2016年6月25日土曜日

2016年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 6/6

(2016年根室市議会6月定例月議会 橋本の一般質問のつづきです)

3.根室市のエネルギービジョンについて

(1)進捗状況について

 昨年12月定例月議会で「外部に委託している調査業務において、地域特性を活かした再生可能エネルギーの現状分析や導入の可能性調査などの作業を進めて」と答弁。
 その結果がどうであったのか。
 地産地消、あるいは地域産業とリンクして域内循環につながるような調査結果だったのかどうか。
 それをうけて検討委員会でどのような議論がなされてきたのか。
 昨年すでに市として策定の視点(将来像)を示しているが、その方向性に変更がないのか。
 これまでの経過をふまえ見解を伺う。

(市長 答弁)
 エネルギービジョンは地域が一体となった再生可能エネルギー導入の取り組みをすすめるための基本方針。
 これまでの経過として、当市の再生可能エネルギーの現状把握やポテンシャル等の調査を行った
 その結果、電力では風力や太陽光、熱利用では木質系バイオマスや地中熱ヒートポンプ等に導入の可能性がある。
 再生可能エネルギーによる電力の自給率は、最大約73.3%におよぶことが示された。
 
 昨年11月に第1回目の委員会を開催し、課題や克服方法について整理すべきなどの意見を受けている。
 今後は調査結果から、課題や取り組む方策などを精査し、多様な角度から検討を進め、目指すべき方向性を定める。

(橋本 再質問)
 当市の酪農や林業の営業体の戸数などをみても、新たな産業としてバイオマスの発電や熱エネルギーの利活用を事業化して採算ベースにのせる、つまり他地域ですでにやっているように新たな雇用創出の場として産業化していくことは難しいのではないか。
 また現在、風力・太陽光について今後の大型設備を作っても、固定価格買い取り制度による北電への接続について、現時点では制約があるときいている。
 したがってエネルギー自給率73%といっても、その導入量を今後大規模に増やす計画を立てたとしても実現可能性に疑問がある。

 あらためて根室市におけるエネルギービジョンの役割を考える必要がある。
 根室の豊かで貴重な自然環境とどう共生していくか、原発の問題、地域全体で省エネルギーにどう取り組んでいくかという「環境保全の観点」、
 もう一つがあくまでも小規模な施設で家庭や地域産業の中に溶け込む形の自家消費、公共施設などを中心とした災害対策の意味での「地産地消」を中心テーマに考えていく方向性にすすめるべきではないか?

(市長 答弁)
 再生可能エネルギーを新たな産業として位置づけるためには採算面において新たな課題があることから長期的な視点に立ち、さらなる調査・研究が必要。
 ビジョンの方向性については、今後策定委員会や庁内論議を踏まえて定めていく。

(橋本 再質問)
 場合によって行政だけでなく、市内の事業者や一般市民の協力、一緒にすすめていく姿勢がなければならない。
 各家庭への省エネ機器の導入や、酪農や水産などの生産現場の施設に何らかの再生可能エネルギー施設を導入するといった点について、その必要性について市民の理解や共感が得られなければ、十分な効果として表れてこないのではないか。
 これまでのビジョン策定過程の中では、市民的な周知や議論が十分になされてこなかった。
 したがって今後、市民議論をどのように進めていこうとしているのか?

(市長 答弁)
 エネルギービジョンの策定や実行に当たっては、セミナーの開催などエネルギーについて理解を深める取り組みや推進方策について、情報提供につとめる等丁寧に進めていきたい。

2016年6月17日金曜日

2016年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 1/6

2016年6月14日に、根室市議会6月定例月議会で行われた、橋本の一般質問の内容を一部抜粋・要約してご報告いたします。

1.高齢者福祉、介護に関する諸課題

(1)2018年度介護保険「改正」における課題

 次期の介護保険制度改正に向けた審議がすでに国ではスタートしている。
 2015年10月の財務省「社会保障改革の工程表」を参照すると、
  65-74歳の自己負担を原則2割に、
  要介護1・2の通所介護などを地域支援事業へ移行、
  ヘルパーの生活支援サービスの保険外し、
  福祉用具や住宅改修の自己負担化、
  市町村による給付の適正化にむけた取り組みを促す、
 等が具体的な検討項目とされている。
 これらの方向性について、市長の見解を伺う。

