2025年3月7日
根室市議会2月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)
3.根室市社会教育計画について
(1)現計画期間における根室市の社会教育への評価について
2015年からの根室市社会教育計画にもとづく社会教育とくに公民館活動について、基本的には従来の事業が継続されてきたが、コロナ禍で停滞した後は、既存事業の再開のみならず、子ども達の活動の場を広げる取り組みやコミュニケーションスキル向上の取り組み、高校生らの自主的な活動を支援するなど試行錯誤をしながら事業の幅を広げてきた。教育長の視点から根室市の現計画期間で実施されてきた公民館活動に対する評価や課題について伺う。
【教育長 答弁】
社会教育計画は本年度が最終年度で「支え合う『心』を育み活かす地域の子育て」を推進目標として10年間にわたり推進してきた。
公民館活動は、コロナ禍を契機として教育委員会の若手職員自らワーキンググループを立ち上げ、地域の素材を活かした児童向け映像の政策・配信を継続するほか、
世代や立場を超えた市民が語り合い対話の大切さを共有する「こころとこころの握手講座」、
子どもたちの自由な発想を尊重しながら私とともに別当賀夢原館を拠点に根室を学ぶ「なるほど ザ ネ~ムロ」の開催、
分館講座の復活にも力を入れ、地域の大人の学びが学校へと新たな交流の輪が広がった「厚床地区のバイオリン講座」など各種教育施策の展開に努めてきた
予測困難な時代が到来する中にあっても、市民皆様が精神的社会的に幸せや生きがいを感じることにつながる礎が築かれたものと認識。
新社会教育計画においてもより一層、若者の活気づくりや多世代のつながりづくり、故郷への認識を深めることなどが必要であると考えており、この目標に向かっていくために引き続き、市民皆様の要望を取り入れながら、つながり学び合う講座等の充実を図る。
(2)新しい根室市社会教育計画にもとづく今後の社会教育行政の推進について
2025年度からの新たな根室市社会教育計画(案)は、到達目標を設定してそれを達成するための施策・事業体系、評価方法を明示する通常の行政計画の形ではなく、社会教育の目的や我々がめざす目標は羅針盤として示しつつも、「社会教育行政の具体的な取り組みは~、年度ごとの教育行政方針に主要施策を位置づける中で着実な推進に努める」とした。本計画の策定にあたって何故こうした手法をとられたのかその意義を伺う。
【教育長 答弁】
計画策定に際して社会教育委員と「杉並区教育ビジョン」の策定について学び、東京大学の牧野教授より区民委員から「行政の計画が身近なものとして感じられない」との率直な意見や予測不可能な時代背景を踏まえ、従来型の策定手法を白紙に戻し「全ての住民がともに社会を創る当事者」として「まちの教育の羅針盤をつくる」へと方針転換したことが話され、その重要性を共通認識した。
社会や経済の先行きに対する不確実性がこれまで以上に高まっている時代で、教育行政が策定する長期計画においても10年間という期間の中で、当初の目標や事業設定がその時代にそぐわなくなることも懸念される。
これらを踏まえ新社会教育計画は「市民みんなで」「地域で」というフレーズを多く用いることで、当事者意識を醸成するとともに時代の変化を捉え、様々な地域課題に対しつながりながら取り組むことで「活気」「安心」「ふるさと」をつくることを大切に策定したものであり、将来のまちづくりにも繋がる「羅針盤」として主要施策を年度毎の教育行政方針に位置づけながら推進する。
【再質問 ①】
3~5年程度の中期的な実施計画は策定されるか、もしくは毎年度の計画だけなのか?
【教育長 答弁】
これまでもその時々の課題や状況に応じて必要なアクションを取り入れてきた。
新社会教育計画でも『当市が抱える課題を真摯に受け止め、互いに協力し合い、学び合いながら、「当事者意識」を持ってアクションを起こしていく』ために、「AARの循環」を地域に広めていきたい。
「AARの循環」を用いて、時代の変化に応じた取組を柔軟に進めていくことが重要と考えることから、実施計画の策定は行わず、社会教育委員の会議及び公民館運営審議会において、年度毎の「事業計画及び事業報告」を行い、委員皆様のご意見も伺いながら「AARの循環」へと反映させ、より充実した事業展開につなげたい。
【再質問 ②】
市内の各地域への働きかけが重要。
これまで分館講座、移動公民館講座などが各地の地域会館等で開催されてきた。新たな社会教育計画案にもとづき、各地域ごとのコミュニティをさらに発展させることにつなげるために、新年度からどのような活動を展開していこうとされているのか。
【教育部長 答弁】
分館講座、移動公民館講座は、これまで厚床地区、歯舞地区、落石地区をはじめとした各地区のキーパーソンに地域の要望を集約していただき、「ヨガ」「生け花」「健康体操」「熊講座」「スマホ講座」等を開催しており、これらの取組は引き続き継続したい。
新たな取組として例えば「沿岸地区で冬のわかさぎ釣りをやってみよう」など、地域の方が講師となって市街地から受講生を呼び込む事業を検討しているところ。同じ地域の住民のみならず広く様々な人たちとの交流により、活気や愛着と誇りなど地域コミュニティの広がりへとつながる事業展開を目指したい。
【再質問 ③】
