2023年3月13日月曜日

2023年 根室市議会 2月定例会議会 各常任委員会の議案審査

2023年3月13日

根室市議会2月定例月議会の総務経済常任委員会、文教厚生常任委員会が開催され、条例改正案など20件の各議案が可決されました
主な内容について、一部をご紹介します

市の個人情報保護条例を廃止して関係する条例を整備
(根室市個人情報保護法施行条例)
(根室市個人情報公開・個人情報保護審査会条例)
(根室市個人情報公開条例の一部を改正する条例)
  • デジタル社会形成整備法が2023年5月1日から施行されることにより、これまで各地方自治体がそれぞれ条例化してきた個人情報保護が国の改正個人情報保護法に一元化されて、各市町村の条例が廃止されます
  • それにともない条例に規定されていたが法律で定められていない「市個人情報公開及び個人情報法保護審査会」の設置など、関連する内容を整理するため、一連の条例制定や改正が行われました
  • また改正個人情報保護法は国会と地方議会を対象外としているため、2月定例会議会の最終日には、市議会用の個人情報保護条例が提案される予定になっています

地域手当の新設
(根室市職員給与に関する条例等の一部を改正する条例)
  • 首都圏や都市部などの物価の高い地域に勤務する公務員に対して支給される手当です。根室市の職員はこの仕組みがありませんでしたが、今後、北海道後期高齢者医療広域連合へ職員が派遣されることが見込まれるため、給与条例の改正を行いました。
  • 国では人事院規則 九―四九(地域手当)によって定められており、根室市はそれを準用します。札幌市に赴任する場合は7級地で3/100の支給率です。
  • なお提案された【市職員給与に関する条例】「第12条の2 地域手当は、規則で定める地域に在勤する職員に支給する」となっています。これについて総務経済常任委員会で保坂委員(無所属)から、手当の内容を規則に定めることは「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。」とした地方公務員法(第24条第5項)の『給与条例主義の原則』に反するのではないか、と指摘がされました。市側は内容を精査し、必要があれば次の定例月議会に改正をしていきたいとしています。

市民福祉部を「市民生活部」「健康福祉部」に分割、今後の人員体制増も見据えた組織機構の改定
根室市部設置条例及び根室市市民福祉事務所設置条例の一部を改正する条例)
(根室市職員定数条例の一部を改正する条例)
  • 現在の市民福祉部について、複雑・多様化する福祉政策や子ども政策の一本化を含めた体制の構築のため「市民生活部」「健康福祉部」に再編します。あわせて法に定められている「福祉事務所」の名称を復活させます。
  • 全体的な一般部局の職員定数を250人から270名に増強します(福祉事務所の体制も28名から33名に)

道路占用料の改定
(根室市道路占用料徴収条例の一部を改正する条例)
  • 2021年度の地価水準(固定資産税評価額)の評価替えと地価に対する賃料の水準の変動等を反映して、市道の電柱などの設置にかかる占用料の額について37項目中36項目を改正します

市道の「婦羅理オンネップ線」などを農道にして整備
(市道路線の廃止について)
  • 北海道が主体となる道営農業農村整備事業により路線を整備するため、市道の認定を廃止し農道に決定することになりました。

水産加工振興センターの古い機器を廃止
(根室市水産加工振興センター条例の一部改正)
  • 昭和50年代に購入した焙焼機や高速魚体処理機、バランスフリーザー等を廃棄。老朽化で腐食など故障しており、代替部品も製造中止となり修復不能のため廃棄となりました。
  • 代替の機能を果たす機器はあるためセンターの運用に支障はないそうです。

根室市入植者選定部会条例を廃止する条例
  • 戦後、食糧増産や農家増大を目的に国が買収した山林や原野など未墾地(開拓財産)を都道府県が国の受託事業として入職者等に売り渡すため、北海道開拓審議会入植者選定部会により審査・選定を行ってきた。厳正かつ円滑な売り渡し等を図るため、市長の諮問機関として独自の審査を行う「根室市入植者選定部会」を設置。その後、地方分権一括法により、平成12年に制度が改正となり、開拓財産による市町村の審査が廃止され、都道府県が直接取り扱うようになった。
  • 当時は北海道からの助言もあり、根室市では係争地が存在しているため、当部会を存続させてきた。現在では市内の開拓財産では係争地は存在しないことが確認され、部会の役割が終了した。