 (市長 答弁)
 高齢者が安心して必要なサービスを享受できる介護保険制度の安定的な事業運営は、大変重要。
 情報収集に努め、今後の審議の動向を十分注視する。

 (橋本 再質問)
 身体機能の低下に対して住宅改修や福祉用具を少し利用することでも、安全に在宅生活を維持することができる。
 通所介護により閉じこもりを防止し、安全な入浴を提供し、食事により栄養を確保し、運動高齢者の身体機能を維持する。
 訪問介護の生活援助は家事支援だけでなく、会話等しながら高齢者の生活全体を専門家の目で見て支える。
 これらが保険から外されることは、家族介護力の弱い家庭において、高所得者や財産を貯めこんでいるのでなければ、在宅生活を維持できる境界線が低下する可能性が極めて高くなる。
 まがりなりにも国の一律基準の保障が無くなることで、自治体ごと地域ごとの財政力や社会資源による格差がさらに拡大する。
 ましてや現在の1割負担でさえサービス費用の支払に困難をしている人にとって原則2割負担など論外。
 国の案が仮にそのまま実行された場合に、住民生活にどのような影響をおよぼすのか、実際の福祉介護の現場からも情報収集しながら、しっかりと考えて欲しい。

(市長 再答弁)
 介護を提供する側も受ける側も、ともに安心できる、支えあいを基本とした社会保障制度としての安定した介護保険事業が重要。
 今後の審議内容について十分注視し、介護事業者とも情報共有する。

2016年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 2/6

(2016年根室市議会6月定例月議会 橋本の一般質問のつづきです)

1.高齢者福祉、介護に関する諸課題

(2)新しい総合事業の実施に向けた課題

 新しい総合事業への以降について、根室市の第6期介護保険事業計画では、2017年4月からの実施としているが、市としてどこまで準備がすすんでいるのか。
 また、今後に向けた課題をどのような点でとらえているのか。

(市長 答弁)
 地域支援事業への移行について、現在の介護保険と同等のサービスを前提に考えている。さらに充実したサービスとなるよう先進地などの取り組みについて調査研究を行っている。
 今後の課題として、アンケート調査で回答の多かった「電球交換」や「話し相手」といったきめ細やかなサービスや生活支援コーディネーターの配置など関係事業所との調整が必要と考えている。
 引き続き関係団体などと十分協議を行い、移行事務を進めていく。

(橋本 再質問)
 事業者との関係でいえば、「現在の介護保険と同等のサービスを前提」という考え方自体が、まだ事業者側と必ずしも共有されていないのではないか。
 特に小規模事業者ほど要支援の割合やそのサービス単価や基準の変動による影響が大きくなるため、今後の動向がどうなるのか、また事業者側としては不安に思っている事業所もあるのではないか。
 なるべく早い段階から説明や事業者との意見交換などの機会を設けていく必要があると考えている。

(市長 答弁)
 平成29年4月からの新しい総合事業へは、現行の給付水準で移行する考え。
 今後の進め方として、本年7月中に、関係介護事業所との協議を行う予定。
 11月頃をめどに、現行の給付サービスのほか、緩和した基準によるサービスの実施も含め、総合事業の全体像をとりまとめたい

(橋本 再質問)
 新しい総合事業の実施に向けて、生活支援サービスの充実、介護予防の取り組み、生活支援体制整備事業への準備、認知症への対応など第6期計画中に取り組むべき課題は多いものの、行政が丸抱えしている状態で関係機関や事業所との協議はまだ十分に進んでおらず、また地域住民側の理解や課題の共有化はこれからの課題になっている。
 ただし住民との関係では、今年度の高齢者見守りボランティア事業はその一つの契機にできる。ボランティア事業の意義や今後の新しい総合事業の展開について地域と十分な話し合いの機会をつくりながら、取り組んでいく必要がある。
 また、こうした問題を行政だけ、事業者や関係機関だけ、介護家族だけの範囲にとどめず、地域全体で考え支えるための仕組みに広げていく必要がある。

