2024年6月18日
根室市議会6月定例月議会で一般質問を行いました
その質問内容と答弁を要約してお知らせします
2024年6月16日 じぃ~ん こども食堂 |
1.福祉施策について
(1)「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」にもとづく市の取り組みについて
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は昨年6月に成立、今年1月から施行。
本法律によって国、地方公共団体、保健・医療・福祉のサービス提供者、交通事業者や金融機関をはじめ生活に欠かせない各事業者におけるそれぞれの責務が定められ、今年秋には国の「認知症施策推進基本計画」が決定される予定。来年、令和7年度中には北海道も「認知症施策推進計画」を策定することが想定されている。さらに市町村でも「実情に即した『市町村認知症施策推進計画』を策定するよう努めなければならない」と法律に定められた。
すべての市町村がこの推進計画を策定することが望ましいと思うが、ただ、そういう計画の策定をどうするかという問題以前に、基本法として国の将来的なあり方をどうしていくのかという点を示したもの。これまでの国の「認知症施策推進大綱」等にくらべても「共生社会の実現」という概念がより前面に押し出された。
その理想、目的の実現のためには、これまでの私達の考え方、地域で取り組まれているケアのあり方、自治体の政策立案のあり方を大本から変える「地域づくり」のビジョンを市民・関係機関等が共有しなければならない。この法律に対する市長の見解を伺う。
【市長 答弁】
本法律は認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、「共生社会の実現」を目的として、七つの基本理念と八つの基本的施策が示された。
認知症の人の基本的人権を尊重し、あらゆる分野での参画機会の確保など、社会の対等な構成員として地域で共生していくための施策を推進する必要がある。
市として今後策定される国の「認知症施策推進基本計画」を踏まえ、「高齢者保健福祉計画」「介護保険事業計画」との整合性を図りながら「共生社会の実現」に向けた取り組み内容を検討する。
【再質問】
「第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」でも認知症基本法について記載されている。計画期間中(R6-R8)の3年間に認知症サポーターのステップアップ講座の開催を2回、チームオレンジを市内2か所設置するという目標が記載されているが、その理由は何か。
また「チームオレンジ」の設置はこの地域にとって、どのような意義があると想定しているのか。
【健康福祉部長 答弁】
チームオレンジは「認知症の人と家族の希望や悩み、身近な困りごとなど」について「認知症サポーターを中心とした支援者」をつなぐ仕組み。設置数などは地域の実情に合わせるものと国で示されている。
第9期計画の設定目標は高齢者の活動拠点である「高齢者サロン」の1箇所と、今後サークル等地域住民でつくる交流拠点の1箇所の併せて2箇所の設置を目指す。
チームの主要メンバーとなる認知症サポーターステップアップ講座の修了者を養成する考え。
またチームオレンジの意義は、認知症の人とその家族が地域住民とつながりを持ち、お互いを見守り、ちょっとした手助けや相談支援など、認知症の人・家族、地域住民が安心して生活できる仕組みをつくることであると考える。
【意見として】地域の支え合いのネットワークをどう構築していくのかという質問が午前中あったが、チームオレンジの設置はそうした方策の一つ。ただ国が音頭をとる事業は、自治体によっては「人がいない」「リーダーがいない」などの課題もあり、地域の中で人をどう育てて行くのか。同時に全ての人にとって他人事でない、自分のこととして意識できる地域づくりが大切だ。
(2)福祉灯油券のあり方について
根室市では福祉灯油券の交付が令和3年度に7年ぶりに実施されてから3年連続で実施。金額を1万円に拡大したほか、さらに対象者を障害者手帳の取得者や施設入所者に広げ、昨年度は対象年齢を65歳に引き下げるなど、制度内容を徐々に充実させながら進めている。
介護福祉課の資料によると初めて実施された平成19年度に比べ、近年は福祉灯油券の交付率も高く、多くの市民の皆さんから根室市に対する感謝の声を私も聞いている。
