2024年6月18日火曜日

2024年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 ②/2

2024年6月18日

根室市議会6月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします(おわり)
昨年度末で移転、おちいし義務教育学校になった旧落石中学校の校舎

2.「根室市立学校適正配置計画(案)」に関する諸課題について
(1)「西部市街地学校エリア」(北斗小学校・柏陵中学校)における新たな「義務教育学校」の基本的なコンセプト等について  
2月定例月議会の代表質問に対する答弁では、新たな学校づくりに取り組む上での市民との協働のあり方など基本的な姿勢について伺った。その後の進捗状況について伺う。 
また市教育委員会として新しい学校では、どのような教育を行おうとしているのか、そのためにふさわしい学校施設はどのような姿を想定しているのか、また「地域に開かれた学校」という観点をどのように取り入れていこうと考えているのかも含め、基本的なコンセプトについて教育長の見解を伺う。

【教育長 答弁】
現在、幅広い視点から、魅力ある学校づくりの検討・協議を行っている。6月10日に「義務教育学校開校に向けたキックオフミーティング」と題し、北斗小学校と柏陵中学校の教員が将来像について自由に意見交換を行う場を設定した。6月末には両校の教員や保護者、コミュニティスクール関係者等により、道内の先進的な義務教育学校を視察する。
引き続き、市民に開かれた新たな義務教育学校の設置に向けて、学校や子ども、保護者や地域が当事者として積極的に関わるプロセスを重視した取り組みを進めて行く。
また学校施設の整備にあたり、柏陵中学校の校舎に小学校を増設することを基本とし、「令和の日本型学校教育」が実現できるよう、多様な学習形態に柔軟に対応して、創造性を育む学習空間、地域や社会と連携・共同できるオープンな施設、ICT等の科学技術の進化に対応できる整備等の観点に留意する。そこで学ぶことによって、多様な個人それぞれが幸せや生きがいを感じられる「ウェルビーイングを実感できる」学校教育環境のあり方について、検討を進める。

【再質問】
柏陵中学校の校舎に小学校を増築、校舎を一体的に運用していきたいという答弁。もともと小規模な高校として作られた建物であり、職員室や特別教室等はさらに改装や増設を行う必要があるのか。
また適正配置計画(案)に示されたR10年度の推計で児童・生徒数が300人を越える規模の学校と予測されている。体育の授業や部活動などふくめ屋内体育館などは二つに分けるか、最低限サブアリーナ的な施設が必要と考えるが、こうした部分について市教委として現時点でどのように想定しているのか伺いたい。

【教育長 答弁】
現在の柏陵中学校校舎は平成13年度に旧根室西高等学校として建設され、当時ひと学年に3クラス、約270人の全校生徒40名の教職員がいた学び舎。柏陵中学校と北斗小学校の併設とした場合、令和10年度の推計では 児童生徒数で約340名と教員40名規模、学年も中学校3学年から義務教育9学年となることを踏まえると、一定のスペース確保が必要。
施設の規模・機能については児童生徒数を考慮することはもとより、新しい時代の学びを実現するために必要な教室数や体育館の規模など十分に調査研究を行いながら、基本設計の中で明らかにしたい。

【意見として】統合などで新しい校舎を設置する場合に、考え方として国の補助金が付かない等も事務方としては念頭に置きながら作業を進めることもあるが、大事にすべきなのは、答弁されたように「この学校でどういう教育を行って、子ども達がどう育って欲しいのか」を第一に作っていただきたい。

(2)児童・生徒の通学距離について 
新たな適正配置計画(案)は市街地の学校を「西部市街地学校エリア」「東部市街地学校エリア」の二つに分ける構想。北斗小学校では校区はこれまでと同じだが、学校の位置が大きく変わる。また成央小学校・花咲小学校は統合であり校区そのものが広がる。
あらためてそれぞれの校区内の通学距離として、一番遠い距離はどの程度が想定されているのか。またその距離は小学生の足で通学に支障が無いと判断されているのか。

【教育長 答弁】
西部市街地学校エリアとなる北斗小・柏陵中は学区が同じ。遠距離通学費を支給している東和田ほか区域外通学等の一部例外を除き、国で示す小学校で概ね4㎞、中学校で概ね6㎞の通学距離基準の範囲内に収まっており、通学に大きな支障はないと認識。
また花咲小・成央小・光洋中の東部市街地学校エリアは、将来的な適正配置を検討している段階で、今後の統合校の設置場所によるが概ね基準内に収まると想定。