(市長 答弁)
 今後、地域包括支援センターを中心として事業所や関係機関をはじめ、市民との共通認識に立った、高齢者を支える仕組みについて、段階的な環境整備に取り組む。

2016年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 3/6

(2016年根室市議会6月定例月議会 橋本の一般質問のつづきです)

1.高齢者福祉、介護に関する諸課題

(3)介護従事者の人材確保に関する課題

 介護サービスに従事するスタッフの確保、特に看護職員の人材確保に大きな課題を抱えている現状にある。
 こうした中、新たな地域ぐるみの取り組み(本別町の福祉セミナー等)を始めている自治体もある。
 人材の情報提供、交流の仕組みづくり、介護職員の研修の取り組み、医療介護の連携など様々な課題に対して、事業者と行政が連携した「新たな取り組み」を検討することも必要ではないか。

(市長 答弁)
 今年度より、医師及び医療技術者を対象とした就学資金の貸し付け対象に、介護福祉士を加え、総合的な確保に取り組んでいる。
 この制度の周知や、地域ケア会議での情報交換や事業所アンケートなどから情報把握に努める。
 提言の交流の仕組みや研修の取り組みなどについては、関係事業所などと協議し、検討する。

2016年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 4/6

(2016年根室市議会6月定例月議会 橋本の一般質問のつづきです)

1.高齢者福祉、介護に関する諸課題

(4)高齢者無料バス券に関する課題

 今年度から1乗車100円の乗車料がかかるようになった高齢者バス券の給付の状況と交付者の反応をどうか。
 また、乗り継ぎに負担がかかっている問題について、事業者と十分に協議し、乗継料金の設定など対策をとる必要があるのではないか。

(市長 答弁)
 今年度の交付状況は5月末で2,270人(交付率36.7%)。前年同期と比べ-304人、-4.8%。
 優待制度の以降により、利用実態に即した交付となっていることが影響していると思う。
 利用者の反応では、数名の方から無料継続の話が出されたものの、外出支援サービス事業の継続性について一定のご理解をいただいているものと考える。
 乗継による負担のあり方について、今後利用者に対するアンケート調査などにより、実態把握に努め、バス事業者とも協議を行う。

2016年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 5/6

(2016年根室市議会6月定例月議会 橋本の一般質問のつづきです)

2.根室市の災害対策の諸課題

(1)熊本地震を踏まえた当市の課題について

 今回の地震被害をうけ、当市の地域防災計画などに照らして、課題・教訓とすべき点があるのかどうか、あらためて議論・検証をおこなうべき。

(市長 答弁)
 当市の地域防災計画はマグニチュード8クラスの海溝型地震を想定していますが、熊本地震のような直下型地震の発生も否定できない。
 建物の耐震化の促進、避難生活の長期化等を想定した避難所運営のあり方などが大きな課題と認識している。
 津波被害が想定される沿岸部では自主防災組織や住民の意識が高まりつつある一方、内陸部では自主的な防災活動が停滞している地域もある。
 災害時の「自助」「共助」「公助」の効果的な機能発揮などその重要性を再認識。
 地域防災力の向上を図るためには、これらを踏まえた検証・検討を進めていく必要がある。

(2)避難所の運営について

運営の人手が足りず市の業務に支障が生じた。要支援者への対応、子育て世帯・女性への対応など様々な点で課題が報道されていた。
住民自身が避難所を運営するための訓練、民間団体との連携など、避難所の運営のあり方について防災訓練を広げていく必要があるのではないか。