次の事業展開につなげ、らせん状に広げていく考え方だが、そのために重要なのはどのように取り組んだ事業を評価するのか。従来通りの評価の仕方では不十分ではないか。
これまで教育行政に関わる事務事業の評価は、主に法定の「教育に関する事務の管理及び執行状況の点検及び評価報告書」によって公表されてきた。
新たな社会教育計画案にはAARサイクルについて記述されていますが、この社会教育計画全体についての評価や公表の方法は今後、さらに何か新しい方策を考える必要がある。
【教育部長 答弁】
「AARの循環」を用いて、時代の変化に応じた取組を柔軟に進めていくことに加え、社会教育施策の評価は、単に事業数や受講者数の多い・少ないでは測り知れないと考えている。
2月18日に「こころとこころの握手講座」を開催したが、参加者のアンケートとして「こころが軽くなった」「気持ちが明るくなりストレスが減った」など数だけで計り知れない心に残るものを大切にしなければならない。
引き続き「教育に関する事務の管理及び執行状況の点検及び評価報告書」における評価・講評、社会教育委員の会議及び公民館運営審議会におけるご意見等を「AARの循環」へ反映させながら、より充実した事業展開につなげたい。
【再質問 ④】
いま説明いただいた参加者のアンケートは、これまでの「報告書」には記載されない。既存のやり方だけでは見えにくい点が多々ある。社会教育行政が行った取り組みによって、参加者がどのように学んで成長できたのか、地域コミュニティがどのくらい発展できたのか、AARサイクルを通じて新しい社会教育計画に掲げる「羅針盤」にそって、根室市全体が前進しているのか、停滞しているのか。そうした評価が必要なのではないか。社会教育の職員や参加者の声、実感を広く市民に伝えることができないか。
将来的に根室市の社会教育がめざす方向や新社会教育計画がスタートして取り組んだ内容や実績、成果などについて、幅広く市民と共有する機会を設けていただきたいと思います。
例えば「ひとが育つまち 益田フォーラム」の取り組み等が参考になる。
【教育部長 答弁】
まずは新年度予定している「ねむろ未来づくり事業」を展開する中で、市民の当事者意識の醸成や主体性を持ったプレイヤーなどの人材発掘・育成に努めたい。
島根県益田市が開催している「ひとが育つまち益田フォーラム」は「対話を通して、つながり合い・学び合う」をテーマに、小学生から高齢者まで幅広い年代の市民が50を超えるミニ分科会に分かれてそれぞれの取組を紹介し、参加者との対話を繰り広げることで、新たな気づきを得て、また次の「やりたい」が育まれるといった、ひとづくりを中心施策とする益田市ならではの取組。こうした事例を参考に根室市民の意識を育んだ上で、多くの市民が年齢や立場にかかわらず、お互いの主体性を高め合ったり、引き出したりできるような場づくりを検討したい。
(3)社会教育を推進する人材の育成や体制について
本計画に記載されているAARサイクルで発展させていく上でも、社会教育行政を推進する職員のコーディネート役としての力量のさらなる向上や、地域における人材の育成がこれまで以上に重要。新年度ではどのような取り組み内容となるのか。
【教育長 答弁】
教育委員会では、社会教育主事等で構成する社会教育指導班を設置しており、これまで「こころとこころの握手講座」の開催をはじめとする市民同士の対話や多世代交流の場づくりに取り組んできた。
また牧野教授の講演に参加した根室高校生が主体的に小・中学生を対象とした春・夏休み学習会を開催したときも、社会教育主事のサポートが有効であったと聞く。地域の将来を担う人材を育成するためにもコーディネート役は重要。
引き続き、教育委員会職員の社会教育主事等資格者の拡充をはかり、新年度予定する「ねむろ未来づくり事業」における講演会開催や多世代交流の取組を通じて、当事者意識を醸成することの大切さを多くの市民皆様と共有しながら、将来的には民間における社会教育士の育成についても見据えていきたい。
【再質問 ⑤】
答弁の「将来的には、民間における社会教育士の育成についても見据えて」としているが、
昨年12月5日の根室市総合教育会議で示された「社会教育士育成支援事業」というのは、新年度ではまだ実施をしないということか?
【教育部長 答弁】
民間の方への社会教育士の育成の話だが、社会教育士は社会教育主事講習等規程の一部改正により、令和2年度から一定の講習等を修了した者であれば誰でも称することができるようになった。豊かな地域づくりへの展開を支援する専門人材として活躍が期待されている。
新年度予定しております「ねむろ未来づくり事業」における講演会開催や多世代交流の取組を通じて、当事者意識を醸成することの大切さを多くの市民皆様と共有しながら、将来的には、民間における社会教育士の育成などの人材確保についても見据えてまいりたい。
まず意識醸成を図らなければ、いま民間に問いかけをしても一か月にわたる講習を経て取得する社会教育士は「資格をとっても儲かるのか?」と、すぐには厳しいのではないか。
(意見として)
どの程度の段階になれば市民意識の醸成が図ることが出来たのか判断する基準は難しいがしかるべきタイミングで実施してほしい。先行して専門的に学ぶ人材育成をすすめることによって、地域社会の環境づくりにもつながる。
3月8日 ネイチャー講座「春国岱とフレシマ湿原から見る湿原の今昔」の様子 |