【再質問】
答弁の「通学距離が、小学校にあつてはおおむね四キロメートル以内、中学校及び義務教育学校にあつてはおおむね六キロメートル以内」は「義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律」施行令第4条(適正な学校規模の条件)に規定。私の認識だが、小・中・義務教育の学校を、地域の中のどこの場所に何校ぐらい開設することが適切なのか、国の補助制度に紐づけて全国一律の基準として定めた規定。
したがって教育長が答弁したのは、現在の柏陵中の場所に北斗小学校を設置することは、国の基準に適合していることを示したもの。
しかし実際に「通学に大きな支障」があるかどうかについては、これらの基準は別な問題では無いか。地域ごとの実情や児童・生徒ごとの実情に沿った対応が必要。
特に北斗小学校はPTA等を中心に児童の通学路の点検や交通安全対策に熱心に活動されていたと記憶しているが、新しい学校づくりを進めるにあたって、児童・生徒が安全に(心理的・身体的にも大きな負担が生じないように)、通学しやすい環境(交通安全など通学路の安全整備を進めることや徒歩が難しい場合に何らかのサポートなど)なども十分に検討をいただきたい。

【教育長 答弁】
児童・生徒が安全に通学できる環境整備は一番大事なこと。今後の検討では併置校化、義務教育学校化に向けた準備委員会の中で、交通安全や防犯の観点はもとより、児童・生徒や保護者の負担等の観点も加えて、より良い通学環境のあり方や対策について協議・検討を進める。

(3)放課後教室等との関係について 
北斗・成央・花咲の各放課後教室は、現在と同じく小学校(前期課程)の校舎に併設されるイメージで考えているのか。その場合、特に北斗・成央は現状、登録児童数がそれぞれ100名を超え、土曜日を除く平日の利用児童数もおよそ80名~90名程度の利用状況。
利用児童数が多い状況を踏まえた十分なスペースや指導教室数の確保などについて十分な配慮が求められる。
また西部市街地学校エリア(北斗小と柏陵中)では近隣にある西浜児童会館との関係はどのように想定されているのか。

【教育長 答弁】
西部市街地学校エリアにおける将来的な放課後教室のあり方は、義務教育学校化を進めた後の学校教育との接続性、児童の利便性や児童会館との機能分担、想定される利用児童数を調査研究し、義務教育学校との併設を視野に入れ、規模や内容を検討する。

【意見として】放課後教室はまだ人員体制に課題があり、西浜児童会館をどうするのかは十分な検討が必要。仮に合併になった場合に第2老人福祉センターをどうするのか。
また仮に今後、花咲小学校を移転、合併する場合には新しい花咲放課後教室の建物をどのように活用するのか。
特に駒場の周辺地域では学校統廃合によって、地域コミュニティの核となる公共施設が減ることになるという課題もある。

(4)新たな学校給食センターについて 
「適正配置計画(案)」自体は令和10年度までの計画期間だが、仮に「根室市公共施設総合管理計画」に記載されているように、令和9年・令和10年で工事をして令和11年度から新しい「北斗小学校・柏陵中学校」が開始されるとした場合、併設されている「北斗学校給食共同調理場」の関連から、新たな学校の開始と同時またはそれよりも早い時期に「新しい学校給食センター」を稼働させる必要があります。もちろんスケジュール的に厳しい場合には、しばらくの間は今の北斗小に給食調理場だけを残して、他の2か所とあわせて3か所の給食調理場をそのまま稼働させ続ける方法もあるが、一般的には新しい給食センターも同時にスタートするのが自然かと。
根室市公共施設総合管理計画では「新しい学校給食センター」は、令和7年度、来年度中に「検討・協議」する計画。また令和8年度中に3つの給食調理場を「廃止・解体」するという計画。令和8年度中の廃止・解体というのはさすがに無理なので、その後の展開を考えると「新しい学校」と「新しい給食センター」という二つの建設事業を並行して取り組む状況になる。教育委員会の所管で言えば、さらに総合体育館の建設事業も加わります。
したがって現状ではどの程度まで検討がすすめられているのか、あらためて議論の到達点について伺う。

【教育長 答弁】
北斗給食調理場を含む市内3か所の給食調理場は、いずれも昭和40年代に建設された施設で、その整備に向けこれまで「根室市学校における給食に関する意見書」で求められた「アレルギー対応」や「地場産品の活用」「食育の充実」に加え、「市内事業者や雇用などへの配慮」等の意見があった。
民間活力の導入による地産地消に繋がる持続可能な学校給食提供の仕組みづくりを念頭に慎重な協議・検討を進めている。
教育委員会は北斗小と柏陵中が併置校・義務教育学校としてスタートする時点で学校給食提供に支障をきたすことのないよう、できるだけ早期に方向性を見極める。

【意見として】子ども達に関わる大切な施設であり、本当に民間にゆだねることが本当に大丈夫なのか疑問を持っている。多角的な視点での論議が必要であり、途中経過も含め状況の説明をお願いしたい。

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