設の全国平均定員充足率が50%を割っていること等から、現在までの利用実績はゼロ。
人が人を支える介護事業にあって人材の確保は極めて重要。これまでの取り組みに加え、介護職員初任者研修などの受講支援等についても検討し、7期計画に反映させたい。
( 橋本 再質問 )
「介護職員初任者研修などの受講支援等」とは?
( 市民福祉部長 答弁 )
( 橋本 意見として )
学校の進路指導や保護者もふくめて、介護というものに対して大変な厳しい現場という認識があり、その道を選択することが難しい状況。
今現在の学生へ、どういった形でかかわっていくのかという部分をあわせて検討いただきたい。
( 橋本 再質問 )
今既に働いている方の離職の防止の対策が必要。
何よりも本当に働きやすい職場環境づくりをしっかりと進めるということが当然必要。また今働いている方が今後もそのモチベーションをしっかりと維持していく、あるいは向上させていくための取り組みというのが必要。
それは事業者側が取り組むべきことではあるが、行政としてもしっかりと連携して取り組んでいただきたい。
例えば今現在働いている方が更にスキルアップの資格を取得をしていく等、そういった取り組みについては、行政も一緒にかかわれる部分があるのではないか。
( 市長 再答弁 )
事業の資格取得や資質向上は事業経営上の責務。しかし市内は規模の小さい介護事業所が多い。5月に実施した介護事業所アンケート調査では、32事業所中、19事業所で職員のスキルアップに行政の支援が必要との回答。
現在市では側面的な支援を行っているところだが、今後も事業所のニーズを更に把握し、他市の取り組みなども参考に支援のあり方について更に検討したい。
第7期の介護保険料について、第6期計画は介護保険事業運営基金を約1億4,000万円取り崩すことを前提に介護保険料の上昇を抑制するよう設定したが、それでも基準月額は4,100円と第5期計画期間よりも400円上昇した。年金が毎年のように減少し続ける中、大きな市民負担。
しかし結果論だが、この2年間は基金の取り崩しが必要ではなく、逆に積み立てられている。市として次期の介護保険料の設定をどのように考えるのか。
( 市長 答弁 )
現在の介護保険料は全道35市中2番目に低い保険料。運営基金の残高は平成27年の介護報酬の引き下げ等により介護給付費の伸びが第6期計画の見込みを下回ったことや、増床した老健施設のフル活動がおくれたことなどから、平成28年度末の基金残高は約2億4,070万円となった。
第7期計画における保険料は、これまで同様運営基金の活用を図るなどの検討を行い、根室市介護保険事業運営委員会の答申を経て、決定していく。
5月26日に可決した介護保険法の改正の内容は「介護保険制度の持続可能性の確保」と「地域包括ケアシステムの深化・推進」が柱。
この「地域包括ケアシステムの深化・推進」のうち「自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化」は、簡潔にいうと、国がしめす評価指標にもとづいて市町村が目標を設定し、その成果にもとづいて国が財政支援を行う。これまでの介護保険運営のあり方を大きく転換させる内容になりかねないと強く危惧。
根室市として、この改正をどのように受け止め、来年度からの第7期計画に反映させていくのか。
( 市長 答弁 )
各市町村は保険者として新たな重要な役割が加わるとともに、より専門性を高めていくことが求められる。第7期計画策定では、新たに加わる保険者機能強化の達成度を測る指標など、国の具体的な内容が未達成であり、その動向を注視し、北海道からの指導助言、他市の状況を参考に的確に対応する。
②
( 橋本 質問 )地域支援事業の包括的支援事業のうち、国が求める最終年度の2018年度までに実施すると介護計画で位置付けた4つの事業について、現時点でどのようにすすんでいるのか?