埋立てによる土地の確認など
(落石漁港-浜松地区)(花咲港)

過疎計画に障がい福祉サービス事業所建設補助事業を追加
(根室市過疎地域持続的発展市町村計画の一部変更について)
  • 新年度から建て替え工事をすすめる障害者支援施設「根室すずらん学園」に対して市側も新年度予算で約650百万円の補助金を拠出します。その財源のうち約314百万円について過疎債を充当するため、市町村の過疎計画の変更を実施します

こども家庭庁設置法による関係する条例の文言などの整理
(こども家庭庁設置法の志向に伴う関係法律の整備に関する法律の施行に伴う官益条例の整理に関する条例)

放課後教室や家庭的保育事業等に「安全計画」の実施など義務付け
(根室市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例)
(根室市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例)
  • 2021年7月に福岡県中間市で起きた保育所の送迎バスに取り残された園児が死亡した事例を教訓として、児童福祉法か改正され、「児童の安全の確保」に関する事項が運営基準として位置付けられました
  • 具体的には安全計画の策定や衛生管理、放課後児童健全育成事業所では業務継続計画の策定等も義務付けられます
  • なお家庭的保育事業等は、小規模保育事業(6-19名)、家庭的保育事業(5名以下)、居宅訪問型保育事業、事業所内保育所(従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育する場合)の4種類あります。参考:荒川区のウエブサイト。根室市内では、このいずれの事業も実施している事業者はいません(2023年3月時点)

出産一時金の額を50万円に増額
(根室市国民健康保険条例の一部を改正する条例)
  • 国の制度改正により出産一時金が42万円から50万円に引き上げられます
  • なお根室市では2021年度に国保の出産一時金の支給を受けた方は22件、2022年度も22件となっており(2/23時点)、このうち42万円を超過して実質的に自己負担が生じているのは2021年度で7件、2022年度でも13件があるそうです

国民健康保険の限度額の引き上げ
(根室市国民健康保険税条例の一部を改正する条例)
  • 国の定める限度額を根室市は1年遅れで実施しています。2023年度から基礎課税額+2万円、後期高齢者支援金等課税額(支援分)+1万円で、合わせて課税限度額を3万円も引き上げ、合計102万円にもなります(下図参照)
  • なお国の方では賦課限度額の超過世帯割合を被用者保険並みに1.5%に減らしていくように、毎年限度額を引き上げています。法定限度額は2023年度から支援分を2万円ひきあげ104万円とする予定です
  • 根室市の限度額超過世帯数は改定後で206世帯です。全世帯数4062世帯のうち約5.07%を占めます。全国平均(約1.52%)に比べて高いのはやはり漁業、酪農など1次産業の従事者の割合が他地域に比べて高いためと考えられます。被保険者の世帯人員数が多い世帯もあり、必ずしも限度額超過世帯=高所得者とは言えないものと考えられます。納付相談の強化など十分な対応をあわせて取っていく必要があります。
  • ただし国は将来的に国保の都道府県単位化により統一保険料とすることを目指しており、その段階で限度額基準についても統一化される可能性があります。

看護師や介護福祉士への就学資金の制度を拡充、歯科衛生士も対象に追加
(根室市医師、医療従事者及び介護従事者就学資金貸付条例)
  • 根室市では市立根室病院をはじめ市内の医療機関、そして介護施設等で看護職、介護職の不足が深刻な状況が続いています。市の聞き取り等による調査では、今後5年間の見込みで看護師75名、介護職35名が必要になると試算しています。
  • 今回の制度改正では歯科衛生士を貸し付け対象に拡大
  • また従来の制度に加え「特別奨学資金」として看護師、助産師は月額10万円を追加(計20万円に)、介護福祉士は月額4万円を追加(計8万円)まで貸し付けを受けることが可能になります。特別奨学資金の貸し付けを受けた方は、卒業後、市内の医療機関や介護事業所等に貸付期間の1.5倍の期間を従事することで償還免除されます(例えば4年間借りた場合は、6年間勤務する)

地域会館の花咲港会館を新築移転
(根室市地域会館条例の一部を改正する条例)


光洋中学校に併設されている市営テニスコートを市営から学校の施設に変更
(根室市体育施設条例の一部を改正する条例)

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