(市長 答弁)
 熊本地震では避難施設の被災による避難所の不足や人手不足による救援物資の停滞のほか、乳幼児への対応や女性への配慮の問題など避難所運営における諸課題が浮き彫りになった。
 これらは大規模な災害が発生した際には当市でも起こりえる課題。
 当市の避難所対策として、生活環境を確保するため、昨年度はプライベートスペース用のテントや間仕切りなども整備している。
 住民主体による避難者名簿の作成や炊き出し訓練は一部の地域で実施しているが、(避難所の)設営などふくめた訓練の実施までは至っていない現状。
 避難所は市などのバックアップのもと「被災者自らが行動し、助け合いながら運営する」ことが求められており、住民参加による避難訓練などの促進を検討したい。

(3)耐震改修促進計画の改定について

 個人住宅について、いまの補助制度だけでは耐震化が進まない状況。
 自治体として、地域住民(自主防)、事業者と連携し、さらに一歩踏み込んだ対応が必要ではないか。
 パンフレットなどによるPR活動も必要だが、例えば専門家(市職員なども)が町会・自主防災組織などと一緒に地域を訪問し、個別の家庭の相談にあたるなどの取り組みをモデル的に実施する等、いろいろな方法を検討する必要があるのではないか。

(市長 答弁)
 当市の計画の改定は、今月中に公表が予定されている北海道の耐震改修促進計画との整合を図りながらすすめていく。
 それと並行して個人住宅の耐震化に向けた取り組みとして、引き続き耐震改修補助制度の周知に努める。
 北海道との共催により市民の防災、減災意識の高揚を図るための「耐震セミナー」の開催に向け準備している。
 さらに出前講座の「防災基礎講座」などの機会を活用する。
 耐震改修補助制度の啓発促進の実施に向けて、庁内調整を進めていく。

2016年6月7日火曜日

2016年 6月定例月議会 一般質問の項目

2016年6月7日

6月定例月議会で、日本共産党根室市議団の3名が通告している一般質問の項目は次の通りです

6月14日(火曜日)

1番目 橋本 竜一
 1.高齢者福祉、介護に関する諸課題
 (1)2018年度介護保険「改正」における課題
 (2)新しい総合事業の実施に向けた課題
 (3)介護事業者の人材確保に対する課題
 (4)高齢者無料バス券に関する課題
 2.根室市の災害対策の諸課題
  (1)熊本地震を踏まえた当市の課題について
  (2)避難所の運営について
  (3)耐震改修促進計画の改定について
 3.根室市のエネルギービジョンについて
  (1)進捗状況について

2番目 鈴木 一彦
 1.子どもの貧困と低所得者への施策について
 2.障がい者施策について
 3.「公立学校適正配置計画」について

4番目 神  忠志
 1.領土返還をめぐる諸問題
  (1)領土外交の原則について
  (2)四島交流のあり方について
  (3)「地域財源」の確保対策について
 2.サケ・マス流し網対策と地域経済について
  (1)流し網対策の現状と課題について
  (2)漁獲量増大に向けた対策について
  (3)地域経済の実態把握について
 3.低所得階層の住まいをめぐる問題と課題について

2016年6月定例月議会の日程

2016年6月7日


根室市議会議会運営委員会が開催され、6月定例月議会の日程(案)などについて確認しました


6月14日(火)
 10時~ 本会議
  一般質問 5名(橋本・鈴木議員・久保田議員・神議員・足立議員)

6月15日(水)  10時~ 本会議
  一般質問 4名(佐藤議員・本田議員・工藤議員・永洞議員) 
  提出議案説明など

6月16日(木)
 10時~ 総   務常任委員会
 10時~ 産業経済常任委員会

6月17日(金)
 10時~ 予算審査特別委員会
 16時30分~ 本会議
  各常任委員長報告、意見書案など採決

  人事案件など

2016年6月4日土曜日

今年の貝殻島コンブが出漁

2016年6月4日

6月1日に今年の初出漁の予定でしたが、悪天候や波のうねりが強く、3日間連続で休漁になっていた貝殻島コンブ漁が本日スタート

朝6時に納沙布岬周辺の海域から、打ち上げ花火を合図に一斉出漁
珍しくガスのかからない穏やかな波の上を、大勢の方に見送られながら、各船が貝殻島周辺の漁場を目指してはしりだしました