2.地域の交通政策等の課題について
(1)JR花咲線に関する課題について
( 橋本 質問 )
JR北海道は11月18日に「JR単独では維持することが困難な線区」として根室線(釧路-根室間)を含む10路線13区間を公表し、抜本的な見直しにむけて地元自治体などと協議していきたいとし、花咲線が区分されている輸送密度が200人以上2,000人未満の線区については、駅の廃止や列車見直しなどの経費節減、運賃値上げ、沿線の利用促進策、上下分離方式などを軸に鉄道を維持する仕組みについて地域と相談し、そのうえで鉄道を維持すべきかどうか検討したいとしている。
なおこのJRの資料によると旧国鉄時代(昭和50年)の時点で花咲線の輸送密度は1,879人であり、当時の乗客数でさえ今回公表した基準では見直しの対象となる。
単独路線だけを見て赤字か黒字かという判断を行うことは公共交通機関を担う事業者としての役割と責任を後退させる経営姿勢と考える。そもそも不採算部門の切り捨てを当然とするならば、JR北海道という会社自体が設立当初から存在してはならないことになる。
あらためてJR北海道の公表に対し、花咲線の沿線自治体として市長の見解をうかがう。
あらためてJR北海道の公表に対し、花咲線の沿線自治体として市長の見解をうかがう。
( 市長 答弁 )
市としては、こうした拙速かつ一方的な対応は住民生活はもとより、地域経済に甚大な影響を及ぼすものと懸念をしている。
これまでも申し上げてきたとおり、ローカル路線を含む交通体系のあり方については、道内全体を見据えた「広域的な議論」として、北海道が主体となって方針を示すべきと考えており、また、これらの議論を経て、国に対し責任ある支援を求めることが重要であることから、引き続き沿線自治体をはじめ、北海道市長会とも連携を図りながら、鉄道網の確保対策に向け、鋭意努める。
( 橋本 再質問 )
答弁された趣旨の内容と同時に、沿線自治体として交通政策基本法の理念にもとづいて、国や道がその責任を果たすよう求めていくべきであり、そうした観点から要請をしていく必要があると考えるが、見解を伺う。
( 市長 再質問 )
北海道は、学識経験者や自治体関係者等で構成する「鉄道ネットワークワーキングチーム」を
組織し、道内全体の鉄道網のあり方について検討をしている。
市としては、今後、その検討結果等を踏まえ、北海道市長会や関係自治体と連携し、国等に対して責任ある対応を求めていく。
( 橋本 再々質問 )
国や北海道全体の鉄道路線や公共交通の在り方の議論と同時に、各地域において将来に向けたまちづくりの中に公共交通機関をどのように位置づけるか、鉄道路線をどう位置づけるかという地域的な議論が必要。
そのためには、JR側だけでなく自治体としても路線利用者の実態調査を十分に行う必要があるのではないか。
単純に乗車数値的なものだけでなく、地域住民が鉄路をどのように活用しているのか、どういう交通形態であれば利用しやすくなるのか、等といった意識的な調査が将来的なまちづくり議論のための基礎資料として必要と考えるが見解をうかがう。
( 市長 再々答弁 )
JR北海道が発表した「単独では維持困難な線区」とされた区間は全営業区間の半分にあたる10路線13区間の1237.2キロに及び、広域鉄道網の位置付けという観点から、北海道全体を見据えた対応が不可欠であると認識しており、専門的な知見に基づく鉄道事業の経営的な観点も含め、
幅のある議論がしっかりと行われるべきと考える。
このため市としては、北海道が設置した「鉄道ネットワークワーキングチーム」において、道内の鉄道網のあり方を集中的に議論し、今年度内に方向性を取りまとめるとしているので、これらの検討状況の把握に努め、今後、地域としての対策についても検討して参りたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