( 市長 答弁 )
生活支援体制整備事業では、地域支えあい推進員の配置について、社会福祉協議会と協議を行っている。
認知症施策推進事業では、地域支援推進員と初期集中支援チームの人的な体制において、認知症サポート医、看護師、介護福祉福祉士等の専門職の配置が必要であり、三職種が在籍する市内医療機関に受託の内諾を得ており、委託内容の具体的な調整を進めている
在宅医療介護連携推進事業では、根室保健所主催の「根室地域在宅医療多職種連携協議会」で医療と介護の顔の見える関係づくりを進めており、次年度からこの協議会を市が引き継ぎ、さらに発展させ、関係づくりや研修を進めていく。
地域ケア会議推進事業は、地域包括支援センターが中核を担い、会議を通じて地域の実態に即した連携体制の構築を推進する。
( 橋本 再質問 )
生活支援サービスのその担い手を確保すること、その地域のボランティアをしっかりとつくっていくということが、この地域的には大きな課題。具体的にどうしたらうまく進めていくことができるのかということを一つ一つ着実に取り組んでいく必要がある。わかりやすいところから手探りでも取り組んでいく。
そうした経験を行政側も仕掛けていく。また住民のほうも様々なボランティアや地域活動の取り組みを経験として積み重ねていくことが必要と思う。
具体的な取り組みの一つとして、冬場の独居高齢者の除雪サービスの問題。高齢者事業団の担い手も非常に厳しい中、市の職員が総出で(除雪に)まわっているという状況。
各地域の中で担い手を広めていくために、地域を巻き込んだ積極的な仕掛けを行政側としても進めていく必要がある。
( 市長 再答弁 )
ボランティアの組織化、活性化について、マンパワーの確保は重要。生活支援対策整備事業の枠組みの中で、市と社会福祉協議会が両輪となって進めていきたい。
また高齢者世帯の除雪体制は、これまでも団体への働きかけを行ってきたが、新年度に向け、町会単位や個人の有償ボランティアによる仕組みづくりについて、更に参画していただけるよう検討を進めていきたい。
③
( 橋本 質問 )介護人材確保は、第7期計画でも任意の記載事項とされる課題。根室市内の介護施設の現状や、現在市が実施している就学資金貸し付けの状況と評価等これまでの取り組みを検証し、さらなる対策が具体的に求められる。
( 市長 答弁 )
市は今年5月に市内の介護事業所に調査を実施。32事業所中、18事業所で従業員の確保が困難、9事業所で35名の介護職員が不足しているとの回答。
市では介護福祉士を対象とした返済免除型の就学資金を実施し、既に2年が経過した。介護職が若者から敬遠される職種となっており、介護福祉士養成施設の全国平均定員充足率が50%を割っていること等から、現在までの利用実績はゼロ。
人が人を支える介護事業にあって人材の確保は極めて重要。これまでの取り組みに加え、介護職員初任者研修などの受講支援等についても検討し、7期計画に反映させたい。
( 橋本 再質問 )
「介護職員初任者研修などの受講支援等」とは?
( 市民福祉部長 答弁 )
マンパワーの確保、とりわけ資格者の確保は喫緊の課題であり、市としても新たな制度を設けることが必要と判断し検討を始めた。
その制度の概要だが、介護職員初任者研修や実務者研修を受講した後、1年以内に介護事業所に介護職として就職した方を対象として、研修実施期間に支払った受講費について助成することを検討している。
対象者は性別、年齢を問わず対象。他の制度で受講の補助を受けている場合を除き、本人負担分のみの助成を対象とすることを検討している。
高校生は2年生で受講することも考えられる。研修受講から就職までの期間の制限を1年以内とせず、弾力的に卒業後1年以内まで例外規定を設けるなどを考えている。
詳細については、今後更に検討を図ってるが、介護職員の確保につながるような制度設計としていきたい。
( 橋本 意見として )
学校の進路指導や保護者もふくめて、介護というものに対して大変な厳しい現場という認識があり、その道を選択することが難しい状況。
今現在の学生へ、どういった形でかかわっていくのかという部分をあわせて検討いただきたい。
( 橋本 再質問 )
今既に働いている方の離職の防止の対策が必要。
何よりも本当に働きやすい職場環境づくりをしっかりと進めるということが当然必要。また今働いている方が今後もそのモチベーションをしっかりと維持していく、あるいは向上させていくための取り組みというのが必要。
それは事業者側が取り組むべきことではあるが、行政としてもしっかりと連携して取り組んでいただきたい。
例えば今現在働いている方が更にスキルアップの資格を取得をしていく等、そういった取り組みについては、行政も一緒にかかわれる部分があるのではないか。
( 市長 再答弁 )
事業の資格取得や資質向上は事業経営上の責務。しかし市内は規模の小さい介護事業所が多い。5月に実施した介護事業所アンケート調査では、32事業所中、19事業所で職員のスキルアップに行政の支援が必要との回答。
現在市では側面的な支援を行っているところだが、今後も事業所のニーズを更に把握し、他市の取り組みなども参考に支援のあり方について更に検討したい。
④
( 橋本 質問 )第7期の介護保険料について、第6期計画は介護保険事業運営基金を約1億4,000万円取り崩すことを前提に介護保険料の上昇を抑制するよう設定したが、それでも基準月額は4,100円と第5期計画期間よりも400円上昇した。年金が毎年のように減少し続ける中、大きな市民負担。
しかし結果論だが、この2年間は基金の取り崩しが必要ではなく、逆に積み立てられている。市として次期の介護保険料の設定をどのように考えるのか。
( 市長 答弁 )
現在の介護保険料は全道35市中2番目に低い保険料。運営基金の残高は平成27年の介護報酬の引き下げ等により介護給付費の伸びが第6期計画の見込みを下回ったことや、増床した老健施設のフル活動がおくれたことなどから、平成28年度末の基金残高は約2億4,070万円となった。
第7期計画における保険料は、これまで同様運営基金の活用を図るなどの検討を行い、根室市介護保険事業運営委員会の答申を経て、決定していく。
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