(1)現状分析と市民意見の反映について
これから都道府県ごとに策定する地域医療構想は、国にとっては「医療・介護提供の適正化」にむけた重要課題。
いわゆる「病床削減」については国や道はそれを目的とするものでないとの否定する見解を示しているが、そもそも医療費を削減のために急性期を減らすというのが当初の目的。
さらに国として今後は都道府県の「医療適正化計画」とリンクさせる方向性などを示しており、今後さらにいろいろな形で影響などを強めていくことは十分考えられる。
都道府県ごとにいかに医療給付費を削減できるか競争させるための仕組みづくりであることが明確に示されている。
また地域が主体的に医療構想を議論したのだから、その実効性や実績に対して地域側の責任が問われてくるのではないかということも懸念している。
しかし医療や介護の給付費を抑制したい、というはあくまでも国の思惑。
それでは「地域医療構想」が地方にとってはどんな意味があるのか、ということをあらためてしっかりと考えていく必要がある。
(橋本 質問)
現在、北海道がすすめる地域医療構想策定に対して、自治体(および自治体病院)の役割は単純にベッド数をどうする、病院機能をどうするということだけでなく、
それぞれの地域実態をふまえた中で将来的な医療や介護・福祉のあるべき姿を議論し、その実現性を高めるための方策をつくりあげていくもの、と捉えている。
あらためて今後、地域医療構想策定にあたって市立病院だけでなく市としてどのような観点を重視して、取り組んでいこうとしているのか。
(市長 答弁)
地域医療構想は2025年を見据え、医療介護総合確保推進法に基づき、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築とともに、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、都道府県が医療計画の一部として策定することとなっている。
構想区域の設定は、2次医療圏を原則とし、地域における議論の場として地域医療構想調整会議を設置し、検討を行うこととされており、根室圏域においては、9月1日に第1回目の「根室圏域地域医療構想調整会議」が開催された。
その中で、道の策定方針、必要病床数の推計結果や今後の策定スケジュール等が示された。
市として、今後の少子・高齢化の進展、現状の医療・介護サービスの提供体制などの問題点や地域の実情を踏まえ、将来を見据えた構想となるよう、根室市外三郡医師会などの意見を伺い、今後の調整会議の場において道と協議していきたい。
(橋本 再質問)
まず前提として地域性を考えた場合に、現在の2次医療圏にもとづく地域医療構想区域から、さらに「根室市」を切り取って考える必要があると考える。
そのうえで、今から10年後に向けて、市立根室病院を中核として他医療機関、介護福祉機関などをふくめた根室「市内全体で」おおむね完結可能な医療機能のあり方(国の言い方だと地域完結型)を考えていく。
どこまでを市内でまかなうべきなのか、どこから他の地域と連携するしかないのか。そのための医療体制(主に人員体制)を実現させるための具体的方策はどうするのか等。
ただし、これまで市として医療(介護・福祉とのリンクについても)について「市全体」の構想を議論する場がなかったこともあり、こうしたテーマで広い立場から地域住民や介護福祉を含めた関係団体の意見をくみ取ることが容易でない。
また専門的な課題もあり一律なレベルで議論できる場を設定することは難しいかもしれないが、広い市民が参加できる地域医療問題を考えるシンポジウムなどの開催や、従来実施してきた出前講座の拡充(参加者やテーマを広げて)、関係機関との多様な懇談・会議の場の設定(ワーキンググループ等も)などの機会を数多く開催していくことから、まずはじめることが必要ではないか。
(市長 答弁)
道から示された策定方針の中で、医療・介護サービスの受け手である市民への説明や意見を伺う機会を設けることについて、現在、検討中であると聞いている。
市としても、広く市民の意見を聴くことは、大変重要であると考えている。関係機関と連携・協議しながら、必要に応じ検討していきたい。
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