2024年2月14日水曜日

根室市水産研究所・栽培漁業研究センターを視察

2024年2月14日

根室市議会総務経済常任委員会は根室市水産研究所と栽培漁業研究センターで養殖事業の状況を視察しました
昨年夏から市水産研究所で陸上養殖しているサクラマスの水槽。
エサをあげると元気よく飛び跳ねながら食べていました。


根室市では4年前からベニザケの海面養殖の試験を進めており、また2023年度からは新たにトラウトサーモンの海面養殖の試験を実施しました。
根室市議会総務経済常任委員会(足立委員長)は根室市のこれまでの取り組み状況や今後の課題等について、市水産研究所の工藤所長からお話を伺いました。

市内4漁協等で構成する根室市ベニザケ養殖協議会は、これまで海面での養殖が難航していたベニザケを陸上養殖に切り替え、今年度から他の地域でも実績のあるトラウトサーモンの海面養殖を行いました。
昨年5月に花咲港内のいけすに稚魚3000匹を放流しましたが、夏に高水温が続いたため大部分が死に、11月下旬に残った魚はわずか64尾。生存率2%という結果でした。
それでも刺身や寿司で試食したところ、大型のトラウトサーモンに比べて「脂が少ないのも食べやすい」と高評価だったそうです。
 次年度も同じ場所で、同規模の試験が予定されています。ただ昨年の同時期に釧路や落石漁業が行った試験結果を参考に、今度は放流する種苗のサイズを大型化することや、高水温が予想される場合は早めに出荷する等の対策をとっていきたいと説明していました。

トラウトサーモン養殖は道南など他地域では秋から冬に育てて春に出荷するのが一般的ですが、根室半島沿岸では夏場の水温が低い特色を活かして他と時期をずらして出荷できる優位性があるそうです。
近年は養殖でもエサ代など経費が高騰しており、採算をとるために大規模化が必要と言われています。工藤所長は、高知県が行っているサツキマス養殖では大量生産が出来ない代わりに、特別なブランドとして地元のホテル等に高価格で卸している事例を紹介して、地域としての戦略を考えていくことが必要と話します。
またこのトラウトサーモン養殖で得られた知見をベニザケの養殖にも活かしていきたいと、今後の展望を語っていました。
この時期の市栽培漁業研究センターでは、稚ガニや稚ウニの育成をはじめているそうです。
残念ながら、とても小さいので全く見えなかった。

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