2015年9月20日日曜日

2015年 根室市議会 9月定例月議会 一般質問 1/3

2015年9月15日に、根室市議会9月定例月議会で行われた橋本の一般質問の内容を一部抜粋・要約してご報告します

1.「経済財政運営と改革の基本方針2015」と社会保障改革について

(1)市民生活の現状と今後の給付抑制政策の影響について

(橋本 質問)
 「骨太の方針2015」では歳出改革の重点分野して社会保障、社会資本整備、地方行財政に対する抑制・削減の方向性を示している。
 社会保障分野は高齢化に伴い増加する自然増部分を2018年度までの3年間で、過去3年間と同程度の1.5兆円程度の増加を目安にするとされている。
 過去3年間と同程度といっても、この過去3年間は無秩序に社会保障経費が伸びたわけではなく、70-74歳の患者負担2割化、年金のマクロ経済スライド発動、生活保護扶助費削減などの改革を推し進める中で圧縮されてきたもの。
 今後の自然増を同程度に抑えるということは社会保障給付に対してこれまでの改革にプラスαで「新たな削減」対策を進めなければ達成できない、ということ。
 こうした国の政策方向性が市民生活に対しても大きな影響を与えるものと考えられるが、これらについて市長としてどのようにとらえているか、所見を伺う。

(市長 答弁)
 6月30日に「経済財政運営と改革の基本方針2015」が閣議決定され、平成32年度までに基礎的財政収支の黒字化を図るため、社会保障改革を重点分野に、医療・介護提供体制の適正化など、歳出改革に盛り込まれている。
 急速な少子高齢化社会の中で、子育て支援、医療、介護など、社会保障ニーズが拡充していることに加え、法定の各種施策をはじめ、様々な単独施策を展開するなど社会保障制度の充実が強く求められており、こうした課題に対応するための国の役割は大変に重要。
 今後、国の動向に注視し、福祉、医療などの市民生活に直結する社会保障サービスの低下に繋がらないよう全国市長会を通じ国に対し、要請する。

(橋本 再質問)
 連続的な社会保障削減に対して、それによって市民生活がどうなっていくのか、という観点で見ていく必要があると考えている。
 例えば市中の経済動向との関係では今後のサケマス流し網問題に関連する影響、つまり直接従事していた方や関連した産業に従事する方々の収入や生活状況がどうであるのか、という点から、そのときどきに何が起こっているのか状況の把握・分析をあわせて行っていくことが必要ではないかと考える。
 また今回の根室市人口ビジョンでも若い世代の結婚・出産・子育てに関して、特に結婚に関して「経済的理由」が多く不安要因として挙げられている。
 自治体レベルの対策として今後の総合戦略策定の中で進められていくことになるが、国の社会保障そのものが切り下げられてきている状況で本当の意味で有効な施策になっていくのか、とても難しい課題。
 現在の市民生活の状況と政府の政策動向を重ね合わせ、市民を守る立場から国に対しての発言をしていくことが市長答弁したように必要。
 その上で、市として出来る対策を都度検討することを重視しながら、市政施行を進めるべきではないか。

(市長 答弁)
 社会保障制度について、各種施策の具体的な内容や当市の地域性を踏まえ、市民生活に大きな影響を及ぼすことのないよう、引き続き「国と地方の協議の場」において、地方の意見が反映されるよう、全国市長会を通じ国に要請していく。
 今後も経済的な理由により、必要な社会保障サービス等が受けられないことのないよう、相談体制の充実はじめ、各種減免制度や生活困窮者自立支援制度の積極的な活用を促すなど、民生委員や地域との連携による見守り体制を強化しながら、相談事案に応じたきめ細やかな対応に努める。

(橋本 意見のみ)
 昨年の高潮災害のときに、市として様々な対策を俊敏に打ち出した。その一つで国保や税の減免窓口などを設置するなどの対策をとった。
 これからのサケマス流し網禁止も含めた産業や経済状況の変化による影響は、災害ほど急激なものでないかもしれない。
 市民生活への影響もどこまで広がるのか、十分に注視していかなければ、把握しにくい問題だと考えられる。

(橋本 再質問)
 市中経済の動向と関係なく高齢化の進行により経済力が低下し生活困窮となる市民が増えていく状況は、たとえば市の生活保護受給者の増加にもあらわれている。
 前述の社会保障削減は間違いなくこうした状況に拍車をかける。
 答弁で「見守り体制の強化」と言っていたが、地域にうずもれている人、声高らかにSOSを発信できない人、あるいは自分の生活に問題があるということを認識していない人もいる。
 今年度から生活困窮者支援の制度がスタートしたところだが、そうした制度をより有効に活用していくためには、地域の中でこうした生活困窮者をいち早く発見できる仕組みが求められるものと考える。

(市民福祉部長 答弁)
 今年4月から社会福祉協議会への業務委託で、「ねむろ日常生活サポートセンター」としてワンストップ型の相談窓口を開設。
 広報ねむろやホームページへの掲載をはじめ、関係機関への制度案内やリーフレットを配布するなど、広く市民周知を行なった。
 生活困窮者からの相談件数は、8月末現在では26件。
 生活上の課題を抱えながらも自ら相談窓口にアクセスできるケースばかりでないため、「待ちの姿勢」ではなく民生委員と連携し相談支援員による積極的なアウトリーチを行い、生活困窮者の早期把握・早期発見に努めている。
 生活困窮者に対する支援は、社会福祉協議会をはじめ、民生委員や地域との連携を図りながら積極的な相談業務を行ない、事案に応じて迅速できめ細やかな対応に引き続き努めたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