一方で円安等を背景に、留まるところを知らないエネルギー価格・物価高騰に対して、年金収入等がほぼ変わらず、引き続き大変苦しい生活状況であることを、市民の話として聞く。福祉灯油はもう一度支給されないのか、同居世帯は何故ダメなのか等のご意見も、これまで以上に強く訴えらた。
今年5月、6月になっても灯油価格は昨年末以上に高止まりの状況が続いている。
余談だが、根室市は灯油価格が年間の平均で100円を超えたら福祉灯油を支給するという方針であり、それに対して夏場も含めて平均100円を超えるなんてこと滅多にない、冬場だけの平均価格で判断すべき、という議会質問を以前おこなったが、今となってはそんな論議すら馬鹿らしい価格帯だ。
こうした状況の中、根室市は定額減税等の関係から「エネルギー・食料品等価格高騰重点支援展開計画」を延長しました。国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」は今年度どの程度交付されるのか分からないが、市として市中経済および市民生活の実態に即した独自支援の対策を積極的にとること期待する。
その一つとして、やはり市として福祉灯油を当面の間は事業継続すること、また必要に応じて対象者の拡大についても積極的に進めていただくことを求める。
これまで行われてきた市の福祉灯油券の交付事業に対する評価および課題について、あらためて市長の見解をうかがう。
【市長 答弁】
福祉灯油は市内配達灯油価格の年間平均見込みが百円を超える場合に、低所得者世帯に対して暖房費用を助成し、冬季間の生活安定に資するために実施してきた。
これまでの実施では市民からの意見もうけ対象世帯や支給金額の拡充にも取り組んできたが、今後も引き続き、給付の方法や対象の範囲など、市民生活に寄り添えるよう内容等の充実について検討する。
(3)訪問入浴事業の再開に向けた現状の課題について
昨年7月に衝撃的なサービス提供体制の中止となってからまもなく1年。あらためて再開に向けた現状の課題について伺う。
【市長 答弁】
昨年4月に訪問入浴事業を引き継いた事業者が、看護師等の離職に伴い同年七月に入浴事業を休止してから市として、これまで新規参入事業所への打診や、代替サービスとして介護施設に対し通所入浴の実施などを要請してきたが、残念ながら現在も再開の目処が立っていない状況。
要因として職員の確保が大きな課題であり、特に訪問入浴サービス事業は看護師・介護職員など交代要員も含めた一定数の人員の確保が必要なことから、再開が困難な状況。
市として、再開までの代替施策として、現在、身体を洗う介護用機器の無償貸与に向けた準備を進めており、あわせて、通所入浴による対応について、市内介護施設と具体的な話し合いを進めるなど、少しでも利用者の負担軽減につながるよう努める。
【再質問】
訪問入浴事業の早期再開が望ましいことには変わりないが、すぐに再開できない状況で代替手段について代替手段について、答弁を頂いたように、また先日の文教厚生常任委員会の委員協議会でも、身体を洗う介護用器具(商品名「switle BODY」)および「通所入浴」についても検討中であることが報告された。特に「通所入浴」は事業者の協力がありがたい。
一方で現状では「switle BODY」が介護保険外の障害者が対応になっていない。また過去の別な施設での「通所入浴」では結局、全ての利用者が通所入浴を利用出来たわけでも無い。引き続き様々な手段を考える必要がある。
休止前の事業者での訪問入浴サービスの利用者数は、介護福祉課によると介護保険で10名、障害者の方が2名の利用だった。昔は20何件利用していたのが利用者数が減っていった。社協で提供していた当時から人手不足で新規利用を実質的に制限していたため。
現在の利用者だけでなく、今後利用したいニーズは市内にもまだある。今後の潜在的な希望も含め、代替事業の対象をどのようにしようとしているのか。
【健康福祉部長 答弁】
障がいのある方に対して今年度より生活支援特別給付事業で新たに簡易浴槽などの品目を追加し対応してきたが、身体を洗う介護用機器(switle BODY)への対応は今後、対象品目への追加等を検討したい。
また訪問入浴で現在、待機している新規の利用希望者は、この機器は開発メーカーによると福祉用具レンタルとして介護保険の適用を目指していると聞いている。レンタル適用までの間において、代替措置で利用希望があった場合は予算等を含めて検討したい。
【意見として】通所入浴についてはこれから必要な予算もかかると思うが、緊急的な措置として必要な対策をとっていただきたい。
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